グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

トップページ
お電話でのお問い合わせ
お問い合わせフォーム

<犬のしつけ方・動画>指定された居場所へ犬が移動するトレーニングで安心スペースを獲得しよう

昨日のブログで、ハンドメイドの犬用ベッドについてご紹介しました。

犬用ベッドは室内飼育の犬には欠かせないペット用品であることもあわせてご紹介しました。


犬用ベッドは、犬専用のソファにあたるものです。

「うちでは人のソファにあがっているから犬用ベッドは必要ない」という反論もあるかもしれません。


しかし、これは違うのです。

犬の一番小さなテリトリー=居場所について知れば知るほど、犬用ベッドの重要性がわかるようになります。


また、人が管理しなければいけない室内飼育環境という条件の中では、犬を指定の居場所に移動させなければいけないことも多くあります。

実は、室内は屋外よりも刺激が多く環境が不安定になりがちなのです。


そこで、犬が不安定になる前に犬に安心できる居場所へ移動するように誘導するトレーニングを行います。

生徒さんにお願いして2回目の練習風景を動画撮影させていただきました。

イメージのための提供動画ですのでほんの少しですがどうぞ。



「ベッドの合図で犬用ベッドに移動するトレーニング中の犬ちゃん」

撮影のために少し緊張感が漂いますが、いつもはもっとリラックスです。
フードの誘導は使っていません。

フードは必要のない場合にはできるだけ使用せずに、本来の姿に近付くように練習しています。

いつもは少し興奮しやすい犬ちゃんなのですが、全てではありませんが少しずつ落ち着く時間が見られます。

こんな数秒の動画の中にも、犬を知る大切なメッセージがたくさん詰まっているのです。


この犬ちゃんのご家庭の犬用ベッドは、このあとハンドメイドの極上品に変わっていました。

よりリラックスし安心できる居場所を提供したいという飼い主さんの真心が伝わってきます。


犬に愛情を持って可愛がるということは、犬を撫で回すことではなく、犬を理解し必要なものを提供することです。

それには、物理的に必要なもの、発達として必要なものがあります。

発達として必要なものの中には、犬が学習の機会を提供した結果得られるものがほとんどです。

犬用ベッドを活用することは、犬にこの二つを提供することにつながります。


dav

Posted in 音声・動画, 犬のこと

<犬のしつけ方>犬の社会性について:父親不在で荒れるオス犬たち

犬は性別によって行動のいくつかが明らかに違います。

中でもはっきりとしているのは、争う相手が基本的には同性であることです。

オスとメスという生き物に分かれていることと、オスとメスの存在によって子孫を増やしていくという仕組みはヒトと同じです。

犬を擬人化することはおすすめしませんが、仕組みが同じ部分については自分たちの種に置き換えて考えても結構似ているところがありますので参考にしていきましょう。

犬のオスはオスと緊張感が高く、多くのオスはメスの非礼な行為や乱暴なコミュニケーションには寛容です。

どうでしょうか。ヒト社会に置き換えても納得できる傾向ではないでしょうか。


そのため、オス犬が散歩中に眼をとばしたり、吠えて緊張したりする傾向があるのが、相手がオス犬のときだけということもよくあることです。

犬の社会的順位については、そもそも交配の権利を争うために行われるという意味もありますが、オスの場合にはもっと深い意味もあります。

オス犬たちはグループで行動し防衛や攻撃を行う体制を整える必要があります。

近隣では、互いのテリトリーを構築したり、もしくは数頭でグループをつくったりと、オス犬ならではの社会関係が進められます。

昭和一桁時代であれば、犬たちは夕方になると係留から解放されて、犬同志が集まるコミュニティを形成していました。
その中では、オス犬の序列が自然とつくりあげられ、ボスを呼ばれる犬もいたことでしょう。
弱い犬は弱い位置におさまり、犬だけで作られたオス同士の序列はある程度安定したものであったのではないかと推測します。

