いつも小さな出会いが新たな出会いを生むきっかけを作ってくれるのですが、今回もそんな出会いを得ました。
“JとJimnyでいく旅”の途中で立ち寄ったお店で素敵なものを見つけました。
はじめは小鳥の巣箱だと思って手にとったのですが、少し大きな形だったのでよくみたところ「ムササビ用の巣箱」と書いてありました。
ムササビ…そういえばあそこで見たことがある、と思い出をたどりました。
オポと共に七山に越してきてしばらくして、山の中でキャンプをしていたときに、暗闇の頭上にパッと飛び立ったあるものがいました。自然に親しむ生徒さんのひとりが「すごいですね。ムササビですね。」と言ったのです。
その時はまだ山に引っ越したばかりで、ヘビであろうがカエルであろうがホタルでろうが、どんな生物も久しぶりに目にするものばかりだったので、そんな生き物もいるんだなとあまり気に留めず、そのうちに忘れてしまったのです。
そして、このムササビの巣箱を見たときに、そういえば以前山の中で見たあのムササビをあの後は全く見ていないことに気づきました。私がみたあのムササビは一体どこへ行ってしまったのだろうと一方的に寂しくなってしまい、この巣箱をもって帰りあの場所に設置するのだ、と思いたったのです。
毎度のことながら私の急に走り出す夢プランに珍しくダンナくんも便乗してくれました。ムササビとかすごい、見てみたいとダンナくんの少年心を引き出すことにも成功して、この大きな巣箱を狭いJimnyに積んでオポハウスに帰宅しました。

J&Jimny
ムササビの巣箱を設置するにあたり、まずはムササビがどのような習性をもっているのかを調べることにしました。取り出したのは、今泉忠明先生のご著書「野生動物観察辞典」(東京堂出版)です。
ムササビに関する詳細の情報を得ることができました。
リス科であり九州に生育し樹上で活動する。
体重は一キロ前後で両手両足を広げると座布団くらいのサイズになる。
巣穴から出ると高みに上りって滑空し次の木に移る、を繰り返して移動。
主に針葉樹に生育している。
ムササビの着地による樹皮の変化や糞便の見分け方、鳴き声の特徴についてなども記されていました。
今泉先生の情報を元に設置に有効なポイントを想像したのですが、それはどう考えても家の裏ではなく山の奥になります。
巣箱を設置する高さは低くとも3メートル、願わくば5メートル以上を目指したいところですが、どんなに頑張っても脚立の高さまでしか上ることができません。
巣箱の設置はダンナくんが引き受けてくれました。当初はすぐ裏の杉の木で良かろう的な考えのダンナくんに私の壮大なイメージを話すと、ダンナくんは自分が山の歩いて上ることを想像したようで、少し躊躇したものの以外にもこの案を承諾してくれました。大きな脚立を担いで登るのはダンナくんの子分ではありますが。
巣箱を抱えて、私、ダンナくん、子分、ジェイと連なって山奥へ向かい、その後はワーワーと叫びながら設置した風景がこちらです。
風景に溶け込みすぎで巣箱がどこにあるかわかりませんね。
間違えました。これはムササビが入っているのをイメージしたAIの写真です。
これが現在の風景になります。なんだかワクワクします。
私がここに引っ越してきた約二十年前は、まだ山の中が乱れておらずムササビが生活しやすい環境だったのだと思います。そのうちに大きな竹が暴れ始めて山の中が竹だらけになり杉や松といった針葉樹がどんどん倒れていきました。
竹がムササビの滑空を邪魔したに違いないし、竹が水分を吸い上げてしまうのでムササビの餌になる様々な針葉樹や広葉樹が育ちません。昨年末から暴走する孟宗竹を切る作業を始めたことがカムバックムササビへとつながってきました。
「みんなを驚かせたい」というダンナくんの切なる希望で、みなさんに巣箱を設置したことを黙ってたのですが、気づいて下さる方が少なかったので少ししょんぼりとしていました。ですが、私としては大満足です。
手を痛めながら竹を切る作業も、ムササビカムバックプロジェクトという新たなミッションを思えばなんて乗り越えられそうです。素敵な出会いに感謝です。



