七山校が里に位置するところにあります。里というよりはどちらかというと山裾といった方がいいかもしれません。相棒の草刈機1号がついに修理となり、重量のある草刈機2号で茂った山裾を少しだけ刈り込みました。
野生動物の行動範囲は、山から里にかけてその環境に影響するため、その環境に影響を与えている自分が介在する作業との関連性に、関心が続きます。
建物の近くまで来るアナグマは、草がきれいに刈り込まれている環境でもゆっくりとやってきて、家の周囲の土の中から幼虫を食べては山へ帰っていきます。アナグマの行動も環境だけでなく、その個体の性格によって違いが出ているのだろうと感じます。
犬にも行動範囲が広い個体と狭い個体がいます。その行動も犬の周囲の環境によって異なります。ところが、犬の活動の範囲が広い方なのか、狭いほうなのかということを知るために犬の日常過ごしている行動のパターンをみても、正しい情報が得られないことがあります。
なぜなら、これらの個体情報は犬があくまで「自然に」活動していることで知ることができるからです。現代の都市周辺環境での犬の活動は動物としては「不自然」に限りなく近いです。理由は、家や庭などの囲いのある場所でのみ活動しそこから出ることがない、出るときにはリード(ひきづな)をつけているため自由行動がない、リードから解放されるのはドッグランなどの囲いのある犬用の施設の中、という環境で過ごしているからです。
冒頭の野生動物から見る行動の範囲を考えるとき、動物が行動をするのは自分の安全を確保できる信頼を重ねた上でその範囲を広げていきます。危険だと感じられるところには近づかなくなり、身を隠せるような場所があると里に近づきやすくなります。動物の行動は常に自分自身の安全の確保と関連しています。
犬の場合には、その安全を常に人が提供しています。小さな庭には危険が襲うことがなく、自由に庭内を行き来することになり、リードをつけているときには飼い主という管理者がそばにいるため多少危険な行為だと思われることがあっても、飼い主が犬を守るという行動で片付けられます。
たとえば、散歩中に力のない犬が力のある犬に吠えかかっていっても、リードがついている限り相手が反撃することもなく、吠えかかった犬がその危険性を知ることもないということです。
自らの安全を確保してそしてそれを行動として広げていくという動物の基本姿勢を、犬は身に付けるチャンスを失ってしまったように思えます。
犬が安心して行動しているのであればいいではないか、という意見もあるかもしれません。
ただ、こうした依存的に行動するようになった犬は、決して「安心して」行動していないことを証明する行動がいくつも現れています。
突然、何かに遭遇したときにパニックを起こして奇声を発したり、飼い主がいつも自分に関心を示したり要求を聞くことを試す行動を毎日くり返し行っています。
これも飼い主という存在が犬という動物に与えているひとつの環境ではありますが、その関係性にお互いの自律を見ることができるようになれば、もっと犬の行動は自信にあふれたものへと変化していきます。
そんな犬の姿をときどき見る瞬間があると、なぜかホッとしてしまいます。
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犬の行動範囲の真実:犬の安心は本当に獲得されているのか
チャリティ犬語セミナー開催!2016.10.23
チャリティ犬語セミナーを開催します!
グッドボーイハートのゼミナールクラス「犬語セミナー」が、はじめてグッドボーイハートを飛び出します。
今回はLOVEFMの「月下虫音(げっかちゅうね)」のDJ大田こぞうさんといっしょに漕ぎ出すことになりました。
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チャリティ犬語セミナー開催!! 2016.10.23(日)
オレのコトバを聴いてくれ!
大田こぞう × GoodBoyHeart
LOVEFM「月下虫音」担当 ドッグスクール(代表 宮武佐千子)
一部:犬の日常生活の映像を見ながら犬のコミュニケーションについて学ぶビデオセミナー。見過ごしがちな犬の些細な行動から、その瞬間の犬の気持ちや状態を知ろう!
二部ではかつて里山で暮らしていた土着の犬の仕事やその環境を紹介し、現代の犬と比較しながらその違いや変化について考える対談式セミナー。『月下虫音』で紹介しきれなかった『M スペ』の続きの話も!
