グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<クラス>お預かりのクラスで犬と犬のコミュニケーションを学びながら探る

お預かりクラスで3頭の犬ちゃんたちが集まりました。

気候も天候も良くていっしょに過ごすには抜群の日となりました。

お預かりの理由はご旅行やお仕事と様々ですが、中には他の犬とのコミュニケーションを少し進展させたいという理由で預かりを受けることもあります。

いっしょに過ごすことで犬たちに負担がかからないようにと、どちらの犬にとっても学びになるようにセッティングするのですが、コミュニケーション力の促進はそう簡単ではありません。

子犬期の生後6ヶ月くらいまでは成長と発達に柔軟性があります。

今回お預かりした犬ちゃんの中にも、最初の預かりのときには尾を巻いて逃げたり怯えたりしていた犬ちゃんもいます。

その犬ちゃんも現時点ではずい分と積極的かつリラックスして犬と共に過ごせるようになりました。

犬の中でコミュニケーションの誘導力を持つ犬はなかなか現れません。

ほとんどの犬が「待ち」の状態で、状況が変化するのを任せる姿勢に変わっていきます。

そしてその多くが、何事も起こらねばそれで良しという浅いコミュニケーションでおさまることになります。

この状態では、犬と犬が同じスペースに共に過ごしていても、喧嘩もなく会話もほとんどなく、みたところ落ち着いているのですがつながりはあまり感じられません。

何か事が起これば散々と別の方向へ逃げさってしまうような関係です。

もちろんそれが悪いというのではありません。

人と人の関係もすでにそのようなものになりつつあります。

となりに住んでいる人が誰だかわからない、話をすることもほとんどないというのも普通のことです。

別に、人生の中に喧嘩したり仲直りしたりしながら関係を進めていける相手がいるということもあります。

犬と犬は単に仲良しさんではありません。

犬のお友達が欲しいということをよく飼い主さんから相談されますが、お友達というのは小競り合いがあったり仲良くなったりをくり返している関係のことをいうのではないでしょうか。

犬でいう表面的に社交的な関係とは、関わりを持たないということなのです。

預かり中の3頭の犬ちゃんたちと共に庭で過ごしながら、犬同志の関係に必要以上に関与しないけれど、必要なときには関与する姿勢で見守り続け、私自身もまだまだ学んでおります。

自分でも不思議ですが、犬についてこれだけ学んでいてもまだ学びたい知りたい探りたいという気持ちがなくならないのです。

ある程度犬の行動や感覚を理解し始めていても、それを飼い主さんに伝えるためのツールがまだ不足しているため、そのツール探しのためにも学び続けています。

わかったと思った瞬間から人に伝えられるようになるまで数年かかっているような気がします。

今日私が知りえたことをみなさんにお伝えできるのが数年先になるということなので気の遠い話ですね。

そのうちに犬は成長してしまいますから、数年を待たずにぜひ今いっしょに学んでください。

犬の行動に問題を抱えている飼い主さんも、問題を抱えていない飼い主さんも大歓迎です。

サク空もも1

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<クラス>お散歩代行サービスで考えるいろいろ

お散歩代行のクラスをご利用いただいたので、唐津の海辺を生徒犬ちゃんと散歩する機会を得られました。

休日のお昼だというのに広い海辺に誰もいません。

日差しが素肌に心地良く波打つ音には心が安らぎます。

どちらかというと山派ですが、たまには海に下りてきてこうして地平線を拝ませてもらえるのもありがたいことです。


散歩中に小学生の子供さんに声をかけられました。

「さわってもいいですか?」と礼儀正しく声をかけてくるしっかりした子供。

礼儀正しい子供に丁寧に断りをいれて、承諾してもらいました。

本当は子供たちに犬は触るべきものではないことを伝えてあげたいのだけど、時間も許さずつい逃げ言葉になってしまいます。

動物を触れてみたいという子供の気持ちも大切にしてあげたいですが、時間をかけて触れ合えるようになるのが人と動物だという本質について子供たちい知って欲しいという気持ちの方が強いのです。


