先日のオンラインクラスの際にご質問を受けたのは「犬の脳の発達について」でした。
「犬の脳の発達」というと仰々しく聞こえるかもしれませんが、動物が幸せに生きていく上で脳の発達について考えるのは当然のことです。
犬の心身の機能は脳の機能にゆだねられているのは人と同じことです。
「犬の脳」などというと「犬にも脳みそがあるのですか?」と冗談抜きで言われたこともあります。(本当に冗談抜きで!)
つまりは、単純に「犬を飼う」ことだけの簡単なことなのに、なんでそんなに面倒なことを考えなければいけないのかという疑問なのだと思います。
しかし、犬の行動があまりにも不安定で、不健康なものになっていくこの時代に、あえて「犬の脳の発達」というそろそろ考えなければいけないことを飼い主さんに考えていただいても良い時期ではないかなと思っています。
そうはいっても、飼い主として「犬の脳の発達」のためににやらなければいけないことはそれほど難しいことではありません。
犬の脳を発達させるために一番身近にあって活用するべきなのは「家の庭」です。
庭とは自然を家の空間にきりとって持ち込んだものです。
日本でなく海外の都市空間の家には必ず「庭」があります。
国は違えども人は自然空間と切り離されて生きていくことはできません。
それを身をもって知っているからこそ、家の敷地の中に「小さな自然=庭」は必ずありました。
その小さな自然として切り取られた「庭」で犬を活動させることが、犬の脳の発達のためにすぐにできることであり、また最も効果的な方法です。
博多の小さな庭にできるだけ柔らかい土が戻ってくるように雑草を育てているのも、少しでも犬たちが「庭」で過ごす時間ができるようにと考えたからです。
もちろん、私自身も都会で息がつまりそうになることを回避する空間にしたいという思いもありました。
以前からブログ記事に書いていることですが、マンションで庭がない方も、ご近所や友人、知人、親戚、実家などなど、あらゆる手を使って自分の犬が庭とつながりを持っていられるように努力すべきです。
犬ができるだけ幼少期から始めた方がよいことをお伝えしておきます。
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犬の脳を発達させるために「庭」の活用は必須です。
プライベート・トレッキングクラスを七山で開催しました。
不安定なお天気の合間に、プライベートトレッキングクラスを開催しました。
いつもグループトレッキングクラスに参加してくれているゴールデンリトリバーの犬くんです。
グループクラスとプライベートクラスでは、トレッキングの内容もお話することもまた全く違います。
山歩きをしながら犬ちゃんの状態を聞いたり、環境の変化やそれに伴うご相談などプライベートならでは個別相談に応じられるのがプライベートクラスです。
また、プライベートでのトレッキングクラスでは、グループクラスとは違う目的をもって歩いています。
自制とバランス。
そもそものトレッキングクラスで身に着けたい犬の行動に焦点を当てながら歩いていきます。
今回、クラスを受講してくれた生徒さんと犬くんは、家庭での訪問レッスンを終えられて普段の生活では落ち着いて犬との暮らしを楽しまれています。
そんな楽しい犬との生活をつづけながらも、もっと深い人と犬の関わりについて、さらに一歩ずつ進んでいかれたい方が、継続してクラスを受講されています。
こうしたクラスは私にとっても味わい深いものです。
生徒さんと犬との関係が深まると同時に、時間と場所をたくさん使えば、自然と私と犬の関係にも変化が起きているからです。
犬の一生は長いものでやはり本当に短いです。
わたしたちの時間のながれからするとあっという間に彼ら犬の時間が過ぎてしまいます。
その上、毎日飼い主さんの仕事中は留守番をしている犬たちも多く、人と犬が過ごす時間の質を上げることはとても大切なことなのです。
プライベートトレッキングクラス、この日はとても涼しく心地よい風が吹きました。
スカイプでのオンラインクラスを開催しました。
今日は、スカイプを利用したオンラインでのプライベートクラスを開催しました。
ご利用者は定期的にオンラインクラスを受講されています。
ドッグトレーナーとしてプロフェッショナルにご活躍の方なので、質問内容もかなり濃く深い内容です。