・日時 2016年10月23日(日) 11時~14時(受付10時30分~)
・場所 西南コミュニティセンター
福岡市早良区西新6ー2ー92 西南学院大学内(※駐車場無)
・参加費 3000円(当日払)
・申込み goodboyheart7☆gmail.comまでメールでお申し込み下さい
↑☆を@マークに変えて使ってください。
(※定員になり次第締め切り)
・主催 大田こぞう×GoodBoyHeart(代表 宮武佐千子)
・連絡先 GoodBoyHeart TEL092-409-0749
・後援 LOVE FM
*このチャリティセミナーの収益金は公的な動物保護施設の犬や猫のために活用します。
収支報告はGoodBoyheartブログ内で行います。
https://www.goodboyheart.com/blog/
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犬語セミナーは犬を同伴せずに人が学ぶ「犬の行動学セミナー」です。
犬の行動学というと少し難しい印象を受けられるかもしれませんが、犬と暮らしている人ならみんなが感じている「犬はどう思っているんだろう。」「犬は何をしたいんだろう。」ということを、ただ単純に行動としてみていく勉強会です。
グッドボーイハートの犬語セミナーでは、日常の犬の行動やグッドボーイハートのクラス中の犬の行動など、いろいろなビデオを題材として使用しています。少人数でのディスカッション形式なので、少し複雑なコミュニケーションの読み解くことに楽しみがあります。
今回の「チャリティ犬語セミんー」は、犬語セミナーをはじめて受けられる方が多くなることと、大人数の方を対象とした形式になることから、いつもの犬語セミナーとは少し違った内容になります。
参加者ひとりひとりが自分で考える姿勢を大切にしながら、犬語の世界にふれていただけるようなセミナーになるよう、大田さんといろいろと作戦会議を重ねているところです。
二部では、月下虫音にわたしが出演させていただいたときに紹介した「里山での犬の暮らし」にふれながら
犬の習性と人と犬の暮らしについて、さらに深くを大田さんとはなします。
ラジオ放送では着地が不安定な話しになりがちですが、今回はみなさんと対面でお話できる機会なので今からとても楽しみにしています。
セミナーには犬を飼っていない方にも、ぜひ来ていただきたいのです。
犬は人の生活の中でもっとも身近な動物です。イノシシを見たことがない人は多くても犬を見たことのない人はいないでしょう。
人は自分の身近な動物がどのように変化してきたのかを知ることで、人という生き物の生き方やこれからを考えるきっかけになるからです。
これからもブログで、犬の行動についていっしょに理解をすすめていけるように書き込んでいきます。
セミナーの予習として活用してください。
このチャリティセミナーの収益は公的な動物保護施設の運営のために使用させていただきます。
現在、大変な状況にある熊本県動物管理センターへの支援も含まれています。
セミナーのご案内はこのブログとは別に、大田こぞうさんデザインのハガキを作成中です。
できあがり次第、動物病院、トリミングショップ、その他置いてくださるお店ならどこにでも設置させていただきます。(※8月26日ころ出来上がり予定)
店舗をお持ちの方で設置にご協力いただける方はぜひご連絡ください。
連絡先メールアドレス→ goodboyheart7☆gmail.com
↑☆を@マークに変えて使ってください。
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犬に「天罰」はいらない
犬育ての基本姿勢は昔からあまり変わっていないように思います。
時代に応じて、いろいろと変わっていくのは「犬のしつけ方・トレーニング法」です。
犬のトレーニング法は犬育ての基本姿勢とは違う面を持ちます。
「しつけ方・トレーニング法」の中に手法などのテクニックを含んでいるということです。
その手法のひとつ、忘れかけていた言葉を生徒さんから聞きました。
「犬に天罰を与えるように教わったことがあるのだけど、上手くいかずに結局しませんでした。」
というものでした。
「天罰」というトレーニング法をわたしも覚えています。
最初に犬のトレーニングを学んだのが訓練所に勤め始めたときで、もう30年以上前のことです。
訓練所では、先輩方からそのやり方を学んだり、やっていることの意味を教えてもらいました。
その中に「天罰」という手法がありました。
今ではほとんど使われることはない古い手法のため、ご存知ない方のために説明します。
犬のトレーニングやしつけ方で用いる「天罰」とはこのようなものです。
