グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬に赤ちゃん言葉を使いますか?:犬との関係を見直す必要性について

犬と接しているときに、飼い主さんが犬に対して赤ちゃん言葉を使うことがあります。

オスワリをオチュワリ
オリコウサンをオリコウチャン
お散歩ですよが、お散歩でちゅよ
どうしたのが、どーちたの
といった感じでしょうか。

みなさんは赤ちゃん言葉を使うことがありますか?
無意識なので自分では気づかないこともあるかもしれませんね。

犬のブログなどでは、この赤ちゃん言葉が多用されています。
テレビなどのメディアでも、吹き出しに赤ちゃん言葉で表現する加工があったり、
一部の芸能人が犬や猫に対して赤ちゃん言葉で語りかけている風景もよく見られます。

犬にとっては、赤ちゃん言葉を使われているという感覚はありません。
統一して使っていただければオスワリがオチュワリになっても全く問題はありません。

ただ、人として違和感を覚えるのです。
他人から「どうしたの?」と言われるところを「どーちたの?」と言われたら、自分は違和感を覚えます。
私が赤ちゃんに見間違うはずはないから、多分この方は発音が悪いのだろうと思うでしょう。

犬への赤ちゃん言葉の使用に問題があるとすれば、飼い主さんの犬に対する姿勢です。
犬に対して赤ちゃん言葉を使ってしまうのは、犬のことを赤ちゃんだと思っているからです。
そんなつもりはなくても、無意識にそう思っているから言葉に出てしまうのでしょう。

犬が人と暮らし始めるのは生後7週齢くらいです。人の子供の年齢であてるとそろそろ幼稚園に入ろうとしている年齢です。
犬は自力で歩ける年齢であり、赤ちゃんではありません。


動物の自律を促しているのは、周囲の家族や群れとなる動物の自分への接し方です。
飼い主が犬のことを赤ちゃんだと思って接すれば、犬はいつまでも未熟なままです。

未熟な動物がかわいいからいいのだ、という考え方もあるでしょうが、
動物はみな成熟する権利を持っていて、成長によって精神的な安定を獲得するのです。
生涯にわたり子犬のままで、不安定な状態を維持することがどんなことなのか。
成長した人の内面性が未熟なままだったらどのような状態なのかを想像すれば、理解できるかもしれません。

動物への理解は、動物を尊重する気持ちから生まれます。
小さな赤ん坊や幼少の子供に対しても、相手を尊重する態度は大切だと思います。
小さな存在であっても、犬という動物を尊重する接し方を身に付けたいと思えば、赤ちゃん言葉は自然となくなっていくでしょう。

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集合住宅で犬を飼うことを考える

博多では夜というのにヘリコプターのプロペラの音が物々しく響いています。

駅前の陥没、大変な人災ですが怪我をされた方がいなかったことだけは救いです。
近くの集合住宅に住んでいる動物たちも飼い主と共に避難することになるでしょう。
一刻も早い復旧を願ってやみません。

昨日のブログでも紹介したとおり、集合住宅で動物と暮らす人が増えています。

一昔前、私が大学生くらいまでは、「庭がないと犬は飼えない」というのが常識でした。
はっきりと覚えがないのですが、ほんの30年くらい前まではそのような価値観であったと記憶しています。
集合住宅はペット不可が当たり前。集合住宅に住んだら犬は飼えないという価値観でした。

ところが、純血種の小型犬を飼うことがブームになり、これに応じるように集合住宅でもペットの飼育が可能と宣伝するペット可集合住宅の販売が急増しました。
これを期にマンション購入を決めた方も多いことと思います。また、ペット不可からペット可集合住宅へ移られた方も多いのではないでしょうか。「庭がなくても犬は飼える」という新しい価値観が生まれたことで、犬の生活は今までとは少し様子をかえていきます。

本当は犬と暮らしたかったけどあきらめていた人たちが、集合住宅でも犬と暮らせることを実現し、喜びを得られたことも確かなことです。
実際にたくさんの方が、集合住宅暮らしで犬と楽しく生活していらっしゃると思います。


今回は、私が集合住宅で犬と暮らした経験を通して学んだことについてお話します。
これは、あくまで個人的な価値観の変化であって、一般的な価値観ではないことを
はじめにお断りしておきます。
そうであったとしても、自分にとっては大きな気づきとなったことは確かなことです。

犬をどのような環境で飼うのかということについては、犬を飼うときに誰もが考えなければいけないことです。外で飼うのか、室内で飼うのかもそのひとつです。

ただ、自分では容易に変えることのできない元の環境があります。
それが「戸建て」で飼うのか、それとも「集合住宅」かということです。

犬を飼う前にこれらの選択ができればいいのでしょうが、そうもいきません。
土台となる家ですから、簡単に変えることもできません。

私が犬のオポを迎えたのは、17年前、福岡の集合住宅に生活していたときです。
ペット系専門学校の講師として勤務していたため、職場に犬を同伴させられるから、犬を留守番をさせる必要がないという単純な発想で、犬を飼うことを決めました。

