ご家庭訪問タイプのトレーニングクラスのために定期的にご家庭を訪問していると、犬の行動の変化を見ることができます。
トレーニングの内容に沿って進められた環境の変化に対する適応。
たとえばクレートというハウスで寝るようになる。
犬用のベッドで遊ぶようになる。
適切な場所に準備された排泄場所に排泄をするようになる。
そして排泄の失敗(トイレの失敗)というのがなくなってくる…など。
これはほんの一部ですが確かにトレーニングやしつけを行った結果に変化した犬の行動です。
ですが、犬の行動はいいことばかりではないし、いつもパーフェクトなわけではありません。
「今週も1回トイレを失敗しました…」
「まだ、とびつきがなおりません。」
「ものをかじるのを止めません。」
「吠えがなくなりません。」
飼い主側はできていない行動をたくさんあげられることは得意ですが、犬ができるようになったことを探すのは苦手のようです。
もう少しはっきりというと、犬ができるようになりつつあること、に気づかれるのが苦手のようです。
0か100。
完璧にできたら「できた」と思えるものも、中途半端な数字10とか50とか80ではまだまだ合格とは言えないので不安になられるのも分かります。
そのことに気づいて説明するのがインストラクターとして訪問している自分の仕事です。
先日まで訪問のときに吠えていたのが今は吠えていない。
最近まですぐに飛びついていたけれどゆっくりと近づけるようになっている。
ハウスの合図に対する反応がかなり高くなっている。
そんな、飼い主さんにとっては満点とはいえない犬の行動も、より良い方向に向かっていることを感じることができたら飼い主さんに報告しています。
これは、飼い主が現在整えている環境整備がうまくいっていますよ、ということなのです。
つまり自信を持ってこのまま継続されて構いませんという、私の中での合格サインです。
生徒さんからは「犬がまったくよくなっていないと思っていたけれど、こうしてお話を聞くと変化しているのがわかりました。」といわれます。
飼い主としてはとても高いところを目指しているので、そこまでにはまだまだ時間がかかるということで焦りがあるのかもしれません。
しかし犬のしつけや犬と関わるということは、完璧になりすぎてしまったら犬はそれだけ年をとったということもであります。
今「犬が出来ている」こと、今「私ができていること」を認めることの方がずっと有益だということを、客観的にみればわかることですが当事者というのはなかなかそうでもないのです。
責任感があってちゃんとしなければという気持ちが強ければ強いほど、犬へのプレッシャーもかかってしまいます。
犬がプレッシャーを抱えているシグナルとしては、しつけの練習の途中で逃げ出したり走り出したりしてしまうときです。
逃走は犬がもっとも得意とする行動なので、走り出すたびに練習を止めていたら練習にはなりません。
ただあまりにも拒否が強い場合には、少し深呼吸して自分にかかるプレッシャーを開放してから再びトレーニング練習にのぞみましょう。
繰り返し行動のしつけの内容はすごく単純で難しいことでも過酷なことでもないのです。
ちょっとの我慢ができれば、どんな犬にもできるようになります。
毎日が犬との闘いであっても良いではないですか。
より良い関係をつくるための闘争です。
犬を愛する気持ちが生まれるなら問題ありません。
Author Archives: miyatake
犬の小さな変化を見逃さないことが犬との関係をより良くする
老犬くんが七山で癒しの時間を過ごしてくれること
福岡市の拠点と唐津市七山の山の学校を行ったり来たりする日々。
「先生もお忙しいですね~。」と言われること度々ですが、もうすっかりと慣れてきました。
今日は日帰りで七山まで行ってきました。
いろいろと要件があったのですが、ひとつはグッドボーイハート七山に毎月やって来てくれる老犬くんと癒しの時間を過ごすためです。
移動が犬にとっての負担にならず、七山に来ることが犬にとってのより良い時間になるのであれば老犬くんでも大歓迎です。
季節のせいか夏よりも元気になったような犬くんの姿を見て安心し飼い主さんともゆっくりとお話できました。
七山に学校を構えたことでいろいろと不具合もあったのですが、やはりメリットの方が圧倒的に大きいです。
都会で忙しい飼い主さん、その飼い主を支える犬たち。
時には山の中の透明な空気を吸ってリフレッシュして欲しい。
そんな気持ちで七山の学校を維持してきました。
そして私も同時にこの山の風に嫌なことを吹き飛ばしてもらっています。
コロナ時代に入り蓄積されるストレスは思った以上に大きなものです。
何もわからない犬たちも飼い主や世間のストレスのエネルギーには敏感です。
より良い形でリラックス、心地よい時間と場所を大切にしてきたいです。
オポディ(オポの日)無事に。今年もありがとうございました。
オポディが無事に終了しました。
偶然にも今日はオポの命日。
オポが12月中旬というこの時期に旅立ちを決めたことで、程よい時期に一年を感謝する時間を作ることができています。
午前中はいつもより頭数多めのグループトレッキングでした。
トレッキングに慣れている犬たちはリラックスした感じです。飼い主さんの落ち着かせもばっちりでしたね。
初参加の犬ちゃんたちは多少の興奮があり、でも歩いていると落ち着いてきましたね。
私が一番緊張していたかもしれません。
みなさんにお茶とお菓子とパンで少しだけの時間を共有するお昼タイムには、逆にいただいたものの方が多くなってしまいました。
たくさんの甘い差し入れ。
たくさんの果物の差し入れ。
パンやお菓子などなど…。
本当に感謝しかありません。
午後から来られた犬連れのご参加者の皆様。
なかなか生徒さん通しお話する機会もないので、いろいろと情報収集できたかなと思います。
次の機会にはいっしょにトレッキングしましょう!
グッドボーイハート生だった生徒さんたち、今は犬はいないけれどオポのお墓参りをかねてのご参加ありがとうございます。
初心者生徒さんたちに対するアドバイス、きっと心強いと思います。
みなさんこうしてご縁をつなげていただき、みんな犬に対して真剣に向き合って学んで下さる方ばかりです。
グッドボーイハートを始めて今年で21年、オポの命日は5回目です。
こうして今でも犬のことを学び続けることができるのも、グッドボーイハートという場で出会いの機会を得て、学びの機会を与えられたからです。
このことを心より感謝しています。
みなさんとの出会いがあったから、犬のことをより深く理解しようという時間を作ることができました。
そしてこれからもグッドボーイハートで出会う犬たち、一頭一頭と向き合う時間を惜しまない決意です。
オポという犬のひとりで唯一の飼い主として、できることは全部やったという思いと、もっと理解すべきことがたくさんあったという思いと両方があります。
その思いが、オポが旅立ったあともトレーニングスクールとして、ヒーリングスクールとしてのグッドボーイハートを続けていこうと思った理由です。
私もまだ分からないことばかり。
みなさんと一緒にこれからも学び続けます。