ところが、最近のオス犬たちは少し変わってきました。

リードや室内といった拘束環境から解放されるときがないため、犬だけのコミュニティを持たないこともひとつの理由ですが、ある傾向がオス犬のけん制行動を複雑していると感じています。

それは、家庭に父親という存在が不在のまま育つ社会性についてです。


犬社会であっても、オス犬が一番先にぶつかるのは、同じ群れのオス犬です。
犬からしてみれば、父親と同じ存在にあたります。

強く、恐ろしく、また尊敬する存在でもある父親役を果たす犬の存在は、若いオス犬の横暴な態度を改め、冷静さを引き出し、抑制をつけさせる大切な存在なのです。

ところが、飼い主という人が親役を引き受けるようになって、この父親の役割が不安定になってきました。

飼い主さんの中には女性ひとりで犬を飼われる場合があること。
父親の存在が家庭の中で小さくなってしまっていることなどがその理由です。

家庭の中の父親が犬のしつけに細かく関わって欲しいということではありません。
お世話は母親や子供たちが協力して行うが、家庭の中に父親という要が存在するかどうかが重要なのです。

犬は非常に社会性の高い動物で、飼い主家族の社会的関係についても熟知していると感じることがあります。

家庭内の不和や不安定は、室内飼育の犬に直接的に影響を及ぼしてしまうことを否定できるでしょうか。


家庭に父親の存在がはっきりとしない状態で育ったオス犬は、甘えが強く社会的力に従うという社会性を身につける機会を失ってしまいます。

では、女性ひとりで犬を飼うことは無理なのかというと、そうではありません。
女手一つで見事に子育てをされる母親もいるからです。

ただ、その場合には、女性は時には父親という存在に変わって、威風堂々と接する必要があるということです。

それには、体力も気力も必要です。
オス犬育てが大変な理由はここにあります。

たかが犬育てですが、犬と向き合ってその成長を見守り、動物として必要な発達の機会を提供するとなると莫大は時間と空間と気力が必要なのです。

オス犬がお母さんべったりなら早急に家族会議が必要です。

すべてのオス犬が自信を持ち役割を発揮する場を得られるよう願ってやみません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>動物同士の距離感:犬と人、犬と犬、人と人

先日から風水講座に参加された生徒さんたちが、それぞれに自宅の間取りを持参されていたのを見ました。

グッドボーイハートの生徒さんがほとんどなので、家庭訪問トレーニングで間取りをある程度把握していたご家庭もあるのですが、リビング以外の間取りについては想像する範囲でしかないので、こうして図面を見ると間取り図面からメンタルマップができあがって、より詳細にご家庭の空間についてイメージできます。

今回は風水判定のために間取りが必要だったのですが、犬のトレーニングの場合は犬の空間スペースの利用の提案と限界について考えるために、間取りはとても重要です。

日本の住宅は犬を室内で飼う文化のある海外諸国と比較しても、圧倒的にスペースは狭いのです。特に核家族化が進むと同時に、ひとり暮らし、ふたり暮らしといった家族の少ないご家庭で犬を迎え入れされることも多く、必然的にスペースの狭い空間に犬が生活するということになってしまいます。

室内空間は屋外空間の影響も受けます。
たとえば、七山校であればドアを開ければ、すぐに広い庭と山にアクセスできます。
境界線沿いに他の家もない上に、周囲は森なのでその空間の広さによる開放感は特別なものです。

ところが、都心住宅になると庭もありません。マンションのベランダは有効利用したいものの、そこから外部にアクセスできない環境は犬にとっての孤島を意味しています。表現は悪いですが、都心の室内飼育ではよほどの大邸宅でない限り、犬は軟禁状態を強いられているといっても過言ではないと思います。

そしてその軟禁状態の上に、室内では犬と人が狭いスペースを共有することになります。当然のことながら、お互いのスペーシング(間隔をとること)は難しくなります。

ところが人は犬に対するスペーシングには無頓着なことが多いのです。抱っこやいっしょに寝るなどの犬に対して密接に行っている行動を、人に対しては行わないはずです。赤ちゃんは別ですが、一般的に大人になった人が、上記のような密接度で人に接するのであれば、それは愛撫とか闘争といった特殊な密接に近付く距離感のことになります。

