最近のオポハウスの話題は「イノシシ来訪」につきます。
イノシシが来るようになったのは約二週間前からでした。朝起きて広場に出ようとしたときに、広場横の紫陽花の道が破壊されているのを見たのです。
紫陽花の道は、四年前に生徒さんたちが育てて下さった紫陽花を植えた道でトレッキングコースで最初に歩く細い道です。ちょうどオポハウスの前を通るように道が続いています。か弱い斜面だったので紫陽花を植えて斜面の崩れを止めようと思い皆さんに手伝っていただいて作りました。
その大切な皆でつくった紫陽花の道に並べた土嚢袋がみな落とされて紫陽花の上に乗っているのを見て泣きそうになるほど悲しい気持ちになり、またこんなひどいことをする猪に怒りがわいてきました。
あの線状降水帯がきて被災したのが四年前ですが、それ以降はあまりイノシシが家に近づくことはなかったのに、なぜか今年は餌場として降りてくるイノシシが出てきたのです。ヤギを飼い始めたのも同じ時期だったので、ヤギが来てから猪がほとんどくることがなかったと安心していたのですが、ヤギの存在にイノシシの方が慣れてきたということかもしれません。
最初は壊された土嚢袋を積み直したり、その脇を石やレンガで固め簡単な柵を置いてみたりしましたが、同じようなことが一日置きに続いて起こりました。そして次第に少しずつ家に近づいて来ていたのですが、昨日ついに花壇のところまで猪に荒らされてしまいました。しかも、ちょっとだけ黄色のチェーンゲートをくぐって家の方にも入って来ていたのです。

イノシシに荒らされた花壇
花壇は生徒さんたちが少しずつ作って下さっていてとても素敵な花壇になっていたので本当に悔しくてたまりませんでした。イノシシを退治するまでの間だけ、花壇ガードを設置しました。

イノシシ対策で網を設置した花壇
まだやられていないハーブ園の方にもガードを作りました。
さらに、イノシシが降りて来る山側にもガードを付けておきました。こうしたガード作りはこれまでに何回もやってきたことなのでわりと根気強くできるようになりました。小さなことですが里山暮らしで身に着けたことです。都会のようにガードの強い環境ではない里山だからこそ起こりうる動物たちとの戦いのひとつです。
今回はイノシシの来ている場所が家のすぐ横なので、夜布団に入るときには今日もイノシシが来るのではないかと警戒しながら寝るようになりました。昨晩も寝るときに警戒モードで眠りにつきました。なにか、外の自動ライトが点灯した感じがしてダンナくんを起こすベルを2回鳴らしたのですが(このベルについては後ほど説明)ベルは鳴らずにそのまま寝てしまいました。ですが朝起きるとベルは別の場所にありました。夢を見ていたのです。
実は数日前に同じようなことが現実に起こりました。その夜もイノシシのことを考えながら床に着きました。夜中にジェイの気配で目が覚めました。普段なら起きても私の寝ているベッド側に顔を突き出すことすらしないジェイが、珍しくこのときは私の顔面近くまで顔を寄せていたのです。
何時だろうと時計を見ると3時19分、その時、外の点灯ライトが数回点滅したのです。ジェイは小さく鼻を鳴らして部屋の中を動いています。下痢などの時に外に出ることを要求することもあるのですが、このときは違うと思ったのです。ライトの点滅ならイノシシだと。そしてダンナくん緊急呼び出しのベルを3回押したのですがダンナくんが起きる感じはありませんでした。
私も一人で出ていくのには少し躊躇してしまい、ジェイにベッドに戻るように伝えるとジェイはベッドに戻りました。そしてそのまま息をこらして外の様子を伺っていると、やはりジェイがウーと唸っているのです。家に危険が迫っていることを伝えているのだということがわかりました。
朝起きて一部始終をダンナくんに伝えると、はじめはベルは鳴っていないと言い張ったダンナくんでしたが、数回のテストのあと「音を大きくしたから今度は大丈夫」といって呼び鈴に気が付かずに爆睡していたことを認めたようです。
朝確認するとイノシシが荒らしていた場所はちょうど私の部屋に一番近い場所でした。それでジェイも気が付いて侵入者接近を教えてくれたようで、そのことはとても嬉しく思いました。
ですが、ジェイのセンサーもイノシシが通行するくらいでは発揮しないようで、その後はジェイのお知らせもなく、私達も爆睡状態でイノシシの通行を許可し続けている状態です。
ちなみに敵は中型のイノシシ一頭でした。イノシシの通行する場所に暗視カメラを設置してその正体を確認しています。今後は猟師の免許ももち罠も持っているダンナくんがイノシシ猟に取り組む決意を見せていますので期待しています。
クマの問題も大きな問題ですが、野生動物が人を全く恐れなくなるというのはやはり今後もっと違う形の問題に発展しそうです。アフリカなどに旅行に行くと野生動物たちが人を恐れずに行動しているのを和やかにまた気持ちよく感じるということはあると思います。しかし、クマやイノシシが人里に下りてきて土地を荒らすという問題はまた全く別の問題なのです。
もっともっと深く考えていきこの問題を少しでも解決へと向かうために私にできることをと考えた結果、山の手入れに時間を割くことにしました。うっそうとした山に光が入る山となるように毎日少しでも、できることはできる限りという思いで荒れた山の手入れをしています。その山の手入れに犬達が寄り添ってくれると勇気百倍で頑張れます。

山の整備をするさゆちゃんと飼い主さんとジェイ

山の整備をするきいろちゃんと飼い主さん
山の整備は来年の三月まで継続して行っています。やってみたいとか興味があるという方はぜひお手伝い下さい。私にとっては20年近く育てた山なので愛しい山です。我ながら素敵な山になったなと感慨深く山肌に接しています。その山をわが犬と歩く幸せをまた得たのですから、今年は張り切って山を手入れしてまいります。トレッキングしながら皆さんにもその変化を楽しんでいただきたいと思います。
イノシシのその後はまたご報告します。
・オマケ
最後に怪しげな「呼び出しベル」についての説明事項。先日、私が室内でダンナくんにヘルプのために名前を呼び続けていたのに隣室にいるダンナくんは全く応答がなく、預かりの小鉄くんが私の声でワンワンと吠え始めました。それでダンナくんが小鉄くんをトイレに出したりして、結局私の呼び声には気が付かなかったという事件がありました。この事件の翌日にダンナくんがアマゾンで購入したのが呼び出し用のベルです。これを鳴らしたら大丈夫だからと私の部屋に設置されました。設置後はじめての非常事態でもベルに反応しなかったためダンナくんのセンサーに対する信頼はだいぶ失われているのですが、ベル音量アップで信頼回復に努めているところです。