犬に「罰」を与えたい状況になったとき、たとえば、犬が食べ物を盗み食いしたとか
家具をかじっているとか、サークルの中で吠えているとか…そういった状況です。
そのような状況に、犬に対して罰を与えるというものです。
ただし、その罰は自分(=人)が与えていると犬に思われていはいけない、
それを「天罰」として与えるのだという手法です。
その「天罰」の与え方も様々であるようですが、たとえば空き缶に石などをいれておき
投げて音を出す、その際にも空から降ってきたように投げることで、犬には「天罰」だと
思わせるというものです。
ではなぜ、犬に罰を与えているのが自分(=人)だと思われてはいけない理由はいくつかあります。
人を嫌いにならないように、人を怖がるようにならないように、という理由だったり
人が見ていないと罰を与える人がいないため、それらの困ったことを人がいないときに犬がするというのが主な理由です。
なんとなく「なるほど」的な感じがして、天罰を試したことがある人もいるかもしれません。
でも、よく考えてみてください。
これらの中にはいくつもの矛盾があります。
そもそも、やってはいけないことを「いけない」と飼い主が叱責することで
嫌われたり、怖がられたりするようなら、そもそもその飼い主と犬の関係性に問題があります。
叱責ができるのは、群れの順位が上のもの、わかりやすくいえば親的存在です。
してはいけないことを叱責されたことで、親のことを一瞬は不快に思ったとしても、
お互いに尊重しあえる必要な存在であれば、関係性に問題はなくむしろ関係性はより深まります。
このとき、犬に善悪の判断を理解させる必要もありません。子供とて同じことですね。
まずはルールを一貫して決めている役割のものがいるので、そのものがルールをわかりやすく
伝えるというだけのことです。
もちろん、そのためには犬と人が関係性をつくる必要があります。
関係性は罰を与えることでは作れませんが、犬にはグループに所属し服従するという能力があります。
天罰という考え方は人の中にあるものです。
たとえば、人のものをこっそり盗んだあとに、転んで怪我をするようなことがあったときに
自分に嫌なことが起きたのは、自分が人に嫌なことをしたからだ、これは天罰だ。
そのような内容ではないでしょうか。
こんな因果関係で物事を考えるのは、人、それも大人であって犬には起こりません。
そして、敏感な犬はその「天罰」が飼い主が与えた罰であることをすぐに理解します。
なげたものから臭う飼い主の手の臭い、それが動かぬ証拠です。
万が一「天罰」が成功したとしても、その結末はこんなものでしょう。
犬は何か行動を起こしたときに恐ろしいことが起きたため、他の行動も制限がかかる
突然恐ろしいことがときどき起きる、犬はその環境に対して不信感をもつようになる
場合によっては、犬がとても神経質な性格になる可能性もあります。
神経質になった結果、犬はいつも人について回るようになり、「犬がお利口さんになった」と勘違いする飼い主もいるかもしれません。
犬は社会性の高い動物で、ルールに敏感です。
それが犬が群れ=家族というグループに所属している証です。
ルールを決めている人が誰かを知りたいと思っています。
止めさせたいことを犬にわかりやすく伝えるために「天罰」は不要です。
もし天罰法を使ったことがあるとしても、悔いる必要はありません。
犬は忘れ去ることの上手な動物です。
前向きな関係作りを望んでいます。
今日から、今から、犬のよき理解者としてひとつずつ学べばいいのです。
犬育ての基本姿勢は、犬と向き合う心の持ち方です。
関東から来た生徒さんから学んだこと
関東から夏休みを利用して帰省された生徒さんが、カウンセリング受講のために立ち寄られました。
15年前に1頭目のワンちゃんの子犬のために家庭訪問カウンセリングに伺ったあと、
パピートレーニングや成犬の家庭訪問トレーニングを受講されたご縁でした。
その後、ご結婚して関東地区に引越しされたのですが、昨年また新しい犬を家族として迎え入れたとのことです。
今回、15歳になったワンちゃんが元気に過ごしている姿を拝見して、月日の長さを感じました。
関東からは犬たちに負担をかけないようにと、車で休み休み時間をかけて移動してこられたとのことです。
立ち寄られた理由は、新しく迎えた犬がもう1歳を過ぎているのに、ご家庭でいろいろと
解決できていない問題があるということで、カウンセリングを受講したいということで連絡を受けていました。
関東でも子犬の家庭訪問トレーニングを受講したけど、問題が解決していないとのことだったのです。
どのような優れた犬のプロフェッショナルに出会えたとしても、飼い主さんの努力や向き合う力がなければ
犬のしつけやトレーニング、もっとわかりやすく言えば「犬との信頼関係作り」はすすみません。
