グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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お休みの日に感じたこと、学んだこと。

もう数年前からダンナくんが要望していた「ダンナくんの帰郷」の願いを叶えるために、皆さまにご協力いただいて数日のお休みをいただくことができました。

ところが、休日を直前にしてダンナくんが左手を骨折するという事故が起きてしましました。そこでダンナくんは帰郷計画を断念して治療に専念することになりました。そして、私はそのお休み時間を犬のジェイと満喫することにしました。

 

犬のジェイと車でお出かけ練習

ジェイを連れて外出したことが全くなかったので、車での外出体験も練習をかねてしておこうと初日は佐世保のパールシーリゾートに出かけました。この日は夫婦で外出したこともありクレートを利用せずにバッグスペースにジェイを待機させる状態での移動を試しました。車での移動は訓練期間も含めて慣れているはずのジェイでしたが、左右に大きく揺れる山道には馴染みがないのと、今までなら車では人の足元に居場所を作っていたはずのジェイは足元の方に移動しようとするような行動も見られました。どんな行動にも経験や慣れという習慣性というのが影響されますから、ジェイの行動を見ていてそう感じたのです。

クレートでの移動はできることを確認済みだったので、お休み期間をとおして、車ではバックスペースに待機させる練習を繰り返し、三回それを体験させるとやっと落ち着ていて過ごせるようになりました。大型犬なのですぐにクレートを準備できなくても車に待機することができるようになっている方が安心です。どのような練習も短い期間で繰り返し体験させる方が身に着きます。お休みが数日間続いたからこそできた移動の練習となりました。

パールシーリゾートは犬が歩けるスペースもあり少しだけ水遊びもできました。このすぐ近くにお住まいのグッドボーイハート生の情報では、夏場は犬もいっしょに泳ぐ練習をしていたそうです。“遊泳禁止”と書いてありましたが犬なら泳いでも良いらしいです。整備された公園でしたが水がとてもきれいで、こんなところで水泳教室ができたらすばらしいだろうなと想像しました。他にも散歩中の犬ちゃんがいましたしあくまでも公共の場なのでそこは配慮しながら、ですね。芝生は犬のトイレ禁止の看板もありました。自然公園とは違う空間を気を引き締めながら楽しみました。遊覧船の通過を見学して良い社会勉強となりました。

遊覧船が通過したあとに起きる波と風を感じて踏ん張るジェイ



ちなみにパールシーリゾート内にあるUMIAC(うみあっく)というお店は梅吉くんのご家族のお店です。アミアックにはモンベル、ノーフェイス、ニールズヤードといったお気に入りの製品が置いてありました。モンベルの青い笛を見て新しい企てを思いつきお土産といたしました。

 

くろやぎさんとしろやぎさんたち

お休みのほとんどはジェイと山羊たちと共に山で過ごしました。いつもは係留しているヤギのアールとゼットをできるだけフリー活動させてあげたくて、アールとゼットを12メートルの長さのリードでつなぎ、ある程度はフリーで活動できる状態にして見守りました。

三頭が集まっているのはケンポナシの木の下です。ケンポナシはクロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉樹木です。この季節にケンポナシの実がたくさん落ちているのですが、三頭ともこの実を競って食べています。熟すとナシのような香りと味がして人も食べることできます。ときどき食べてみますがものすごく美味しいというわけではないのですが、甘いので犬が好んで食べるのはわかるような気がします。

しかし、このケンポナシを山羊たちが食べるというのはどういう仕組みなのでしょうか。ヤギは栗の実も食べないし柿の実にもあまり関心を示しません。ヤギはケンポナシを食べるのだろうかとググってみると、なんと私自身が書いたブログやインスタグラムが出てくるだけで他の情報が見当たりません。特にゼットの方はかなり熱心にケンポナシを食べていました。ヤギのゼットと犬のジェイが同じ食べ物を競うように食べている風景を見ていると、普段には見られない同族感を感じました。

ヤギは 犬のジェイとヤギのゼット(中央)、アール(左端)



ケンポナシの効能について調べてみました。

果実は利尿,解毒作用があり,二日酔い,嘔吐,口渇のほか,大小便不利にも用いる.中国では幹の汁をわきがに外用する.樹皮の煎液は消化不良に服用,痔に外用する.葉も二日酔いに煎液を服用する.
太く肉質になった果柄は非常に甘い.(熊本大学薬学部薬用植物円植物データベースより引用)

ケンポナシはまっすぐいに育つ太い幹を持つ樹木なので家屋にも利用されていたようですがケンポナシの柱を使うと酒が水になるといった文章も見つかりました。うちは人も含めてお酒には縁のない暮らしですが解読作用もあるということですから、当面の間は食べて良しとすることにしました。

尾歩山のケンポナシは移転時の山の手入れの際に二本を植えていただいたという記録が残っています。しかし実際に尾歩山にあるケンポナシは5本くらいあります。モミジよりも早く成長して種を高く飛ばした結果、自生しながら増えていったようです。

ケンポナシの実は昨年も落ちていたのですが、山羊たちがこの実を食べていたかどうかをあまり覚えていません。昨年のこの時期はジェイ広場作り(当時は名前なしの広場)に没頭しており、山羊たちとゆっくりと散策する時間を持てていなかったのだろうと反省しました。