犬は人のこうした過剰に接近してくる接触の距離感によって、依存と闘争を芽生えさせます。飼い主にまとわりつく犬が、他の犬や人を闘争相手とみなしたり、依存状態がいつも動くものを追い回すなどの行動につながっていくからです。

この室内の狭さが生み出す犬と人の距離感は、犬と犬が小さなサークルやケイジにいれられて発生する距離感と似ています。実際、子犬のころから落ち着かない犬のほとんどが、小さなサークルやケイジに他者と共にいれられて飼育されています。

犬も人も、どちらもスペースをきちんととることのできることで、自分の安全と安心の感覚を得ています。スペースをとるということは、お互いの関係性を築いていく上で最大限に大切なことではないでしょうか。むしろ、愛情の高さや好きの度合いよりもずっと重要だと思っています。

スペースをとるというのは、空間を区切っていくことではありません。ここではクレートなどのテリトリーのことを差してはおらず、共有する空間でのスペースの安定性のことをお話ししています。

日本の家屋はもともと狭かったのです。狭いから寝る場所の布団をあげて、昼間は家族スペースとして利用したのです。ダイニングの各自の小さな卓袱台すら、食後は片付けていた時代もありました。

生活のスタイルがベッドや椅子やテーブルを置いたままにする西洋式に変わったのに、空間は以前よりも小さくなっているというストレスの多い状態になっています。
少しでも空間を開けたいなら、いらないものを捨ててスペースを作るしかありません。結局のところ断捨離ということになりますが、何もしないよりはできることはわずかであってもやってみることです。そのことで何かが変わるかもしれないし、変わらなくても行動できたというエネルギーは次につながっていきます。

あとは、アウトドア空間の有効利用です。散歩や自然空間に出かけてスペースがあることを確認することは、長らく屋外で仕事をすることが生活であった日本人としての空間の上手な使い方でもあります。

先日、七山校を出ると数十メートルでイノシシに遭遇しました。
車のスピードをあけて、距離感をとりゆっくりとついてくと、急いで走り出すことなく少しずつスペースを開けていきます。お互いにスペースを開けようとする意志が伝わっていると感じて、少し気持ちが落ち着きました。

dav

Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方・おすすめのアイテム>暖かいから準備したいもの「ペットドア」の魔法について

福岡では日差しが暖かく、室内よりも庭やベランダの方が暖かさを感じられるような日々が増えています。
春の日差しにあたろうと、窓辺のガラス戸の前に寝ていたり、座ったりする犬の姿も増えているのではないでしょうか。

犬の大切なテリトリーである庭へのアプローチについて、犬が自主的に行えるようにするための配慮について飼い主さんに説明する機会が増えてきます。

庭と室内をつなぐドアという境界線に対して、犬が自由に出入りする環境を整えるために使う道具が「ペットドア」なのです。


そもそもペットドアという道具は、室内と屋外を自由に行き来して過ごす猫という動物のために作られたのが始まりなのかもしれません。

猫が出入りするのは構わないけれど、昆虫類が部屋に入ってくるのは困るという理由でペットドアが使われ始めているからです。

最近では、犬の庭への出入りが便利ということで、犬用のペットドアを使っていただいています。
特に屋外で排泄をする犬にとっては、排泄行動に自由が与えられるということで、犬の自律性は大きく高まります。犬も良い状態でひとつの自由を獲得し、人も同じように自由を獲得します。

小さなチワワのリロくんがペットドアを使用していますので、その様子を動画でご覧ください。




実はこのリロくんですが、長らくペットショップにいたため最初は排泄行動が大変不安定でした。

新しい環境を受け入れるのが苦手なリロくんだったので、ペットドアを装着してもなかなか自分でくぐろうとせず練習が必要だったのです。

小さな犬が苦手とするドアの前後にある段差も、いろんな道具で工夫しながら、ペットドアの導入にも受け入れができるように工夫を重ねて、やっとドアを自分でくぐれるようになりました。