海岸線をどこまでも歩いても歩けるほど唐津の海辺は続きます。

視界に入る部分を歩いていけば半日以上かかるかもしれません。

こんなに空間があるのに、どうして犬たちは窮屈になってしまうのだろうと思います。

人は屋外で過ごすことがあまり得意でなくなってしまったので、犬を室内に呼び込みいっしょにテレビを見ることを強いているのかもしれません。

犬は活動することが不得意となり、活動しない犬ほど大人しくて飼いやすいといわれるようになるのです。

犬は人といっしょに活動してくれる最高にすばらしい友達だったのだけど、今やカウチポテトの友になりつつあります。

屋外にでるのが億劫にならないこの時期に、犬といっしょに風や太陽や草の香りや昆虫たちと遊ぶのも悪くありません。



家庭訪問でのトレーニングクラスやトレッキングクラスや預かりクラスが続く毎日ですが、お散歩代行をするシッティングクラスの依頼を受けます。シッティングサービスはグッドボーイハートのトレーニングクラスを受講されている生徒さんのみが対象です。

グッドボーイハートやトレーニングスクールなので、迅速に対応できるペットシッティングサービスを提供できる状態ではありません。

比較的早めにシッティング依頼が必要になりますので、ご予定が事前にわかっている場合にのみご利用いただいています。

お散歩代行をさせていただくときもグッドボーイハートならではのクラスです。

飼い主さん不在のときに犬のお世話をさせていただくことで気付く犬のことはすべて飼い主さんにお伝えしていきます。

グッドボーイハートは常に学ぶ場所。

楽しくときに厳しくまじめに、でもやっぱり楽しく学んでいきます。

コナちゃんシッティング

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<クラス>老犬たちのトレッキングクラス

グッドボーイハートの活動は、季節が変わるようにこれまで形を変えて移り変わってきました。

はじめに家庭訪問形式のトレーニングスタイルから始まり、次に通学できる学校を博多駅近くにつくり、その後は山での勉強と七山へ移り、今は家庭訪問クラスを七山のクラスを併設する現在の形となりました。