私なりの考えを述べさせていただくだけですが、私の方も現場の声やプロの方の意見を聞く機会となるので、とても勉強になっています。
こちらがお金をいただきながら勉強させていただくのはどのクラスも同じすが、お相手がプロとなるとまた学ぶことも少し違います。
コロナ禍でペットの販売数が一気に増えたこと、今まで犬を飼うつもりのなかった方が犬を飼うようになったこと、多頭飼育が増えたこと、犬の価格が驚くほど高騰していることなどこの一年で、犬業界にはたくさんの異変が起きています。
ということは、家庭に迎えらえた子犬たちにも何らかの異変が起きているということです。
今までにはあまりなかったような犬の行動のご相談が出てきていることも事実です。
しかし、それらの犬の行動を引き起こすものには、必ず「起源」があります。
犬を繁殖するもの、販売するもの、購入するもの、の三者に知識がありその知識を犬のために使う意志があれば、これらの犬に起きる問題は事前に防げたのにと思うと残念でなりません。
私たちドッグインストラクターはすでに犬に起きてしまった行動問題に対して提案することしかできず、起きるまえに提案することができないことにいら立ちを覚えることもあります。
今日お話ししていて思ったのは、せめて犬を飼うのなら絶対に必要な費用として「犬のしつけ方教室用料金」を見積もっておいてほしいということです。
安易に無料相談やYouTubeで配信させる簡単な対処法を行うと、問題はますます複雑化していきます。
さて、オンラインクラスをご利用される一般の方は、ほとんどが遠方のにお住まいの方で私が訪問できない、もしくは通学できない地域の方です。
国内はもとより海外に在住の日本人の方の受講もありました。
一番多いのは「子犬のトレーニング」のご相談です。
最初につくる子犬に適した環境整備についてのアドバイスは、オンラインの中でも比較的説明しやすい内容なので、オンラインクラスでも受講が可能です。
逆に成犬の噛みつき行動などのご相談となると、実際に犬と接して判断する必要が高まるためオンラインクラスには向きません。
犬ことをもっと知りたい、犬ともっと深い関係を築きたいという方には、オンラインクラスをご利用いただけるような準備を今がんばっているところです。
私もひとつずつステップアップ、どうぞ気長にお付き合いください。
うちの犬って太ってる?と思うなら犬の頭をよくみよう。
うちの犬って太ってますか?それとも痩せてますか?
とよく尋ねられることがあります。太っているとか痩せているとか、犬は全く気にしないことを気にする人間も不思議なのですが理由はこうでしょう。
とにかくほとんどの犬は食べ物を与えたら与えただけ食べてしまいます。
犬がごはんを食べる速度もすごく早いし、食べたあとも何か物足りなさそうにしています。
それを見ると「ごはん、足りてるのかな?」と心配になることでしょう。
犬がいらないと思うほど与えたら肥満になることは間違いありません。
だから人間が食事の制限をするのですが、この量でいいのかな?痩せてないかな、それとも太ってないかな?となるのでしょう。
犬の体形を正しくみるなら頭部に注目すること
犬の体形判断するのなら、一番見なければいけないサイズはウエストではありません。犬の頭部の大きさをまず見るようにしましょう。
動物の体の中で一番重たいものは「頭部」です。
その頭部を支えるために体がバランスをとっています。
同じ原理は人にも当てはまります。
私はかなり頭のサイズが大きいです。
小学校一年生のころに登場した「シャンプーハット」をお風呂でかぶろうとして頭が大きすぎて破壊した経験を持ちます。
その頭を支えるための体はがっちりとしていなければいけません。
小顔の方がうらやましいのですが、小顔の方は細身の体形をされています。
犬も同じように、頭のサイズが小さいなら体は細身でバランスがとれる。
頭のサイズの大きいものは胸回りの骨格も大きくなります。
これで体のバランスをとっています。
むかしなら「犬のごはんの量は頭のサイズ」と言われたこともありますが、これもまた全く意味のないことではなさそうです。
しかし今は人も犬も過食による肥満の時代です。
太っている方がかわいいという気持ちになりがちですが、肥満は病気ですから気を付けたいものです。

いつの間にか犬の罠(=トラップ)にはまっていませんか?