このように自分でお庭に排泄をするために出ていって犬だけで帰ってくることをとても想像することはできなかったでしょう。

できるようになったのは、飼い主さんがリロのことを信じたこと、そして提案したインストラクターであるわたしを信じて下さったことなのでとても感謝しています。

→リロくんの成長記録はこちらからどうぞ
ブログ記事「怖がりさんだったリロと飼い主さんの成長の足跡:犬の行動を理解することは飼い主の役割」


庭に出る際に飼い主が気づいて戸口を開ければいいのではないかという意見もあるかもしれません。
もしくは、犬が室内に入るときには必ず脚を拭かなければいけなという家庭のルールの導入もあるかもしれません。
ルールの導入については、人にとってのルールが犬に対してアンフェアにならないように注意していただきたいのです。
そのためには、犬とはどういう動物なのかを理解していただく必要もあります。

ベランダ環境は不安定なので、なかなか外に出ようとはしないかもしれません。
最適なのはお庭があることですが、ない場合でベランダを活用しなければいけない場合にも、ベランダで人が過ごしても気持ちがいいと思えるように整えていただければよいのかと思います。

お庭空間は昔の人にとっては小さな自然でした。
自分が小学生のとろに過ごした庭には、たくさんの木々がありました。
サクラ、梅、ツツジ、ビワ、アジサイ、柿など、他にもたくさんの種類の木々が小さな庭に整理整頓されて入っていました。
小さな自然が庭にあって、昆虫も小鳥もたくさん集まっていました。ヘビやイタチもみかけました。とても懐かしいです。

今は庭空間には自然はありません。それでも、自然につながるひとつの場であって欲しいと思います。犬たちにその空間を提供してあげてください。

ペットドアにはいろんな種類のものがあります。
自分の犬に見合ったものをぜひ見つけてください。

dav

Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと

<犬のしつけ方>ドッグフードの選び方:これだけは絶対に避けたいフードとは

ペット用品が充実する中、ドッグフードの種類がかなり増えてきました。

聞き覚えのあるブランドからも様々なランクや名前のドッグフードがでていますし、国産や輸入品と新しいメーカーの商品も次々と販売されています。

飼い主がドッグフードを選ぶ方法は、インターネットで検索したりペットショップのおすすめのフードを利用されることが多いようです。動物病院ですすめられたというドッグフードを使われていることもあります。

食べるものは犬の体と脳を形成するために大変重要な素材なので、ドッグトレーニングといってもフードの種類は確認させていただきます。

いろいろな加工されたドッグフードを選ぶ際に、これを与えたらいいと絞り込むことは難しいことです。

最近は質の良いフードはたくさん出回っていますし、全てのドッグフードを試したわけではないからです。

逆に、こういうドッグフードは選ばないで欲しいという視点からは条件を出すことができます。

ここでは細かな説明はできませんが、簡単に述べると次のふたつのドッグフードはおすすめしません。

ご自宅にあるフードを取り出して、以下のフードに当てはまっているのかを確認してみてください。

その1、オイルスプレーをされたドッグフード
ドッグフードを触ったときに、ベタベタした感触があるフードには最終工程でオイルスプレーがされています。オイルスプレーの理由は、その方が犬の食欲が高まるからです。
動物は脂の臭いには敏感です。フードの内容が悪くても、オイルスプレーがかかっていれば、食事への意欲は大変高まるからです。

オイルスプレーの欠点はオイルが酸化するということ。
また、フードの素材が悪く犬が関心をひかないような内容のフードを、オイルスプレーでごまかしているということも欠点のひとつです。