中央の木がケンポナシの木



山羊たちにフリータイムをと思ってじっとそばで様子を伺っていたのですが、ケンポナシを食べている時間が相当に長くかかっていたようでほとんど移動していませんでした。長いリードでつながれた二頭のヤギを山に放置したまま、ジェイと少しずつ移動をするとジェイがまた新しい雑草を夢中になって食べています。


画像検索しても植物の名前がわからず、はじめはイノコヅチかなと思ったのですがどうやらこれはイヌタデのようです。すごく巨大なのでイヌタデのように見えないのですが、山にある植物はオオバコであれミツバであれシロツメ草であれ、さらに植えていただいたオクラでさえ巨大化しているためイヌタデではないだろうかと予測を付けています。

イヌタデは人が食用とする山菜で薬効としては以下のようなものがあるそうです。

イヌタデの薬効には、胃炎や健胃作用、回虫駆除、利用作用、解熱作用、そしてマムシに咬まれた際の応急処置などがあります。(AIによる概要から引用)

マムシに咬まれた際の応急処置としては葉を絞って傷に塗るらしいのですが、覚えておきたいと思いました。

こうした薬効成分があることを知らずにイヌタデの葉をむしって食べるジェイを見ながら、人に近づきすぎた犬もまだ動物としてまだ忘れることのない情報や行動を持っているのだなとほっとします。

 

勉強も妄想も、どちらも楽しく

お昼は制作が途中になっているテラスで休憩を取りました。屋根ができあがっていないからこそ見ることのできる秋の絶景を楽しみました。

制作途中のテラスの上で休むジェイ



紅葉の始まる気配を感じられる秋の季節は、いつまでもこのままでいてほしいと思えるほどの有難い時間でした。

ゆっくりとした時間に読書も進みました。今読んでいる本は「風の谷という希望」という本です。みなさんにとてもおすすめしたい本なのですが、最後まで読み切ってからご案内します。もちろんすでに読んでいる方がいらっしゃいましたらぜひお声をかけて下さい。いっしょにワイワイとお話できることもまたグッドボーイハートならではの時間です。

そして最後には小さな喜びであるランチタイムの写真です。ランチとして準備したのは、広島の有名なパン屋さんのパンと、うちのニホンミツバチたちからいただいた蜂蜜の入ったヨーグルトにきなこと黒ゴマをまぜたもの、そして自慢のうちの水でいれたコーヒーです。私のこれからの新たな“夢”が実現するのかどうかがつまった写真です。この夢は本当に小さな夢で、本当に実現するのかみなさんもいっしょに楽しんでいただけたらと思います。オポディまでお待ちくださいね。

テラスでおうちカフェ



そんなこんなでお休みはあっという間に過ぎていきました。

ジェイと水入らずで過ごすゆるやかな時間を通していくつもの気づいたことがあります。解りやすい行動の変化としては、排泄の場所がいつもとは明らかに違ったことです。これは以前から状況に応じて多少の違いを見せていたので、ダンナくんの方も敏感に感じ取っていたようです。

お休みの日々のジェイの排尿と排便場所は大きく広がりました。普段、預かりの犬達がいる時、預かりの犬が落ち着かないとき、何か複数のクラスがあったり人の出入りが多いときは、ジェイが排泄をする場所が家からとても近い場所になります。もちろんテラスの上などではしないのですが、テラスの制作中に道具がテラス前のあちこちに置いていたときにも同じように排泄の場所が家の近くになりました。小さな環境の変化が、ジェイという犬には影響を与えていることがわかります。この変化は今後も続く可能性もあるし、ジェイの暮らしの中で今後は違う形へと変化する可能性もあるし、それも含めてジェイの変化として観察を続けていきたいと思います。

また次の解りやすい変化としては、被毛がとても柔らかくなったことです。普段はあまり大きなことに驚いたりせずに、預かりの犬が到着しても見に行こうとしたりしないし、性質的にはおっとりしているように感じられるジェイですが、実はとても繊細です。ダンナくんは「オレに似て繊細やな…」とよく口にしていますが、神経質ということではないのだけどなと私は黙って思っています。

自分の家に複数の犬が長い期間に渡り泊っているという特別な環境がジェイの暮らすオポハウスの仕事です。そういえば、私の母も父も同じような環境で育っています。母は旅館の娘だったので、自分の暮らす家にお客様が泊りに来るという生活でした。父の方は料亭の息子ですが、やはり自分の住まいにいつもお客様が来ている環境で育っています。そういう意味ではジェイも父は母と同じ旅館のコということになるでしょう。

ですが、ジェイは旅館に泊りに来る犬達と共に成長する機会も得ています。毎日みなと一緒というわけではありませんが、半分くらいの時間を広場に入って過ごしていますし、他の犬と過ごすことをジェイも拒否していません。今後もお預かりしている犬達との時間がジェイにとってもお泊りに来ている犬達にとっても楽しく有意義な時間となるように私達が管理するようにと勤めてまいります。

お休みがあるからこそメリハリもできます。今後もみなさんに思いっきり甘えながらお休みを確保させていただこうと思っています。どうぞ、宜しくお願いいたします。