最近、七山の家のテラスに設置した暗視カメラに、夜中にイノシシが庭をうろつく姿を確認しました。
今年こそは境界線を越してくるイノシシに対して、罠をしかけようと息巻くうちの罠師が、構想だけは組み立てが進んでいるようです。
野生動物との戦の中で必須の「罠(わな)」という戦略ですが、実は犬もよく罠を使います。
犬が他の動物をとらえるときにも罠を使うことがありますが、この罠は犬と人の間でも使われることがあります。
犬が飼い主に対して罠を仕掛けるとき
罠(トラップ)とは、罠を仕掛けられる方が何等かの形で相手の思惑にはまる、ということです。野生動物の場合には、罠を仕掛ける方が「捕獲」を目的としているので罠にかかったということは「捕獲」に成功したということです。
罠はもっと別の目的でも使われます。
犬が飼い主に対して罠を使う一番多い例はおもちゃ遊びで見られます。
犬が飼い主の前におもちゃを持ってきます。
「あそびたいのね。」と飼い主はそのおもちゃを投げてあげます。
犬は素直にそのおもちゃを飼い主のもとに持ってきます。
そしておもちゃを飼い主の目の前に置きます。
飼い主はそのおもちゃを手で拾おうとします。
そのときに犬は飼い主の手に歯を当てます。
これは犬の罠にはまった飼い主の例です。
こうしたことがあると「偶然、歯が当たった」とか「たまたま」と言われることがありますが、この行動は一度でなくなんども繰り返されるはずです。
似たようなケースでは、飼い主の目の前におもちゃを置いたあと、飼い主がそれを拾おうとするときに、犬はさきにおもちゃを口にします。
ひとつのものをお互いの間において、相手がそれを獲ろうとするときに自分が先に取る。
犬が自分の優位性を示す行動としてはとてもわかりやすいのですが、飼い主が犬の思惑にはまってしまうために、結果として犬の罠にかかったということです。
なぜ犬は罠を使うのか?
犬はそもそも動物を捕獲して食べる捕食性という行動を身に着けています。それが犬の生得的行動であり、つまりは犬の習性です。
家庭犬になれば、動物を殺して食べるという習性を発揮する機会はありませんが、バッタや蝉などの昆虫を食べる犬たちはまだたくさんいます。
犬がそこまで考えるわけないという見方もあるかもしれません。
しかし、生きるために哺乳動物を捕獲しなければいけない捕食性動物にとって、相手の行動を先読みして行動する能力があることは当然のことです。
そもそも犬が捕食する動物であることすら忘れてしまってはいないでしょうか。
実は、こうした先読み行動は日常的にたくさん行われています。
飼い主は、犬との暮らしで案外たくさんの犬のトラップにはまり続けている可能性もあります。
日々の暮らしの中で自分の能力を高めていく、それが動物なのです。
犬もまた「罠」という戦略を使うことで自分を高めているとしたら喜ばしいことではあります。
でも罠にはめられているが飼い主となると笑いこととはいえません。
ここは気を引き締めて挽回してください。

<クラスのお知らせ>グループトレッキングクラス日程変更のお知らせ
グループトレッキングクラス日程の変更についてのお知らせです。
8月22日㈰に予定していたグループトレッキングクラスは
雨天のため以下の日程に変更いたします。
8月29日㈰ 9時30分~
お手数ですが、変更に伴うクラスへのご参加もしくはご欠席の連絡をお願いします。
天気予報の変更はあるかもしれませんが、山が少し水を含んでいると思いますので安全のために変更させていただきます。
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九州では大雨による災害が続いています。
被災された方の一日も早い復興をお祈りしています。
七山の方をご心配いただいてご連絡などいただいておりましたが、グッドボーイハート七山周辺には災害はありませんでした。
ただテラス周辺の少し気になっていたところの土砂が落ちてしまい、テラスの奥の一部は使えない状態になりました。
自分たちでゆっくりと復興させていきたいと思います。
これもまた自然に近い場所に住むものの役割です。
油断は禁物。
いつも自然との境界線を戦う。
まるで犬との関わりのようです。
自然が落ち着いてくれますように。
29日は晴れることを願っています。
