Author Archives: miyatake

30年来の犬の訓練士の友人と再会して盛り上がった犬の話。

30年来と年数を少しごまかしていますが、実年齢の計算に影響するのでご了承下さい。

犬の訓練士の友人とは、若いころに一緒に盲導犬育成施設で働いていたことがありました。本当に若い頃にです。

私が盲導犬の仕事から離れたあとも、なんどか機会をもって話しをしており、オポにも3回ほど会ってもらい、以前あった博多のドッグスクールや、今の七山のスクールにも来てくれました。

盲導犬の育成事業は、盲導犬の育成を通して視覚障害者の方々の自立支援を行うことを目的とした福祉事業です。

仕事の内容は多岐にわたる多忙な彼女と話せる機会もなかなかないのですが、短い時間でもスキルアップされていることを実感できました。

犬の話の中では、繁殖の話、性質の話、現状の話。

犬に対する一般的な見方の変化や、変わるもの、変わらないもの。

盲導犬の育成と家庭犬のトレーニングは全く別のものではありますが、共通する大切にしていることもいくつかあります。

最も共通していると感じるのは「犬と人の関係性」についてです。

盲導犬だから、人のために働く犬だから、人と深い絆を結べるわけではありません。

その犬の出生から活動する現在にわたって関わるすべての人々がそれぞれの人としての役割を果たすことで、犬の中に人とのつながり=関係性というものが生まれてきます。

それは、人が一方的に犬から受け取るという形では成り立たず、やはり人も犬に対して与える必要があるのです。

訓練の中ではもっとも大切なことができない犬が増えているという話も、家庭犬も同じような状況だと共感しました。

その多忙な彼女に、この令和4年の夏、おそらく7月くらいに、グッドボーイハートでのセミナーの講師をお願いして即答でOKをもらいました。

犬と暮らすグッドボーイハートの勉強熱心な飼い主さんのために、どんな話をしてもらおうかとワクワクと企画中です。

近々詳細をブログにアップいたします。

楽しみにお待ちください!

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マツコ・デラックスさんが大好きな猫を飼わない理由を深く考える。

ほとんどテレビを見る習慣がありませんが、見識のある方の意見を聞きたくてたまに見る番組があります。

そのひとりがマツコ・デラックスさん。

知識がすごいというだけでなく、ものの見方が深い、最もだと思うことが多いので話の中で学ぶべきことが多い方です。

そのマツコさんが、番組の中で「大好きな猫を飼わない理由」を尋ねられ、答えた内容が本当にごもっともな内容でした。

犬を飼いたい方、すでに犬と暮らしている方にもご紹介したくてこちらに記載します。

マツコデラックスさんのことばはこちらから

「猫を飼うくらいでは、この怠惰な人間が矯正できるとは思っていないの。

猫が幸せあって思える状態にしてあげられない気がする。

自分が都合よく癒されたいときは、わーってやるけど、じゃそれ以外…

ねこだっていやされないといけないじゃない。

その状況っていうのを、物理的にも精神的にも作ってあげられる自信がまだないし、なかなかに踏み切れない。」

こういうご意見でした。

大好きだからこそ相手を理解し思いやる気持ち、どうでしょう。

自分が犬に癒されたいときにはわーって犬に近づき、触って、抱っこして、抱きしめて。

自分が癒されたいときは、犬の背中をなでたり、首元を触ったり、犬をずっと見ていたり。

癒されたいと思っていなくても、多くの時間、犬を眺めたり見たりしてしまうのは、そのことが結果として癒されているからなのです。

結局、犬と暮らしている方のほどんどは犬によって癒されています。

逆に、犬が癒される状況っていうのを作ってあげられるかと考えている飼い主がどのくらいいるでしょうか?

もしかしたら、飼い主に抱っこされたり、触られたり、キスをしたりすることが犬にとっての癒しと勘違いされているのかもしれません。

ただ、マツコさんのこの言葉の中にあるように、人が癒される犬や猫に対する行為で犬や猫の方が癒されるということはないということです。

では、犬や猫という動物が癒される状況ってどんな状況なのでしょう。

猫のことはわかりませんが、犬のことだったらどうでしょうか。

一日の人と暮らす時間の中で犬が癒されている時間は、どのような場所でどのように過ごすことなのでしょうか?

