グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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映画やアニメで見る(学ぶ)犬のこと、犬をよく観察する機会に。

先日クラスの時に生徒さんから「ドッグシグナル」というアニメ番組のことを聞きました。

聞くところによると作者の方は獣医師やドッグトレーナーなど様々な人を取材した上で真剣に作られた作品で、今までの犬のアニメーションとは違うというらしいのです。

ひとりの青年がドッグトレーナーを目指して犬のことを学んでいくという内容らしく、犬について学びたい人々の興味関心をそそる素材として注目されているそうです。

じっくりと見られた生徒さんが言うには、「犬のことをよく観察すること」というのがまず最初にあるらしく、その部分だけはグッドボーイハートの指導内容と共通しているということでした。

犬の動物としての習性や行動、コミュニケーションはまだまだ完全に明らかにはされていません。

犬の行動の意味や目的や犬がどのような状態であるのかを知ることについて、常に共通点を見いだせるように議論しあって時間を費やすことは犬を知る上で最も大切な時間です。

当校ではそういう目的で「犬語セミナー」というセミナーを開催しています。

犬を良く観察すること、観察した上で得られる情報を精査すること、この二つが犬語セミナーの目的です。

「ドッグシグナル」という題名からは最低でも「犬にはシグナル=信号」というコミュニケーションがあるのだいうことは伝わってきます。

まずは犬の行動を読み取ることです。

その上で犬とどのような関係を築いていきたいかということは、個人の価値観が反映されるところでもあるためここは自分で考え、他者からも影響を受けるという姿勢でよろしいのかと思います。

さて、犬のアニメや映画をほとんど見ているこの生徒さん「“ベンジー”を見ましたか?」と尋ねてみました。

古い映画なのでもうないと思っていたのですが、生徒さんがスマホで検索するとなんとネットフリックスで配信されていたのです。

映画「ベンジー」はわたしが小学生3年生のころに学校行事で見た映画です。

スクリーンの中の賢いベンジーに犬好きな私が虜になったことは想像していただけると思います。

その後、この仕事を始めるようになって出会ったベンジーのストーリーは過去のブログ記事にアップしています。

犬に寄り添い自然に近づいた人のこと:昭和の犬の映画「ベンジー」のドッグトレーナーとの出会い

人生は本当に不思議なご縁でつながれています。

皆さんと犬の出会いもまた特別でかけがえのない出会いであったことを皆さん自身が体感していらっしゃるでしょう。

犬語セミナーは4月に開催を予定しています。

Posted in 日々のこと, 犬のこと

「犬の服従性行動について」セミナーまとめより

先月の犬語セミナーで取り上げた「犬の服従性行動について」をテーマに、本日は補講と称して2回目を開催しました。

セミナーを受講された方の復習用にまとめとして記載しておきます。

主に5つのテーマに分けて説明を進めました。

  1. 犬の服従性行動とはどのような目的を持った行動か?
  2. 犬の服従性行動とはどのような行動のことを言うのか?
  3. 犬の服従性行動は大きく二つに分けることができる。
  4. 犬の服従性行動と見間違いやすい行動とは?
  5. 犬の服従性行動を引き出すために飼い主としてできること。
答えの欄を見る前に、この項目について自分なりに答えてみてください。

犬の服従性行動とはどのような目的を持った行動か?

質問の意味は、犬の服従性行動は犬の社会的行動の中でどのような目的を果たしているのかというものです。

名前のとおりですが、服従性行動はある犬が特定の犬に対して「服従していることを表現する」行動です。

その目的は、個体間で序列を決めるために表現するものです。

簡単に言えば立ち位置としてどちらが上でどちらが下かということをはっきりとさせておくための行動です。

この服従性行動が表現されることで個体間の位置がはっきりとし、群れの中の序列を整えることができます。

犬の社会的行動は群れ行動で成り立っているという基盤の部分を作るコミュニケーションであるため大変重要なシグナルです。

自分の入るべき列がはっきりとしていることで自分の役割が決まってくる序列の社会は人社会と同じです。

みんな仲良しでみんな一緒の友愛を唱えたい人からすると縦社会という言葉自体が敬遠されるものかもしれません。

しかし実際には社会は縦社会で成り立っており、捕食活動を続けてきたイヌという動物にとって長い間必要とされてきたこの縦社会の部分はまだまだ消えることがありません。

縦社会には、親分~子分的な社会もあれば、親~子の家族的な社会もあり印象も様々です。

どちらにしてもイヌは「あなたが私よりも優位です。」と表現することで社会=群れを成り立たせているのです。

 

犬の服従性行動とはどのような行動のことを言うのか?

