可愛い我が愛犬が横たわっているときに、そのお腹に耳を当ててみたことがきっとあると思います。ダンナくんも暖炉の前に横たわる愛犬ジェイのお腹に耳を当てていました。「わー、生きてる。オレのお腹と同じ音がする。」ジェイのお腹の音とはぐるぐるー、きゅーという腸が動く音なのです。健康のための日々の腸活は人だけの問題ではありません。犬も日々、腸活をしています。
腸活の大まかな仕組みは人と同じです。犬の腸内や口腔内に小さな小さな細菌たちがたくさんいて、お互いに牽制しあいまた協力しあいながら口から入れた食べ物を栄養にしたり内臓の機能を高めるための分泌物を作ったりと心臓いっしょに一秒たりとも休むことなく活動しています。
最近は犬のはみがき習慣が一般的となりましたので、定期的に歯磨きによって歯をきれいにしている素晴らしい飼い主も増えてきました。ただ、歯磨きをしていれば口腔内の菌の状態がベストだということでもありません。
口腔内と腸内の細菌は遺伝からはじまり、日々の生活環境やストレスなどの影響でできあがっていくため、いったいわが愛犬の口の中や腸の中がどのような状態になっているのかを知ることは難しいものです。
ところが、科学は進歩し続けているようで以前には個人では難しかった犬の腸内細菌や口腔内細菌検査ができるようになりました。先日、生徒さんがチャレンジされたという報告を聴いて、そろそろジェイもやってみようかなと思い二つの検査を同時に行いました。
腸内検査はジェイの便の一部を提出する形で行いました。検査結果は数枚のシートにまとめられており、専門用語がたくさん出ていて難解な部分もありましたが、アドバイス的に小さなコメントがついておりとても参考になりました。
腸内細菌については犬に多いアレルギーやアトピー体質の改善のために役立つ情報が得られるのは確かです。さらに、腸内細菌は行動や性質との関連性があることが医学的に明らかになりつつあることが人の医療では知られていますが、犬の不安定な行動や性質も腸内細菌との関連性を否定できず、とても興味がわきます。
犬の行動問題を解決する日々のトレーニングクラスでも犬の食事内容については必ずお話するようにしています。もしかしたらその犬に合わないドッグフードが犬の不安定な行動を助長している可能性があると信じているからです。
フォレマさんからは毎回素敵な自然の風景写真とコラムを掲載された冊子が届くのですが、今回の冊子には「性格と腸内細菌Part2」と題して、2頭の山羊姉妹の腸内細菌の比較についての検査結果と概要が掲載されており興味深く拝見しました。
2頭のメスのヤギのうち一頭は慎重で臆病、もう一頭は冒険好きで積極的、この二頭のヤギたちは同じお腹から生まれ同じ環境に育っているのに腸内細菌の結果は基本構成は同じであったものの明らかに違いが出たものが3点だったということでした。
同じ遺伝子で同じ生活環境、同じ食べ物を食べているのに腸内細菌が違うのに、性質や行動の違いが逆に腸内細菌に影響を及ぼしているということなのか、コラムの中にも答えはありませんでしたが、動物の行動の変化が腸内細菌に影響を及ぼすのではないかというのが私の今の考えです。
口腔内検査は唾液の一部を提出することで行いました。
こちらも数枚のシートにまとめられおり専門用語が並びますが、小さなアドバイスとともに一般的な指数も提示されており、素人にもわかりやすい内容となっています。
この検査結果から将来の疾病に発展する危険性についても示唆されており、敏感な方がみると怖いと思われることもあるかもしれませんが、あくまで傾向ということですから過敏に反応せずにじっくりと犬にとって良いと思うことを選択していくひとつの素材として利用していただきたいと思います。
腸内細菌の中には長寿菌と呼ばれるものもあって多い犬もいるし少ない犬もいるでしょう。少ないからといって短命であるというわけではないし、多いからといって長生きする保証になるわけでもありません。あくまで参考として、ですね。
実は、ジェイの口腔内の問題に関しては小さな不安を乗り越えた直後の検査となりました。昨年の2月にジェイを迎えた時に口から強い悪臭があったことと口の中を見せることを極度に拒否をしたため、奥歯かどこかの歯が破折しているのではないかという疑いを持ちました。施設から移動してきたばかりの状態ではまだ判断しかねずに8月まで経過を見ることにしました。
ジェイを迎えてから6ケ月を経ても口臭には違和感を覚えたため歯科専門の獣医師に診察をしていただきました。診察の結果、歯の折れている部位はないということで一旦安心はしたものの、口臭に関しては歯石の除去が必要ということになり手術の予約を入れました。なかなか都合が合わず手術の予約日が数ケ月後になったのですがこれが幸いしました。
それから秋を迎えて手術まであと少しというころになると、悪臭を漂わせていたジェイの口臭に変化が見られるようになりました。この頃から便の状態にも変化が見られました。また到着当初は激しかった自傷行為がなくなり、排便直後にする食糞行動もなくなりました。草をよく食べるようになり山での活動も増え始めたころです。
においのことなので私の個人的な感覚に頼らずにおいに敏感なダンナくんの意見も聞きましたが、同じように口臭の強さを感じなくなったという意見で一致し、また視覚的に確認できた奥歯の歯石も薄くなり始めていました。そこで緊急にと予約した手術を一旦キャンセルさせていただき、もう少し様子を見ることにしたのです。そしてこの口腔内検査を受けることで現状を把握し、改善のためにまたひとつできることがあれば生活改善を試みようとチャレンジしました。
口腔内な腸内よりももっと直接的に生活環境の影響を受けます。腸内の方はすごく時間をかけて変化していくのに対して、口腔内の方は住環境の影響を早く受けるように思えます。思えますという曖昧な表現になるのは、私は獣医師ではなくたくさんの犬の口腔内のデータを持つものでもないからです。ですが、一飼い主としてジェイの変化を一番把握することができるのは私自身です。
どちらも検査も決して安価なものではないので毎月というわけにはいきませんが、経過を追っていきたいので定期的に利用させていただきたいと感じました。そのためここで皆様にもお知らせします。
この二つの検査をしていただいたのは株式会社フォレマです。「自然との共存」を以下のサイトから検査の申込が可能です。
株式会社フォレマのホームページ
もし検査をされた方がいたら、ぜひ情報を教えてください。特にお預かりクラスをご利用の場合には、排泄物の管理についての参考にさせていただきたいので情報共有できればありがたいです。

ジェイの日々の生活環境
ジェイの日々の生活環境はこの一年で大きく変わりました。変わったのは環境だけでなく日々の生活習慣から行動習慣にいたるまでです。そのことがまたジェイの性質に影響を及ぼし腸内細菌にも影響を及ぼしていくのが楽しみです。