そう深く考えてしまうと犬を飼うことができなくなってしまいます。

実際に犬を飼ったけれどその犬が他界したあとに犬を飼うことができない飼い主の中には、この疑問にぶつかった結果、犬が癒される状況を準備することが今はできないという結論にいたる場合もあるでしょう。

すでに犬との暮らしが始まっているなら「犬が癒される状況ってなんだろう」と深く考える必要があります。

なぜなら、癒しを求めている犬が目の前にいるのです。

その犬の癒しのためにおすすめしたいのは、自然の中で過ごす時間です。

とりあえず、まずは自然の中でゆっくりと過ごす時間を持ってみて下さい。

犬の動きや表情の中に都会で見るのとは違う何かを見つけられるようになれば、いつのまにか犬と自然の風景の中にいる時間が長くなっていきます。

新緑のまぶしい季節です。

ぜひお出かけ下さい。

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雨が苦手で散歩をしない犬、雨でも元気に遊ぶ犬たち、いったい何が違うの?

今日は一日よく雨が降りました。

雨でもトレッキングクラスに来きてくれた犬ちゃんがいます。

いつも福岡の都心で土のにおいを嗅ぐ生活から離れているためご機嫌斜めな犬ちゃん。

少しでも癒しを感じられる時間を過ごしてほしいと、飼い主さんが犬ちゃんを連れてやってきました。

まれに「雨だと嫌がって散歩に行きたがらない」とか「雨だと外を歩きたがらない」という犬の話を聞くことがあります。

特に柴犬に多いようで、雨の日は脚が濡れるのを嫌がって全く歩こうとしないというのが飼い主さんの言い分です。

ところが、この雨の日、トレッキングに来た犬ちゃんも柴犬でした。

この柴犬ちゃんの飼い主さんの話を聞くと、自宅周辺の散歩は雨の日にはショートカットするらしいのです。

なのに、七山では降り止まぬ雨の中、本当にすごく雨が降っているのに、草の中を一気に歩きだしていきます。

飼い主さんもその姿を不思議そうに見ていました。

雨が苦手だと思っていたけれど、都会の雨が苦手なだけで、自然の中では雨でも活動したいという欲求がでたということです。

預かり中で泥遊びをしていた犬ちゃんも柴犬くんたちでした。


水たまりの中に自分から入っていって草をひろってみたり、水を前脚でかいてみたりして自由に遊んでいます。

実は私も、七山では雨の中を歩くことを苦に思うことはありませんが、街中では雨の日に外を歩くことが好きではありません。

わたしの中では、苦手なものがより苦手になるという気分です。

犬がどのように感じているのかはわかりませんが、同じような気分なのではないでしょうか。

活動が広がる場所で犬たちは成長し発達し、そして癒されます。

土のにおい、草のにおい、きれいな空気、自然の中でふる雨音には、ただただ癒されるばかりです。

天気がいろいろでもトレッキングクラスは開催しています。

犬と山。

もっともっと近くなりますように。


 

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甘噛み&とびつき攻撃とワンワン攻撃、破壊攻撃に負け、犬に完全に奪われたテリトリーを奪還せよ!

トレーニングクラスを受講された生徒さんからのクラス受講の感想文です。

今回はミニチュアダックスフントのディーンの飼い主さんからいただきました。

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先生と初めてお会いしたのは、昨年の3月でした。

我が家に2代目のミニチュアダックスフンドが来たのは1月末です。

先代犬は女のコでしたが、今回は3ヶ月のミニチュアダックスの男のコのディーンを迎えました。

 