グッドボーイハートの設立が2000年からなので今年で18年目です。

たくさんの出会いを頂くと共に、共に学んだ仲間たちとの別れも始まっています。

今日は12歳~15歳まで、子犬のころからグッドボーイハートで育った犬たちと生徒さんたちと共に山歩きを楽しみました。

紅葉
老犬たちのペースでの山歩きなので気負うこともなくゆっくりまったりと呼吸を深めながら歩きます。

山にはきれいな空気があるし、スペースはいっぱいあるし、時間もたくさんあります。

老犬たちの山を歩く姿を見ながら「元気に過ごしてくれているようでよかった」とただほっとしてしまいます。

同時に、犬たちの生きる時間を変えることはできないけれど、今日一日ができるだけゆっくりした時間になるようにと深く呼吸するようにしています。

犬と人は生きている時間の長さが違いすぎます。

犬は人の十分の一しか生きていないのですが、犬たち自信は生きるのに必要な時間を十分にもちあわせているはずです。

でも、その犬の時間の多くを奪ってしまうのは、わたしたち人間の方ではないでしょうか。

人は忙しく呼吸もあわただしく犬たちをせかしてしまいます。

山にいるときはせめてゆっくりと呼吸をしながら、時間の流れがゆっくりなりますようにと思うのです。


2007年に七山に来てからずっとなり続けている柚子の木にたくさんの実がなりました。

柚子の実を生徒さんが取ってくださったので、みなさんのおみやげに持ち帰っていただきました。

山で犬と過ごすことは本当に地味な特別なことではありませんが、山で過ごしている犬たちはなぜか幸せそうに見えてしまいます。

老犬もこれから移動や歩行が困難になり、山で過ごす時間も少なくなってしまうかもしれません。

それでもきっと彼らは、ここで過ごしたことを体に記憶してくれていると思います。

本当に良い季節。

飼い主さんたちには、犬と共に山の空気を吸いに、山歩きに出かけてほしいです。

ダンスタンとゆず

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<クラス>紅葉の山で、犬と歩くトレッキングクラス

10月が過ぎ七山の尾歩山(おぽさん)も一気に紅葉してきました。

朝夕の寒さを肌で感じるようになり、この地区では灯油や薪の準備に追われているようです。

もちろんグッドボーイハート七山校も、同じように蓄えた薪を室内に運び込み寒い夜の暖とりに使っています。

色づき始めた山は視覚の情報に左右されやすい人間にとっては、この季節の楽しみです。

あの大変だった夏が終わり、過酷な冬を迎える前の、ほっとひとときの時間を犬と共に山を歩くことができるなんて最高です。

今回のトレッキングクラスでは生徒さんのおひとりが足元不調ということで、ピンチヒッターで犬のリードを持って山を歩くことになりました。

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まだ幼く興奮しやすい犬を落ち着かせながら歩くのは大変なことです。

ゆっくりと歩く犬を見ると「どうやったらあんなにゆっくりと歩けるようになるんですか?」と聞かれることがあります。

ゆっくりと歩く犬と共にいる飼い主さんはみなさん、それがどのようにしてできるようになったのかは記憶になりことと思います。

というのも、このトレッキングでの歩きですが、号令をかけたり犬に合図を送ったりせずに、自然に身についてくるものだからです。

トレッキングクラスのお約束はとにかく自分がバランスよく歩くこと、ただそれだけです。

そして、若い犬は必ず自分よりも後ろを歩くようにうまく誘導していくこと、これにも言葉は不要です。

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庭では興奮の激しい犬同志も、山に入ってしまうと不思議と落ち着きを取り戻していきます。

さっきまでの興奮はどこへというほどに、静かに山の地面を踏みしめながら歩くのです。

そしてこの季節、北風から吹く特別な情報を鼻でキャッチする楽しみは犬だけのものです。

どの犬も北側に高くその得意な鼻を持ち上げ、風に乗ってやってくるたくさんの臭いという情報をキャッチしています。

私達のように紅葉にうっとりすることのない犬も、北風の臭いにはうっとりしているように見えてしまいます。

たぶん、冬は犬が一番元気な季節です。

特別小さな犬にはお洋服が必要になるかもしれませんが、お家にこもりっきりにならず12月くらいまでは元気に山歩きをして欲しいものです。

とりあえず、毎日が大切な季節です。

紅葉

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<犬のしつけ方>犬のしつけは精神論ではないけど「応援する力」は本当の力になる

先日グッドボーイハート七山校で福岡の都心のマンションに生活する犬たちを同時にお預かりする機会を得ました。

2頭の犬は年齢もいっしょで1才未満という若さです。さらに、犬種も性別も同じです。違うのは多少体型に大小の差があるということとです。

見た目は同じように見える2頭の犬ですが、親の性質、繁殖は幼少期の環境、新しい飼い主として暮らした日々の環境や経験が違うため、その行動や内面には外からは見にくい大きな違いがありました。

特に違ったのは、他の犬に対するコミュニケーション力です。いわゆる他の犬に対する社会的行動です。社会化という過程を通して学習していくコミュニケーション力には違いがありました。

一頭の犬は慎重かつ積極的でありながら自分のスペースを守るためにできる行動や反応をしようと変化し続けている状態で、もう一頭の犬は、消極的で状況から逃げる行動習性を身に付け始めています。

初対面のふたりですが、対面時の反応はある程度予測できます。

一頭の犬は積極的に前進して臭いを嗅いで相手を調べた後は様々な反応で相手の応答を待ちますが、それに対する一頭の犬は小さくなる逃げる避けるをくり返し、狭い場所に隠れたり人の方に逃げ込んだりしようとする行動をします。

積極的な犬の方にイジメや暴力の要素のある接近の仕方であれば介入する必要がありますが、この場面はそうではありませんでした。

一般的な飼い主であれば可哀想と思って抱き上げたり自分のスペースに逃げ込ませて撫でていたり遠ざけたりするかもしれません。

実際見ていると小さくなっている消極的な犬は可哀想にも見えるのですが、生涯そうして逃げ続けていることの方が本当に可哀想なことだと思います。

逃げる犬の方が体格的にも多少負けていることもあったことと、積極的な犬と私の関係性がある程度進んでいることも含めて、過剰はひいきにはならない程度で逃げる犬を応援することにしました。

