グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<お知らせ>7月のトレッキング&セミナーは中止・7月16日、17日にお手伝いを募集しています。

7月23日に予定していたトレッキングと午後のセミナーを中止させていただきます。

8月の第4日曜日に開催予定です。

お申込みして下さっていたみなさんご迷惑をおかけします。

 

7月10日の豪雨により、グッドボーイハート七山校は裏側の警戒していた場所の土砂がゆっくりと落ちて家の裏にたまっています。撤去作業は大変なことが続いていますが、生活や仕事など日常は戻ってきました。

たくさんのお声かけやお見舞いのお言葉などをいただき、またすでにお手伝いに来て下さった方もいらして大変心強くお礼を申し上げます。

私たちの自宅は毎日の作業で本当に少しずつですが進んでいると思います。しかし、七山全体からするとまだまだ被災の爪痕が強く残っています。

地域の皆さんたちの多くも被災者となりましたので、今回は自粛し足元の作業に集中したいと思いますのでご理解下さい。

広場は健在でお預かりやレッスンは平常通り営業しております。犬たちはいつもとおり遊んでおり、こちらにも心救われます。

・お手伝いの方を募集しています。

明日の7月16日と17日のいずれかで、土砂撤去作業をお手伝い下さる方がいらっしゃいましたら、メールもしくはラインでご連絡下さい。

一気には片付きませんので少しずつでも前進しようという気持ちで行動しています。

※現場の状態や経過については後ほど追加でご報告いたします。

 

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異種間コミュニケーションの読み間違い“ひなとダンナくん編”