ペットショップでディーンをショップで抱き上げたときにとても元気なオス犬でしたが、このコだと連れて帰りました。

先代犬は大人しくて、あまり手がかからないミニチュアダックスの女のコでした。

だから今回も大丈夫!と思って子犬のディーンとの生活が始まったのです。


ところが、ディーンは甘嚙み、要求吠えが激しくなかなか収まりません。

排泄もいろんな場所でしてしまうし、家具を破壊してしまいます。

さらに散歩に出しても全く歩くことができない状態でした。

前のコと明らかに違う、これはプロに任せないと大変なことになると思い、グッドボーイハートさんを見つけました。


早速、カウンセリングをお願いし先生に見て頂いたところ、すごい状態になっていることがわかりました。

わたしたちは、ディーンに天下取らせてしまっていたのです。

カウンセリングのときにすぐにトレーニングクラスをお願いしました。

家庭訪問レッスンで先生に言われた事を日常生活で取り入れるのですが、これが大変でした。

ディーンとの暮らしでは先代犬の時と180度接し方を変えなければいけないので、飼い主の方が何度も葛藤しました。


先生の言われることが本当にディーンにいいのだろうか…と以前の接し方に戻ったりします。

このままトレーニングを続けていれば本当にディーンは良くなるのか… と不安も生じます。

ディーンと向き合う日々が辛くなり、何度も手放そうかと思ったりもしました。

でも、やり始めたのだからとあきらめず、訪問レッスンと預かりレッスンをお願いして継続したところ、ディーンが1歳になる頃変化が見え始めたのです!!

こちらのコマンドを理解し始めてディーンが合図に従うようになってきたのです。

ディーンに服従心が出てきたのだと感じることができました!


ディーンは今1歳5ヶ月になりましたが、夜はクレートの中で朝まで静かに寝てくれて、家ではほとんど吠えることがありません。

わたしたちがご飯を食べてても、もらえないと思ったら諦めて自分のベッドで寛いでます。

来客時も以前はずっと吠えていたのですが、今は最初に数回吠えるくらいですぐに落ち着いてます。

先生に出会えて本当に良かったです。

グッドボーイハートに出会えてなかったかと思うとゾッとします。


先生が言われていた「3歳の扉を開く」までは油断禁物ですが、ディーンはどんどんお利口さんになってきています。

犬を知ること、犬と向き合うこと、諦めないこと。

大事なことをここで教えて頂きました。

今ではディーンのことが可愛くて仕方がありません(笑) 手放さなくてほんとに良かったです。

先生、本当にありがとうございました。

これからもよろしくお願い致します。


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同じ犬種を迎えた飼い主さんの中に、ディーンの飼い主さんと同じく「前の犬とどうしてこんなに違うのだろうか?」と困惑されている方は結構多いのです。

純犬種の犬を選ぶ理由の中に「犬の性格がわかりやすい」ということもあるかもしれません。

そして迎えた犬がたまたまおとなしいタイプの犬だったとすると、この犬種はとても飼いやすい、次に迎える犬も絶対に同じ犬種にしよう!となるのも当たり前のことです。

ところが、犬は機械ではありません。

同じ犬種であっても、犬の個性は様々です。

ディーンちゃんも、先住犬のミニチュアダックスフントとは全く違う性格をもった犬だったのです。

 

ダックスは飼いやすいという固定観念から脱するのにしばらく時間がかかるため、そのうちにおとなしくなるだろうと子犬期の接し方も、前の犬と同じようになっていました。

吠えたら抱っこ、甘噛みしたらボール遊び、部屋はすべえ解放して、おもちゃは山のように与え、なんなら人のものもどうぞという感じです。

犬にすべてを与えてしまい、犬の要求に応じるように接してきたことで、ディーンちゃんに誤解をさせてしまうことになりました。

犬に伝わってしまったメッセージは「あなたのルールで暮らしていいのよ。」でした。

クレートの中では数時間にわたって吠える、吠える。

さすがに参ったと白旗を上げそうになる飼い主さんに代わって、お預かりクラスでクレートトレーニングを完了させました。

環境が変われば、行動も変わる。

犬のトレーニングの基本中の基本を、お預かりクラスで実現させただけです。

クレート中の吠えはすぐに止まりました。

管理するのは飼い主ではなく、私。

自分の王様部屋はもうありません。

周りにはかなわない犬ばかり、犬たちは私に従っている様子。

ひとりで反発を繰り返したディーンちゃん、間違えて奪ってしまったチャンピオンベルトをなかなか外そうとせずにごねました。

でも、こちらは大自然の中です。

敵は私だけではありません。孤立化するにはあまりにもリスクが高いと理解したのか、やっと私たちのグループに入ってきました。

お預かりクラスのあとは多少落ち着いて過ごしていたディーンちゃんも、ムクムクと以前のチャンピオンの思い出が振り返ったようです。

飼い主さんへのワンワン攻撃が出たり消えたりの繰り返し。

気を許せば噛みつき行動で脅しをかけてくることもありました。

 