その2、臭いのきついフード
天然の素材で作られたフードはほとんど臭いがしません。ほのかに香るという程度です。
強い刺激臭がある場合、それはたいていビタミン剤や栄養剤といった化学薬品の臭いです。
犬の中には繊細さを持つ犬もいます。化学薬品を毒素とみなしてこれらの臭いフードをうけつけない場合があります。
逆に刺激の強いフードは中毒性があり、食事時にとても興奮してしまうことがあります。
食べ物の内容を変えると、食事時の興奮行動はおさまることもあるのです。
ドッグフードの臭いを嗅いでみて、臭いとか、においがきついと感じられるようでしたら、そのフードはお薦めしません。

犬の排泄物の臭いや、犬の体臭までもが臭くなってしまいます。
犬たちは臭いに敏感です。健康でストレスレベルが低く保たれている犬は無臭なのです。
犬の臭いがきつい理由のひとつに、食べているものが臭いからというものもあるのです。

一度、フードを変えていただくと臭いが激変するのがわかるでしょう。

ふたつのことをまとめると、オイルスプレーをしておらず、においがきつくないフードをまず選んでみましょうということになります。

できれば国産で、賞味期限もあまり長すぎないものが良いでしょう。

さらに絞り込む条件をあげるときりがありませんので、まずはこの2点をドッグフードの選択から外してみてください。

よく調べるとほとんどの市販のフードが上記の二つの条件にあてはまっていることがわかります。

質の良いドッグフードは多少値段も高くなってしまいますが、犬が健康で医療費が安くなると思えば、また犬が健康に発達することを考えると、慎重に選択していただきたいものです。

Posted in 犬のこと

<日々のこと>音の振動が胸に響くことで学んだこと

結構大変な状況に追い込まれると、山を越さなければなかなか人には言えないこともあります。実は自分にもそんな状況が起きてしまいました。

最近、訪問レッスンに伺った生徒さん宅ではやっと自白できるようになりました。

実は、肋骨を骨折してしまいました。
筋肉痛だと思って放置していたのですが、咳をすると痛みが響くようになり明らかに異変を感じたためレントゲンをとると、すっぱりと骨折していたのです。
衝撃を受けた記憶はなく、疲労骨折というものらしいのです。

病院の先生には「大きな声を出しませんでしたか?」と尋ねられました。

大きな声ならよく出しています。
もう30年くらい出していると思うので今さらという気はします。
あとは老化という悲しい現象なのでしょうか。

肋骨の骨折は自然治癒しかないとのことでしたので、通常業務を続けてはいたのですが結構大変でした。

しかしこの骨折状態にいたり、普段は気づかぬことに気づいてしまいました。

肋骨を骨折した状態で家庭訪問レッスンに伺ったときに気づいたのですが、吠える犬の声がいつも以上に肋骨に響くのです。

かなりビンビンと響きます。
声の量で痛みを感じるほど響きが伝わってきます。

よく「胸に響く」という言葉がありますが、感動するというよりも音の振動が伝わるという意味で生理的にまさに胸に響きました。

音の高さによっても響き方が異なり、音の振動というのはすごいコミュニケーションになっているのだと納得した訳です。

つまり、犬が音を受け取るときにも同じように受け取っているのでないかと推測したわけです。

言葉の意味ではなく、犬の肋骨に響く音の振動を受け取ることで、それに応答する力が出てくるのではないかと感じました。かなり確信的に感覚を得ることができました。

動物は弱っているときは感性が高くなりますが、今回の自分の状態もまさにそんな感じだったのでしょうか?

折れた肋骨が周囲の環境の変化をいち早く受け取ろうとしたのかもしれません。
理由はわかりませんがとにかくよく響きました。

ということは、犬を制する声を出すためには、犬の肋骨に響くほどの音量は必要だということです。

犬に対して大きな声を出すのは、はしたないとか野蛮だという印象を持たれることもあります。

しかし犬は犬。

オヤツで吊り上げてさせるくらいなら、正々堂々と声を出した方がいいと思うのです。

それに、誰にでもできることではありません。

きちんと声を出せるということは、結構奥の深いことなのです。

折れた肋骨では声量のある声を出すこともできないですし、意志の強さも必要です。


さらに、普段は痛みが強いものの、レッスン中はほとんど痛みを感じていないことも不思議でした。
アドレナリンが放出されて痛みを押さえ活動が優位になるように体が調整しているようです。