夏の必須アイテム:犬と過ごすベランダ・テラスで蚊に負けないためのパチパチくん
蚊と戦うための必須アイテム
今年活躍したアイテムは、蚊と戦う道具です。犬が庭やベランダやテラスなど、家の周囲の屋外で過ごすときに一番苦になるのは「蚊」です。
広場や山ではうまくかわすことができる蚊も、なぜ家から屋外に通じるドアや戸口周辺では執拗に襲ってきます。
テラスに出るたびに蚊に刺されてしまうとへこんでしまい、犬といっしょにゆったりと過ごすこともできません。
そのために導入された蚊と戦うための道具たち。
蚊取り線香、ワンプッシュ、虫よけガード、網戸スプレー、ハッカスプレー、木酢など、古いものから新しいものまでを使ってきました。
それでも庭に出るときには「また蚊に刺されるのではないか…」という不安があった、その不安を消し去ってくれるアイテムに出会いました。

テニスのラケットのような形をしています。
名称は「パチパチくん」。
パチパチくんとの出会いと体験
初めての出会いは、家庭訪問レッスンに伺ったご家庭のお庭のレッスンのときでした。犬を室内に入れるまえに、このラケットのようものでスルスルとふき取るように犬の周辺をさらわれていたのです。
犬が室内に入るときに犬の体によってきて室内に入る蚊を殺虫するために使っているとこでした。
ガードされた中心部分の網に電気が通っており蚊が網を通過しようとして電気の線に接触するとアウトとなります。
七山ではなく博多の庭の方が襲撃がすごかったので、早速パチパチくんを購入して庭の出入りのときに使用してみました。
目視できる蚊をめがけてラケットを振ると「パチパチ」といいます。
頭の後ろや背中の方にラケットを向けても「パチパチ」。
すごい!
かなりの確率で当たる上に、蚊が命中すると少し焦げた匂いがするので警戒してかしばらく他の蚊も寄ってきません。
さらにすごいのが、蚊ではなくブヨのようなもっと小さな虫にも効果があります。
わけのわからない虫刺されはゼロになりました。
毎日使っていたからか、庭の蚊の数が激減しました。
そして何よりも良かったのは、庭に出ることが億劫にでなくなりました。
パチパチくんは犬に影響があるのか?
はじめて生徒さん宅でパチパチくんを使用しているのを見せていただいたとき、パチパチの音に犬は無反応でした。結構な音がするのですが、他の犬たちも大丈夫なのだろうか。
早速、犬がいるときに近くでパチパチくんを使ってみました。
数頭の犬たちの近くで試しましたが、初回に反応した犬が1頭くらい。
その反応も少し見るというくらいです。
音よりもむしろラケットを振り回していることに対して、何か新しいおもちゃではないかという反応をしていました。
おもちゃではないとわかると、関心を示さなくなりました。
パチパチ音も少し焦げた匂いも犬には刺激にならないようです。
ガードがついているので誤って接触しても大丈夫です。
もちろんオンオフの機能はついています。
最後に、注意点と追加の使い方について。
パチパチくんは充電式になっています。説明書には屋内使用となっています。
おそらく誤って屋外で不適切なもの、水や雨、蜂などに接触すると危険だからかと思います。
庭の出入りでの使用は問題なく利用できましたが、注意してご利用ください。
蚊以外に功を奏したのは「コバエ対策」です。
七山のおちゃっぱなどやごみ箱周辺にうろつくコバエに使ってみました。
パチパチいいます。
見事にコバエもとれていきます。
コバエ取り器をいくつも置いていても効果がなく、ハッカスプレーをかけてもあまり効果がなく、あきらめかけていただけに助かりました。
マンションのベランダには蚊は上がってこないようですが、コバエなどは発生しやすいと思います。
犬たちと快適に屋外で過ごすために、使ってみてください。

犬語セミナーのための最新兵器“”GOPRO”を使って犬の行動を撮影してみました。
以前のブログ記事で「犬の動画撮影を誰かがしてくれたらいいのに…」というつぶやきを書いたことがあります。
犬と犬を対面させるのに、私がリードを持っている上に、私が審判として間に入ったり、自分の立ち位置で犬の行動に影響を及ぼしたりと複雑化してしまい、なかなかうまく撮影できない犬の動画撮影についての不満でした。
この小さなつぶやきに生徒さんが反応して下さりコメントを下さいました。
「アクションカメラって知ってますか?
