グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のこと>犬がドッグフードを拒否する五つの理由

犬の食事関連の相談がスクールにもわりとある

 

犬のしつけ方や行動の相談が主な相談なのですが、他にも犬のごはんにまつわる相談事がわりとあります。

ごはんにまつわる相談としてはこんなものがあります。

・犬の食事を与えるときに、犬がうなったり噛みついたりする。

・犬の食器を取り返せない

・犬が食事前に興奮して吠える

これらはトレーニングクラスによくある犬の食事にまつわる問題行動です。

ただもっと違う面での犬の食事に関連する相談もあります。

それは犬がドッグフードを食べないという相談です。

以前は圧倒的に犬のごはんのときに噛みつくという相談が多かったのですが、最近は犬がドッグフードを食べないという相談の方が多いような気がします。

最近の犬たちは戦うことよりも拒否をする行動の方が全般的に増えている気がするのですが食事に関してもこの傾向が強いようです。

犬の行動が変化しているというよりも犬の性質そのものが変化している傾向があるといった方が正しいのでしょうが、どちらにしてもドッグフードを拒否する犬が増えているということですね。

以下に犬がドッグフードを食べない主な理由を五つにまとめてみました。

 

犬がドッグフードを食べない主な五つの理由

 

犬のごはんの相談として一番多いのは犬がドッグフードを食べないというご相談です。

犬がドッグフード=ごはんを食べない理由として考えられるのは次の中のどれかです。

ドッグフードを食べない理由1 ドッグフードがおいしくない

美味しくないというと、犬に味覚はあるのかという質問が生まれそうです。

もちろん犬には味覚があります。

市販のドッグフードの内容によっては食べられたものではないという内容のものもあります。

保存料や添加物が多くはいっているようなフードを好まない犬は味覚が比較的ナチュラルだともいえます。

中にはドッグフードが苦手でも食べ物を拒否するほどの余裕がなく、結局は食べるのだけど欲求不満な犬もいるので要注意です。

ドッグフードを食べない理由2 お腹が空いていない

室内犬はほとんどの犬が活動していません。

朝晩の散歩に出たくらいでは犬の本来の活動量は全く満たされていません。

ある程度のサイズの庭があって庭へのアクセスがわりと自由であれば、庭と部屋を行ったり来たりして一日を過ごしてある程度は満足するでしょう。

犬の活動量は人の何倍も高いので、ほとんどの犬が空腹にはならないのです。

日本犬はもともと一日一食で満足できますしお腹が空いていないと食べないこともあります。

またオヤツをよくもらっていればそれでお腹がいっぱいになるのでドッグフードまでは食べません。

オヤツは甘いものや肉系のものが多く、当然ドッグフードよりもおいしいためこれらを食べると犬はドッグフードは食べません。

ドッグフードを食べない理由3 性的ホルモンの上昇

動物は性的ホルモンの上昇によって食べることができなくなります。

思春期に恋愛をしたり片思いをしたりすると食べられなくなったという経験をしたことがある方もいるかもしれません。

性的なホルモンはいつでも性的な活動のために動くことができるようにするために食べることを止めます。

食べると消化機能が活発となり行動できなくなるのはどの動物も同じ原理なのです。

不妊去勢手術をしていないオスは365日発情しますし、メスも大変長い期間発情期が続きます。

手術によって食べるようになることがあります。

ドッグフードを食べない理由4 自分の身に危険が迫っている不安のとき

犬は不安を抱えていると食べ物を食べません。

理由の3の性的な上昇で食べないところで説明したとおりですが、食べると動くことができなくなるからです。

危険や不安を抱えていると「すぐに逃げる」ことができるようにする必要があります。

そのため少しだけ食べてでも動けるようにしておきます。

少しだけ食べてそれが消化するまでまつ、そしてまた次を食べるというように時間をかけて食べている、つまり食器を置いたままにするとそのうちに食べてしまうような状態であれば犬はなんと危険を感じているということです。