こんな風に骨折から学ぶ日々が続きました。

こうしてブログに書けるようになったのは、どうやら山場を越したようだからです。

骨折部分の治癒には1ヶ月以上かかるとのことですが、医師によるとわたしは随分痛みに強いらしく、一般的な活動状態ではないらしいのです。

ということで、普通に活動していますのでご安心ください。

dav

Posted in 日々のこと, 犬のこと

クローン技術で犬をつくる:犬のクローンはその犬なのか?

先日、イギリスのBBCテレビ局が製作した、犬のクローンを取り上げた番組を観ました。

クローンの技術を研究して実際に犬のクローンを作っていると紹介されたのは、韓国の研究チームです。
その韓国のクローン研究チームがイギリスの愛犬家のためのキャンペーンを行います。
実際には10万ドルの費用が必要な犬のクローンを、応募者の中の飼い主の犬の1頭に行うというものでした。

自分の犬のクローンが欲しいとキャンペーンに応募した愛犬家が、チームの若手メンバーの面接を受けることが番組の主題になっています。

わが犬のクローンを求める飼い主が「なぜ、自分の犬のクローンが必要なのか?」を力説するのです。

その多くは涙ながらに語られるものばかりでした。
つまりはこんな感じです。 
「この子(犬)はわたしの生きがいなんです。この子がいないと生きていくことができない、だから私にはこの子のクローンが必要なの。」
「この子はとても賢い犬なのです。だからこの犬がいなくなるなんて考えられない。」
「この子は家族のお世話をしてくれます。いなくなったらどうしようと、どうしてもこの子が必要なんです。」

こんなコメントでしたが根っこのところはひとつかなと思いました。


もちろん、番組内では一般的意見として「クローンなんて絶対にダメ」「倫理に反している」「この犬は他にはいない」といった意見も紹介されています。

自分の周囲にも、もしクローン技術を使ってわが子を再生できるならやりたいという日本人がいるとも思うのです。その希望を否定することはしませんが、その根底に流れるかい問題は別に考える必要のあるものだと思います。

犬の純血種も人の知識と能力のあわせ技です。
これらとクローンを比較することはできませんが、人は一体何をしたいのだろうという単純な思いを、犬の姿の中に見ることはできないでしょうか。

あなたの犬のクローンをあなたは必要とするでしょうか。

深く考えさせられた番組でした。
NHKのBSドキュメンタリーなのでDVDで観られるようになるかもしれません。
ぜひ一度ご覧になって、そして自分たちはどうするのか考える機会となればと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Posted in 日々のこと, 犬のこと

<犬のしつけ方>犬のひとり遊びを考える後編:ペットボトルで遊ぶ子犬たち

前回のブログで犬の「ひとり遊び」のうちの知的玩具で遊ぶ犬のご紹介をしました。
記事は以下でご覧ください。

<犬のしつけ方>犬のひとり遊びを考える前編:知的玩具で遊ぶ黒ラブマーゴ

何をもって知的玩具というのかということは、またいつか説明したいと思います。
今日は、様々な玩具遊びの中でも比較的多くの犬がする「ペットボトル遊び」を例にあげて、犬のひとり遊びについて考えていきます。

ペットボトル遊びとは、ペットボトルを口にくわえたり噛んだりして音をならしたり破壊していきながら遊ぶことです。

犬によってペットボトルの噛む箇所が違っていたりします。
ある犬は口の部分だけを噛んでいたり、またある犬はボトルにフタをつけないと噛まないこともあります。
中央部分を噛んだり放したりしてパコンパコンといって音を鳴らして遊ぶ犬もいます。
口にくわえ込んでガムのように噛みながら破壊していくこともあります。
ペットボトル遊びは犬によって様々ですが、こうした遊びを犬はひとりで行います。
つまり、ひとり遊びを継続してするのです。