グッドボーイハートの山の学校では、日常的に様々な野生動物との小さな関わりがあります。

小鳥や昆虫は都市空間の公園や木々でも時折みられるものの、動物たちとの距離の近さが山では圧倒的に近くなります。

そんな日常の動物たちとのやり取りの中で起きた小さな出来事です。

ある日、訪問レッスンを終えて山の学校へ戻る前にダンナくんに業務連絡を入れると、こう報告がありました。

「ひなを発見、巣から落ちたらしい、蛇に食べられるのではないか、保護した方がいいのか?」

私の返答は「そのまま様子を見ること」。

私がすぐに小鳥を保護して欲しいというかと予測したダンナくんは「へーさすがだね。」とリターンを返し私が帰宅するのを待ちます。

帰宅後、ひなの状態を確認すると人を恐れて隠れるモード、周囲に親鳥たちが飛ぶ気配もまだありました。

ダンナくん、ひなが口を大きく開けて俺にエサをせがむのだと、そして親鳥たちが自分に攻撃しようとする様子も見られたとのことでした。

その口を大きく開けてエサをせがんでいるのだとダンナくんが受け取ったひなの写真を見せてもらいました。

ひなの写真の姿は、口を大きく開けて「あっちへいけ」と防衛のシグナルを見せているものでした。

これはエサをせがんでいるのではなく、あっちへ行けっていってるのだよということをダンナくんに説明すると、しごく納得した風でした。

鳥のことを知らなくても冷静に見ればそうだと気付く動物のシグナルも、受取間違いをすることがあるのは、そのときに人の中に「感情」が芽生えてしまうからです。

ダンナくんはこう思ったに違いありません。

「ひなが可哀そう、助けを求めている、このままだと蛇に食べられてしまう、俺が助けなければいけない…」

そんな気持ちが幼く弱者である動物に芽生えてしまうと、とたんに自分は相手の保護する立場となってしまいます。

こうした動物の異種間のコミュニケーションの小さな読み違いが、実は飼い主と飼い犬の間に日常的に起きています。

一番わかりやすく毎日のように繰り返されているのが「犬が飛びついてくるのは人が好きだから」です。

カウンセリングに行くたびに言われるのは「人が大好きなんです。お客さんが来ると人に飛びついていくんです。」というセリフ。

「とびつくのは人が好きだからではありません。」というセリフを、もう何万回いやもう何十万回も繰り返し言っている気がします。

コミュニケーションの読み違いを防ぐために動物の言葉を学ぶ方法はひとつだけです。

同種間のやり取りをよく観察することです。

コミュニケーションの読み間違いは同種でも全くないわけではありませんが、非常に少なくなります。

ひなと親鳥のやり取りを観察することはなかなかできませんが、ひなの口を開ける写真は、ひながエサをもらうときにする口の開け方とは違います。

わたしたちは室内に入ってひなが少しずつ山の方に上がっていくのを観察することにしました。

親鳥たちがひなを誘導するようにたくさん集まってきていました。

もしかしたら巣に戻る前に蛇に取られてしまったかもしれません。

そう想像するとかなしくはなりますが、それが野生なのです。

そんなサバイバルの中で学ぶためには、サバイバル脳になること。

犬たちの脳もサバイバル化すると活性化します。

 

ひなの写真はこちらです。

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グループトレッキングクラスを開催しました。

お天気が心配な梅雨の季節のトレッキングクラス。

「雨が降っても行きます!」と強気の生徒さんからの連絡もあり、できることをやればいいのだと望んだトレッキングクラスでしたが、生徒さんたちの祈りも届き無事に開催できました。


毎月開催しているといっても年に12回しかないグループトレッキングクラス。

みなさんのご都合が合えばご縁があったということ、貴重な時間だと感謝していっしょに山歩きをするひとときを楽しみました。


知っている顔も知らない顔も、いっしょに山を歩くことでたくさんの会話を交わさなくとも仲間意識が芽生えてくるから不思議です。

同じ風景を見て、同じ空間を共有して、いっしょに気持ちいいねと感じる時間が大切なのかもしれません。


実際に歩いていただければ、ひとりだとこんなに楽しくないのになと感じる時間になるはずです。

最初は知らない人や知らない犬に緊張することもあるとは思いますが、みんな犬を愛する気持ちはいっしょ、回を重ねていくうちに自然に会話が始まるようになります。

お互いに一気に近づき過ぎると離れるのも早くなります。

ゆっくりと近づくと離れる気持ちもゆっくりとになるはずです。

犬と人の関係性も同じようなものではないでしょうか。


そんなスローな山歩きクラスはゆっくりと過ぎていきました。

クラスの終わりには対面のクラスを開催しました。

毎回楽しい対面クラスですが、新米犬が登場して今回も盛り上がりました。


午後はお昼ご飯のあとに、有志の方々で子山羊を迎えるための柵の準備をしました。

子山羊の小屋などの制作がなかなか進まず、子山羊のお迎えが遅れています。

子山羊が来たらまたゆっくりと犬たちの社会化勉強が進みます。

やることがたくさんありすぎるほどあるのですが、どれも自分が望んだ時間です。

皆さんの人生の中にも、好きなこと、知りたいこと、楽しいこと、うれしいこと、ワクワクすることがいっぱい起きますように。

犬と巡り合えた皆さんには、ワクワクはいっぱいありますね。

来月のグループクラスのときには、たぶん子山羊が来ています。


楽しみ、楽しみ。

 

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ニコ・ティンバーゲンの「四つのなぜ」から犬について考える。

犬の問題を解決するためには、しつけ方のハウツーより犬を知ることから

犬との暮らしで最も大切なことは「犬を犬として理解する。」ことです。

といってもそう簡単なことではないから、犬の問題はあちらこちらで発生しています。

飼い主の犬に対する理解不足は、犬と飼い主との関係をこじらせてしまうのです。

結果として犬は吠えたり咬みついたりするという行動を通して、犬は飼い主との関係がうまくいっていない、生活自体に何か不安や不満を抱えているということを表現するようになります。