サイズは小さいですが、犬の噛みつく行動に立ち向かうためには知識だけでは足りません。

なんどかラインで辛いお気持ちを送ってこられたこともあります。

しかし、ディーンちゃんの飼い主さんは、「このコを飼えるのは自分たちしかいない」という強い気持ちでディーンちゃんに向かって下さいました。

結果として、ディーンちゃんを飼い主さんのグループの中で犬がいるべき立場に落ち着かせることができたのです。

常に上に挑戦しようとするタイプの主張の強い性格の犬は、なかなか気を抜くことができず飼い主さんとしては「大変な犬」となりがちです。

犬に対して「来るなら来い!」という気持ちでいることを楽しいと思えるようになるまでは、ただ辛いばかりです。

大変のように思えますが、この犬に対する態度を持つことで人はかなり強くなります。

人としてもパワーアップして充実した毎日を送れるようになるでしょう。

ディーンちゃんのあらゆる攻撃に勝利した飼い主さんは、人としてとても強く成長されたのではないかと思っています。

犬はそれぞれの時期に何か大切なメッセージをもって私たちの前に現れるメッセンジャーです。

そのメッセージは時に辛いこともありますし、受け取り難いと感じることもあります。

でも、そのメッセージを受け取ることができるのは、やはりわが犬がかわいく愛おしいという気持ちです。

飼い主さんの言われるように。犬のことが愛おしく感じられるようになったのは、犬がおとなしくなったからだけではありません。

飼い主が犬に真正面から向き合った結果、お互いに何かつながりを感じられるような関係が築き上げられたからです。

犬を見れば、飼い主が犬とどのような時間を過ごして来たかがわかります。

初回のカウンセリングのときにもわかるし、レッスンを終了したあとに再会したときにもわかります。

その犬の表情を見たとき「やったね」と犬に話しかけることをいつも楽しみにしています。

ディーンちゃんに今度再会したら「やったね!」と言えるのを楽しみにしています。

Posted in 受講生のコトバ

おやつがあればできるオスワリがなぜ散歩中にできないのか?

家庭訪問レッスンで、犬に何を教えているのかを飼い主さんに尋ねると「オスワリはできます!」とのことでした。

犬にオスワリをどのようなときにさせていますか?

と質問すると、おやつを与えるときにオスワリをさせているということでした。

それで、散歩中にオスワリを定期的にできるように練習をして下さいということになったのです。

ところが、散歩に出ようとして玄関の戸口のところでオスワリをさせようとしても、もうオスワリをしません。

「おやつがあるとできるんですけど…」と飼い主さん。

おやつがあってもできるオスワリが、おやつがないとできないのでは犬のしつけとはいえないのです。

犬の方は「オスワリとはおやつをもらうときにする合図」と覚えてしまったのかもしれませんね。

それで、もう一度「散歩中のオスワリ」の合図を新たに教えることになりました。

散歩中のオスワリの合図は、移動のときには私があなたをリードしていますよと伝える意味があります。

散歩中のオスワリの形は「座って見張る」の形ですが、飼い主側が犬に合図という形で要求をしたらそれに応えて下さいね、と伝えるのが散歩中のオスワリの合図です。

トレーニングを開始するまで散歩中のルールを伝えていなかったことと、飼い主と犬の関係性を伝えきれていなかったため、犬の方はなかなか役割交代に応じてくれませんでした。

リードでオスワリを伝える練習を私が最初にやってみて、次第にオスワリに応じるようになってから飼い主さんに交代しました。

今まで頑としてオスワリをしなかった犬ちゃんが、リードの合図に応じてオスワリをするようになりました。

リードはふんわりと持って、犬の体重が少し後ろにかかりように操作しているだけです。

リードのショックや首輪のチョークなどは不要です。

飼い主さんご家族も犬のオスワリの姿を見て、感動されていました。

リードを持っている飼い主本人は「犬と気持ちが通じ合った感じで心地よいです。」と言われていました。

その感覚を飼い主がリードで感じられるようになるということは、犬も同じような感覚をリードを通して感じているはずです。

オスワリの本当の目的と意味とやることの価値を知れば、毎日の散歩の練習にも楽しくなります。

できるようにさせる。

できることを繰り返すこと。

犬のしつけの基本を押さえて、練習頑張って下さい!