犬によってはペットボトル遊びを30分くらい続けることもあります。
遊びに満足したり飽きると自然に止めてしまいます。

自然界にはないペットボトルという素材が犬の脳をどのように刺激しているのかは不明です。
ペットボトルの原料は石油ですから、石油の臭いが動物を興奮させるのかもしれません。

七山校では昨年ペット素材の草履を20個くらい野生動物に持っていかれた草履事件がありました。
専門家に尋ねると動物が興味を示す素材ではないかとのことでした。


犬がペットボトル遊びに関心を示す他の理由としては、単純に応答性の高いものであるからといえます。
応答性というのは、コミュニケーションのキャッチボールのことをいいます。
幼少期にコミュニケーションや社会性がまだ未発達の場合には、道具やものの応答性を通してコミュニケーションの満足を得ます。

簡単な応答になっています。ペットボトルを噛むと音が出るとか形が変わるとか、口にくわえているものを放すを落ちるとかですね。

人の幼児も同じように道具の応答性を使ってひとり遊びをします。
ただ、幼児に学ぶとわかるように発達が進むとこれらの単純な応答性では満足しなくなってしまうのです。
人と人のコミュニケーションの方が自分を人として発達させるため欲求が高まり、単純なひとり遊びは少なくなっていきます。

ペットボトルの応答性を使った犬のペットボトル遊びを見ていると、単純な応答を利用したもので知的な発達を促す玩具とは少し違うようです。

しかもこのペットボトル遊びですが、子犬にはよく見られますが成犬になるとしなくなってしまいます。

発達の過程で必要となくなったり興味関心が薄れるためですが、犬の社会性が発達しているお知らせとしては正常なことです。

むしろ、成犬になってもペットボトル遊びに夢中になることの方に注目する必要があります。
こうした犬たちは、人や他の犬との社会的なコミュニケーションがあまり得意でないことがあります。

遊びが成長の過程の中で、発達に応じてその形を変えていくことは、人では当たり前のことでもまさか犬がと思われるかもしれません。

犬は成長し発達する動物なのです。

限られた環境に拘束されている現代の日本の犬たちに、成長し発達することで生きる幸せを獲得できる機会が増えることを望みます。

dav

Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方・動画>犬のひとり遊びを考える前編:知的玩具で遊ぶ黒ラブマーゴ

犬がどのような行動をしていても「遊んでいる」と飼い主が判断してしまうことがあります。

動物の遊び行動に関して、きちんと定義づけることは難しいことです。
ここであえて取り上げたい遊びとは、次のような行動であることを前提としてお話しします。

まず、遊びには目的は特にないということ。
誤解を受けてしまうかもしれませんが、大きな目的はないということです。
犬が要求したり防衛したり攻撃したりするといった社会的な目的は特別にはないということです。

次に遊びは犬の性質や年齢によってその種類は異なるが、犬という動物として特徴的な遊び行動が存在するという事実があります。
ときには、その犬の遊び行動は人とも行われることがあったり、幼児の遊びの中にも似たような遊びを見ることもできるという相似性を見出せるものもあります。

本来遊びには何かを生産するという目的もありません。

しかし遊びには継続性を必要とし、遊び行動を通して動物として発達しうる機能や能力があることは間違いありません。

そのため遊びは発達の手段でもあり、社会的な関係性を構築する手段にもなっているというのは、行動の
目的でなくとも、動物の欲求を引き起こす根っこのところにある根本であると思うのです。


その遊び行動の中でも幼少期に見られる「ひとり遊び行動」については、性質や環境の影響によって差があるため、これを観察するのは犬の個性を知るために楽しい作業となっています。

子犬の中には特定の知的玩具といわれる道具で遊びます。
知的玩具という名前がついているわけではなく、犬の遊びの要素によって知的な部分の発達を促されていると感じる遊び行動を引き出す玩具のことを知的玩具といいます。