ここでは服従性行動として具体的な行動を上げてもらいました。

例として

耳を下げる

尾を下げる

体を低くする

お腹を見せる

目線を避ける

伏せる

後ずさる

舌をぺろぺろ

等があります。

 

犬の服従性行動は大きく二つに分けることができる。

上記の服従性行動は二つに分けることが出来ます。二つとは

1 能動的服従性行動

2 受動的服従性行動

 

犬の服従性行動と見間違いやすい行動とは?

ここでは動画を見ていただき説明を加えました。

子犬が3歳の犬に対して示す行動の動画を見ました。

動画の中で子犬が服従性行動を示しているかどうかを確認しました。

また服従性行動に大変似ているがまったく違う行動が出ていることを確認していただきました。

似ている行動とは「甘え行動」と言われるものですが、子犬を表現する行動です。

はっきりとみられた甘え行動は、まとわりつく動作でした。

これは子犬が人に対して大変多く行われる行動で、多くの飼い主が「犬が自分に服従している」「犬が自分のことを好きだと言っている」と勘違いする行動です。

子犬期のまとわりつき行動には拒絶のシグナルを出す必要があります。もしくは受け取らないように注意する必要があります。とても重要なシグナルです。

 

犬の服従性行動を引き出すために飼い主としてできること。

犬の服従性行動は自分よりも優位なものに日常的に出されている行動です。

犬は優位な犬に対して大変丁寧に服従性行動を示しますが、優位な立場にある人に対しても服従性行動を示します。

ですが、前述したとおり服従性行動ではない行動を誤ってみていることも多いのです。

例えば、「お腹を見せる」という行動をすべて服従性行動であると判断することはできません。

単発の行動は前後の行動を重なり合って文章になっています。

単発の行動を拾い上げるのは重要な作業ですが、その前後の行動と結びつけて判断することがより重要になります。

こうした複雑さから多くの人が犬のコミュニケーションを読み取りし間違えてしまいます。

いい例は「犬が尾を振っているから喜んでいる」です。

犬は攻撃するときも尾を振ることはありますので、これだけの情報では読み間違いしてしまいます。

犬の服従性行動を増やすためにできることは、以下の2点です。

1 犬のシグナルをできるだけ正確に読み取れるようになること。

2 犬が優位だと認められるような飼い主であること。

犬のよき理解者になり犬の良き友達となれるよう、これからも定期的にセミナーを開催する予定です。

Posted in 犬語セミナー, 犬のこと

群馬県内の公園で犬が12名にかみついた事件について。犬はなぜ人に噛みつくのか?

ネットニュースを見てさすがに私も驚きました。

一般の方よりも圧倒的に聞いたり見たいする回数の多い仕事に携わっていますので「犬が人に噛みついた」くらいでは驚きません。

しかし、公園で12名に次々と噛みついたという記事を見たときには、どんな状況でどのような犬がどのような人に噛みついたのだろうかと、事の詳細を把握したい気持ちでいっぱいでした。

犬の噛みつき事故の事実確認。何が起こったのか。

その後ニュースで見た内容が間違っていなければ、以下のような状況であったということでした。

・群馬県内の公園で、小学生4人と40代の男女2人の合わせて6人が犬に噛まれた。

・上記の15分後、公園から300メートル離れたふたつめの公園で小学生5名と60代男性1人の6名が噛まれた。

・ケガの程度はいずれも軽症。

・噛んだ犬は地域の男性が飼う四国犬(体長1メートル30センチ、2歳、オス)

・犬は現場で県の動物愛護センター職員が捕獲。

・飼育時は外の犬舎に入れていたが、犬舎から逃走した。理由は不明。

※以上はヤフーのニュースに掲載されていた内容(2024年2月8日現在)

 

事実状況から推測する、かみつきの状態はどのようなものだったのか。

上記のニュースの内容や、他の動画ニュースの配信も確認しました。

目撃者の証言には、犬は人々に近づいてにおいをとっていたが一人の少女が走り出したのに追いかけるように噛みついていったという内容もありました。

別の証言では、男性が連れていた小型犬の頭に噛みついて振り回していたので飼い主の男性が足で犬を蹴って追い払おうとしていた、というものもありました。

病院の映像では足首を噛まれて怪我を負った男性の映像がありました。

人々の足や転んだ人の他の部分に対して、動くものに反応するように噛みついた状態であったのではないかと推測しています。

小型犬の状態については報道されておらずとても心配ですが、犬に対しては殺傷目的をもって噛みついたあとの振り回しが出たと推測します。

 

四国犬ってどんな犬?