これは犬の中ではかなりの危険信号なので今すぐドッグスクールに相談しましょう。

ドッグフードを食べない理由5

最後は安心できるテリトリーがないからです。

理由4の危険や不安を抱えているときに食べないという理由重なる部分もあります。

理由4の場合には普段は食べているのに、苦手なことを予測したり、恐怖が続いたときに一時的に食べないというもの、理由5の方は日常的になかなか食べません。

理由5になると食べたり食べなかったりを繰り返すような波のような状態になります。

そもそもの安心できるテリトリーというのは動物にとっては安心&安全に生きていくためには欠かせないものなのです。

そのテリトリーがないのですから犬は不安でドッグフードをすぐに食べることができません。

分離不安の犬の多くはこの理由でドッグフードを食べなかったり食べムラがあったりします。

分離不安と食事が関連があるのかと驚かれるかもしれませんが、犬の行動は連鎖のようにつながっておりどの行動とも関連があります。

切り離して考えることよりも関連づけを見つけていくことで改善が進むのです。

 

いくつもあるドッグフードを食べない理由ですが解決できる方法もいくつかあります。

また少しずつ紹介していきますね。

レッスンを受講中の方は直接いろいろとお尋ねください!

またこのブログ記事からも探してみてください。

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<犬のこと>ストライキで動かない脱力犬たちに対する犬のしつけ方とは

最近聞かれるようになったのか「だつりょくけん」という言葉。

最初聞いたときには、「脱力拳」とはどんな拳法なのかと思ったのですが、脱力拳ではなく脱力犬でした。

脱力犬と呼ばれる犬たち。

まさにやりたくないときに全身の力を抜いて脱力する犬なのです。

散歩中にリードをつけた状態で脱力して引きずられていく映像はYoutubeでもよく投稿されています。

自分がリードを持っているときには起こり得ない状態なのでなかなか実際に目にすることはありません。

しかし生徒さんから送られてきた写真で見ることがあります。

リードを引っ張るのではなく脱力して抵抗するというパターンです。

全身の力を抜いて抵抗するという方法は子供もよく使う手です。

動物としてはやる価値のある抵抗方法である意味成功することもあります。

リードをつけて歩いているときに脱力して抵抗する犬を引きずって歩いていても本来の問題の解決にはなりません。

しかしリードを知らない素人さんたちのすごさでもありますが、思いっきりリードを引きずるうちに犬の方も歩き出してしまうのでしょう。

ただ体重が40キロくらいもある大型犬になるとなかなか起き上がらせることはできません。

同じような状況としてクレートに入れるときに起きることがあります。

まずハウスといってもクレートに行くことはないためクレートに誘導しようとするとその段階で脱力します。

大きな犬になるとハウスにいれるのには一苦労です。

なかなか入れられないことを犬も学習します。

まるで赤ちゃんのような抵抗方法ですね。

脱力による抵抗は次に攻撃にうつる準備段階であることもあります。

脱力すると瞬発力が出るのは柔道などの武術の経験のある方ならご存知だと思います。

犬は武術を生まれもったときから身に着けていますので、こうした体の使い方は教えられなくてもできるのです。

中には脱力したまま回避してしまう犬もいます。

ストレスがかかる→脱力→考えるのも止める

こうなると体も心も寝てしまうわけですから抱き上げていれるしかありません。

でもハウスにいれてしまうと起き上がり反発が出ます。

みずからハウスに入れない犬はハウスの中で抵抗するのも当たり前のことです。

結局のところ脱力による抵抗を、脱力したときに改善させることはできません。

簡単にいうと鉄砲で撃たれたあとにどうしたらいいのか?と尋ねているようなものです。

脱力された段階で脱力拳を受けたわけであって、古いセリフをかりると「お前はもう死んでいる」という状態なのです。

飼い主はここから勝利を勝ち取ることはできません。

日々の生活の積み重ねがいざというときの脱力をなくしていくのです。

ただもし脱力したらどうしたらいいのかというと、一旦は別の方向へ歩き出させて飼い主の再起をはかりそして再チャレンジです。

また岩を打ち砕くのは岩ではなく風か水です。

かたくなになる犬に対して自分もかたくなであると岩と岩がぶつかるだけになります。

風か水の力はどこにあるのか。

犬にこだわらない生活や生き方、そんな

大したことがないことが犬との暮らしを変えていきます。

トレッキングで自然を満喫



 