犬の問題行動を解決するために一時しのぎの対処法をやっても、抑えられたように見える行動は別のところに蓄積されてしまい決して犬はハッピーにはなりません。

犬との暮らしを大切にして、犬とお互いに幸せに暮らしていきたいなら一歩踏み込んだ解決方法に向かいましょう、それが犬を理解するということです。

犬の行動を理解するためにはいろんな方法があります。

例えば、尊敬するローレンツ先生が読み解いた犬の行動を参考にするということもその一つですが、自分で犬の行動について考えてみるという習慣を身に着けることも大切なことです。

自分で考える方法として、オランダの動物行動学者ニコ・ティンバーゲンの「四つのなぜ」を使うという手もあります。

 

動物行動学者ニコ・ティンバーゲンの「四つのなぜ」

動物行動学者ニコ・ティンバーゲンは1973年にノーベル医学・生理学賞を受賞した学者で、生物の行動を理解するために4つの問いからアプローチできると提唱されたことを「四つのなぜ」といわれています。

その4つとは次のとおりです。

1 仕組み ⇒ どのような仕組みでどのように使われるのか?

2 機能 ⇒ どのような機能で、どのような利点があるのか?

3 発達 ⇒ どのように発達したのか(生まれてから死ぬ前の間に)

4 進化 ⇒ 動物の進化の過程でどのように獲得されたのか?

 

さらに、その四つのなぜ(問い)は、その問いを解く要因としても分けられます。

①至近要因

②究極要因

③発達要因

④系統進化要因

動物行動学の用語なので、少し難しい用語ですが勉強されたい方のためにご紹介しておきます。

さて、では実際に犬の行動をこの4つのなぜに当てはめて考えてみましょう。

 

犬の穴掘り行動を四つのなぜで考えてみる

どんな犬でも必ず行う「犬が前脚で穴を掘る行動」を見て、なぜこんな行動をするのだろうかと考えることはあるでしょうか?

犬が穴を掘る行動を4つのなぜで考えてみるとこんな風になります。

1 仕組み ⇒ どのような仕組みでどのように使われるのか?

犬が前脚で穴を掘る行動で一番使われているのは、犬の鉤型の爪です。

グッドボーイハートにも大きな穴がいくつかありますが、すべて犬たちが掘った穴で本当にすごく深く掘ってあるものもありました。

一度は短時間、犬を繋いでいて見に行くと水道管がむき出しになるほど穴が掘られていて、その穴掘りの速度の速さに驚いたこともありました。

私たち人間の平らな爪ではあんなにがっつりと穴を掘ることはできません。

最近の室内飼育犬ではほとんど切られてしまっている犬の鉤型の爪は、犬が穴掘りをするためには必要な道具なのです。その爪を犬が持っているのが素晴らしいですね。

2 機能 ⇒ どのような機能で、どのような利点があるのか?

犬の穴掘り行動を見ていると、鉤爪のついた前脚を左右に動かすことを繰り返す行動で地面に深く穴を掘っていきます。

その掘った穴をどのように使っているかというと、大抵の場合にはその穴の中に寝ていることがほとんどで、場合によっては耳しか見えないほどの深い穴に入っていることもあるし、腹を地面につけるようにして寝ていることもあります。

隠れるために掘る穴、自分の体を冷やしたり癒すために掘る穴、ということでしょうか。

他にも用途はあります。

グッドボーイハートの広場にはモグラの穴がたくさんあります。その穴の中に鼻を突っ込んだときの穴掘り行動の早さは尋常ではありません。どんどんと鼻先を穴の中に突っ込むのような形で穴掘りが続けられます。

この場合には、捕食をするための穴掘りということでしょう。

また、お泊りに慣れていない犬が夜中にクレートの奥をかりかりと掘る音が聞こえてくることがあります。

これはまさに脱出のとき、私たちの寝静まったのを見て穴掘りで逃走をはかろうとしているのでしょう。

犬が穴を掘る利点はひとつではなさそうだということです。

3 発達 ⇒ どのように発達したのか(生まれてから死ぬ前の間に)

犬の穴堀り行動の始まりは、巣穴から出てくる年齢ではすぐに始まっています。

子犬は穴掘りを何よりも先にできるようになっています。

歩けるようになったばかりの子犬を見て来た経験では、哺乳期間が終わって自力で排泄できるようになる生後3週間になると穴掘り行動はすでに習得されていたと考えて良いではないかと思います。

穴掘りは、子犬が隠れ場所として利用する巣穴を奥深くまで掘る行動です。

子犬は危険を感じると穴のより深くに入って身を隠そうとしますので、早い時期に必要となる行動なのです。

4 進化 ⇒ 動物の進化の過程でどのように獲得されたのか?