ただ、過去に2頭のお世話をさせていただいた生徒さんなので、難しい環境の中でも根気強く犬との関係作りを
進めてこられたことを知っています。
ご実家からは福岡も七山も1時間程度ということでしたので、七山校で訪問カウンセリングクラスを受けていただきました。
犬の状態や環境についてカウンセリングさせていただくと、子犬のころに整えるべき環境を準備できておらず、
犬の行動や状態に問題が生じていることがわかりました。
子犬の頃の環境整備はとても大切です。
自宅内を子犬にどのように提供するのか
子犬の性質に応じてどのように接するのか
先住犬との関わりをどのように提供するのか
社会性を育てていくために必要な方法と時間をどう確保していくのか
多忙な上に多頭で迎えるとなると、その手順は少し複雑となり、小さなステップを踏むことになります。
家庭犬スクールや家庭犬インストラクターに相談したけど上手くいかなかったという場合には、
行き違いが生じている可能性があります。
今までに受講したというトレーニングの内容を聞いて「なるほどと納得がいきました。」
犬に「行動させるトレーニング」だけを教える家庭犬インストラクターもいるということです。
犬に行動させるトレーニングを中心とする場合には、グループのしつけ方教室や、スポーツ競技、
家庭犬のトレーニングテストを目指すクラスなどのクラス形式で行われます。
それが、家庭訪問トレーニングという形式でも実際には行われているということです。
たとえば、犬に行動させるトレーニングとは、オスワリ、フセ、マテ、ツイテを教えることや、
芸やトリックを教えることです。
これらは全て「犬に行動させるトレーニング」で、
飼い主が合図(コマンド)を出して犬が行動をするというトレーニングです。
これは犬の「行動を強化」するトレーニングです。
強化するためには陽性強化もしくは陰性強化という学習理論を用います。
陽性強化トレーニングは一時的に広まりましたのでご存知の方も多いと思います。
犬が行動をするとごほうび(いいこと)がでるという方法です。
陰性強化の方は、犬が行動すると今まであったいやなことがなくなるという方法です。
いずれにしても、犬に行動を起こさせることを目的としたトレーニングです。
犬は飼い主の「合図(コマンド)」に反応するため、飼い主さんもトレーニングにはまりやすく
ごほうびを伴うので犬も夢中になりやすいトレーニングとなりインストラクターも増えました。
このトレーニングと「犬を理解し、犬に必要な環境を整えるトレーニング」は別です。
合図に反応させるトレーニングが必要な時期と必要な環境もあります。
それも「使い方次第」ということで、合図に反応させることが目的ではありません。
飼い主の希望するトレーニングと、家庭犬インストラクターの提供するトレーニングがあっていなかったため、
問題がそのままになってしまい、犬への?が関係作りを一時的にストップさせてしまったようです。
短い時間でしたが、現在起きていることと最初のステップについて説明し、クラスは終了しました。
犬の行動やコミュニケーションについても多くの受け取り違いがあり、飼い主さんの方の誤解についてもすぐに認められ、
「ごめんね、言いたい事がいっぱいあったんだね。これからがんばるからね。」と約束されていました。
プロとして情報を提供するわたしたちの方も、飼い主が選択しやすいようにわかりやすくしなければいけない
と感じたカウンセリングでした。
今日、注文していた名刺が届きました。
わかりやすくするために名刺の裏にGoodBoyHeartの理念を記しました。
「犬を理解すること」
「人と犬が共に成長すること」
「自然とのつながりを通して調和すること」
GoodBoyHeartはまだまだ成長中です。
それでも目指していることは16年前と変わりません。
犬のことを知りたい、理解したい、いっしょに成長したい。
そして、犬とよりより関係を作っていきたい。
そういう方はぜひ共に学びましょう。
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犬語セミナー10周年<福岡クラス開催>
グッドボーイハートが犬語セミナークラスの開催を始めて10年がたちました。
犬語セミナーは、犬を同伴しないクラスです。
犬と暮らしていない方も参加できるクラスです。
地味だけど、犬を理解するクラスとしてコアなファンには人気があります。
今日はグッドボーイハート福岡事務局でのはじめての開催です。
ここ8年間はグッドボーイハート七山校で、山歩きクラスのあとに開催していました。
犬がグループクラスに参加できないとか、少し年をとってきてペースがあわないという飼い主さんを対象にして福岡で開催することになりました。