両手をあけたまま撮影できるカメラです。」
というメールの内容でした。
アクションカメラ?何それ?聞いたことない…。
ご提案メールに添付されていた動画を早速みました。
その動画を見ているときに、音声に反応してダンナくんが近づいてきました。
そして一言「ゴープロ?あるやんうちに…。」
こんなアクションカメラがうちにあるの。
少なくとも私は一度もその“もの”を見た記憶がありません。
その「うちにあったゴープロ」はダンナくんが趣味のバイクに乗るときに撮影用に使用したカメラだということですぐに実物を見ることができました。
ヘッドにはめるタイプだったのですが、チェストの方が良いのではなと思い、首にかけるタイプのお安いホルダーをすぐに注文しました。
防水もできるとのことで多少の雨でも撮影は可能らしいです。
とはいえ昨日は豪雨…。やっとの雨上がりを待って本日ゴープロのテストを行いました。
素人の撮影したゴープロの映像なのでYouTubeに公開するまでもないのですが、あくまでテスト動画です。
お預かりクラスで七山にいっしょに勉強しているきいろちゃんとななちゃんがモデルとなってお手伝いしてくれました。
ガチャガチャと音が入っているのはカメラ位置を修正するためにホルダーを動かしているからです。
動画編集のソフトも持っていないし、パソコンも中古なので時間がかかりましたがやっと一歩前進した感じ。
とりあえず「がんばってます」アピールということでご了承下さい。
しかし七山快晴かつ涼しい一日でした。オポありがとー。
※みっともない音声はオフでお楽しみ下さい。
追伸ですが生徒さんがすすめてくれたアクションカメラは30秒戻って撮影できるという強者でした。
しかし30秒もどると判断する時間があるかどうかなどの技術が伴わないうちは、今ある道具を活用することとします。
次回のトレッキングクラスでも撮影してみます。
雨が降り止むのを辛抱強く待ち続ける犬
梅雨のような豪雨で携帯電話の非常音が今日はなんどもなりました。
七山に来ていますが異変はなく、毎年の梅雨のような風景になっています。
お盆なのでお預かりの犬ちゃんたちといっしょに七山にいます。
しかし今日は朝からずっと豪雨でした。
とりあえず2頭の犬は表のテラスに待機させて、雨が降りやむのを待つことにしました。
2頭の犬ちゃんたちは別々の飼い主さんと暮らしていますが、散歩コースが重なるらしくトレッキングクラスでもよくご一緒されていたので犬同士はお互いを覚えているようでした。
お互いの社会性の段階もありますので仲良く遊ぶというわけではありませんが、年齢も性別も同じ、お互いが気になる存在で関わりをどのように持っていいのか葛藤中というところです。
その2頭の犬ちゃんたちが見上げているのは雨の降る空。
とくにシュナウザーのきいろちゃんは、いつも雨のときにはそうなのですが雨雲をにらむように見つめてテラスの端に仁王立ちします。
それも数十分ではなく1時間以上そうしていることもあるほどです。
空から降ってくるこの雨という物体がいなくなるのをじっと待っているような感じです。
疲れると横になって休み、また起き上がって仁王立ちして空の方を見ています。
少し降りやんできたから出ようかなと準備をすると、また降り始めるの繰り返し。
同じ待つのだったらハウスの中の方が落ち着けるだろうとハウスに入れても、やっぱり外に出るといって空を見ています。
自分の力ではどうしようもないこの天気が変わっていくのを待つ、ただそれだけのことなのですがその辛抱強さに、動物はやっぱり強いなと思いました。
家の部屋の中にいて雨が止むのを待つのもハウスの中で雨が止むのを待つのも同じではないかと思ってしまうのですが、大切なのは状況の変化を受け取るということなのでしょう。
こうしたたわいのないこともまた犬の楽しみであると感じて尊重する時間としました。
一度だけ空を見ていたはずのきいろちゃんがオポのお墓の方に向かって吠え始めました。
お盆のこの時期、オポが帰ってきてくれたらうれしいなと思っていたので、きいろちゃんの短い警戒吠えも笑いに変えてしまいました。
豪雨の続く七山ですが、預かりの犬ちゃんたちはオポが守ってくれるから大丈夫。
そう信じることでこの不機嫌な天気を乗り越えていきます。
雨の日は犬の散歩に行った方がいいですか?にお答えします。
犬の飼い方の価値観がずいぶんと変化してきたようで、以前は聞かれることのなかったようなことを聞かれるようになりました。
雨の日にも散歩に行った方がいいですか?