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<犬のこと・動画>雨の日だったらニーナオットソンの木の犬用玩具で遊ぶのもあり

九州南部の大雨で被害が広がりつつあります。

小型犬と救出された飼い主さんの動画の映像を見て、ひやりともしました。

犬と非難の際には、特に小型犬の場合にはペット用のキャリーバッグや移動用のクレートを必ず持ってください。

小型犬は手から滑ったりはさまれて大事に至ることもありますので本当にご注意ください。

 

ニーナオットソンの玩具のこと

 

雨の日に家の中でくさくさとしている活動性の高い犬なら、ニーナオットソンの玩具で遊んでみるのも良いかもしれません。

グッドボーイハートが博多駅近くにあったときには室内玩具で遊びをするクラスがたくさんあったので、ニーナオットソンの玩具も全部そろえていました。

今は少しでも時間があれば自然の場所を見つけの遊びへとバージョンアップしたので使うことがほとんどなくなり廃棄してしまったニーナオットソンの玩具がたくさんありました。

自然の木で作られたオモチャたちはスウェーデンのこだわりを感じるものばかりでした。

中にはかなり高度なオモチャもあったのですが当時のものはすべて木で作られていました。

現在アマゾンなどの通販ショップで販売されているものはプラスチックになってしまいましたね。

もう職人さんがいないのでしょうがとても残念です。

 

ニーナオットソンの玩具で遊ぶ犬の動画

 

実際に犬の遊ぶ姿をみてみましょう。

このニーナオットソンの玩具の中でもとてもポピュラーだったある玩具で遊ぶ犬ちゃんの姿を撮影した動画です。※写真をクリックすると動画が再生します。



木のオモチャを上に持ち上げると下に入っているオヤツをとることができます。

とても簡単で単純なことの繰り返しです。

自然の中でも同じような状況で食べ物が見つかることはあるでしょうか自然に学習して覚えます。

ラブラドルリトリバーのメイちゃんはオヤツに夢中になっており尻尾の振り方を見てもかなりテンションが高めですね。

木の方に関心を示す犬ちゃんもいます。

こちらはミックス犬のアルクくんの動画です。



食べ物よりも木の方に関心を示していますね。

木を食べたいのではなく調べる方に関心をもっているようです。

私たちからみると遊びととらえる行為を犬が遊びと思ってやっているとは思えません。

ただ私たちからすると「遊び」と表現するしかないこれらの行動。

繰り返し行動なのであまりにもやりすぎると疲れますが、雨の日にたまにするなら良いかなと思います。

 

スウェーデンの思いのつまった木の玩具。

ほとんど捨ててしまったので勿体なかったなと思いましたが、犬にはもっと大切なものがあると思って処分したのでそれはそれでよい気づきだったと思っています。

室内玩具はある程度で止めるのがルールです。

雨が上がったらまた環境と触れ合う散歩や自然の中で頭をリフレッシュさせてください。

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<クラスのこと>犬がトレッキングクラスで学ぶ真の社会化について