七山の自然環境に引っ越したのは、共に暮らしていた犬のオポが7歳のときです。
つまり、オポは7歳までは、都会の庭のない集合住宅で私と暮らしていたのです。

オポが生後3ヶ月まで母犬と共に過ごしていた家庭には、家の周囲に囲いのある広い庭があったようです。
私が迎えたときに庭のない空間となり、その不安定な空間に犬も戸惑ったことでしょう。

結論から先に述べると、今は集合住宅で犬を飼うことを選択しません。

なぜ、あのときに集合住宅で犬を飼えると思ったのかというと、
集合住宅で犬を飼うことは、「きちんとやればできること」と思っていたのです。
集合住宅では犬は飼わないと思っていた価値観が、一気に崩れた時でした。

集合住宅でも犬を飼っている人もいるという事実。
そして、自分も犬を迎えたいという欲求が重なり、きちんと育てれば集合住宅でも犬が飼えると思ってしまったのです。
犬をきちんと飼うということは人に迷惑をかけず飼うことであり、自分にはそれができると思ったからです。
少なくとも犬の専門家であり、トレーニングの術も身に付けています。

実際、しつけという意味ではオポは全く問題のない「おりこうな犬」でした。
吠えることもない、リードを引っ張ることもない、とびつくこともない、
家具をかじったこともない、盗み食いもしない、来客には礼儀正しくという犬でした。
隣室の友人宅へはよく遊びにいき、同じ住宅の知人にもよく声をかけられかわいがっていただきました。
私が決めたルールをきちんと守り、健やかに成長していると思っていました。
安定した基盤を提供できていたかなと思っていたのです。

気がかりなことは、時間のあるときに山歩きにいったり、山に住む友人を訪ねたときのオポの表情が、日常で見ているオポとは明らかに違っていたことです。
表情だけでなく、体の動き、輝き、全く違う動物だと感じていました。
結局「いつか山に暮らそうね。」が、約束となっていたのです。
その約束が少し遅れたけど、オポが7歳のときにやっと果たせたというだけのことです。

集合住宅での犬と暮らすことは「人に迷惑をかけずに犬を飼う」という意味では、達成可能だと思います。
犬は飼い主を思いやって、もしくはトレーニングのテクニックによって、飼い主に迷惑をかけずにお利口さんになってくれるでしょう。

ですが、犬という動物としての発達や成長は、自然とのかかわりが影響します。
これらを、都会の集合住宅で実現することは無理なことです。
だから、今は集合住宅や都心で犬を飼うことを自分は選択しません。
でも、人がその環境で犬と暮らしていることを否定はしません。
なぜなら、自分もそうしていた時期があったからです。
だから、どんな人にも犬と学ぶ場所は、どこからスタートしても良いのだと思っています。
犬と学ぶ、犬に学ぶことさえ続けていけば、いつか何かが変わっていくかもしれません。そんな希望がいっぱいあるのです。

先日、知人から借りた古武術の講師の本の中に、自分が生きる意味は「人としての自然とのかかわりを知ること」であるようなことが書いてありました。
犬がそんなことを思っているとはいいませんが、意味を問われて応えられなくても
体が求めていることを求めることと、同じような気がしています。

少し寒くなってきました。小さな犬には厳しい季節ですね。
七山校のぞうりはキツネが持っていったことになっています。
山の動物たちはなんだかワサワサとしています。

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Posted in 犬のこと, オポのこと

<クラス>ペット可集合住宅セミナー

都心部のペット飼育可マンションは増加の傾向にあります。
分譲の場合にはペット可マンションが一般化しており、
賃貸の場合にはその傾向が増加しているというように感じます。

公団住宅ではペット飼育不可のところもまだあるようですが、結局は黙って飼育してしまう方が出てくるようですので、初めからルールを導入した方が良いとも思えます。

分譲の集合住宅は、マンションがひとつの集合帯になります。
長い間、同じ敷地の中に共有スペースを持ちながら生活するのであれば、共通のルールも必要です。
このような分譲のペット飼育可マンションにはペット委員会というのがあります。
最近では、みなさんが自主的にルールを決めたり話し合いがもてるように、ペット委員会も増えていると感じます。

先日、集合住宅ペット委員会主催のペットの勉強会の講師を委託され行ってきました。
今年は熊本地震が身近な出来事だったので、勉強会の内容は「災害時の…」ということになりました。

暮らしている動物の種類は、犬、猫、小鳥といろいろでした。
過去にも集合住宅主催のセミナー講師として伺いましたが、犬の飼い方育て方セミナーのようなものが中心になりがちです。
今回は猫の飼い主さんたちとセミナーを通してお話することができたのがラッキーでした。

意外だったのが、猫たちも「クレート=キャリーケース」を利用していたことでした。
病院への移動のときにクレートを利用される犬猫の飼い主さんは多いようです。
犬の飼い主さんもクレートを移動用だけに使われて、普段は車に乗せたままというケースもよくあります。

ところが今回猫の飼い主さんたちにお尋ねしてみると、大半はそのクレートを室内に設置したまま利用されているということでした。
理由は「置いていると自分で勝手に入っていることがあるから…」ということで、特に深い理由はなかったようですが、これはベストな選択です!