この質問も最近になって尋ねられるようになった質問のひとつです。それで今日は私なりにお答えします。
まず散歩には毎日連れていくことが基本であるということを前提に始めます。
雨の降っている日に散歩に行くと決める条件
・人が雨具を着て歩くことが容易である小雨の場合
雨の日に傘をさして散歩をすることもあるかもしれませんが、中型犬以上のサイズの犬には傘をさしての散歩はおすすめしません。
犬はみなさんの予測を超える行動をすることがあります。
その犬の安全を守りたいという気持ちがあるなら、両手が使える状態で散歩に行くようにしてください。
小型犬は体重が軽いので片手でも持てるでしょうが、それでも傘をさしての散歩はあまりおすすめしたくはありません。
雨の降っている日に散歩に行かないと決める条件
・暴風のあるとき
雨はあまり振っていなくても、傘が飛ぶような暴風雨のときには散歩にはいきません。
風で何かが飛んでくる可能性があり雨よりもずっと危険です。
台風のときにも同じです。
・雨具で歩くには支障があるほどの大雨の場合
特に雨の強い時間で夜間は車も視野がきかなくなっているために散歩はおすすめしません。
必要があってでるなら反射シートなどのついた雨具を着用したり犬のリードやハーネスにも装着するようにしてください。
・雷のあるとき
当然のことながら雷が近いと判断するときには動物は行動しません。
雨の日にはどうやって排泄をさせたらいいのですか?
一番良いのは自宅の庭にトイレ場所があることです。それが庭などの屋外であって、多少犬が濡れてしまうことがあっても小雨や暴風をさければ犬は排泄に行きます。
しかし、天候が非常に悪いときには犬たちも警戒しているので排泄をがまんしていることがあります。
動物としての本能的な行動なのでここは尊重してあげましょう。
ベランダを排泄場所として使用しているときにも庭と同じです。
雨には濡れないでしょうが暴風時はトイレ場所をまどの近くに移動するなどの配慮をしれあげてください。
排泄場所が自宅の庭やベランダになく散歩でしか排泄をしない犬の場合には、上記の天候基準をもとに、小雨や降りやんだときに一番近いトイレ場所まで連れて行ってください。
犬によっては一日に2回排泄に出るのに、天候のために1回しか出たがらないこともあります。
これも動物としての本能的なものです。
暴風などで危険な状態のときには動物は巣穴などのテリトリーからあまり離れようとしません。
排泄をがまんしているのではないかと心配されるかもしれませんが、排泄行動に抑制がかかる状態が普通なのです。
危機的な状態を察知すると人間も排泄にいく回数は減ってしまうと思います。
犬がこうした天候の変化に敏感になりすぎることは管理する側の人間にとっては不都合なこともあります。
でも、犬が「天気」という自然とつながっている動物だからこそ人間は犬から教えてもらえることがたくさんあったのだと思います。
むしろ今は犬が自然と切り離されてしまったがために少雨でも雨の中を歩けない犬が増えています。
犬の立場にたって考えなければならないことがたくさんあるということですね。

雨の中であそぶプティくん