準備したグッドボーイハートの部屋 で一番奥の壁にはオポの写真
13日オポディ(オポの日)についてのお知らせ ※ご参加者はご一読下さい。更新
令和2年12月13日(日) オポディ(オポの日)についてのお知らせ
みなさんに安心して楽しんでいただくために事前のお知らせです。
長文ですが最後までお読みください。
ご参加の皆さんは下記の3つの中のどのグループでご参加なのか直前でもご連絡いただけると助かります。
1のトレッキングクラスにご参加の方は前日までにご連絡下さい。
- トレッキングクラス(10時~11時半)からご参加 犬と一緒にご参加
- 午後12時から 犬と一緒にお立ち寄り
- 午後12時~ 人だけでお立ち寄り
この日に限り頭数の多いグループトレッキングとなります。
知らない犬との接近には配慮をお願いします。
犬たちが興奮しないように落ち着かせを頑張りましょう。
〇施設への通用口はいつもの(向かって右側の茶色のテラスからの入り口)をご利用下さい。
〇トレッキング後の犬の待機場所は各自のクレートです。
車もしくは施設内をご利用下さい。
クレートはご持参ください。
〇トレッキング後は室内でパン・お菓子とコーヒーや紅茶をお召し上がりください。
各自のご都合でいつでも退席いただいて構いません。
〇ご参加予定の犬ちゃんたちご紹介します。
・ゆあ(メス)お預かり犬ちゃん