逆に犬は「ケイジは利用しているが、クレートは置いていない」とのことでした。
犬の場合には、今「ケイジ飼い」が大変増えており、とても危惧すべきことです。
犬の「ケイジ飼い」をおすすめしない理由は、また後日ブログでご紹介します。

クレートとセットで使いたい「クレートカバー」ですが、これも実践している猫の飼い主さんがいました。
「カバーをかけているとクレート中の猫が落ち着きませんか?」というと、
「そうなんです。だから布をかぶせて移動させるんです。」というのです。

どうやったら動物が落ち着いていられるか、考えた末でのカバーの導入だったようです。

動物との暮らしは「本に書いてあるから」「ネットで見た」では解決しません。
どうやったら動物が落ち着けるかな、という視点を持つことができる気持ちが何よりも大切なことです。

クレートトレーニングは、猫よりも犬の方が時間がかかるでしょう。
犬は社会的な動物であることから、飼い主との社会関係が依存的であればあるほど、
空間をわける=境界線をつくることを苦手とします。
でも、そうした犬ほ「境界線」をきちんとつくってあげることが大切なのです。

ペット飼育可マンション主催のセミナーは、いろんな角度から行えばみなさんの関心の持てるものとなるはずです。
お互いの価値観は異なっていたとしても、専門家の話を聞くのは楽しいものだということを知っていただく機会になればと思います。

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グッドボーイハートお勧めグッズ:犬用ベッド編

グッドボーイハートがお勧めする犬用品です。
今回は犬用のベッドです。

犬用ベッドの重要性については過去のブログでご紹介しました。
室内で生活する犬のための犬用ベッド

今日はグッドボーイハートがお勧めするブランドについてご紹介します。
最初にオコトワリしておきますが、このベッドを紹介しても、みなさんが購入しても、グッドボーイハートにはマージンは一切入りません。

そんなことはどうでもいいことなのです。
とにかく、犬が快適に過ごしてくれればいい、そんな気持ちでご紹介するベッドはこちらです。
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LL Bean( エルエルビーン )の犬用のベッドです。

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いろんな犬用ベッドがありますが、ベッドによって犬の反応はまちまちです。
ベッドを前脚で掘ってしまい穴があいてしまう。
ベッドを噛んで破壊してしまう。
ベッドに上がろうとしない。

犬用ベッドがうまく使えない理由は、いろいろあります。
置き場所や犬の成長の段階によるという理由は当然考えられます。

ところが、以外に落とし穴なのが、犬用ベッドの質なのです。

いろんなベッドでうまくいかなかったけど、LLビーンの犬用ベッドは使うという犬もいました。

犬用ベッドの形や質として大切なのは、以下のことです。
まず重量があることです。なぜ、重量が大切なのかというと、犬がベッドにあがったときに、軽いものだと動いてしまいます。
犬は不安定な場所を嫌いますので、ベッドで落ち着きたいのにベッドが不安定に動くことでストレスを感じ、ベッドを破壊してしまうのです。

それから、ベッドの表面の素材です。
犬は摩擦を嫌います。みなさんも静電気が走ったら嫌ですよね。
犬は毛皮をまとっていますので、化繊の布には敏感です。
フリース、ポリエステルといったフワフワした毛質は嫌います。

実はLLビーンにもボアのものがありますが、こちらはお勧めしていません。
購入するなら、キャンバス生地のものを選んでください。

次に、形です。
円形、四角型、カウチ型があります。

おすすめするのはカウチ型です。
人が使っているおなじものだと、ソファになります。
犬用ベッドはテリトリーを確保する道具でもあります。

超大型犬の場合には、カウチにおさまりきれないかもしれませんね。
サイズは結構おおきなものまでありますが、人用のソファくらいお値段になります。

LLビーンのベッドを比較的お勧めしやすいのは、
気に入らなかったらいつでも返品できるというサービスがついているからです。
少なくともこのブログを書いている段階ではこのサービスが有効です。

せっかく高いものを買っていただいたのに使わなかったらもったいないですからね。
でも、今のところみんな気に入って使ってくれているようです。

このLLビーンの犬用ベッドが今なら20%オフで買えるキャンペーンをやっています。
私が犬と暮らしていたら、すぐに購入します。
※なんどもいいますが、LLビーンと契約もしてませんし知人もいません!