ニュースの詳細が分かったときに犬が四国犬であったことを聞いて多少納得しました。

四国犬を身近に見たことのある方は少ないと思います。

ペット化した柴犬という日本犬がとても人気となり増えている中で、同じ日本犬種でありながら柴犬よりも一回り大きな四国犬が全く流行らないのにはそれなりの理由があります。

四国犬は猟犬として飼育されている場合がほとんどで、ペットショップではあまり見ることがありません。

四国犬はペット化されていないため特定の人にはなつくが他人にはなつきにくく、猟犬として育てれば飼い主の言うことに従う服従性を示すがきちんと飼育管理することでその良さが生きる犬です。

飼い主のコメントでは犬舎からは出られないようにしていたはずなのに…といことでしたが、実際には犬は犬舎から出たのですからどこかに老朽化した部分があったか、締め忘れた戸口があったのか、いずれにしても犬は犬舎から出たという管理ミスが悲劇を生みました。

犬は噛みつく動物なのか?

犬を愛して共に暮らす飼い主さんたちにすれば「犬がそんなにたくさんの人に無差別に噛みつくなど信じられない」と思われるかもしれません。

そもそも犬は噛みつく動物なのでしょうか?

答えは「はい」。

犬は噛みつくという行動のできる動物です。

どの動物にも生まれつき備えている行動は機能と結びついています。

犬が噛みつくという行動は、犬にとって何らかの機能を果たすために必要な行動です。

その機能とは、犬は人からエサをもらう以前は捕食性動物であり動物を噛み殺すことで食べものを得る動物でした。その習性は今も変わっていません。

また、犬や群れを外敵から守るために噛みつきを攻撃性の方法として使用します。

では、今回の四国犬の噛みつきはどのような理由の噛みつきだったのでしょうか。

状況から察するところ、動くものに反応するように噛みついたこと、噛みつきの傷は軽傷であったことから追い込むように噛みついたであろうことなどを考えると、捕食性行動を利用した猟犬の噛みつき行動のパターンのようです。

猟犬はあくまでコントロールできるリーダーとしての猟師とグループになってこそその役割が発揮されます。

同時にリーダー不在の状態で刺激だけが与えられると、衝動的に噛みつき制御できない状態に陥る危険性もあります。

全ての猟犬がそうだということではなく、未完成の状態であればあるほど刺激反応は危険なものです。

犬の行動を考えるときにはこのようにその機能性について考えるのですが、残念なことに考える必要のある多くの行動は「人と暮す犬の問題行動」として取り上げられたときの方が多いのです。

この事件を、ただ可哀そう、残念だと片づけるのではなく、犬という動物の行動を考える機会としていただければと思います。

大きな犬に噛まれたり追われたりして辛い思いをされた子供さんや成人の皆様の体と心の一日も早い快復を心よりお祈り申し上げます。

Posted in 犬のこと

能登半島地震で活動する災害救助犬という使役犬について

能登半島地震でがれきの下かた救出された犬たちの写真や映像を見てほっとし、犬の生命力はやはりかなり高いのだなと再認識しています。

地震からかなり時間がたってしまったため、生存の確立はどんどん下がっているのでしょうが、おひとりでも多くの行方不明者の方が見つかるようにと祈っています。

地震直後はがれきの下に埋もれてしまい助けを求めている人をできるだけ早く救出する作業が危険と隣り合わせで行われていました。

余震が続き痛んだ建物や家屋が崩れ落ちる危険性の高い状況でのレスキューには経験や知識、能力を備えた特別なレスキュー隊員が活動をされていました。

そのレスキュー隊の中に、災害救助犬という災害時に救助の手伝いをする使役犬(しえきけん)もいました。

私はテレビニュースなどを見る時間があまりないのですが、友人が一枚の写真を送ってくれました。

写真はハンドラー様よりご提供いただきました(無断転載厳禁)



写真を送ってくれたのは、盲導犬訓練士時代の友人です。

一昨年、グッドボーイハートに盲導犬についてのセミナーの講師として来てくれたこともあります。セミナーを受講された生徒さんもたくさんいらっしゃいましたね。

この写真でレスキュー活動をしている災害救助犬は、実はその友人が盲導犬として育成していた中でキャリアチェンジ犬となって災害救助犬団体に移動になった犬だということでした。

キャリアチェンジというのは、盲導犬として繁殖育成をしてきた犬が、盲導犬としては適性がないため他の役割にチェンジするという仕組みです。

キャリアチェンジ犬の中には災害救助犬や補助犬になる犬もいますが、そのほとんどは家庭犬としてキャリアチェンジを果たしています。

盲導犬から災害救助犬へのキャリアチェンジというのは、決して多いものではありません。

災害救助犬の活動を見て、すごいなと思われる方も多いでしょう。

こうした使役の作業はすべての犬ができるわけではありません。

一定の資質を備えている犬に適切な飼育と訓練が重なってこうした活動が実現されるのです。

どの使役犬も危険でないことはありませんが、災害の現場となると使役の中でも緊張感の高い環境です。

ハンドラーと犬との協力関係がなければ、お互いに安全に作業することができません。

緊張感の高い作業ですし、達成したときには人だけでなく犬の方にも充実した時が生れるでしょう。

犬の高い社会性のなせる業なので、他の動物ではなかなかありえない関係性です。

ですが使役犬=作業犬は人に使われてる犬なので可哀そうという気持ちを持たれる方もきっといらっしゃると思います。

いつも暖かく安全な場所で人の膝に抱っこされて一日を終え「今日も楽しかったね」と暮している犬がいいのか、危険な作業に人と共に出かけて行って辛くて危ない時間を過ごす犬がいいのか、に答えはありません。