犬の知的玩具の中でも、食べ物を探すことを目的としていない遊びに犬が夢中になることには注目していただきたいのです。

たとえば、次の動画は1才未満のラブラドルリトリバーの犬がゴムボールで遊び行動をしています。
彼女の遊びの動作は、赤い蜂の巣状のボールの中からその中に入っているテニスボールを取り出すことです。
ご覧いただければわかりますが、なかなか簡単に取り出すことができません。

黒ラブマーゴの知的玩具あそび動画

しかしこの行動ですが、飼い主側がそれを出すように指示したわけではありません。
犬に赤いゴムボールの中にテニスボールの入っている玩具を与えただけなのです。
それをみたこの犬が自ら、大きなボールの中にあるテニスボールを取りだそうと格闘しています。

ボールを出してもオヤツがもらえたりほめてもらえるわけではありません。
それでも大変長い時間、この「遊び」に自ら熱中して取り組んでいます。
問題が解けずに終わっても、次の機会には再び取り組むのです。

こうした行動は全ての犬がするわけではありません。
では、なぜ黒ラブのマーゴはこの遊びを考えその遊び行動に熱中しているのでしょうか。
こうして考えると、犬の遊び行動は単純なものでないことがわかります。

犬が飛んだり跳ねたり走り回っていることだけを遊び行動だとするのは見方が浅いのです。
飛んだり跳ねたり走り回るのは興奮行動ではありますが、それが遊び行動だという理由はありません。

知的な犬という動物の本質をもっと知ると、犬に対する接し方も変わっていきます。

dav

Posted in 音声・動画, 犬のこと

<犬のしつけ方>寒波で具合の悪くなる犬のためにできること

今週は福岡の歩道の色も真っ白になるほどの寒波に見舞われました。

凍結による事故など、雪に不慣れな九州に限らずとトラブルも起きているようです。

急激な気温の変化によって体調を崩される犬も増えているようです。

犬にもケンネルコフというウイルスがありますが、ワクチンによる予防接種も広がっていますので、犬を多数収容する場所以外ではあまり感染することはありません。

ウイルス感染とは別に、人でいう風邪のような症状は犬にも起こります。

鼻水や咳といった症状が出ることもありますが、他にも発熱や消化不良のような症状が出ることがあります。

犬は人よりも若干ですが平常時の体温が高いため、体温が多少上がっても気づきにくいですが、犬がぐったいした様子であれば、高熱になっている可能性も高いのです。

もっとわかりにくい寒さによる具合の悪さが、消化不良です。

食べないとか嘔吐、下痢をするという早いからだの反応があれば、まだ対応も早くなります。

少し分かりにくいのはよく食べるのに、体重が落ちてしまうような虚弱な体質に変化していくことです。

一時的な寒さで起きるのではなく、少しずつ体が弱くなっている中で急激な気温の低下を受けて体が外気に適応できなくなってしまうことがあります。

犬は外で元気がモットーだといいたいところですが、現在の犬たちはそうともいえません。

なぜなら、犬は常にリードにつながれいたり、狭い室内や庭に閉じ込められていたりして行動の自由を奪われているからです。

さらに、精神的な未発達によって行動の自由はもっと奪われることになります。

行動に自律性がなく誰かに依存しているというのは、行動の自由を奪われているのと同じことになるからです。


寒さでダメージを受けてしまった犬たちには、まずは外的な環境整備で寒さから犬を守りましょう。

ただし、服を着せすぎたり、服でがんじがらめにすることはおすすめしません。

犬の行動の自由が奪われすぎないような、工夫のある暖かさの完備を考えてみましょう。

あとは日頃から、自律した行動を引き出し、犬が落ち着いて行動ができるような環境や関係性を築いていくことも、困難を乗り越えるために根本的に役立ってくれるのです。

この期間の三寒四温という自然の厳しさを越えて、暖かい春を迎えるまであと少しです。

20170320_103834

Posted in 日々のこと, 犬のこと