応援といっても気持ちだけではなく、本当に声を出して応援します。
「●●ちゃんガンバレ!、●●ちゃんガンバレ!」

まさに、あの有名なニッポンオリンピックの水泳競技のアナウンサーのようにひたすら同じエールをかけ続けました。

すると、消極的犬ちゃんの方がチラッと私の方を振り向きながらも体を伸ばして前を向きコミュニケーションに応じようと立ち上がってきました。

「●●ちゃんガンバレ!」というとまたチラっとこちらを見て背筋を伸ばしていきます。

相手の犬ちゃんも良し来たとばかり、コミュニケーションが成立し始めていることで落ち着きを取り戻し始めています。


さて、犬のしつけやトレーニングのベースは、あくまで犬という動物を科学的に捉えて理解する過程をもつべきです。

例えば、犬のしつけ方で紹介されている方法の中には、学習理論から外れた意味のないものもたくさん存在しているからです。

飼い主である自分が今犬に対して行っていることが、どのような仕組みで成り立っているのかとか、現在犬に提供している環境やコミュニケーションは犬という動物の習性に見合っているものなのかという観点も、犬を科学的に捉えることの中に入っています。

かといって、感情を抜きに犬と付き合えといっているのではありません。

わが愛犬のことをかわいい、いとおしいなど大切に思う気持ちがあってこそ犬のことを学びたいという気持ちも高まるものです。

ただ、犬を支える気持ちと行動というのは裏腹であってはいけません。

犬のことを大切に思うからこそ成長の機会を与えて見守る姿勢を自分自身が育てる必要があります。犬を過保護にすることや甘やかすことは決して犬のためにはならず、なっているのは自分のためだけなのです。

厳しい言葉のように聞こえるかもしれませんが、私達人間の社会にも同じようなことがたくさん起きているわけですから、知らぬ存ぜぬで通すことはできません。

「ただ応援する力」それだけのことですが、立ち上がる小さな犬ちゃんの姿に勇気をもらいました。

みなさんも今身近な誰かを応援していると思います。

本当に相手を思う応援の声は、一方的にかわいがることよりも必要とされているはずです。

飼い主さん、ガンバレ!

ももとそら1

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<お知らせ>11月の犬語セミナー開催のお知らせ

2018年最後の犬語セミナー開催のお知らせです。

2018年11月25日(日曜日)

時間 12時30分~14時30分

参加費 おひとり2500円 当日払い

少人数制のゼミ形式のセミナーです。
お気軽にご参加ください。

お申込 グッドボーイハートへメールかもしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

スカイプ利用で参加をご希望の方は、セミナー3日前までにメールもしくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

犬語セミナーは来年から不定期開催とさせていただきますが、都度ブログでお知らせします。


ちなみに今日は人間が決めた「犬の日」らしく、ペットのためのグッズ、ゴハン、防災、予防、美容などいろいろな特集があるようです。

犬のためといえば、物を買い与えることよりも相手を理解することだとグッドボーイハートは思うのです。

犬語セミナーで、ご参加お待ちしています。

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<クラス>今月も犬語セミナーを開催しました:お題は「預かりクラス時の犬の変化から学ぶ」