また、前述したとおり使役犬には適性というものがあり、繁殖の知識や情報がたくさんあっても生まれた犬がすべて適性があるということにはならず、現実は厳しいのです。

みなさんと暮している家庭犬は、家庭犬という目的に応じて繁殖された犬と、野良犬として人とは暮らしていなかった犬を保護された犬のどちらかでしょう。

どちらにしても、与えられた役割は家庭犬です。

家庭犬といっても役割は幅広く、どのような役割を準備しているかは飼い主次第となります。

使役犬が優秀で家庭犬が劣っているということは決してありませんので誤解のないようにお願いします。

 

※なお、掲載写真は犬の提供を受けたハンドラー様が繁殖と育成を担当してきた友人に送られてきたというもので、当ブログへの掲載の許可は頂きましたが転載許可はいただいていませんのでご了承下さい。

 

Posted in 犬のこと

自然の中で長く過ごすと、知覚が鋭敏になること。

年末年始と唐津市のオポハウススクールで過ごす時間が長くなりました。

山の暮らしから都会の暮らしへと移ったときにいつも感じることがあります。

 

山での生活で味覚の変化を感じる

久しぶりに福岡に戻ってほっと一息で癒されるのはずのコーヒーが本当に不味い。

これは、福岡と七山(唐津市内の山)の二拠点生活の中で、山の滞在時間が長くなると毎度起きることです。

実は、ダンナくん(私の主人の愛称)もこうした話をしていないのに同じような経験をしていました。

「福岡に帰って紅茶を飲んだら不味いんよ…。

それで、開封した紅茶がダメだったんだと思って新しいのを開けて飲んだんよ…。

それでもやっぱり不味いんよ…。

で、水や!って気づいたんよ。」

という事ことがありました。

ただ、水が違うだけで美味しいか不味いかが分かれるなら水だけの問題なのですが、これがそれだけでもないのです。

水の違いだけでないのです。自分の舌が違いのわかる舌=味覚になっているのです。

博多で食べておいしいと思えるものが、七山では不味いと感じてしまうのです。

例えば、博多では食べられるインスタント食品が山では美味しいと感じられません。

山にいるときにはどんどん食事がシンプルになっていきます。

普段からごはんとお味噌汁とお豆腐で、と言ってるのもまんざら楽したいだけではないようです。

 

他の知覚よりもわかりやすい味覚の変化

山暮らしで変わっていく知覚についてですが、感覚的に一番はっきりと表れるのは「味覚」です。

接触行動は大脳の辺縁系が関与する原始的行動なので、最初に変化するのが味覚なのかもしれません。

もしくは、私たち人間が味覚以外の知覚が動物に比べて能力がなさすぎるという理由もあるのかもしませんが、いずれにしても味覚の変化は七山滞在時でもはっきりとわかります。

人工的な味付けのものを美味しいと感じられなくなり、味覚のごまかしがきかなくなってきます。それで、どんどんシンプルなものを食べたくなります。

個人的にはもともとその傾向が強いのですが、さらに加速していきます。

実際に変化しているのは味覚だけでなく、他の知覚も鋭敏になっている気がします。

 

嗅覚や視覚、触覚も鋭敏化する

空気がきれいな山の中ではにおいに敏感になります。

都市空間だったらつねにガスや食べ物や人工的な芳香剤のにおいがするため、臭いに鈍感にならなければ生きづらくなります。

ですが、山は土や草のにおいばかりですし空気の流れで常ににおいが流れていきます。

こんな透き通ったにおいの空間では、少しににおいにも敏感にならざるを得ません。

視覚も変化していきます。

常に視覚を遮られる状態で遠くが見えない都市空間と違い、遠くに動いているものもすぐに気づけるようになります。

さらに、ライトにさらされて鈍化してしまった視覚も、太陽の光や影に敏感になります。

肌の触覚にも変化があります。

ポリエステルなどの化学繊維に対して敏感に反応するようになります。拒絶感が強くなるのです。

鈍感な人間でもこれほど知覚に変化があるのですから、犬だったらもっと変化するはずです。

知覚が鋭敏化するというよりは、本来の状態に戻っているような気がします。

 