・アルク(オス)

・サク(オス)

・メイ(メス)

・ハル(オス)

・梅吉(オス)

・じょん(オス) ※グループ初参加

・クール(オス)

・ダン(オス)

・ディーノ(オス)左 ・ナノ(メス)右

・レオン(オス) ※グループ初参加

2 午後12時~ 犬と一緒にお立ち寄りの方
〇駐車場はCをご利用下さい。前日までにご案内しますが案内のない場合にはご連絡下さい。
〇犬の遊び場所は下の広場のみとさせていただきます。
尾歩山の散策、はじめての方単独でのご利用はご遠慮下さい。(イノシシがたくさん出てます!)
〇室内に入るときには犬はクレートです。クレートを室内に持ち込むかもしくは車に待機させるか迷ったらご相談下さい。
〇室内への出入りは表の白いテラス側のポーチ口をご利用下さい。
いつもは閉じている正面のドアを開けていますのでご利用下さい。
〇入室、退室ともにご自由に。帰宅されるときはお声かけ下さい。
3 12時~ 人だけでお立ち寄りの方
〇駐車場はCをご利用下さい。前日までにご案内しますが案内のない場合にはご連絡下さい。
〇室内への出入りは表の白いテラス側のポーチ口をご利用下さい。
いつもは閉じている正面のドアを開けていますのでご利用下さい。
〇入室、退室ともにご自由に。帰宅されるときはお声かけ下さい。
・その他の大切なこと
コロナ感染の配慮のため、飲食以外で気になさる方は各自マスクをご着用下さい。
通気のためドアの開閉を定期的に行います。
七山はコロナウイルスも定着できないほどの風の通りのすごい谷間ですので、むしろ寒さ対策万全でお越し下さい。
今年一年みなさんと犬たちにもいろんなことがあったと思います。
元気に年末を迎えて来年も一年を幸せに過ごしていただけるようにお待ちしています。