今のところはボロボロに破壊されたLLビーンのベッドをまだ見ていません。
キャンバス地がつめたいイメージでしたら、天然のウールの毛布をひいてあげてくださいね。

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犬が落ち着ける場所はとても大切です。





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犬語セミナー:外出のときに吠える犬

犬語セミナーを開催しました。

犬の日常の行動を撮影した動画をみながら、犬の行動を観察します。
観察した情報を、犬の行動の種類別に分類して、そしてそれをまた分析していきます。
犬の言葉を科学的に、また直感的に理解していくセミナーです。

今回、見ていただいた動画の中に「飼い主さんの外出するとき」という映像がありました。
飼い主の外出といえば、日常の風景です。
その飼い主の外出のときに、犬が外出する人に対して吠えるという行動をすることがあります。

実際ビデオでは、外出する飼い主に吠えている映像でした。
犬語セミナーを見ていた方は少し驚いていました。
なぜなら、自分たちの犬は外出のときに吠えたりしないからです。
「なぜ、吠えているんですか?」というのが率直な感想だったようです。

でも、これが日常の風景になっている犬の飼い主は以外と多いのではないかと思うのです。
もし自分の身近に犬を飼っている人がいたら、こう尋ねてみてください。
「家族の誰かが外出するときに、犬が吠えることってある?」

外出のときに犬が吠えることが日常となっている家庭では、
犬のその吠える理由は「なぜ」ではないのです。
その行動の理由には、すでに答えが出ているのです。
大変多くの飼い主は「犬が行かないでっていって吠えるんです。」といいます。

犬の行動は「なぜ?」と思っている間は、日常の風景にはならないのですが、
飼い主が正当な理由をつけた段階で、日常の風景になってしまいます。
「なぜ?」がなくなると、そのことについて考えることもなくなってしまいます。

この日常の風景をビデオの題材にして客観的に見てみると、
今までと見えていなかった犬の行動をいくつも拾い上げることができます。
そのことが、今まで見えていなかった見方をするきっかけになるのです。
そして、その過程が犬を今まで以上に理解することにつながっていきます。

外出のときに家族に対して吠える犬。
特に、ひとりの飼い主には吠えないのに他の飼い主に対して吠える場合には、
「その行動本当に、行かないで、なの?」と疑ってみる価値は十分にあります。

犬の新しい一面を知ってしまうことは、飼い主にとっては喜ばしいことではないかもしれません。

自分の家族の犬のことなら、どんなことでも知りたいと思えるまでには、相当の覚悟が必要でしょう。
とりあえず何かを知っても、どうしたらいいんだろうと不安にならないことです。

「を理解することは犬を愛すること」という真実は、見方をかえる勇気をくれます。


11月の犬語セミナーは次の日程を予定しています。
11月27日(日)12時~14時 グッドボーイハート七山

平日のクラス開催については未定です。
ご希望の方はグッドボーイハートまで直接ご連絡ください。

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オポと卵

オポと体験した実際にあった話です。

ある日、いつものようにグッドボーイハート七山の家の裏側にある山への道を歩いていました。

歩きはじめて、やっと一段目を登ったくらいのところで、オポが立ち止まります。
オポが立ち止まるときには、なにか用件があるときなので、何故立ち止まったのか様子を伺います。

見ると、オポが地面の方に少しだけ鼻先をおとして、周囲の臭いを嗅いでいます。
脚は止まったまま体は動かそうとしません。
少し嗅ぐと、地面の1点に鼻先を向けてじっと立ち尽くしています。
犬の真後ろから見ている私には、オポが何に顔を向けているのかが見えないのです。

こういう姿勢のときは「あるものを見つけた」というシグナルです。

その鼻先からまっすぐに線を引いた地面に落ちているものを見たとき、ビックリしました。
顔を近づけてよく見ましたがやはり、そう。
「オポくん、これは卵だよね。」というしかありません。

どうして、こんなところに卵が落ちているのだろうと考えることは、今は必要ありません。
この卵をどうしようかということを考える必要があります。

「オポくん、いいよ。」と私が声をかけます。
その声に応じるように、オポがその卵を調べ始めました。

遠巻きに臭いをとっていたものを、もっと鼻先を卵に近づけて臭いをとっています。
卵を殻のまま与えたことはないけど、卵を割っている風景は見たことがあるでしょう。
その卵からどのような臭いがしたのかは想像するしかありません。
オポがこの卵が「食べられるもの」と判断するという予測は固いものでした。
ただ、どの段階で「食べる」という行動に移るのかの検討がつきませんでした。

卵を殻のまま食べてしまうだろうか、口にくわえて割ってしまうのか。
この後のいろんな状況が、頭の中で繰り広げられます。

するとオポは片方の前脚の先の部分、つまり爪先の部分を卵の表面にあて始めました。
後ろ脚は立ったまま、片方の前脚は地面につき、人でいうと「片手で卵の表面をカチカチ」という感じです。
それはとてもソフトな当て方だったので、卵がつぶれてしまうことはなかったのです。

カチカチとさせていると、卵の表面の一部がほんの少し割れました。
表面の一部に少しだけ穴が開いたのです。
その穴の中を少し嗅いで、それから迷わず舌でペロペロと卵の中身をなめ始めたのです。