秋空の七山校で今月も犬語セミナーを開催しました。

今回、勉強の素材として取り上げた動画はグッドボーイハートのお預かりクラス時に撮影したものです。

犬の預かり期間に撮影した動画を通して、犬がどのように変化していくのか、行動観察を通して犬の状態を把握するという形で学びました。

通常の犬語セミナーではくり返し同じシーンを見ることで行動を細かく見ることで犬のコミュニケーションを学ぶクラスです。

しかし今回は、グッドボーイハート校でお預かりした犬の行動のビデオを使用したため、預かり中に変化する犬の行動を浅く長く捉えていただきました。

動画に登場してくれた犬くんは目の開かないうちに保護施設に保護された直後に現在の飼い主さんに迎え入れられました。

人が飼っていた家庭犬から生まれた犬ではなく、ゴミやえさをもらいながら生きてきた野良犬(もしくは野犬とも呼ばれる)の子供なので、社会的な発達にも難しさを伴います。

真剣に学ばれている飼い主さんにとっても新しい視点になればと、預かり中としては特別に長い時間をかけてビデオ撮影を行いました。

数日の預かりで変化する犬の行動。

行動がどのように変化するのか。

その行動はどのような意味を持つのか。

またその変化は犬のどのような状態を示しているのか。

今回のセミナーは奥が深く、かなり時間をかけて考えてもいくつもの見方のできるものです。

社会的に安定した行動をする発達した犬は、環境の変化が見られても行動に異様なほどの違いは見られません。

ところが社会的に不安定な犬ほど、預かり時は家庭で見られるのとは全く違う行動をするものです。

預かり時といっても、飼い主と同じような環境におかれると変わらない行動も、私のような専門的な知識をもつ者が接触をするとかなり違った行動をすることがあるのです。

セミナーに参加された犬くんの飼い主さんも、始めてみる犬の行動に大変興味深くご覧になられていました。

犬くんの年齢がまだ数ヶ月であることから、参加された若い犬と暮らす生徒さんたちも、自分の犬と比較しながら真剣に学ばれていました。

今回もスカイプ利用でご参加いただいたみなさん、遠隔では見にくい動画だとは思いますが共に学んで下さること心強く思います。

今年は来月に犬語セミナーを開催し、12月はお休みさせていただきます。

預かりクラスはトレーニングのためのクラスではありませんが、長い預かり期間を通して知りえることがたくさんあり、預かりクラスは訪問クラスと同じくらいグッドボーイハートでは大切なクラスです。

犬語セミナーは行動学という道具を通して犬のことを学ぶセミナーはまた同じように、グッドボーイハートにとっては大切な学びのクラスです。

来年から回数は経る予定ですが、今後も継続して参ります。

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<犬のこと>犬の後ろ脚の運び方がとても気になること

最近の小型犬たちの歩き方を見ていると、どうしても気になってしまうことがあります。

気になる歩き方とは、後ろ脚の運び方です。

犬の前脚と後ろ脚では長さが違います。

前脚はまっすぐな印象で、後ろ脚は曲がっていることをご存知だと思います。

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もともと山がお里の動物ですから、山の斜面を長時間歩くのに発達した体型なのです。

前脚も後脚も上にあげては下に降ろすという運び方で歩くのが犬の歩き方です。

ところが、最近の犬たちは前脚も後脚もあまり上にあげずに歩いています。

前脚は棒のように前に出るのですが、後脚の方は長くてまっすぐに前には出せないため、横から出すような歩き方になります。

武士の姿で裾の長いハカマを履いて歩く感じです。

右後ろ脚と左後ろ脚を交互に横に出しては前に運ばなければ、裾が長くて歩けません。

犬もそんな歩き方をしているのです。

同じような歩き方を人がするのは、アイススケートでも見ることができます。

足を滑らせながら歩くために、足を横に蹴るようにしてすべるため、左右の足が横に出ています。

脚を上にあげて歩かずに、横に出すようにして歩く犬は、小さいころ滑りやすい床面にいたのかもしれません。

サークルなどに入れられている環境でも、滑りやすい床面になっていることもあります。

また、サークルの中での立ち上がり行動や、飛びあがり行動も脚を湾曲させていきます。

様々な悪影響で後脚は次第に湾曲してきます。

後ろから見るとO脚になってしまうのです。

こうした後脚になってしまった犬は、坂道を歩くのが苦手です。

脚を上に持ち上げなければ、山歩きはできないからです。

山をあまり歩かない人も、山歩きをするといつも使わない筋肉が痛みを生じた経験を持たれた方もいるでしょう。

山歩きのように足を上にあげて歩く行動は、平な地面では必要ありませんから、足の筋肉も一部は使われずに退化してしまうのです。

坂道を歩けずにしゃがんでしまう犬ですが、そのうちにだんだん脚を上に持ち上げて歩けるようになります。

がに股になっている犬の脚がしっかりと上がっているのを見ることは、毎回感動します。

脚の筋力を鍛えて健康な体をつくるには、やっぱり山歩きが一番です。

飼い主さんの筋力作りにもおすすめします!

momo




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<クラス>山登りに犬を連れていってもいいんですか?