九州で今年も災害が起きています。

自然の猛威に私たちは常に非力で戦うことばかりでは災害を免れることもできないと感じます。

私たちにできることは何だろう、自然と自分を切り離すことはできない。

だとしたらもっと自然を日々体感して知ることしかないのではと考えます。

自分にできることは本当に大したことではありません。

それでもやっていれば自然という存在が自分にとって何であるかにいつか気づくのではないかと思って犬と山を歩いています。

この唐津市七山の山は雨が足りないほどでした。

今日も犬たちとゆっくりゆっくりと山歩きの時間を持ちました。

犬との山歩きというと、犬が山を走り回ったり崖を飛んだりすることを想像されるでしょうか。

全くそんな風景はありません。

人が山を歩くとき私たちはどうやって歩いているのでしょうか。

一歩一歩ゆっくりと進む。それが山歩きの本来の姿なのです。

犬も同じように、ゆっくりゆっくりと歩みを進めます。

一歩進めば臭いをとり、さらに一歩進めば臭いをとる。

こうして自分の本当に身近な環境を自分自身で確かめて、そして一歩を前に出す。

実はこの活動こそ社会化というものです。

環境に適応して反応するというのは、環境がいきなり変化することばかりではないのです。

一歩進むと環境が変わる、一歩進むと環境が変わる、この連続です。

犬の頭の中には、ひとつ前の環境と、今の環境、そして次の一歩の環境が広がります。

似ているけど少し違う、似ているけど少し違う。

こうやって社会化を進めているわけです。

山を歩くときに犬が臭いを捕るのは野生動物を追うためではありません。

犬の真の社会化の時間、それは犬がゆっくりと飼い主と歩くことからです。

小さな時間ですが大切にしてくださる飼い主さんと共に、厳しい季節ですができるだけトレッキングクラス続けてまいります。

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<犬のこと>犬の認知力:犬が鏡の中の自分を自分だと判るのか

犬は鏡の中に映る自分にどう反応するのか?

 

どの家庭にも鏡があります。

その鏡に対して犬がどのような反応をするのかを見たことがあるでしょうか?

犬は鏡の中の自分を自分だと知ることができるのか?

鏡の中の対象の認識は、動物の認知力に関連する話題です。

認知力をもっと詳しくいうと「犬がどのような世界を持っているのか」を決めているということです。

実際に今、みなさんの犬の前に少し大きな鏡を出して犬の姿が映るようにしてみると犬の反応はすぐに知ることができます。

反応は二つ

1、鏡に映った自分(犬)の姿に関心がない

2、鏡に映った自分(犬)の姿に関心を持つ

鏡に映った犬の姿に反応する方が認知能力が高いと思うでしょうか?

これは逆なのです。

実は鏡に映った犬の姿に反応しない犬の方が正しく世界を把握しています。

 

鏡の中に映る自分に反応しない犬

 

犬に鏡を見せたときの反応には二つがありますが、ひとつめの「鏡に映った自分の姿に関心がない」方の犬は、認知力が普通=正常に機能しています。

犬は人と違って鏡の中の自分の姿を自分だと認識することはできません。

自分の姿が映った鏡をはじめはのぞき込むように見た犬が、その後鏡を無視するようになれば「鏡に関心のない犬」の方に入ります。

鏡の情報には関心がなくなり、同じようなミラー現象のおきる反射するものに対して映る自分の姿にも反応しなくなります。

正常な知覚をもつ犬で他の世界に認知に関しても正常に知覚していくでしょう。

 

鏡の中に映る自分に反応する犬

 

次に二つ目の反応を示す犬「鏡に映った自分の姿に関心を持つ」場合です。

犬が鏡の中に反応する行動としてどのような行動かを確認していきます。

そのほとんどは、吠える、じっと見る、後ずさる、ゆっくりと近付くといった行動です。

これらの犬の行動は「警戒行動」と「闘争行動」です。

いずれも鏡に映った犬の姿を自分ではなく他の誰かとしてとらえているために起きる行動です。

つまり2つ目の反応でも犬は鏡の中に映った自分を自分だと認識することはないということになります。

 

鏡の仕組みを理解できない犬は知能が低いのか?

 