オポが舌でなめ始めると、卵はさらに割れて中身が見え、
オポはそれを一気に舌ですくい上げて食べてしまいました。
そして、卵の殻は食べなかったのです。
食べ終わると何事もなかったのように、普段の歩速でゆっくりと歩き始めました。

そんな山の中に卵が落ちていることだけでもビックリしたのに、
このオポの卵を調べて食べる一連の動作にも本当にビックリしました。
予想とは違っていたからです。
卵は今まででも与えたことがあったので、臭いを嗅いだらすぐにかぶりつくと思ってしまいました。

犬が偶然が見つけたものと人から与えられたものでは、食べることについてこうも違うものかいう驚きもありました。
人から与えてもらうということの重さを感じることもできました。

なぜ卵が落ちていたのか。それは今でも謎です。
人の入らないようなところだし、鶏が移動するような場所でもありません。
カラスがくわえて落としたのかと思ったのですが、卵は無傷でした。
そして卵の中身がひよこではないかとドキドキしたのですが、中身は生卵でした。
鶏以外の鳥の卵ではないかとも考えてみたけど、どうみてもあれは鶏の卵でした。

山では不思議なことがいっぱいおきたので、これも不思議なことのひとつとしてそれ以上、検証するのは止めにしました。


オポの卵を見つけたときの「反応=シグナル」について補足しておきます。

地面に落ちているもの全てに同じ反応をするわけではないのです。
たとえば、むかご、ブルーベリー、柿の実、うさぎの糞が落ちているときは、
このポーズをとらず、私に知らせることなくこれらを食していました。

この「落ちている方向に体を向けて、脚を大地にしっかりとつけ顔をそちらに向けて」
集中して私の反応を待つとき、そこに落ちているものは何かというと、
大抵は人の所有ではないかとオポが学習を通して学んだものであったようです。

落ちているもの内容によっては、危険かと思い私が拾ってしまったものもありました。
たとえば、公園の隅に捨てられている食べ残しの骨とかです。
見つけたときに、取られてはいけないと慌てて口に入れてしまうようなことはしなかったのです。
街中では危険性が高いものが多く、そのままオポに調べさせるわけにはいきませんでした。
犬が見つけたとしても、「それはダメなんだよ。」と通り過ぎることばかりでした。

山に移ってからは、大丈夫かな思うものは、こうしてオポが調べることを許可しました。
許可は調べるだけでなく、その後のこともオポに任せるという意味です。

あの山に落ちていた卵は、オポにとっては大好物のギフトだったでしょう。
私にとっては、犬の不思議を見せてくれるまた格別のギフトでした。

同じものが都心に落ちていてもオポに調べさせることはできませんでした。
山だからこそできるようになったことのひとつでもあるのです。

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犬版「やんのか、こら…」、吠える理由とは

グッドボーイハート福岡は博多駅の近く、いわゆる都心にあります。
1日に1回はサイレンの音を聞くたびに、都心は事件が多いのだなと思います。
人間の数が多くスペースが限られていて、その場所をみんながとても急いで動いているとイメージしただけで、動物としてはトラブルやパニックや衝突を避けがたくなり、ストレスも多い環境になるのでしょう。

先日室内で打ち合わせをしているときに、あけていた窓の向こうから聞きなれないどなり声が聞こえてきました。「やんのか、こら…」そんな呼びかけでした。
ビックリしてカーテン越しに外をうかがうと、ひとりの男性に向き合った他の男性が、「なんや、おら」のようなコトバをくり返しているのです。動物観察の癖なのか、体の向きや体重のかかり方、視線の向け方と後退の合図や落ち着かせ行動などに目が向いてしまいます。

むきあった男性ふたりは、どちらも体を斜め向きにそして顔も斜めむきにしています。
視線だけが対象を見るため、いわゆる横にらみのような状態になります。
声をかけられた人の方は体重を片足にかけてじっとしていて、声をかけた方は体重を左右前後に(よっぱらっていたのでしょうが)、ふらふらとしています。想像ですが、おそらくきっかけは「目があった」ことではないでしょうか。

犬と犬が散歩中に出会ったときにも、この「やんのか、こら」的なつっかかりが生じることがあります。散歩中の犬と犬のトラブルもなた、互いの目があったことから生じやすいのです。

散歩中はリードをつけられており、行動制限がかかっています。
道の前から犬と飼い主が歩いて来た場合に、歩道上で2頭がすれちがうことになります。
飼い主さんの配慮があれば、どちらかが一時的に道の横に入ってとおりすぎるのを待つか、道路の反対側に渡ることで距離を取るという方法もあるでしょう。
これらは対処法なので、犬が一旦ターゲット(こちらに向かってくる犬)に集中してしまうと、吠えるて威嚇することになります。つまり犬と犬、互いに目が合いどちらかが「ガウガウ」といい、それに対して相手も「ガウガウ」と答えるというものです。どちらも興奮しているときには、リードで制御する飼い主さんを重しとしてリードに全体重をかけてしまうため、さきほどの人の例のように、体重は前後左右にウロウロとすることになるでしょう。こうなると、体制を整えるのは大変なことです。