先日はじめてのトレッキングクラスに参加してくださった飼い主さんと犬くんがいます。

今までは家庭訪問トレーニングクラスで犬の行動や習性について学んでいただきました。

ご家庭での環境作りや接し方の注意や、普段の生活の中で行動の変化を促すトレーニングをすすめます。

そして、家庭環境の整備がある程度すすまれてきたので、そろそろと思い体験のトレッキングクラスをお誘いしたのです。


グッドボーイハートの尾歩山トレッキングに参加される方がよくこんな風にいわれます。

「こんなに山だとは思わなかった。もっと普通かと思っていました。」と。

トレッキングクラスをお誘いしたのですが、普通な感じとはどんな感じなのでしょうか。

自分にとっては長靴でうろつくような庭になっている山が、都会暮らしの方にとっては「こんなに山」と受け取られているギャップがあるのですが、犬の方は大丈夫のようです。

だって、彼らは4つの脚をつかっているうえに、足裏にはパットというゴムもついています。

さらに、左右上下前後にバランスのとれる尾も本来は持っているはずなのです。

そして、低い姿勢で環境を把握できる、犬が最も誇る「鼻」を一番前に突き出しながら歩きます。

あしを出すたびに「気をつけて」と犬に声をかける飼い主さんもいますが、犬からしてみれば「気をつけるのはそっちの方だよ」とバランスの悪い人間の姿に目を覆いたくなっていることだろうと察します。


このはじめての犬との山歩き中に「トレッキングシューズをはいてくればよかった~」とおっしゃったので「えー、山登りされるんですか?どんな山だと思われましたか?」とお尋ねしました。

なんでもご家族で山登りに行くのを趣味にされているとのことでした。

しかも、その山登りですが犬は留守番させていかれるとの事です。

「えー。。。飼い主さんが山で犬が留守番ですか?それはうちにいた犬が聞いたら相当ビックリしますよ。」

ですが実際はよく「犬を山登りに連れていってもいいんですか?」と聞かれることがあります。

山のにおいをつけて飼い主が戻ってくるのに犬だけお留守番とは拷問みたいなものですね。


ごくまれに、保護地区や遺産地区では犬の排泄が環境汚染につながるという理由で許可されていない場合もありますが、それは特殊なケースです。

むしろ、山登りに行くのに犬を連れていかない理由がほとんど思い当らないばかりか、犬の最も大切な仕事は、山歩き中に飼い主が無事に戻って来れる様に飼い主を守ることなのです。

犬が一番やらなくてはいけない仕事を取り上げてしまい、お家の中で何もしなくていいのよといわれても、犬はさびしくやりがいのない毎日を送るしかありません。

犬も冒険していいではありませんか。

いや、むしろ犬は冒険する動物です。

しかも、飼い主といっしょに冒険する動物なのです。

グッドボーイハートのトレッキングクラスが犬との山登りのきっかけになれば、ものすごくうれしいです。

こてつトレッキング


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<犬のしつけ方>犬の分離不安症という赤ちゃん病も他の犬には通じないこと

犬の分離不安症や分離不安傾向などの行動や問題については、このブログでも数回にわたって取り上げてお話ししてきました。

犬の分離不安は複雑化する飼育環境と飼い主と犬の関係性、犬の繁殖や販売などの受け渡し方法など、いくつもの要因が絡まりあって起こる症状です。

分離不安を病気と位置づけて話を進めるつもりはありませんが、ここで症状という言葉を使わせていただくのは、あくまで分離不安傾向の高い行動は、犬の個体に定着してしまう行動とは別に考えていただきたいという意図を含みます。

この分離不安という言葉は、以前もご説明したとおり、児童心理学の分野から発生した言葉です。

飼い主が犬から離れることで犬がひとりになると不安定な行動を示すことが、赤ちゃんの生育時に母親に対して見せる行動と同じであること、さらにその行動を引き起こしている脳内の状態を同じであることが科学的にも明らかにされつつあるため、分離不安という言葉が犬にも用いられるようになりました。