グッドボーイハートの訪問レッスンで、散歩中にオスワリする犬ちゃん

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日差しに当たりたい季節に犬を庭に出してあげましょう。

週末は花見にでかける車で渋滞にはまりましたが、季節が良くてきれいな若葉や花を見たいという気持ちがまだ人間の中にあるということにホッとしています。

福岡に小さな庭があるので週末は預かりの犬ちゃんたちを遊ばせながら庭木の手入れを楽しみました。

庭木の手入れに集中しはじめると、犬の行動が一辺してしまうのことが不思議です。


私が何もしないでただ座っていたり、スマホをいじっていたりすると犬たちは私にまとわりついたり走り回ったりして落ち着きません。

ところが、高枝切ハサミを持ち出して作業を始めると、落ちてくる草木をにおったりと周囲の探索が始まります。

私が庭木の手入れという形で環境に影響を与えているのがわかるようで、切った枝葉が地面に落ちるたびににおいを嗅ぎに行き、口に入れてみることもあるし、運んで調べていることもあります。


2頭の犬たちはそれぞれに自分の今やっていることに集中しはじめて、お互いにちょっかいを出したり、逃げることもなくなります。

庭にひとつだけ出していたピンクのボールには全く興味を示さず、ただ人工的なおもちゃはそこに置かれたままです。

犬の行動の安定を引き出すために何ができるのか、犬が自然に興味関心を持つものを提供するためには何を準備すればよいのかをいつも考えていますが、答えはやはりここにあるようです。

犬の脳がゆっくりと動き、犬の中に幸せや豊かさが広がっていくのは、犬がずっと暮らしてきた土の上、草の香り、木々に囲まれた空間。

その中で、得意の犬の鼻を使って調べ、何かを探し歩きながら自分の頭の中に地図をつくっていくこと、これこそが犬が「大丈夫」と思える瞬間です。

暇そうな犬の時間をトリートボールやおやつ探しゲームで埋めようとすると、犬の脳内は食べ物で埋め尽くされてしまいます。


都会の庭はすぐに乾燥してしまうので、野菜や花をなんども植えましたがなかなかうまく育ちません。

七山の手入れはもっと時間がかかるため、忙しいを理由に進まないことばかりです。

でも、犬が自分のそばにいてうろうろとしてくれていると、できなかったことも進むようになるから「やる気」はやっぱり犬が与えてくれているのかな。

そんな犬たちのために、この季節や庭に犬を出してあげて下さい。

庭のない方は、そろそろ庭を持っているご実家に帰省したり、もしくは山歩きに出掛けましょう。

家を買うなら庭付きしか考えられないし、新しく建てるならやっぱり庭を作って下さい。

すべては犬が犬として、人と暮らしていくために。

飼い主としてできることはまだまだたくさんあります。

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4月~5月の連休中のお預かりクラスの受付について

連休中のお預かりクラスの受付を開始いたしました。

頭数制限をさせていただきますので、預かりをご希望の方は早目にご相談下さい。

送迎についてはご希望時間にお応えできないこともございますので合わせてご相談下さい。

トレーニングが途中段階で以下のような行動が見られる場合には、この期間はお預かりをお断りさせていただくことがございますのでご了承下さい。

・クレートトレーニングが完了していない(クレート中で吠える、排泄するなどの行動がある)状態の犬

・他の犬や人に対する攻撃的行動があり、管理に特別の場所を必要とする状態の犬

・逃走行動傾向があり、管理に特別の場所を必要とする状態の犬

詳しくは個別にご相談下さい。

 