進化の過程となると、他のイヌ科の動物と比較しなければなりません。

もちろんオオカミは穴掘り行動をしますが、他のイヌ科の動物たちもみな巣穴を作って繁殖する習性を持っていますので、イヌ科として進化した段階では穴掘り行動をしています。

イヌ科動物の始まりからとなると、かなり古い起源から犬は穴掘り行動を継承してきたということになり、犬という動物にとってかなり重要な行動のパターンであるはずです。

しかし、その穴掘り行動すらする場所がない、穴を掘るための爪がないとなると、犬の行動はこんどどのように変化していくのかわかりません。

犬という動物が人の膝から降りなくなり、抱っこされるのが当たり前だから穴掘りは必要ないとなってしまうと、犬としての魅力がぐっとなくなってしまうと思うのは私だけかもしれません。

私は穴を掘る犬の姿を見てワクワクしています。

犬の行動についてひとつずつ理解することで犬との関係は変わっていくはずです。


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参考文献:長谷川眞理子著書「生き物をめぐる4つのなぜ(集英社新書)」

※動物行動学者ニコ・ティンバーゲンの「四つのなぜ」をご紹介するために、一般の方にわかりやすく書かれた著書です。

長谷川先生はスタンダードプードルとの暮らしも著書で紹介されている犬好きのようです。

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唐津市でおすすめのドッグスクールとして【イヌカツ】様にご掲載いただきました。

全国の様々な犬に関する情報を掲載されている「イヌカツ」というサイトをご存じでしょうか。

こちらのイヌカツ様のページに唐津市でおすすめのドッグスクールとして掲載されました。

こちらも全く気付いていなかったのですが、唐津市の生徒さんからグッドボーイハート唐津校が掲載されているという連絡をいただいたことで知りました。

掲載ページはこちらです。

https://inukatsu.net/karatsu-dog-school/

ドッグスクールにはいろいろな形態があり、トレーナーの考え方や価値観もかなり幅が広がっています。

一度のドッグトレーニングを受けたことのない飼い主さんからすれば、何をどのように選んでいいかわからないという気持ちが率直なところだと思います。

グッドボーイハートでは、スクールの趣旨や方向性をできるだけお伝えするためにブログの定期的な更新をすすめています。

動画を見る習慣はあるけれど、文章を読む機会はないという方も、ブログを読んでいただければ当校の真剣さは伝わるでしょう。

また、初回カウンセリングを受講いただいてからレッスンに入るかどうかを決めていただくことができます。

飼い主さんご自身にあったドッグスクールとの出会いがあるまであきらめずに探して下さい。

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犬語セミナーで学ぶ「犬はなぜその行動をするのか?」を読み解くヒント。