犬語セミナーは、いろんな状況で撮影した犬と犬のビデオ、犬と人のビデオを見ながら「犬のコトバ」について学ぶクラスです。
動物行動学の手順「行動を観察する→行動を分析する→行動を評価する」という過程を、参加者全員で行っていくゼミナール形式です。
講師が説明するだけでなくひとりひとりが答えを考えるので、犬語の習得が進みます。
今日のお題ビデオは「成犬と幼犬の初対面行動」「幼犬と幼犬の初対面行動」です。
幼犬はコミュニケーション力が未熟で性質形成が終わっていないため、行動もぼんやりとわかりにくいところも多くあります。
性質形成途中であるからこそ知りたい、子犬の本質のようなものが行動に見られます。
また、子犬が対して飼い主がどのように接しているのかも知ることができます。
ビデオで見る利点は、客観的に見れること、そして細かくみることができることです。
犬の行動は早く肉眼ではとうてい全てを見ることはできません。
ビデオで見ると、細かいシグナルをいくつも知ることができます。
犬がいかにコミュニケーション力が高いのかということを知るきっかけにもなります。
ところがクラス中はわかったと思ったことが、実際に犬をみるとわからなくなることがあります。
生身の犬を見ると感情が入りすぎて自分の目を曇らせるため、思い込みで見る習慣が身に付いているからです。
相手のしていることが自分のことが好きなのだと思い込んだり、
相手の欠点も長所に見えてきたり、相手の嫌悪的なコミュニケーションが見えなかったり…。
なんだか恋愛と同じですね。
だから「わからなくなったとき」はチャンスだと思ってください。
「わからなくなる=迷う」のは、自分が見方を変えようとしているからです。
クラスの目的は「犬を理解すること」です。
単純だけど毎日の生活の中で忘れてしまうことはないでしょうか?
犬が好き、犬を愛している、いつも犬といっしょにいたい、犬と過ごしたい。
そんな気持ちはずっと継続します。
でも自分の気持ちが高まりすぎることが優先してしまい、
犬の立場にたって考えることを忘れてしまうことがあります。
次回の福岡での犬語セミナー開催は9月22日(祝日)13時~です。
10月には犬語セミナーが始めてグッドボーイハートを飛び出します。
詳細は近日お知らせしますのでお楽しみに。
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犬の自律神経を整える
ブログ記事「天候と犬」では,
犬にも自律神経がありそのバランスを崩すと心身に不調が起きることをお伝えしました。
自律神経を整える方法については、人間の健康維持でも知られています。
その方法は様々ですが、犬にも通じるところが多々あります。
たとえば、動物と太陽との関係です。
規則正しくする生活習慣をとりいれて、自律神経を整えることができます。
ブログ記事「天候と犬」では、気圧によって変化する自律神経がバランスをとろうと働くことを書きました。
自律神経は太陽が活動を始めると交感神経が優位となり、太陽が沈むと副交感神経が優位になります。暗くても活動ができる夜行性といわれるイヌ科動物も、活動の中心は太陽が活動しているときで、日中以外です。
犬の自律神経が不安定になると、犬も昼夜逆転となり昼間に寝ていて夜間に徘徊するという行動をすることもあります。
太陽が昇ると目をさます犬は、健康な犬である証拠です。
子犬は太陽とともに目覚める元気がありますね。
夜型中心の人の生活にあわせてしまい、「散歩に行くのは日が沈んでから」という生活になると自律神経に負担をかけます。
この暑い季節にはそうなりがちですが、散歩にいく時間を早朝とし、夕方はできるだけ気温の低い、行き着けの自然環境に近い場所や山へ出向くなど、できることをひとつでも考えてみてください。
自律神経は呼吸にも関連します。
自律神経がバランスを取り戻そうとするときに混乱を生じると動悸や心拍数の上昇が起こります。
自律神経を整えるためには、意識して呼吸をゆっくりとする練習があります。
ところが犬に「ゆっくり呼吸してください。」といっても通じません。
でも、できることがあります。
犬は飼い主の状態に影響を受けやすいです。特に室内飼育となり飼い主との距離感が近くなると、飼い主の状態はすぐに犬に伝わります。
ということは、飼い主の呼吸が早くなったり荒くなったりすることにも影響をうけ、飼い主が安定した呼吸をするようになるとそちらにも影響をうけます。
緊張しそうになったら「まずは飼い主が深呼吸」。
犬と暮らす中でのコツのひとつです。
自律神経を整える方法は他にもまだたくさんあります。
少しずつ書き綴っていきます。
さて、今日は福岡市内を広範囲に移動しました。
車の中の暑さに深くため息をついて信号停車をし、横をみてビックリしました。
七山?池原地区?