こうなる前に避けなければいけない行動があったということです。それが、この問題を生じる危険性を低くする方法です。

人と人の衝突を見ていても、最初に視線を合わせなければ、そもそも「やんのか、こら」という風には発展しないであろうと思うのです。例えば、一方が酔っ払っていて自分をじーっと見つめながら近づいてきたとしても、すぐに不穏な空気を察して、顔を背ける通ればトラブルになることはないでしょう。でも、顔を背けることができないのです。

人の場合はともかくとして、犬が自律的にこの行動ができるようになるなら、トラブルが起きたりはしません。犬もトラブルを望んではいません。ただできないからやらないのです。

顔を背けることができない犬には、性質的にまた状態的にいろいろな段階であり、安定したテリトリーや関係性を構築されていないということは確かなことです。
ただ、それを築いていくためにはたくさんの時間と飼い主さんの努力が必要となるため、まずはトラブルを避ける術を身に付ける必要があります。

アイコンタクトという飼い主の顔を見ることを要求することで、他の犬を見ることを避ける方法があります。このトレーニングは対立分化強化という学習方法で、ふたつの行動はいっしょにできないという行動の法則を利用したものです。飼い主を見るように強化すれば、他の犬を見ることはできないということです。強化とは、ごほうびもしくは罰を足したりひいたりして、動物の行動の頻度を高めていくことをいう学習理論です。トレーニングの長所は犬に報酬を用いて飼い主のしてほしい行動を引き出すことができるため、練習によって成果はあがり、目的の達成までの時間も少ないということです。

欠点は自律的な行動ではないため、犬本来の社会性を育てる機会にはならないということです。犬に対する反応が少なくなり飼い主にとっての扱いやすいおりこうな犬になることと、犬に対して適切なコミュニケーションが取れ、自律的な社会性が育てられることは別だということを理解しておく必要があるでしょう。

どちらを選ぶのも飼い主さん次第ですし、時間がないから少しでも早くおとなしくなって欲しいと思う方、犬の社会的な発達にはあまり関心がないと思われる方なら、アイコンタクトトレーニングは効果の高いものであるし実績もあります。どちらにしても育てるのは飼い主さんなので、飼い主さんの価値観をはっきりさせて決めてください。

犬の自律した社会性を育てていくためには、どのようにしたらいいのか。
実際にはご家庭で飼い主さんと犬で共に取り組んでいただく関係改善のための練習があります。犬の性質や環境によってそのステップや方法は様々ですし、時間も必要とします。
では、その間この「やんのか、こら」問題をどのように取り扱うのかというと、あくまで「見せない」さらに「落ち着かせる」の二つを犬に伝える方法を練習することになります。
ここではリードをつけています。リードは犬にコミュニケーションをとるための道具です。リードは罰を与える道具としては使いません。興奮しているのにリードが張ってしまうと犬のテンションはますます上がってしまいます。理論的に考えればわかることです。
ところが、リードはテクニックではうまくいきません。このあたりがとても難しいけどおもしろいところなのです。

冒頭の「やんのか、こら」トラブルは、結局、声をかけられた方が通り過ぎていってしまい大事には至りませんでした。実際「やんのか、こら」といった方も、向こうに戦う意思がないなら自分もしないよ、という風にもとれる言葉です。

言葉には裏と表があってわかりにくいですが、行動のコミュニケーションは直球なのでわかりやすいものです。犬は素直にいろいろと伝えてくれる生き物です。

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色づいてきました。







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犬語セミナー開催しました

七山校でトレッキングクラスのあとに犬語セミナーを開催しました。

使用許可をいただいた教材用に提出していただいた動画と、犬と犬の対面のシーンのふたつの動画を使いました。

ひとつめの動画は「飼い主さんの外出」という日常の風景です。
日常とはいっても、散歩中に目にする犬の行動と違う行動を見ることができます。
室内飼育の犬にとって、活圏というテリトリーの中であること。
飼い主という、犬に最も深い関係の人間が影響すること。
この二つの条件により犬の行動はさまざまであることが、室内犬の行動の特徴でもあるのです。

犬の日常の室内行動は飼い主にとっては見慣れたものになっているため、犬の行動をコミュニケーションとして受け取る機会が減ってしまいます。これは、犬と室内で暮らしている方の多くに見られる傾向です。犬がテーブルの上に乗っていても気にならない、犬がじゅうたんをかじっていても気にならない、犬が吠えていても気にならない。犬がひざの上に乗ってきても気にならない…など。

人という動物にも馴化という学習過程があります。自分の環境を安定させるために、刺激に対して「はじめは気になる」状態であっても、次第に慣れるという学習を通して「気にしなくなる」状態へと変えていくのです。刺激の多い都会生活では、ストレスを回避する方法のひとつとしては有効だと思います。