お天気が味方になってくれたので今月もグループトレッキングクラスを開催しました。

はじめての犬たちも数頭デビューし、先日デビューした犬たちはもう先輩犬になります。


グループトレッキングクラスに参加している犬たちは、みんな家庭でのしつけクラスを受講された生徒さんたちです。

共通のルール、共通の価値観があればこそまとまることができるグループクラスの集団行動で犬たちも落ち着きを取り戻します。

グループトレッキングのあとは、犬語セミナーを開催しました。

犬語セミナーは犬と犬が対面する動画を見て、犬のコミュニケーションについて学ぶセミナーです。


動画を繰り返しみて、犬の尾や耳の形、犬の動きなどの犬のシグナルを読み解けるようになれば、ある程度は犬の行動の種類を推測することができるようになります。

犬語セミナーは繰り返しご参加になる方が多いため、参加者はかなり犬語を読み解けるようになっています。

落ち着かせ行動、警戒、威嚇、挑発、攻撃、興奮など犬の行動を表現する言葉が次々と飛び出します。

動画でみた犬の行動を種類別に分類できるようになると、次に知りたいのは「なぜ犬はそのような行動をするのか?」です。

犬の行動の目的について考えるために、人と犬の考え方の違いを理解しておくと少し犬の世界に近づきます。

例えば、犬は人のように長い時間の単位を持っていません。

犬は明日の事を考えて「今日は早く寝よう」と行動を起こすことはありません。

犬のしつけの中でも失敗しやすい傾向としてあるのは、教える側の人の方が自分のもっている過去と未来を持ち出して犬に接してしまうことです。

犬の行動は、犬が情報として脳内に持っている記録に基づき、入ってきた外的な情報に対してかなり反応的に行動をしているということです。

反応しているというと衝動的だと誤解されそうですが、そうではありません。

むしろ、犬は現時点にかなり集中しているのです。

今に集中しているというと犬の立っている場所は小さな点になりそうですが、同時に犬には深い情報があります。

犬は現時点に立っている、同時に過去や未来よりももっと深い記憶の中にいるのです。

生まれながらに遺伝的に受け継いできた情報を持っていて、犬のコミュニケーションのシグナルもまさに生得的に身に着けています。

この深い記憶の世界に犬が入っていくことができるようになると、犬の世界はぐんと広がります。

犬は犬として生きる時間をよりたくさん持つようになるでしょう。

そんな犬の世界を覗きたくて、犬をじっと見ています。

犬語セミナーに参加された方からいただく感想で多いのは「こんなに真剣に犬のことを学んでいる飼い主さんたちがいることに驚きました。」ということです。

皆さんの犬を知りたいという熱意というエネルギーがいろんなものを動かしていきます。

一緒に学ばせていただいてありがとうございます。


 

 

Posted in 犬語セミナー

名古屋の黒柴犬はなちゃんのお泊り日記

ゴールデンウィークを前にして名古屋在住のはなちゃんの飼い主さんから連絡をいただきました。

「今年のゴールデンウィークにはなを預かっていただきたいのですが…」というご相談でした。

黒柴犬のはなちゃんの飼い主さんははなちゃんが子犬のころにオンラインクラスを利用してトレーニングクラスを受講されました。

受講のご依頼を受けたときは、遠方だし近くに対面でアドバイスをもらえるドッグスクールがあれがそちらがいいのではないかというお話もしたのですが、どうしてもグッドボーイハートで学びたいという意欲を持っていらっしゃったので、お引き受けすることになったのです。