犬の分離不安を取り上げる記事や情報は増え続けており、ペット化した犬という動物の行動やその脳の発達がますます不安定な状態を強いられていることを痛感しています。

犬の分離不安をご存知のない方のために簡単にご説明しますが、分離不安傾向の強い犬は、飼い主が自分の元を離れると奇声をあげるように泣き叫ぶ、まさにキーというような音を出すのが特徴です。

それらの泣き叫ぶ声を聞いた人の多くは、最初は子供が奇声を発しているのか、もしくは何か特別な動物が絞め殺されているのかとビックリするような声です。

犬が飼い主を呼び戻すときや要求するときに使う「ワンワン」といった犬らしい声とは違う声で、喉を締め上げるようにして出す声を聞くと、明らかに分離不安の状態に陥っていることがわかります。

その奇声を発している犬は、単純に叱ったりすることで吠え止むことができません。

なぜなら、行動修正を求められているということは、人側の反応に対し犬なりの反応を示すための感性(センサー)というが必要なのですが、このセンサーが若干壊れかけている状態だからです。

犬は本来集団で行動する動物で、子犬のときの待機(留守番)にしても複数でする習性を持つため、幼少期(生後3ヶ月)までにひとりで待機(留守番)できるようにするための環境作りには、入念な環境整備が必要です。

この環境整備が不十分な状態となり、その上犬を迎えた飼い主が犬の行動についての理解が不足した状態となると、子犬はコミュニケーションに不安を抱えることになり一気に分離不安状態へと突入していきます。

この分離不安傾向のある犬の場合は何才になっても、つまり老犬になっても赤ちゃん行動をくり返します。成熟しないというのも特徴のひとつです。

抑制がうまく働かない、つまり抑制が効きすぎたり効かなかったりする状態になります。

ストレスに弱く脳に混乱を生じやすいため、てんかんのような症状を併発することもあります。

分離不安傾向の犬は、飼い主以外の人にも赤ちゃん行動を伴って接触します。

手をかけたり甘噛みしたりとびついたり、お腹を見せて寝転がったりお腹を触ってとひっくり返ったりします。

犬によっては人見知りの状態となり、飼い主以外の人には近付かなくなる他人に不安を抱える行動をすることもあります。この場合は他人が近付こうとすると逃げる行動が見られます。

分離不安の犬は社会不安も高いため、他の犬と対等に接することもできません。たいていは逃げる、逃げられなければ牙を見せたり空咬みという咬み付き行動をします。

騒いで飼い主に抱き上げられることを覚えてしまう犬も多いようです。

人は犬が赤ちゃん的な行動をとると「かわいいわね~」とどちらかというと好意的に反応することが高いのです。

唸ったり吠え立てたりされることよりも、お腹を見せたりオシッコをしかぶる「失禁」行動をすることの方が弱々しい印象を与えるので歓迎されるのでしょう。

人はそもそも動物が怖いのですから(だから人社会を構築してきたのですから)、動物が赤ようにちゃんの振舞うことを歓迎する傾向は強いのです。

ところが、他の犬たちを騙すことはできません。

子犬には子犬特有の臭いがあります。その子犬の臭いがなくなったとき、子犬はもう子犬ではないのです。

犬たちは分離不安の犬の臭いを十分に嗅いだあと「お前は子犬じゃないな」と受け取ります。

それなのに犬が逃げる行動を取れば、当然のことですが攻撃されます。

「逃げるものは攻撃する」という行動の習性は、犬だけでなく非常に多くの動物のもつ習性です。

同じ習性を人も持っているのですが、心当たりはないでしょうか。

攻撃されているものを攻撃するのです。ワイドショーなどで、誰かが攻撃のターゲットになると一成にみんなでかかっていくのは、動物の行動習性を見るようなもので、当たり前のこととはいえ人も弱い動物であることを確信してしまいます。

分離不安行動の犬の赤ちゃん行動は、他の犬を騙すことはできません。

分離不安となる犬は社会的に他の犬と関わることができなくなってしまいます。

複雑かつ時間のかかる、犬の分離不安行動の解決について、飼い主とその周辺の人々を含めて、みんなで考え行動する必要がありそうです。

プリンとフレーバーボーン

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