ただ、対象が犬の行動となると、最初は気になっていた犬の行動が、次第に気にならなくなってしまうことで、犬が行動を通して伝えたいことを、飼い主に受け取ってもらう機会がなくなってしまったということです。これは、犬にも人にも、とても残念なことです。

日常生活をビデオで撮影して動画にしてみることで、客観的に日常をとらえることができます。気にならなくなっていた犬の行動も、動画としてみると「あれこんなことしてたの?」とビックリされることも以外とあるものです。

犬語セミナークラスでは、観察をとおして行動をあげ、それをいろいろと分析して分類しながら、犬のおかれている状況、その行動に影響をあたえている環境、そして、犬がどのような状態なのかについて、みなさんと対話しながら、考えていく時間を持ちました。

生徒さんたちはひとりひとりがそれぞれの見方というものをもっていて、いろんな角度から眺めることができます。そしてそれを互いに交換しあって、新しい気づきが生まれ、そしてこうじゃないかなというところへつながっていきます。知識やテクニックに頼らず、自ら考え気づいていくことこそ、犬との暮らしを変化させるきっかけとなるでしょう。皆さんの見方や考え方をとおして私も学ぶ機会を得られます。今回もたくさんの気づきをいただきました。

自分の犬の行動には関心があるけど、他の犬の行動には関心がないという方もいるでしょう。
たとえば、自分にはすごく関心があるけれど、他人には全く関心がないとしたら、そこに自分の成長の機会はあるでしょうか。知人や友人など身近な人から、会うことのない先人の言葉や思いまでが、他の人を通して自分について振り返ったり自分を正す機会にもなります。
実は犬に対する学びも、いろんな犬の行動をとおして犬という動物について理解する機会を得、それが自分と犬への関係の学びに戻ってくるというひとつの流れがあるのです。

終了後のお茶会では、今年の春にトレッキングクラスで見つけていた「サンシュユ」ではないかと確信に近づいていた植物が、実は「アオモジ」であったという事実を確認することになりました。
サンシュユでヨーグルトができるという実験までして結果を得ていたため、ではなぜアオモジでもヨーグルトのような発酵状態になったのだろうという疑問が生じたのですが、結局、アオモジの実の臭いからしてアオモジにも酸が入っているという結論に達しました。
知っている人からみれば、よく観察すれば間違えることはないと思われるでしょうが、これが素人の見方です。とにかく、勘違いや思い違い、思い込みというのは生じやすいものだということを実感しました。

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散歩中の拾い喰い:犬が本当に落ちているものを食べたいのだろうか

犬にリードをつけて散歩しているときに、地面に落ちているものを「拾い喰い(ひろいくい)」するような行動をすることがあります。

犬の「拾い喰い」を止めさせるためには、という情報がネットにたくさんあります。
犬の行動を考えるときには「犬の行動を止めさせる方法」の前に考えることがあります。

「犬の行動の表現する犬の状態について」です。
まず、犬の拾い喰いをよく観察してみてください。

地面に落ちているもの、ゴミのようなもの、枯葉、タバコのかす、小石、ビニールの一部など、
どんなものでも「みつけたもの」を見つけると口の中にいれようとします。

口の中でずっと噛んでいることもあれば、口にいれたり出したりすることもあるし、
噛んでいるうちに咀嚼されてしまったものを唾液と共に飲み込むこともあります。
といっても食べることを目的に口の中にいれているわけではありません。

犬のその行動が人の視点で見たときに「拾って食べている」ように感じられるため、
「拾い喰い」といわれるようになったのでしょう。

拾い喰いとは、地面に落ちている食べものを探す行為ではありません。
お腹が空いているから食べものを探しているわけではないのです。

では、何のための行動なのでしょうか。

口に入れたり出したりしている行動を見て、遊び行動だと思われるかもしれませんね。

行動は全て表現方法ですが、目的のわかりにくいものもあります。
それがストレス性行動という表現方法です。
ストレス状態であることを表現する方法です。

実は犬の拾い喰いは、ストレス性行動のひとつです。

拾い喰いパターンのストレス性行動が強いものになると、地面にはいつくばるようにして土や砂を口の中に入れ続けます。
実際に本当に食べていますが、無心に食べ続けていて声をかけても止まらず、
止めさせようとするとさらに執着を示すようになります。

ストレス性行動には様々なものがありますが、その中に執着行動というのがあります。
犬と同じように、人も執着行動というストレス性行動を表現します。
犬と人は社会性が高い動物だということ共通点があり、行動の共通点も多く見られます。

拾い喰いを、落ちているものに対して執着しているストレス性行動だと受け取れるのは、環境を変えたり、散歩の環境に適応性を見せ始めるとこの行動がなくなっていくからです。

外環境への適応力が育っていなければ、環境を変えても別のストレス性行動を示すだけですが、それこそが拾い喰いが食べ物を探す行動ではなく、ストレス性行動だと理由付けられることになります。