一年間ほどオンラインクラスを受講されて、はなちゃんはすくすくと成長していきました。

飼い主さんも定期的にはなちゃんと山歩きに出かけたりと、犬との暮らしを楽しんでいらっしゃるようでした。

そして「いつかはなを預かってほしい」と言われていたときに、コロナがやってきたのです。

移動が難しくなり、はなちゃんの預かりの話はそのまま流れていきました。

そのはなちゃんの飼い主さんから「あれから時間がたってはなももう4歳になったのですが、どうしても一度そちらに連れていきたいのです。」という連絡を受けました。

一度、はなちゃんに会ってみたいと思っていたこちらの方は大歓迎でお迎えの準備をいたしました。


名古屋から飼い主さんの車で移動してきたはなちゃん。

私と会うのも初めて、全く知らない場所で全く知らない犬たちとの合宿が始まりました。

「あなた誰?」「ここはどこ?」「お父さん、お母さんは?」

はなちゃんにとっては疑問だらけの預かり開始となり、なかなか警戒を解いてくれません。


ここは話のわかる犬同士でと、小鉄くんやバロンくんの手伝いも借りながら交渉を続けていきます。

小大将の柴犬の小鉄くんからしてもはなちゃんはお姉ちゃん犬です。

遠慮しながらの接触となりましたが、あまり積極的に関わることがなくガードの堅さが見受けられました。


連休にレッスンに来た女帝のゆいちゃんは弟分のチャメルくんにも参加してもらいました。

鼻高々にテリトリーを主張していたはなちゃんもゆいちゃんには少し尾を下げていました。

天候が良くてかなり時間を屋外で共に過ごせたことで、はなちゃんの行動は少しずつ変化してきました。


自宅付近や友達などで関わりを持たせられる犬が見つからなかったとのことでしたので、他の犬たちの関係については少し不安な部分もありました。

しかし、飼い主さんが真剣に育て上げられていましたので、拒絶や威嚇はなく、強く押しすぎることもなく、かといって逃げたり隠れるということもなく、自然と犬たちと関わるようになってきました。


最終日には、飼い主さんといっしょに尾歩山をトレッキングしました。

他の犬たちやプライベートクラスで参加した黒柴のななちゃんもいっしょにちょっとしたグループトレッキングができました。

トレッキングのあとは、散歩中のリードワークを実践で指導しました。

オンラインではなかなか伝わらなかったリードの使い方を、手取り足取りで実践していただくと、リードワークでの動きはとたんに美しい形に変わりました。

トレッキングクラスとリードワークの練習のために、飼い主さんと子供さんは日帰りで飛行機を利用して七山まで来て下さり、お父さんははなちゃんを車に乗せて長い道のりを名古屋へ向けて帰っていかれました。

はなちゃんの飼い主さんに「先生のところで学んで本当に良かったです。」と言っていただけたのですが、私の方こそ共に学ぶ機会をいただいて本当にうれしかったです。


実は、はなちゃんが到着するまでは、すごくがつがつとしたやばい柴犬を想像していました。

オンラインクラスでは映像があまり鮮明でなく、子犬のはちゃんの甘噛みに格闘するブレブレの激しい映像をみながら、相当やるやつなのかなと想像していたのです。

預かり希望が入った時には腕まくりするつもりで、どこからでもやってこいという気持ちではなちゃんが車から降りてくるのを見守りました。

ところが、車から降りて来たはなちゃんがとてもかわいらしいフォルムと表情の黒柴犬ちゃんだったため拍子抜けしてしまいました。

このタイプの柴犬ちゃんだったのねと、予定していたプランを変えてはなちゃんの預かりを模索しました。

名古屋から福岡までお預かりに来るなどと特別な経験をしたはなちゃんと飼い主さん、そしてそんなに遠くから七山まで犬と共に来て下さる飼い主さんと巡り合ったわたしたちグッドボーイハート。

何かの大きな力が巡り合いを決めているのだと思わざるを得ません。

福岡、佐賀、長崎と地域の飼い主さんとの出会いもまた大きな力によって実現されたことを忘れずに、大切にして共に学んで参ります。

はなちゃん、またいつか会えるといいな。

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5月のグループクラス&犬語セミナーのお知らせ

ゴールデンウィークもあっという間に終わってしまいました。

5月のグループトレッキングクラスとセミナー開催のお知らせです。

5月28日 日曜日

・10時~ グループトレッキングクラス

事前のお申込みが必要となります。

・12時15分~14時15分まで 犬語セミナー

事前のお申込みが必要となります。

 

いずれも雨天の場合には中止いたします。

中止は前日の夕方までに決定いたします。

先月は犬語セミナーをお休みさせていただいたので動画はたくさんたまっています。

整理整頓に追われているところです。

みなさまのご参加をお待ちしています。

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サントリーBOSSのCM「犬を飼っていない人からみた犬と飼い主の不思議な関係」