犬は鏡に映った自分の姿を自分だと知ることはありません。

これは犬の認知能力が低いからではありません。

犬と人の知能を比較するときに、人にできることで犬にできないことがあると「犬は人よりもバカ」だと思う人もいるかもしれません。

種としての知覚機能の違いによるものなので、犬が鏡の世界を認知しなくてもそれは犬が人よりも劣っているということでもないのです。

学者によってはいろいろな判断の基準があると思いますが、私はそう思っています。

鏡という道具は人の必要性に応じて人が作った道具です。

鏡などという道具を人が作って使っていること自体で人は賢いなとは思います。

でも犬の方は鏡という道具の必要性を感じていないのです。

自分が相手にどう映るのかということに対して関心がないからです。

自分と他者とのみかけの違いにも興味がありません。

足の長い犬と短い犬がいたとして、自分はどうしてこんなに足が短いのだろうと考えることもないのです。

それが犬の世界であり、その世界の素晴らしさというものが存在しています。

こんな小さなことですら違うのですから、犬の生活にとって何が楽しいのか、その楽しみが人と同じものであるかどうかなど分かるはずものないのです。

分からないからこそ犬を観察し行動を見て分析して「こうではないか」という仮説を立てることをただひたすらに繰り返しています。

そうして少しでも犬の世界に近付いたときに犬好きの私はうれしいと感じてしまいます。

地面の中に何かをみつけて集中する柴犬くん

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<犬のこと>犬のしつけに「ダメ!」はダメ。

普段無意識に犬に使っている言葉ですが、犬とのコミュニケーションをより良い方向に進めたいなら使って欲しくない言葉があります。

それが「ダメ」という言葉です。

訪問レッスンに伺ったときにとても多くの方が犬に対して「ダメ!」を連発しているのをよく耳にします。

全く効果のない犬に対する「ダメ」という言葉ですが、無意識で使っている方がほとんどなので自分では言っているつもりがないのです。

あーダメよ。とか

あーそれダメダメ。とか

ダメでしょ。ダメ。などいろんなパターンの「ダメ」があるようです。

ところが犬のしつけにおいては否定的な言葉はほとんど意味がありません。

犬に「これをしてはいけない」と伝えることはできないからです。

例をあげましょう。

とびつきが多発している犬がいるとします。

犬が人に飛びついてくるので、飛びついたときに「ダメ」と何度言っても犬は絶対に飛びつきがダメだとは学びません。

犬がソファに乗ることを止めさせたいとします。

犬がソファに乗ったときに「ダメ」といって下ろしても、ほとんど効果はありません。

効果があるのは、ソファに乗る前、飛びつく前に、どちらの行動も阻止できたときです。

そのときにダメという言葉を使うことがあるかもしれませんが、それはダメという言葉の意味を理解したのでななく、なんらかの方法で行動が阻止されたことで行動しなかったことを学習しているのです。

自分の後ろを犬がついてくるのを「ダメ」というのなら、それは「ダメ」ではなく「マテ」ですね。

リードをひっぱる犬に引っ張ることを止めさせたかったら「ダメ」ではなく「つけ」ですね。

「ダメ」を連発せずに、犬が何をしたらいいのかを教えることを犬のしつけといいます。

自分が犬に対して「ダメ」を使っているかどうかはなかなかわかりにくいものです。

家族がいるなら「ダメ」使ったら10円のペナルティなどやってみてください。

飼い主がひとりなら犬と一定の時間を録音してあとで聞いてみてください。

知らぬうちに増えている「ダメ」の数。

その数だけ、犬は本来学ぶべき機会を失っています。

「ダメ出し」では犬は学ばないことを知っていただき、本当に身につく犬のしつけを学ぶことが犬との生活を楽しくしてくれます。

Posted in 犬のこと

<犬のこと>犬の雷恐怖症はトレーニングで改善できる

雷雨の続く毎日、雷恐怖症を抱えてこの季節は震える犬たちがいます。

人と同じように犬にも様々な恐怖症があります。

 

犬の雷恐怖症その行動のパターンとは

 

犬恐怖症とは「犬が特定の刺激に対して恐怖を抱いている状態」に陥る症状が出ていることをいいます。

特定の刺激というのはいくつかの分野に分けることができますが、雷の場合には自然環境という刺激に対する反応です。

次に、犬が恐怖を抱いている状態というのは次のような行動を指します。

・よだれ

・震え

・ウロウロ

・走り回る

・落ち着きなくうごく

・机や椅子の下にかくれる

・体を強張らせる 硬直

・部屋の隅に頭をつっこむ

・戸口をガリガリする

・床を掘る

・キュンキュンいう

・ギャンギャンいう

・遠吠えをする

・壁にジャンプする

主にこうした行動が単数もしくは複数同時に表現されることがあります。

動物の行動はパターン化していますので、個性の異なる動物であっても犬であれば同じ行動をすることが行動から状態を分析することの意味です。

しかし、これらの行動は恐怖を抱いたときにも犬がする行動であると共に犬が別の状態であるときにも出る可能性があります。

飼い主は犬のこれらの行動を見てすぐに恐怖症だと慌てないようにしましょう。

 

犬の雷恐怖症は改善するのか

 