たとえば、もうすこしリードを長くして、リードで拘束しなくても歩行できるような遊歩道を選んで歩いたとします。

環境の変化により、行動が安定してくる場合もあります。

遊歩道という環境でも、外環境への適応力が育っていない場合には、今度はいろんなものに飛んだり跳ねたり、走り回ったりするような行動をすることもあります。

散歩中のストレス行動は、外環境への適応力だけではありません。

散歩という群れ行動が上手くいっているかどうかは、飼い主さんと犬がグループとして協力関係にあるかどうかということも影響します。


まとめるとこうなります。

散歩中の拾い喰いの多くは食べ物を探すことが目的の行動ではない。

そのため、食べ物を食べてはダメと叱るとますますストレスになる。

犬が適応しやすい場所を散歩コースとして選ぶこと。

犬が外環境に適応していけるように、ゆっくりと時間を使うこと。

犬が外環境に適応していけるように、拘束せずに移動できる場所を見つけること。(普段の散歩とは別に準備しなければいけないケースも多くあります。)

飼い主さんと犬が、信頼関係を築けるように、室内での接し方やルールの導入を見直すこと。

散歩中の飼い主の声かけは、犬へ飼い主の存在をアピールする方法になりますが、過剰になると欠点もあります。
散歩中に犬に対してずっと合図を送り続けることは、社会化の機会を奪い依存性を高めてしまうためです。
ストレスが強く、人の号令や合図に頼らなければならない状態や環境もあります。
犬の暮らす環境は厳しいものとなっているということでしょう。

犬を変えたいと思うなら、自分を変えるしかないのですが、環境改善には制限もあります。
それでも、まだまだ変えられることはあるはずです。
ひとつずつ、毎日発見。

人の変化が犬の変化につながります。

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里山の冬支度

この季節に山の中で聞こえてくるのが「ウイーン」という音、
七山に来てはじめて聞いたチェーンソーの音です。

秋になると大きくなった山の木を切ったり枝を払ったりして山を活用するとのこと。
人が活用するために植えられた針葉樹がそのままになると、倒れてしまいこともあります。

里山は、人が資源を活用して利用しながら、そして山を生かし続ける場所です。
昔は手作業でやっていたことがエンジン付きのものを使用するようになったりと、
道具の発達でその風景はずい分と代わってきたことは確かでしょう。

野生動物は隠れる場所を必要とします。
茂みや竹藪が里の家近くにあると、野生動物は藪に隠れて近づきやすくなります。
そのため、茂みや藪をきちんと刈り払っておくことが大切です。
そうすれば、身を隠す場所がないため里に近づくときも慎重になるからです。
これも「境界線」です。

犬は寝床や休憩場所として「隠れるスペース」を必要としています。
里山の茂みを刈ることが犬の行動へ影響を与えないだろうかとも考えるのですが、
テリトリーをパトロールする犬は、茂みの中を移動することを好まないようです。
少なくとも私が観察し、犬の行動に照らし合わせて考えた結果ではそうなります。

茂みといっても森のことではありません。
笹薮、竹藪、ススキも藪化しますが、こうした場所を移動のルートとしては選ばないようです。

たとえば、山中にあるイノシシが歩いたと思われる道を犬は歩きません。
けもの道の獣の臭いを追うことを目的とすれば、この道を追うのかもしれませんが、
イノシシと犬では脚の構造が全く違うため、巡回移動するのに得意な場所も違ってきます。

犬はイノシシを捕食することのできる動物のため、イノシシは犬を避けて移動します。
犬の苦手なルートを移動ルートにするという理由もなりたつかもしれません。

犬は嗅覚を頼りに情報を得ながら移動していきます。
そのため藪などの風を妨げる場所では、全体を把握することが難しくなります。
これも犬が藪を好まない理由だと考えています。

犬が藪に入るときには、何かを探していくときです。
藪の中に何か臭いがする、それを探すために藪に入る犬もいますが
探そうとする対象への興味や関心の高さによって、藪に入るかどうかも決まるのでしょう。

人と共に行動する歴史の長い犬は、人にとって移動可能なルートが優先されたという理由もあるでしょう。

家周辺の藪を刈ると犬の動きが変わっていたことは確かなことでした。
飼い主のそばから離れないような犬は、環境による変化を感じ取り行動を変えることは難しいものです。
これらの行動は、環境の中で自律して行動できる犬特有の行動なのかもしれません。

そんなことを考えながらも、今日はたくさん働きました。
お手伝いもしていただき、木々は整理されその中から小さな薪がたくさん生まれました。
次の次にくる冬のための薪なんです。自然の生活は本当にゆっくりですね。

添え木をして育てたという「しだれ桜」をいただきました。
いつころ花が咲くのかを尋ねると「3年くらいかな。」ということでした。
3年か…。いつか見ることができたら、感慨深いものだと思います。

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