犬の知覚センサーが正常化するとどうなる

自然環境に暮らし始めると知覚が変化するということが犬に起きると、犬はどう感じるようになるでしょうか。

ジャンクなドライフードを美味しいと思わなくなるか。

洗剤のにおいに違和感を感じるようになるとか。

犬に尋ねてみないとなんとも言えません。

しかし冷静に考えてみるば、知覚の正常化は脳の正常化です。

正常になる、機能性が高まるというのに悪いということはないはずです。

犬の鋭敏な感覚は都市空間では時として邪魔になることがあるかもしれませんが、それが犬という動物だということを知って受け入れるということの方が重要性が高いのです。

要するに、犬がまともになる空間にできるだけ一緒に出かけましょうねということです。

寒い冬の季節ですが、山の空気は夏よりもずっと透明です。

ぜひこの季節も犬と山にお出かけ下さい。


 

Posted in 犬のこと, 自然のこと

旅客機の客室にペットを持ち込むかどうかの議論について

元旦から震災や人災など辛いニュースが続きます。

能登半島地震と飛行機の追突事故でお亡くなりになられた方にご冥福を申し上げます。

また同地震で被災されていらっしゃる方々に平穏が日々が早く戻ってくるようにお祈り申し上げます。

そして、飛行機の追突事故では乗っていたペット2頭が亡くなったとのことです。

ちょうど夕方のニュースだったことと地震の直後だったこともあり珍しくテレビがついていJAL機の事故のことを映像を通して知りました。

燃えていてなかなか消えない飛行機をみながら「犬や猫などペットが乗っていたのではないか…」と気がかりだったのですが、残念ながら現実のこととなりました。

大破した日本航空旅客機に同乗していたペットの救助ができなかったことに対して様々な意見が出ていることをネットで読んでいます。

現在ではみながそれぞれに自分なりに「こうであってほしい」という気持ちを述べているので、どれも間違いではなく今のところ正解はありません。

ですから、自分としてはこう考えるなぜならというところをお話したいと思います。

 

輸送が動物(犬)に与える影響について

動物=犬の輸送はどのような状態でも犬にストレスを与えます。

犬が今まで生活してきた中にない状況に置かれるのだから当たり前のことです。

移動中に子供がすぐに寝てしまうように、多くの犬は移動の最中に寝てしまいます。

これはストレスを最大限に回避する防衛行動です。

私事ですが私も動物なみに輸送されるのは苦手らしく、飛行機に乗るとすぐに寝てしまいます。ポーンという音と同時に目を開けると「お目覚めですか?」のシールが貼ってあることがほとんどです。

車の窓から顔を出している犬もいるじゃないかという意見もあるでしょう。

ところがあれ自体も風を受けたりにおいを嗅いだりする感覚を継続することで、脳の混乱を防ぐひとつの防御的作業になっているのです。

 

輸送の乗り物が犬に与える影響について

犬を輸送する方法として、車、飛行機、船、汽車、バスといったものがありますが、輸送する乗り物によっては犬への負担も異なります。

負担が生じる度合いについては、乗り物の速度、揺れ、気圧、臭いといったことでしょう。あとは乗っている時間の長さです。

同じ距離を移動するのに旅客機を使用したいメリットは短時間であることです。

福岡⇒東京が1時間半で行けるものを、車なら休憩しながらでも1日近くかかってしまいます。

ところが、飛行機は気圧の変化が激しく、揺れなど想定のできない衝撃もあるため短頭種、つまり鼻ぺちゃのフレンチブルドッグやボストンテリア、ペキニーズなどの犬種は利用を断れれることもあります。

それだけ飛行機は犬にとって負担の大きな乗り物です。

船なら揺れくらいで済みそうですが、船はずっと海のにおいを嗅ぎ続けることになります。

そもそも海には入らない犬という動物が海のにおいを嗅ぎ続けて安心するという仕組みはありません。

新幹線なら自動車やバスよりも早く移動できますが、やはり時速200キロが動物の体や精神に与える影響がゼロとは言いかねます。犬としては防衛本能的に「寝る」選択肢で乗り越えるしかありません。

バスや自動車は移動に時間がかかりますが、その分日常の延長に近い環境を整えやすいことと休憩時間をいれることも可能です。

 

犬を輸送するならこの方法がベスト

といろいろと理由のある中で輸送のベストな選択肢について、今のところの考えは以下のとおりです。

1、国内輸送であれば車で同伴させる。

国内であればかなり離れている距離でも車での移動が可能です。

前述したとおり、車であれば気圧や揺れなどの身体的負担を飼い主側がコントロールすることも可能です。

移動時間を調整して途中休憩を多くいれることもできます。

排泄させたり、散歩させたりして体の状態を整えることもできます。

また車の中は犬にとってはひとつの室内空間です。

室内飼育の犬であればリビングがそのまま移動しているような空間なのです。

飼い主が車でもお茶をしたり食べ物を食べたり、話しかけたりできるのですから、リビングそのものです。

車で一日移動するとなると犬に相当の負担がかかるという気持ちにもなりますが、時間が十分に取れるのなら絶対に車での移動がおすすめです。

2 車で移動できない場所への移動ならどうする?