ブログをご覧になっていて自分の犬が雷恐怖症だと知ったら、まずは解決できるのかどうかを一番先に知りたいでしょう。

先にお答えしますが雷恐怖症は手段を選ばなければ改善します。

しかし改善のための指導をする側としては100%と言い切れない部分もあります。

というのは、恐怖症を改善させていくためには様々な形で環境を整備する必要があるのですが、その環境を変えるという部分において「飼い主側が不可能」と判断することがあるからです。

なので、飼い主のいう「無理」を排除し、犬の脳の機能性が正常である状態であれば、雷恐怖症は改善するはずなのです。

残念ながら犬のトレーニングの指導の範囲においては、飼い主を変えるという選択肢は入らないため、環境の整備についての制限を受けることになり結果として完全に改善したというケースから、ある程度改善したというケースまで改善の段階は様々ではあります。

逆をいうと雷恐怖症は改善しなければ「進行する」ものなので、なんらかの形で治療に取り組むことをおすすめします。

 

雷恐怖症の治療について

 

犬の雷恐怖症の治療方法は、主に二つに分かれます。

ひとつは薬物治療、二つ目は行動療法です。

私は獣医師ではないので薬物治療についての効果について語ることはできません。

ただ客観的にみてもいえるのは、より効果が高いことが期待されるのは「行動療法」の方です。

なぜなら雷恐怖症に限らず恐怖症は「恐怖を表現する行動」が症状だからです。

症状は「行動」なのですから、その症状をより確実に改善できるのは行動をそのものに変化を促す「行動療法」の方だと考えています。

 

犬の行動療法の鍵を握るのは飼い主の行動である

 

では犬の雷恐怖症を改善したいと考えたとします。

その犬に行動療法としてできうることを考えていきます。

行動療法なので、行動を自分で管理し変化させていく必要があります。

ところが犬の場合には、行動の管理のほとんどを握っているのは飼い主の方です。

犬の行動に変化を起こさせるためには、飼い主自身の行動を変化させていく必要があります。

飼い主が行動を変化させることで犬の行動が変化する。

当たり前のことなのですが、飼い主ははじめはなかなかこれができません。

初期はできたとしても長続きしないこともあります。

なぜなら飼い主自身には困っている問題はなく、今まで犬に対してやってきた行動はすべて飼い主にとっては「良いこと」「やりたいこと」なのです。

良しとして継続してきた行動を変えるためには飼い主側にも特別な意志が必要です。

その特別な意志とは犬との共感性が生み出します。

つまりは犬との共感性を発達できるかどうかが問題解決の鍵ということになります。

犬を愛しているならやる価値はあると思います。


 

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<犬のこと>犬にとって大切なのは野草と雑草とやわらかな土

お預かりクラスで犬ちゃんが庭や山で遊んでいる傍らで、まだまだやり残した例の背高草の撤去を進めています。

詳しくはこちら

過去ブログ記事→<日々のこと>環境にダメージ与えた事に気づき引き返したこと

一時間で100本くらいは抜き取っているのですが、この雨の中、土の中から次から次へと生えてくる生命力の強さに負けそうです。

でも七山の本来の野草や雑草たちが抜き取られた草のスペースを埋めるように生えてきてくれているので、風景はずいぶんと取り戻してきました。

除草剤や殺虫剤は本来の植物を殺してしまいます。

ガーデニングといってもいろいろとあるのでしょうが、死に絶えた庭に花をかざるように植える風景はあまり見慣れていません。

自分の小さいころにいっしょに暮らしていた柴犬が遊んでいたあの昭和の小さな博多区の一軒家の庭もしゃれた洋風の花はなく、日本古来の木々と雑草でおおわれていました。

子供のころに庭にあった木は、びわ、さくら、あじさい、梅、もみじ、柿、榊、つつじ、いぬまき、南天、シュロ、椿…たちでした。

いまここにあげた木々ですが不思議なことに七山のこの庭と山に全部あるのです。

木々のふもとにはユキノシタ、イヌフグリ、スミレ、セリ、オオバコ、カタバミ、タンポポ、ハマスゲ、リュウノヒゲ、ドクダミ、ホトケノザ、セイタカアワダチソウ、アザミ、ハコベ、スギナ、ハハコグサ…