先日、車の移動中にラジオでサントリーの缶コーヒーBOSSのCMを聞きました。

あの宇宙人シリーズの「この惑星の人間は…」という内容で、私たちのごく普通の日常の中に不思議さを定義しくれる内容のペット編でした。

なるほどねとという内容だったので原文を掲載したかったのですが、ネットではコピーが見つからずある程度覚えていることを書いてみます。

CMの内容は、飼い主がペットの犬にしていることでした。

いくかのペットへの愛情ぶりを示す行為の中にペットの誕生日にはケーキを買ってお祝いをするというものがありました。

さらに、大切にされるペットとは真逆に夫の方はさげすまれているというような内容でした。

結局、この惑星ではペットがご主人のような感じであるというまとめで終わるのです。

大好きな自分の犬の誕生日なのだから、特別なケーキを購入してあげたりお誕生会をしてあげることがいけないというのではありません。

そこは飼い主の自己満足なのですから、好きだなけやったらいいと思うのです。

しかし、大切なことで絶対に忘れてはいけないことは「犬が本当に求めているのは誕生日ケーキじゃないでしょ。」というところです。

さらに宇宙人の言うとおり「どっちが主人か分からないじゃないか…」という問題は、犬にとって最もストレスのかかかる状態であるのですから大問題です。

犬が普段は目にしないバースディケーキという食べ物を喜んで食べるのは当たり前のことです。

でも、限られた生きている時間にはもっともっとワクワクすることってあるのではないでしょうか。

ペット化された犬には、犬としての本来の活動や喜びは必要ないと考える流れがあるということは知っていますが、私はまだ本来の犬とペット化した犬を完全に分けて考えることができません。

どんな犬種でもどんなサイズでも、どんなに可愛い風貌をしていても「君、犬だよね?」と考えてしまうのです。

最後に犬の生涯を決めるのは飼い主です。

みなさんにとって、犬とはどのような動物なのでしょうか。

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グループトレッキングクラスを開催しました。

この季節は毎日のように風景が変わっていきます。

緑や花がどんどん増えていく時期で、草木が伸びると昆虫が出てきて、小鳥が増えて、飛んだり這ったりする爬虫類も出てきます。

毎日が変化の楽しい季節に、犬たちとトレッキングするクラスを開催しました。


緑のじゅうたんがまぶしいくらいですね。

慣れている犬も慣れていない犬も、犬にとっては不思議な空間ですが、飼い主さんたちは仲間意識がちゃんとあってお互いを讃え合い、協力しあっているグループだから大丈夫です。


山歩きをするとわたしたちに見えてくる風景は犬の中ではにおいの世界ですが、この季節は新しい香りがどんどん芽生え始めていて、犬の鼻もふんふんと休まることがありません。

たくさんのにおいの分子を嗅ぎとり、嗅ぎ分けていく頭の中の作業は、囲われた室内のにおいを嗅いで生活している犬にとっては特別な時間です。


初めて参加した犬ちゃんも、久しぶりのトレッキングクラスで落ち着かない犬ちゃんも、ゆっくりとした時間で次第に興奮も覚めてきます。

トレッキングクラスのあとは有志による草刈大会&薪作り大会を行いました。

ほとんどの生徒さんは山での草刈りは薪割などやったことのない方々ばかりです。

山の中にこもって黙々と笹を刈る作業は地道で終わりのない作業です。

目標達成というレベルではなかなか進まず、スローマイペースが一番です。

草刈には犬も同伴してもらいました。

薪作りの方は、はじめてのチェーンソーでの薪割を体験してもらいました。

山暮らしの一部でも体験していただけたかと思います。

おかげ様で数週間かかるような作業がほんの半日で終わりました。

昨年から植え始めたつつじの谷に、さらに今年もつつじ苗を追加してもらいました。


三年後、五年後にどんな風景になっているのかが楽しみです。

育つもの、草木も、山も、犬も、人も、みんなでいっしょに成長します!

皆さんからやっていただいた分は、お預かりの犬たちのお世話に時間と体力を回してがんばります。


 

 

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