車で移動できない場所への移動ということは国外への輸送ということになります。

犬を国外に輸送するケースは引っ越しか、子犬を引き受けるときです。

成犬の輸送と子犬の輸送、どちらがストレスになるかというと、実は成犬の方がストレスになります。

脳の小さな動物の輸送の場合には、脳がシャットアウトしてしまうため、覚えていない状態になるのです。

よほどの人でない限り赤ちゃんのときに輸送された経験がトラウマになることはありません。

海外移住などのために成犬を飛行機で輸送されることを相談されたことがありますが、これはもう「止むをえない」輸送ということで腹を決めるしかありません。

実際に相談された生徒さんも、空輸が犬に与える影響について考えた上で一時は親戚に譲ろうかという案も出ていました。

ですが、最後の最後になって「やはり犬を手放すことはできない。」という考えになり日本からアメリカに引っ越しの際に犬を空輸されました。犬は無事に移動されて元気に海の向こうの国で過ごしていました。

海外への引っ越しのケースは本当に稀だとは思いますが、移住で帰国の予定がないのであれば連れていくというのもありだと思います。

ただ旅行のために寂しいからと犬を飛行機に乗せてあちこちに連れていくのは、動物の負担の強すぎることです。

海外旅行に行きたいなら犬は誰かに預けておくことです。

 

犬の預かりを始めた理由

実は私も犬を飼っているときに犬を預ける場所がなく困っていました。

出かける用事は勉強会だけだったのですが、東京や海外のセミナーに出席するためには数日間犬を預ける必要があります。

スタッフに自宅に泊まりに来てもらったり、知人のドッグトレーナーに個人的に預けてこともあります。

ですが一般的なペットホテルに預けることはできませんでした。

その際に犬が安全な管理された室内でちゃんとエサを与えられて安全に管理されていたとしても、やはり心ある形で接してくれる人がいる場所がいいと思ったのです。

こうしたことが理由で、愛犬オポが亡くなったあとに預かりをすることになったのです。

預かりをしている最中は自分の犬と同じように普段から閉じこもりがちな犬たちに屋外で遊ぶ時間をたくさんつくり、他の犬たちと交流されたり、自然の空気を一杯吸って過ごしてほしいと屋外活動を大切にしています。

ですが、普段から閉じこもりがちでかつ室内で自由奔放に過ごしている犬たちは、自然空間の広い土の上では、多少活動が激しくなりケガをしたりお腹の具合の悪くなることもあります。

預かり回数や日数が多く環境に馴れている犬の方は安心できるのですが、活動欲求がたまった状態になるといろんな意味で爆発しやすくトラブルも起こりやすくなります。

それが怖いからといってクレートに入れたままとかつないだままにすることもできません。

これは子どもでも同じだとは思いますが、全くケガをさせたくないならスポーツや屋外での活動をさせずに室内でゲームをさせている方が安心です。

体は使ってこそ使い方を覚えるのですが、使わなければ使えない体になってしまいます。

私も人生で3回の骨折を経験、そのうちの2回は子どもの時に遊んでいたときでした。多動な子供だったようでおかげ様で今は転んでもあまりケガをしなくなりました。

犬がケガをするのも困るという気持ちで冷や冷やしながら預かりを続けていますが、犬が走るのを全く止めたりする気持ちはありません。

自分の犬だったらと思って遊ばせています。正直に言うと人の犬だと割り切るのだったら安全な場所に閉じ込めておきたいですが、犬の気持ちになるとそうもできません。

ということで、旅客機の機内に犬を持ち込むか持ち込まないかという議論はあまりにも小さすぎるのではないかというのが結論です。

犬たちのためにできること、これからもそれぞれの思いで考えていただき、実践するのは自分自身ですからあまりにも人の意見を批判しすぎることのないようにしたいですが、どうやらSNSというのはそういう場所のようですね。


 

 

 

Posted in 犬のこと

オポディトレッキング開催しました。

12月17日にオポディトレッキングクラスを開催しました。

オポディとはオポ(私の愛犬)の命日である12月と年末トレッキングを合わせて、皆で一年を締めくくるトレッキングです。
今年もちらつく雪にどきどきしながらのトレッキングとなりました。

 


写真は生徒さんたちが撮影されたものが綺麗でしたのでインスタグラムから引用します。

 

 


 
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トレッキングコース途中で山羊のアール&ゼットが待っていました。
朝から山羊たちをフリー活動させていたのですが、勝手にスタンバイしれてくれていたのです。
アール&ゼットもグッドボーイハートの一員になってくれたようで飼い主としては満足でした。

