グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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子犬の社会化トレニング:子犬と外出

犬の子犬期間は乳歯の生えている生後5ヶ月から6ヶ月までをさしますが、一日で成犬になってしまうわけではありません。犬は人との暮らしにより成長が遅れがちであるため、生後8ヶ月くらいになっても子犬のような状態であることがあります。

発達が遅れがちだなと感じるのがテリトリーの構成です。テリトリーにはいろいろな領域のとらえ方がありますが、ここでいう不安定なテリトリーの構築とは生活圏=ホームレンジといわれる生活の場です。生活圏はいくつかのテリトリーの境界線によって作られており、一番外側の生活圏が散歩の場所ということになります。

子犬にとって散歩の場所が安定した生活圏になったと把握できる行動は、排泄行動によって表現されます。犬の排泄行動は、犬のテリトリーによってその場所がかわるため、視覚に頼る人にもわかりやすい情報源です。

子犬の発達が遅れ生活圏が不安定だなと感じられる理由は、散歩中に排泄行動がナチュラルにできないということです。散歩中に排泄をできないと、歩きながら排泄する、いきなり立ち止まり排泄する、アスファルトの上で排泄してしまう、などがそれにあたります。これらの行動は、子犬のテリトリーがまだ不安定ですよ、というお知らせとして捉えてください。

ところが、生活圏が不安定な子犬を、郊外の公園やドッグカフェ、ドッグランなどに車で連れていってしまう飼い主さんが多いのです。もちろん、飼い主さんの方は犬を喜ばせたいか、犬と楽しく過ごしたいという愛護の気持ちであることは理解できます。なかなか犬と過ごす時間がなく、子犬と休日を満喫したい、それには日常の散歩コースでは満足できないから遠出しようという人側の提案です。しかし、ほとんどの飼い主はこうした状態の子犬を連れ出すことが、子犬の社会化を後退させてしまうということに気づいていまん。

子犬を外に連れ出す理由は、実際に連れ出した子犬が吠えたり興奮したりしないために、子犬はその環境に順応していると思い込んでしまうためでしょう。もしくは、新しい場所、人、犬にあわせて経験させることが社会化だと勘違いされているからかもしれません。
犬が他の社会的対象(他の犬や人)に対して攻撃的に吠えるようになるのは、早くて1歳前後、遅ければ2才近くになってからです。子犬のころは緊張していても、動けずにじっとしていることがほとんどです。あまり多くのストレスがかかると子犬は寝てしまいます。人の子供が飛行機や乗り物に乗るとすぐに寝てしまうのも、身体的なストレスがかかるためです。連れ出した子犬や、帰宅後にすぐに寝てしまうのはストレス行動でもあるのです。いつもとは違う人や犬の多い公園やカフェ、ドッグランに出かけ、「帰ってきたら満足したようでよく寝てくれるんです。」という飼い主さんもいます。本当に満足して寝ているのでしょうか。多大なストレスがかかって寝ている場合もあるということもあります。

これらの行動が社会化を後退させる経験だったということは、犬が1歳を過ぎてから他の社会的対象に対して出てきます。子犬の経験が実際の社会行動に表現されるのが数ヵ月後ということですから、一瞬一瞬の犬の行動を理解する力がなければ、気づいたときには子犬の社会性はかなり落ちているということです。

子犬期の社会性の発達は、犬の生涯のストレスに影響します。まず、わかりやすいお知らせ行動に注目してください。散歩コースの中での排泄行動がナチュラルな状態で行われているかどうかをチェックしましょう。この行動が安定するまでは、お出かけは控えることです。不特定多数の人や犬が出入りするドッグラン、ドッグカフェ、大きな公園はおすすめできません。子犬といっしょに出かける場所を作りたいなら、知人の家などを借りましょう。同じ場所に何ども訪問して、テリトリーの所有者と関係を深めることで、その場所で子犬が居場所を作ることができて排泄を自宅と同じように正常にできるようになるという場所を探してください。

子犬は発達の段階でたくさんの可能性を秘めています。そしてそれはすべて飼い主さんにかかっているのだということは言うまでもありません。
大切な社会性の発達=社会化は、あちこちへ連れ出すことではありません。
飼い主との関係、安定したテリトリーが子犬の基盤になるのです。

dav
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