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4月のトレッキング&犬語セミナー開催のお知らせ

今月の犬語セミナーは以下の日程で開催します。

4月24日㈰ 12時~14時

場所 グッドボーイハート七山 オポハウス

参加費 おひとり2500円(税込)当日払い

ご予約制 直前のキャンセルはご遠慮下さい。

定員有

 

同日 10時~11時30分までグループトレッキングクラスを開催します。

トレッキングクラスだけのご参加も可能です。

お申込みはラインもしくはメールでご連絡下さい。

 

犬語セミナーとは

犬のコミュニケーションと習性について学ぶ犬の行動学のセミナーです。

犬の動画を見ながら犬の行動を確認しながら学びます。

少人数制のセミナーでゼミナール形式をとっています。

皆で話ながらワイワイと犬について語る楽しいセミナーです。

ご予約はメールもしくはお問い合わせフォームからお願いします。


 

 

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トレッキングクラスと犬語セミナーを開催しました。

梅が満開となった気持ちのよい一日。

尾歩山(おぽさん)でのトレッキングクラスを開催しました。

初めてのグループトレッキングクラスに参加の飼い主さんと犬、

長年毎月、月参りのようにご参加いただいている飼い主さんと犬、

みんなグッドボーイハートで共に学ぶ大切な仲間です。


頭数が多めのクラスになりましたので、大変長い列になりました。

後ろの方は先輩方で固めて、慣れない犬と飼い主さんたちが先を歩きます。

山の中にはいろんな動物のにおいや、木々のにおい、草のにおいがあります。

犬たちがどのような情報を得ながら歩いているのか、鼻の効かない人間は知る由もありませんが、犬たちの真剣かつ楽しそうな表情や行動を見ることがトレッキングクラスの楽しみです。


クラスの終わりには対面のクラスも開催しました。

2回目、3回目という数の少ない対面でも、様子は少しずつ変わってきます。

いつも勢いよく飛び出す犬もいれば、いつも逃げてしまう犬もいます。

毎回変わっていないように思えても、何か変わってくる兆しがあるかもしれない。

そんなワクワク感をいだいて挑戦していただければと思います。

 

トレッキングクラスのあとは、犬語セミナーを開催しました。

ビデオの素材はグッドボーイハートの犬たちがほとんどです。

できるだけ知っている犬の映像を見ることで、自分が犬をどのように見ているのかがわかるようになります。

直接あって感じる感覚と、ビデオで学ぶ犬の行動学、近づいているでしょうか。

みなさんが楽しく受講して下さることを感じると、また来月もがんばろうかなと意欲もわいてきます。

 

セミナー終了後は、数名の居残りをお願いした生徒さんたち、そしてダンナくんと共に裏の土砂崩れをした場所に、つつじの花を植えました。

育つのに何年かかるのかわかりませんが、つつじの庭となるように少しずつ植えたしていきます。

こんな山奥でいろんなことをやらなければいけないと思うのか、できることがあって楽しいと思えるのか、同じやるのでも気持ちが違えば人生が違います。

犬も同じではないでしょうか。

犬と暮らして面倒だと思うことはたくさんあるかもしれませんが、犬がいるからこそできる活動こそが犬と暮らす楽しみになるはずです。

犬は触ったり抱いたり見たりすることで喜びを感じるのはもちろんですが、それ以上に犬とともに活動できるという喜びの方がずっと大きいと思えるのであれば、こんなに素敵なことはありません。

犬との山歩き、犬について学ぶセミナー。

犬と暮らしたからこそ生まれた面倒でも楽しいことばかりを、みなさんとまた一緒に楽しみましょう。

来月もまたご参加をお待ちしています。

 

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犬に求められるのは原始的(プリミティブ)もしくは斬新さなのか?