グッドボーイハート七山校の住所です。
「おいしい水と空気、自然の宝庫」
ほんとうにその通りだと深くうなずきます。
ここのお米食べたらその自然の力を味わえるということでしょうが、
犬だったらそこに行っただけで、自然の力を受け取れます。
携帯で写真を撮ることなどないのですが(五年に1回くらい)
バテそうな私へのプレゼントだと思い「ありがとうございます!」と記念撮影してしまいました。
みなさんいろんな力とつながっているのだと思います。
犬が教えてくれた「山とのつながり」は、わたしにとっての大切なつながりのひとつです。
山には秋風が吹き始めています。
明日は山の日らしいですが、山はすべての犬の心の中に存在しています。
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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チャリティ自然療法セミナーへぜひ!
先日、知人がグッドボーイハート七山校の「オポのすごした場」訪れてくれたとき、蚊かブヨにさされたようです。
それで、知人に「ビワの葉エキス」を手渡しました。
「え?何これ。」と不思議そうにビンをみています。
「え?ビワの葉ですよ。」
その知人も自然環境に生活されているので、ビワの葉エキスはすでに愛用されていると思っていました。
ビワの葉エキスを使っている方なら、この液体の炎症を止める力のすばらしさに感動したことが一度はあるでしょう。
実は、わたしも生活の中に「自然療法」をとりいれています。
ビワの葉エキスはそのひとつです。自然療法というほどおおげさなものではありませんが
確かに自然の力による作用があります。
薬や西洋医学を否定するつもりもなく、もちろん西洋医学の恩恵も受けています。
ただ、自然の力を感じたいという気持ちからです。
自ら試した自然療法は、犬にも用いたこともありますし、犬から学んだ自然療法もありました。
「自然療法」というと、特別なものと思われることもあります。
確かに自然療法は、独自の姿勢を持つもののように感じることもあります。
また、その自然に向き合う姿勢を知りたいと思う気持ちも真実です。
さて、来月9月4日(日)に開催する「ペットのための自然療法セミナー」の申込み期日が近づいています。
このセミナーの開催のきっかけについては、ブログ記事「自然療法セミナー」をご覧ください。
PDFファイルでもご覧いただけます。
ペットのための自然療法セミナーチラシ
申込み期限は8月31日です。
一般の残席はあと10名になりました。(8月8日時点)
現場の獣医師の先生が、一般の方に講演してくださる機会はなかなかありません。
犬や猫と暮らしていて「自然療法」に関心のある方はすでに申込みをされたかもしれません。
今は必要としていない方にも、このセミナーで動物のための自然療法にふれる機会としてご利用ください。
自然療法が動物医療の現場でどのように取り入れられているのか、聞いてみたいなと思いませんか?
病院が近くにないとき、災害がおきてすぐに医療行為を受けることができないとき、自然療法だったら
どのような準備ができるのかなということを、知りたいと思いませんか?