犬のするプレイボウ(遊びのお辞儀)は本当に遊びのシグナルなのか?
犬のコミュニケーションについてのお話です。
犬のコミュニケーション方法は嗅覚、視覚、聴覚といろいろと発信の方法があります。
ですが私たちヒトとしてより正確に把握できるのは視覚的なコミュニケーションです。
嗅覚や聴覚で受け取れるものもありますが、視覚ほどはっきりと認識できません。
だからまずは視覚をつかって犬のコミュニケーションを勉強するのが一番です。
今日は視覚的なシグナル「プレイボウ」=「あそびのお辞儀」を取り上げます。
プレイボウとは、犬が前脚を地面につけて尻を上げるポーズです。
お相撲さんのはっけよいのポーズに似ていますね。
子犬が遊びを誘うシグナルとされていることからプレイボウ=「あそびのおじぎ」という名前が付けられました。
同時に敵意のない行動だとしても知られています。
ただ実際にこのプレイボウのシグナルを犬が出しているときに、
犬と犬が遊んでいる
だから犬と犬は仲良しで友達
と断定してしまうのは早すぎます。
犬と犬はプレイボウをしている最中はお互いに対立を避けようとしている。
だけどその対立を避けるシグナルは次の瞬間に破られてしまうこともあるのです。
プレイボウで犬が飛ぶ方向は左右飛びです。
右に左に飛びながら犬は境界線を引いていきます。
ここまでがボクのテリトリー、だからここからこっちには入ってはダメだよ、
という境界線を引いているのです。
それがプレイボウの横跳びです。
テリトリーを守っている、テリトリーに入るなと言っているとなると
いっしょに仲良くお友達ということでもありません。
お互いのテリトリーを主張しあい、お互いのテリトリーが守られる陣地取りなのです。
子犬のころはこの陣地取りの行動を遊び行動として群れの兄弟犬たちと繰り返すことで自分のテリトリーを確保することを学びます。
だから遊び行動の中に見られるプレイボウ…ですね。
兄弟犬であってもプレイボウの横跳びから相手のテリトリーへ向かって飛ぶ前後とびや手をかける、体当たり、飛びつき、空かみ、甘噛み、立ちあがりが入ってくるとこれはもう闘争の形になっています。
これをみなさんはワンプロと言われるようですね。
ワンプロは闘争のひとつの形です。
もみ合って遊び楽しいで終わるのか、犬によっては他の犬が苦手になることもありますので要注意ですね。
プレイボウについてはこれまでブログでもなんどか取り上げましたので検索して探してみてください。
ブログで犬語の説明難しいですね。
かといってYouTubeで説明するのも虚しいし、また犬語セミナ―開催のときにはみなさんといっしょに学びたいです!
犬のメンタルマップの神経回路基盤について得た助言
少し前のブログ記事で犬のメンタルマップについて書きました。
記事はこちらです。
犬の行動を決める「メンタルマップ」について考えてみました。
要約するとこのような内容でした。
・動物の脳内には「自分とその周辺の地図」が存在していてそれをメンタルマップと呼ぶ。
・メンタルマップは犬にもあり犬はそのメンタルマップを基に行動している。
・メンタルマップの構築は犬の場合、嗅覚で得た情報によって構成されている。
上記のブログ記事にも書いたとおり私は脳科学者ではありません。
あくまで犬を行動する立場にある人間ですが、その中で犬たちがどのような仕組みでどのように物事を理解しているのかが知りたくいろいろな科学的見方を探しています。
メンタルマップは行動を決める指針ともいえるもので、犬の行動を考える上で重要な情報なのです。
今回このブログ記事を読んで下さったグッドボーイハートの生徒さんからメールをいただきました。
内容は「メンタルマップの神経回路基盤について」というものでした。
なんとその生徒さんはメンタルマップの最前線で活躍している教授や研究者の方々から直接話を聞けるような研究室にいらっしゃるとのことで、メンタルマップについてより詳しい情報を得られるサイトを紹介して下さったのです。
詳しい情報にはメンタルマップを説明するにあたり3つの脳内の部品について紹介されていました。
この三つを動物がどのように使っているのかを理解することでメンタルマップがどのように構築されているのかがわかるようになる仕組みの部品です。
1 海馬
2 場所細胞
3 格子細胞
海馬については有名なのでご存知の方も多いと思います。
犬の脳内にももちろん海馬は存在します。
記憶の整理をする場所として有名な海馬ですが、メンタルマップも記憶を基に構成されていくので海馬が関係しているということでより分かりやすくなります。
私の説明では今一つなので生徒さんがメンタルマップについて要点として書いて下さったメールの一部をここに紹介させていただきます。
マウス脳において、記憶に重要な役割を果たす「海馬」という部位の中に、特定の場所にいる時のみ反応する「場所細胞」があること。(つまりカーナビでいうと「現在地」を告げる細胞)、またその特定の場所に反応する仕組みとして、三角の格子状に分布する点にいる時にのみ反応する「格子細胞」を複数組み合わせる機構(つまりカーナビでいうといくつかの手がかりから現在地の座標を計算する仕組み)があることが示されています。
犬が脳の中に自分を中心とした地図を構成するには地点というものがたくさん必要になるということです。
つまり地図を書くときに線を引きまくるのではなく、郵便局、銀行、パン屋さん、信号機、公園といったものがありそれを結ぶように道があるというふうに構成されていくということです。
さらに最先端で研究されている生徒さんによると「これはメンタルマップの神経回路基盤と言えるような研究」なのだそうです。
私のブログ記事を読んで下さり「神経科学的なレベルでの知見と実地で実際に生物に触れる行動分析のレベルで得られた知見とが合致するような結果」だと感じて下さったということでとてもワクワクいたしました。
さらにその地点を把握する方法ですが、動物は知覚に基づいて情報を得ます。
人の場合にはほとんどが視覚に頼っています。
しかしほとんどの動物は嗅覚から得られた情報を最優先にします。
この人と他の動物との違いについてはまだ研究がすすめられているとのことです。
しかしもうひとつ大切な情報として、実は海馬に直接的に情報を送り込めるのは嗅覚だけなのです。
だから嗅覚は記憶に最も近い情報とされています。
その海馬がメンタルマップの構築をしているとなると臭いを中心にして生きる犬などの動物の方がメンタルマップの構築はむしろ確実なのではないかと考えました。
カーナビを持たない動物がどこを見ても同じ風景の森の中を移動するための手段として使っていたメンタルマップ。
あなたの犬の中にはどのように存在していると思いますか?
続きはまた次回。お楽しみに。
関連記事→
犬の行動を決める「メンタルマップ」について考えてみました。
<犬のしつけ方>動物同士の距離感:犬と人、犬と犬、人と人
地図「オポの行動から学ぶメンタルマップの構築について」