認識できるのはこのくらいです。

雑草はもっとたくさんあるのですが名前がわからないものばかりです。

除草剤の後の悲惨は光景はちょっとした砂漠化でした。

土が枯れてしまい砂漠に雑草が立ち生えるようにして生えていたのです。

同じ光景をあちこちの駐車場で見ることができます。

雨の浄化作用もあって本来の野草が戻ってくると犬はイキイキと草の臭いを嗅いで寝転がって遊びます。

駐車場ではこんな風景を見ることはありません。

人は自然を楽しむために遠くに出かけるようになりましたが、自分の庭に自然を取り戻すことはできません。

なぜなら自然の野草や雑草と共に虫たちもかえってくるからです。

人は虫が苦手です。私だって決して好きではありません。

関わりあいたいと思うこともありません。

でも、野草や雑草と共に生きている虫という生物がいることを否定できないのです。

それを否定すればまた犬を、そして私たち人間をも否定してしまうことになります。

日本は山林地区がたくさんあります。

手の入っているのは農地だけ、お金にならない山は放置されています。

山や雑草との闘いは半端ないのです。

でも犬たちは不思議と私たち人間が雑草と戦っているとテンションマックスで応援してくれます。

頑張れ!頑張れ!といってくれているようで、誰のために頑張るのかわからないまま山の手入れをがんばっています。

犬たちにとって大切なものだと思うからこそ今のところは頑張ります。

草を食む犬の姿が、草に寝転がる犬の姿が私は好きなのです。

日本の本来の雑草や野草を復活させて、二ホンミツバチがかえってきたら、犬たちも本来の自分を取り戻せるのではないかとそんな気がしているからです。

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<犬のこと>災害時の犬の避難の神道具は三つだけ

昨晩から大雨となりました。

佐賀地区では大雨警報による避難のお知らせがスマホに届いています。

今年は災害に対する非難も大変なことでしょうが、犬を連れての避難となるとますます大変です。

毎年のように起きる災害が自分には起きないはずはないのですから犬と暮らすみなさんなら災害時の犬との避難この三つは使いこなしておくようにしましょう。

 

災害時の犬との避難にはクレートが必須

 

犬のサイズに関わらず、災害時に絶対にもちだして欲しいものが「クレート」です。

布バッグやリュックではなく、安全性が高く丈夫で犬の安心が確保できるクレートを利用してください。

体重10キロ未満の犬はクレートにいれたまま移動させるのが安全です。

それ以上の体重の犬は、移動先でクレートの中にいれる必要があります。

中型犬以上のサイズの犬のハードクレートは、瞬時に移動するには持ち運びが大変です。

車に大きなサイズのハードクレートが収まらない場合には、折り畳み式のケージかソフトクレートを利用してください。

クレートは犬にとって巣穴を意味する重要なテリトリーです。

テリトリーをそのまま移動するので犬はまず安心を獲得できます。

人にとっては犬を一時的に待機させる安全を確保する道具です。

ただクレートは災害時のみ利用することはできません。

普段の生活の中で、犬がひとりでも安心して過ごせる場としてクレートを活用しておく必要があります。

犬ならだれでも入れそうと思えそうですが、子犬のときに入ったクレートにも入ることができなくなる場合があります。

こうなると人といっしょに避難することは難しくなります。

クレートトレーニングは日々の生活の中で身に着けておいて、災害時も活用できるというのがメリットなのです。

 

災害時の犬との避難にはリードが必須

 

犬にリードをつけたことのない方の方が少ないとは思いますが、犬と人がいっしょに移動する際にはリードが必要です。

リードは伸び縮みするタイプではなく、150センチから200センチ程度の長さの通常のリード、おすすめはレザー製のリードです。

リードは犬が人と共にいることを確認しつつ、犬にとって理解が難しい環境の中で犬がどのように行動すればいいのかを人が伝える道具です。

リードは犬が逃走を防止するためのつなぎ紐ではありません。

リードは人が犬に自分の行動の意思を伝えるための道具なのです。

リードが止まっている、リードが動いている、リードがどのように動くのかが犬にどのように行動するのかを伝えていきます。

このリードの使い方を全くできていない飼い主さんがほとんどです。

街中でもリードを持つ手が掃除機を持つ手のように前に伸ばされているのはリードの使い方を理解していないからです。

リードは避難のための大切な道具であり、それを理解して使えるようになっておく必要があります。

 