当日は、大分の猟師さんがつくった新鮮「鹿肉ジャーキー」のチャリティ販売
熊本被災の動物たちのためのチャリティバザーを同時開催します。
申込みはこちらのメールにどうぞ。
kumanimal.gp★gmail.com
(★を@に変換してください)
当日みなさんにお会いできることを楽しみにしています。
暑さと湿度で身体も心もこたえます。
どうぞ、犬も人も養生の日々をお過ごしください。
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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天候と犬<夕立>
ちびっコワンコの初トレッキングクラスを終了した後、涼しい七山校で過ごしました。
いわゆる「下界」(※都心部から七山に上がって来られる生徒さんたちが、なぜか都心部のことを「下界」といわれるので)に比べると気温は10度近く低く、午前中は「エアコン入ってますか?」といわれるほどの涼しさです。
午後になると夏日でじっくりと焼かれた家の中の気温は少しずつ暑くなり、15時くらいには扇風機回そうかなと思うほどになります。
こんな時「今、夕立が降ったら涼しくなるのにね。」と思う日々が増えています。
七山で過ごすようになってから10年ほどの間に、夕立が年々減っていると思います。
そういえば、小学生のころに福岡の博多地区に住んでいたことがあったのですが、夕立の思い出があります。
母といっしょに、慌てて洗濯物を取り込むという光景は昭和の日常でした。
天候の問題だけではなく、土が少なくなることで地表の温度が上がっているお知らせではないでしょうか。
日中庭で過ごす犬たちが気がかりです。
雨が降るときは気圧が低気圧になります。これは犬の行動に変化を与えます。
気圧の高低が動物の自律神経に影響するからです。
高気圧のときは交感神経が優位になり、低気圧のときは副交感神経が優位になります。
副交感神経は休息の神経で体を休憩させるため、よく寝るようになったりしますね。
自律神経は体の状態を外環境に適応させるために調整を働くのです。
ところが夏の夕立は急激に気圧が下がります。
急激な気圧の低下は、自律神経が副交感神経を優位にしすぎたり、落ち着けなかったりして調整がうまくいかなくなり不調を感じます。また、自律神経は血液の循環に影響しますので、自律神経の混乱により血液の循環にも影響を生じ、全身症状へと向かう事もあるため、病気がちな犬や老犬では心配されるような症状が出ることもあるでしょう。
犬の自律神経は行動に影響をしているため、トレーニングでも重要視する犬の仕組みです。
「自律神経を整える」ということを聞かれたことがあると思います。
でも、犬が「自律神経を整えようかな」と運動を始めることはありません。不自然な体操や食べ物を使って体を動かしてあげる体操や運動などは犬の自律性をさらに損います。
自律神経を助ける方法は、自律神経に負担をかけないということです。
続きは次回。
犬の習性<分配する力>
犬と猫が人のそば暮らすようになったのは、「食べ物」を人の近くで得られたことでした。
ですが、犬と猫ではその過程が違います。
猫は人の環境の中に増えたネズミを食用するため、人の住処の近くにテリトリーをかまえるようになりました。
ネズミは害虫のため、人にとってこれは助かることです。積極的に猫を人の近くにおくようになり、ペット化されていきます。
犬の場合には少し違います。
犬は人の食べ物の残りものを狙って、人のテリトリーの近くをうろついていました。
人に見つからないように身を潜めて好機が来るのを待ちます。
そのとき、暗闇で他の動物が近づく気配があると、犬は「ウー」と唸り声を出します。
これが、人にとっては貴重な合図となり、自分自身の身を守る方法として人は犬を必要としました。
そのため犬に食べ物を積極的に与えることで犬が人の近くにいるようになり、人は使役、食用、ペットとして犬を利用する機会を得たのです。
「ペットとして利用」という言葉に抵抗を示されることがあるかもしれません。ペット化は否定されることではありませんが、人につく「家畜化」では崩れなかった犬の本来の性質が、ペット化によって変化してきたという事実はあります。
人が犬を飼うこと=ペットというわけではありませんが、人の愛玩の存在として利用されるようになることがあるという事実からは目をそらすべきではないと思います。この話しは少々時間がかかります。文字では限界を感じますのでまたいつか。
話しを元に戻します。
犬は人から食べ物をもらうようになりました。これは犬の動物としての本来の習性に適応していました。
イヌ科の動物は、群れのメンバーのうち狩りに出て獲物をとる動物と、食べ物を待つ動物にわけられます。
子犬は成犬が食べ物をもちかえるのを待ちます。
獲物をとった犬は成長した他の犬にも、子犬と同じように食べ物を持ち帰ります。
運搬できるものであれば口にくわえて持ち運びます。
そうでないものは一旦、胃袋に収めた上で「吐き戻し」という行為によって、他のものに与えられます。
子犬が親犬の口をペロペロとなめるのは、この「吐き戻し」行動を誘引する行動なのです。