しかし、アールとゼットの関門を通行するというイベントとなり、リードワークはかなり大変だった犬もいたようで良い思い出になってくれたらいいです。


今年もたくさんの犬と人で何度も尾歩山を歩きました。

いろんな山があるけれど同じ山をなんども歩くことで見えてくる風景もあります。

単調な山歩きですが、山歩きを通してゆっくりとつながってくる関係性を大切にしています。

またアールゼットも参加させてください。

 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

“犬は人間ではない”が当たり前で“犬が人間だと思っている”が危ういのだと気付くために。

週末はグループトレッキングとセミナーを開催しました。

セミナーは各月で開催している「犬語セミナー」です。

犬のコミュニケーションについて学ぶセミナーですが、講師が一方的に説明する形式ではなく、参加者全員で考え、犬という動物について思いっきり議論しようという趣旨のセミナーです。

講師がこれまでに知っていることを話す時間ではなくセミナー用に準備した動画を参加者と一緒に分析して考えていくスタイルですので、講師の私にとっても気合のいるセミナーです。

思い込みや知っているつもりでいっぱいになっている頭の中に、空白のスペースを開けるという作業は学べば学ぶほど難しくなっていくからです。

新しいことを学ぶ度に「ああよかったこれで全部分かった」と思うと同時に「いや、まだ知らないことがたくさんあるはず」という現実がやってきます。

セミナーに参加して下さっている生徒さんたちはみなさん長く犬と暮しながら犬について学び続けている方々です。

その中のおひとりがセミナーの終わりにこのような発言をされました。

“犬は人間じゃない、というとまるで犬を虐待しているように思われることがあり残念です。”

この発言に参加者のみなさんが深く頷いていたのです。

“犬は人間じゃない。犬は犬なんです。”という当たり前すぎるこの価値観が通用しない別の価値観が増えているらしいのです。

つまり“犬は人間と同じ”という価値観がかなり世間では一般的となりつつあるということなのでしょう。

言葉は言葉ですから、あくまで行動に移してこそはじめてその価値観の意味がわかるというものです。

犬は人間と同じという言葉の意味が、犬を人と同じようにお互いをしりその存在を尊重するというのであれば共感します。

しかし、犬は人間と同じという言葉の意味が、犬に布団をかぶせて寝かせたり、服を着せたり、靴を履かせたり、外に出すのはかわいそうという理由で土の上を歩くこともできないというのは少し違うのではないかと思うのです。

「うちの犬は自分のことを人間だと思っている。」と得意げに言われることがありますが、これは本当に大問題であって微笑ましいどころか笑い話にもなりません。

犬を犬として理解したいという気持ちは、犬を犬として尊重し愛する飼い主への道なのです。

今年もたくさん学ばせていただき、参加者の皆様には感謝いたします。

私自身も知っていることが言葉になるのに数年はかかっていますので、もっと早く言葉になるように毎日を学びの時間といたします。

Posted in 犬語セミナー, 犬のこと

都会暮らしの犬の日常に「自然と暮らす」を取り入れるために山を借りるという選択。

グッドボーイハートは「自然との調和を目指す」をテーマにしています。

なんだか壮大なテーマですが、簡単に言えば「犬と人が自然の中で過ごす時間を増やしましょう。」ということです。

犬と自然の中で過ごす理由はたくさんありますが、一番の理由は「自然の中の犬は特別」だからです。

私も一飼い主として犬のオポと都心で暮らし始めたとき、まだ子犬だったオポを連れて山や海に出かける時間を大切にし、時間のある限り出かけていました。

犬には自然が大切なのだと頭で考えたのではなく、犬が山で過ごしているその表情や行動の輝きを見て、単純に犬は自然で過ごすのが心地よいのだと感じたからです。

その思いは家庭訪問クラスの中でもあふれて出ており、これまでにもたくさんのグッドボーイハート生の飼い主さんたちが犬と共に、山へ出かけて下さいました。

休日に山歩きを趣味にしている方

犬とのキャンプを始めた方

そして、中にはこんな新しい取り組みに参加された生徒さんがいらっしゃったのです。

オポ広場で対面するヤギのゼットとシュナウザーのきいろちゃん



その生徒さんは休日に犬といっしょにキャンプに行かれていたのを知っていました。

キャンプ情報としていろいろと教えていただいたこともありました。

「今度はどちらのキャンプ場にお出かけですか?」とレッスンのときにお尋ねしたところ

「実はわたしたち今…山を借りてるんです。」と。

山を借りている…?