災害の時に犬に必要なもの実は首輪

 

災害時に絶対に犬に着けて欲しいものが首輪です。

この首輪には名札を装着してください。

どんなときにも名札を装着した首輪をつけることができるようにいつも準備しておきましょう。

普段の散歩用首輪とは別に、名前と電話番号が入った首輪を準備しておき2重に犬の首にかけるのでも問題はありません。

電話番号はわかりやすい方がよく首輪の表面にわかるように記載、もしくは刺繍しておきましょう。

首輪は犬がストレスを感じないような飾りの少ない安全かつ自然な素材のものを選びましょう。

災害時には常に着けておく必要があります。

胴輪ではなく首輪である必要も絶対です。

胴輪は抜けやすく、胴輪をつけたままでは犬が休むときにも不便です。

胴輪は目立つため人や犬の多い屋外移動には便利なので災害時に持ち出すことはおすすめします。

避難初動自は首輪を装着してあげてください。

 

犬の三種の避難道具を使いこなそう

 

犬のクレート、リード、首輪を日ごろから適切に使えるようになっておくことが、非常時に犬の安全安心を確保する方法になります。

人も犬も非常時の行動は平素からの積み重ねであることは変わりません。

クレート、リード、首輪の三つには取り扱い説明書というのがありません。

簡単に入手できるからこそその使い方は独自のものになりがちです。

本当に犬の命を守りたいなら、日々の生活の中できちんとした使い方を身に着けていきましょう。

それが災害時にも飼い主が犬にできることの始まりです。

備えあれば憂いなしは、犬との暮らしでも同じことです。


 

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<犬のこと>犬の社会化をもう一度考えるヒント

犬の社会化という言葉をご存知でしょうか。

ほとんどの犬のしつけの本には見られるようになった「犬の社会化」というワードが広がり始めたのはここ20年くらいではないかと思います。

自分の学生時代に暮らしていた犬の社会化など考えたこともありませんでした。

その言葉を聞いたのは犬の仕事に就いたときで、そのときですら犬の社会化というものに対して科学的に説明してくれる先輩はいませんでした。

その後の犬のセミナーでなんども社会化という言葉を聞きました。

なんとなくぼやけてしまう社会化ですが、科学的に納得のいく説明文になるとこうです。

「犬の社会化とは犬が環境の中で持続的に行動を通して安心を獲得していく活動のこと」

犬と暮らしているみなさんに、この言葉の意味がわかるでしょうか。

この文章をもう少しわかりやすく数行にわけてみます。

・犬の社会化とは環境の中で持続的に行われる

つまり犬の社会化はずっと継続するもので、一時的に行われ終了するものではないのです。

犬の社会化とは生涯を通して継続する社会的機能の発達なのです。

・犬の社会化は犬が環境の中で行動することで身につく

犬の社会化とは犬が自ら行動することで身についていきます。

つまりは、犬に一方的に刺激を与えることでは実現しないということです。

なので、犬を抱っこして散歩しても全く社会化は身につかないということになります。

・犬の社会化とは安心を獲得する中で実現する

犬の社会化とは犬の脳の機能性が高まり、自らの行動を通して安心を得ることの繰り返しのことをいいます。

これは大丈夫、これはこのように回避する、これはこのように対応することで攻撃を免れる、などすべてが安心獲得の作業なのです。

ですから犬と走り回ることで安心を獲得するのではありません。

闘争行動、逃走行動、興奮行動の繰り返しは社会化を促進しないのです。

 

犬の社会化学習を説明する際に、刺激を与えることではないということだけでもわかっていただきたいのですが、なぜかたくさんの人や犬のいるところに子犬を連れていきたい飼い主さんが多いのに驚きます。

あなたの犬のもっとも大切な社会化は、まずテリトリーを獲得すること、身近な飼い主という動物を理解することです。


 

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