結果、犬は食べ物を分配しているということです。犬が「群れ」という社会集団を構成する上で重要な習性です。
食べ物を分配する行為は、多くの動物で見られるように感じれるかもしれません。
自分の子にあたる動物に分配することは、ネコ科の動物でも同じことです。
これに対し、イヌ科動物は自分の子でなくても、群れのメンバーに対して分配を与えるということです。
人と暮らすようになった犬は、人から食べ物を分配してもらうことになります。
このことは結果として、人に対する群れのメンバーとしての関係を高めることにつながります。
イヌ科動物の分配には、別の情報も入ります。
群れを構成する犬は、その群れの中に順位制をつくります。
誰が何をするという役割分担で、その中には誰が優先的に食べものを得るのかということも含まれます。
優先的に食べものを得るものが、好きなだけ食べていいということではありません。個々が群れの一員として、群れが存続するために必要なものを得てバランスをとる必要があるからです。群れが健康に存続することが、犬の個体の強さにもつながっていきます。
分配の過程で順位付けがあいまいになっていると、争い事がおきることがあります。
人から食べ物をもらう行為に、犬が興奮行動などのストレス行動を伴うのはこのことが理由のこともあります。
(ブログ記事「ゴハンのときに興奮しますか?」を参考にしてください。)
分配がうまくいかないのは、人と犬で構成された群れ内の順位付けがあいまいなためです。
もしくは多頭飼育の場合にも、分配がうまくいかずトラブルになる例があります。
人と犬で構成された群れの分配力は、その順位付けが影響し、それは群れの健康の度合いを示しています。
家族のメンバーが代わったり、犬が老齢化してくることで、順位が一時的に不安定になることがあります。
でも、それもしっかりとした健康な群れであれば、すぐに安定を取り戻すことでしょう。
この分配力ですが、実は人社会でもこの分配力を高めた結果、今の住居を固定する生活を安定させてきました。
食べ物をつくり、家畜を育て、そしてそれを分配する家族という構成です。
動物としては違う人と犬が、分配力については同じ習性を発揮しているのです。
犬の分配力は、人と群れを構成するようになった過程を示す重要な犬の習性(本来の性質)です。
犬の習性が十分に生かされるような環境と関係で、犬の分配力を育ててください。
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グッドボーイハート畑部☆部員募集☆
犬と共に自然を肌で感じながら生活するという時間をいただいたとき、最初に思いついたのが「畑をつくる」ということでした。
ところが、最初につくったこの畑はすぐに終了してしまいました。
理由はいくつかあります。
他にもすることがたくさんあったため後回しになった。
おいしくて安い野菜が近くの産直店で手に入った。
失敗が続いた。
根気がなかった。
など、結局は努力不足ということです。
初期の小さな畑はオポを釘付けにしていました。
簡単にできるのだと思ったトマト、キュウリ、カボチャ、オクラ、ナスの苗を植えていたのですが、そのうちトマトとキュウリはオポの大好物だったからです。
柵をつくったけど届いてしまうミラクル
普段は食器の中に入っているトマトや人の手をつかってしか食べられないキュウリが、目の前にぶら下がっているのです。
「え、それまだ早いでしょ。」という出来具合のものを片っ端から食べてしまうため、結局、畑に柵を作ることになりました。
このことで、わたしは入れてもオポの入れない空間ができてしまい、そのことがわたしを畑から遠ざけてしまう理由にもなってしまったと思います。
その後、畑部は一度復活しました。
若い生徒さんたちが「先生!畑を作りましょうよ。」といって開墾を始めたのです。
七山校のクラスに参加するたびに手入れをしてくれたのですが、日々の手入れは必要です。
畑の面倒をよくみず、雑草の中に野菜たちが埋もれていくようになりました。
これで畑部は解散となりました。
そのグッドボーイハート畑部が、このたびついに復活します。
今回は新しい畑部長Kさんが畑の開墾をはじめてくれました。
灰を混ぜ込む2回目の耕し作業を終えられたところです。
部員のわたしも積極的に参加せねばと奮い立ち、畑横の竹やぶ払いを行いました。
助っ人にお手伝いいただき、畑に風がとおるようになりました。
食べるものを育てるという基本的なこと。
頭ではわかっていてもなかなかできません。
自然の生活に近づくことも、大切なこととわかっていても同じことです。
そういうときは、誰かがやるのを最初は見守ったり手伝ったりすることでもいいでしょう。
グッドボーイハート畑部の畑でとれた野菜を、人と犬がいっしょに食べられるようになるまで
がんばります!
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熊本被災ペット支援ネットワーク
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