犬にはいろんな形、色、柄、サイズがあることが犬を飼うことの楽しみにもなっているようです。

犬は他の動物と比較しても多種多様に変化した特別な動物であるようです。

犬の繁殖に対して人為的な介入がなされているということを含めても、ここまでいろんな形を生み出す種類の動物が他にあるでしょうか。

そのいろんな形をした犬も、そもそもは世界各地区に存在したイヌという人の介入なしに生活していた動物から発しています。

そのイヌが人為的な繁殖によって特別の形やサイズに系統づけられて「純血種」として作り上げられたのは今から200年ほど前です。

純血種の繁殖は、はじめは「目的別」に、つまり犬をどのような目的で人のために活用するかということを目的に作られていました。

しかしその犬の役割は機械にとって代わるようになり、犬にはその用途として働く必要がなくなってきます。

純血種の繁殖はそのまま「人の求める形への犬の進化」に変えられていきます。

それは主にヨーロッパ地域で始まり、洋犬種の「純血種」としてそれぞれに定義づけられました。

定義付けたのはケンエルクラブという貴族のクラブでした。

今皆さんのそばにいる、様々な種類の洋犬の純血種はまずここで純血種という血統として位置づけられその後は同じ種類の純血種同志の繁殖が繰り返されているのです。

同じく日本でも柴犬保存協会や四国犬保存協会といったグループによって、日本の純血種を作り上げ、現在でもその種を保存できるように努められています。

その一部がペットとして飼い主の元にわたり生活を共にしているわけです。

純血種の繁殖にはいくつかの目的があったと思いますが、これらは以下の二つのどちらかを選択された結果です。

ひとつは原始的であること。

原始的とは、イヌという家畜化される前の日本でいうところの山犬としての性質をできるだけ残していこうという選択です。

原始的な繁殖を目指したものが日本の純血種、柴犬、北海道犬、紀州犬などそれぞれの地域の特徴を残した地域に根付いた山犬の末裔です。

以前ブログでもご紹介したとおり、日本オオカミの遺伝子構造に一番近い動物が柴犬であるという論文からも、その繁殖の目的がうかがえます。

逆に、イヌらしからぬ形を求められた繁殖もありました。

毛の抜けないプードル、ほとんど毛がないイタリアングレーハウンド、鼻のつぶれたシーズー、背中の曲がったボルゾイ、ふわふわの毛のビジョンフリーゼなども、すべて人が求めたからこそできた純血種なのです。

つまりは、人が犬に何を求めるのかによって、犬の形や機能は大きく変わっていくのだということです。

日本でとても流行っている豆柴犬などは、柴犬としての原始的で犬らしい形が好みだけれど、性質としてはおとなしくお人形さんのようであってほしいというわがままな人の欲求によって生まれた種類の犬です。

確かに豆柴は形は和の犬で、中身は機能性が低く管理しやすいペットとなったことでマンションでの飼育もできるようになりました。

しかし私はこの状態に少し複雑な気持ちを抱くのです。

人はなぜ犬と暮らしたいと思うのでしょうか。

犬を抱っこしていると自分が安心し安らげるから、犬が自分にとって癒しの道具になるからでしょうか。

それとも、犬という動物の能力や機能性の高さを知り、その機能が発揮されることに喜びを覚えるからでしょうか。

もしくは、犬の機能性を自分の生活の一部として役立てたいという目的を持っているからでしょうか。

犬に斬新さを求めすぎると犬は犬という動物としての機能性を失うことになり、もはやいつか犬ではなくなってしまうかもしれないということを、私は不安に思っているのだと思います。

この国内においては、犬は人の介入なしに繁殖することはなくなってきました。

野良犬や野犬といった存在もなくなり、餌付けされている野犬たちも近親交配状態に陥っています。

犬を愛するみなさんが「犬がかわいい」と思うからただ飼うのだというとてもシンプルで幸せな気持ちはぜひそのまま大切にしていただきたいと思います。

犬としての機能が落ちていったとしても、可愛ければよいではないかという意見もひとつの価値観です。

ただ、ひとつだけ知っていただきたいことがあります。

失っていく機能の中に、犬が最も大切にしている「群れ」のシステム、そしてそれを維持するための「コミュニケーション」もあるのだということです。

どんな動物にとっても最も大切なもの、それは「コミュニケーション」であると私は思うからです。

彼ら犬から、コミュニケーションの機能と群れを維持する機能を奪いたくないのです。

ひとりひとりが犬を知って犬を見張ることで、犬がこれからどのように変化していくのかを歴史を見届けられるでしょう。

私は見届けていきます。

犬の末路までずっといっしょに。

柴犬、雑種犬、豆柴犬たち

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