ああ、お知り合いの方が山を持っているのだなと勝手に想像を始めたのですが、全く違う内容でした。

その生徒さんが借りている山というのは「フォレンタ」という事業による年間契約の山の賃貸だったのです。

貸農園の山バージョンのようなものです。

山の一角のスペースをレンタルしていて、ルールにのっとれば開拓や焚火やキャンプなどもできるということでした。

人が入らなくなって荒れ果てた里山をこのような事業を通して活用するとは、なんとも楽しいことです。

自分たちの都合でいつでもその「貸山」に出かけてゆっくりと過ごすことができる時間。

キャンプ場では落ちている木を動かしたり環境を変えていくことができませんから、キャンプ場とはまた違った活動ができます。

山の整備をする時間、同行している小型犬ちゃんは飼い主さんについて回り活動を楽しんでいるということでした。

山仕事をする飼い主さんを見守る犬の姿を想像するだけで楽しくなってしまいました。

里山には人が入らなくなり荒れ果てています。

人と山を繋ごうという新しい事業があることを知って未来への希望が広がりました。

近頃は若い世代の方々はマイカーも持たない時代ですが、そのかわりレンタカーがあります。

同じように実家が里山でなくても、山のレンタルがあるなら使う方はもっといるはずです。

使っていない山を貸したいという方もいらっしゃるでしょう。

日本の素晴らしい国土が生きを吹き返し犬と飼い主の安心して過ごせる場所が増えますように。

森林レンタル=フォレンタのホームページはこちらです。

森林レンタルサービス forenta

 

 

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動物を人に慣れさせる方法について「餌づけ」から「人づけ」へ

野生動物と「餌づけ」・「人づけ」

動物を人に慣れさせる方法として「餌づけ」という方法があります。

野生動物に対する「餌づけ」法は、古い時代から使用されていたようですが、次第にその方法は「人づけ」という方法に変わっていきます。

 

人づけ法でチンパンジーと交流した女性

人づけにより野生動物との関係性を深める方法をいち早く実践していたのは、私の尊敬する師、ジェーングドール博士であると私は信じています。

ジェーングドール博士は1960年からチンパンジーの研究のためにアフリカの奥地に暮らし、毎日チンパンジーの活動するテリトリーを訪れて観察を続けることでチンパンジーを理解しながら動物の警戒心をとき、チンパンジーとのコミュニケーションを実践した女史です。

京都大学名誉教授でゴリラ研究で著名な山極壽一博士によると、アフリカ大陸の内戦などの影響で一時研究が閉ざされていたのちに、山極博士がゴリラ研究を再開し始めたときにはすでに、「餌づけ」法から「人づけ」法に変わっていたと言われています。(※参考文献「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう(文春新書発行)」

山極先生は、ジェーングドール博士をアフリカに派遣したリーキー氏がゴリラ研究を依頼したダイアン・フォッシーという女史に学んだということですから、人付け法はジェーングドール博士やダイアンフォッシー博士などの影響を強く受けている流れだと考えています。

 

餌づけが動物に与える影響について

餌づけは人に慣れていない動物を人に近づける簡単な方法ではありますが、それにより動物本来の生態に影響を与えてしまいます。

また、餌づけによって動物が人に対する執着をするようになり、動物と人の関係性に強い影響を与えます。

執着によって引き起こされる影響とは、動物が人が好きになるといったファンタジーな話ではありません。

餌づけされた動物は人を感知すると食べ物を連想するようになり、ドーパミンを放出するようになります。

人が動物の興奮性や快楽性を操作する刺激となってしまうため人に依存する関係になります。

野生動物の習性を知るために動物を観察することが目的の類人猿の研究にとって、餌付け法は効果がないばかりでなくデメリットが多い。

時間がかかっても確実にその動物の習性や知性を引き出すことのできる人付け法が効果が高いということを、ジェーングドール博士やダイアンフォッシー博士らの研究者が実践したのではないでしょうか。

それに、研究結果として得られた内容よりも素晴らしいことは、博士たちがチンパンジーやゴリラとうちとけていったひとつひとつの出来事を生んだ過程にあったはずです。

逆を言えば、チンパンジーやゴリラといった野生動物にとって人という動物がどのように認識されていくかを考えるとどちらが歴史的に重要であるかの答えは簡単です。

 

犬と餌づけの話

犬は野生動物ではなく人に飼われる動物です。

少なくとも日本では、人に飼われていない犬の存在は許されていません。それは狂犬病予防法という法律によって、すべての犬は人の管理下にあることを法律で定められているからです。

ところが犬の中には、ノヤギならぬ野犬(やけん)という犬がいて、人の手を離れて暮らす犬が、里や山や都市空間の中にもいます。

野犬には現在でも多くの餌やり活動をする人間がいて、餌付けによって生活をしています。

餌づけは野犬を生かすためだけでなく、野犬を捕獲する方法のひとつとしても用いられています。

ですが餌付けはコミュニケーションの方法ではありません。

人に近づいてきたところを捕獲するためのひとつの方法です。

餌づけによって犬が人に馴れることはありません。

距離が縮まるということと信頼関係を作ることは全く別のことです。

犬との信頼関係をつくるために食べ物は必要ありません。

必要なのは観察、時間、環境、継続、熱意。

そして仲間も大切な存在です。

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