他の犬に対して興奮しやすいのたくがさんの犬に会わせ過ぎたからというのはどういうことですか?
他の犬に吠えたり興奮したり逃げたりする犬がいます。
小さいころからたくさんの犬にあわせて社会化を進めてきたはずなのに、どうしてこんなに吠えるようになったのだろうと思っているなら大きな勘違いをされています。
その勘違いというのは、犬と犬の社会化とはただたくさんの犬を会わせるということではないというということです。。
また、犬と犬のプロレス遊びの回数を増やすことでもありません。
小さい頃のこうした犬に対する経験は、犬と上手にコミュニケーションを取れるようになるどころか、むしろ他の犬に対して攻撃性や怯えがでるようになることの方が多いのです。
たくさんの犬に会わせることよりも、もっと重要なことがあります。
それは、
どのように他の犬に会わせるのか。
どのような時間をいっしょに過ごすのか。
こうした、過程の方がずっと大切なのです。
ところが、本やネットなどの簡単に伝えられる方法や、コピペで回っていく情報はすごく単純な内容になります。
「たくさんの犬にあわせた方がいいんだって」という情報で伝わっていきます。
よく生徒さんから「この本にたくさんの犬に会わせた方が良いと書いてあります。」
と犬のしつけ方の本を見せていただくことがあります。
でもその本の中には他の犬にとびついていく犬の写真などは乗っていません。
ただ同時にどのように会わせていいのかの指導はありません。
なぜならそれは犬によって異なり、単純な文章として紹介することができないからです。
他の犬と安心して対面させていき、より良い関係を作っていくにはどうしたらいいのだろうか?
どうすれば自分の犬が他の犬と社会的に安心できる関係を作っていくことができるのだろうか。
そのためにはまず飼い主同士がお互いに共通の価値観を持っていることが大切です。
飼い主同士が犬のことについてはある程度お互いを信頼できるような関係を作ることが、犬と犬の社会性の発達につながっていきます。
この辺が日本で犬の社会化が難しい理由です。
犬に対する価値観など、ヨーロッパで犬と暮らしている方ならそれほど多様ではないからです。
日本の場合には犬との暮らしの価値観が多様化しすぎていて、また犬に対する理解があまりにも不足しているのに、動物を可愛がる愛護の精神だけが突出しています。
動物に対する理解のない愛護は、動物に対して相手を尊重しない態度に結びつく危険性があります。
共に学ぶ機会があるなら、その中でより良い関係が作れそうな方を見つける。
もしくは、自分の友達にも犬のことを伝えていっしょに学んでみる。
私などはあとで家族として入ってきたダンナくんが犬についての情報が全くない人でした。
すべての犬が足をあげて排尿をするものだと思っていたほどです。
どうしてかというと、自分が漫画で見た犬たちはみんな足をあげて排尿していたからだというのです。
なるほど、それもそうですね。
もちろん尻尾を振っている犬は、みな喜んでいると思っていた普通の人でした。
でもそのダンナくんは今は違います。
私の教育の元すごく短期間で犬のことを理解できるようになってきました。
今年は動物取扱士の資格をとるべく勉強中です。
いっしょに学べる飼い主を見つけて、いっしょに成長しましょう。
そうすると犬の世界もきっと広がります。
それが犬の社会化です。
福岡市内でも気のいい場所で犬とお散歩できる森でお散歩トレーニング
福岡市内はここ10年でさらに都市化が進んでいます。
同時にペットの数も増えていますが、なかなか良い散歩コースが見つからないのが現状です。
そんな福岡市でここだったら森の雰囲気がするという公園があります。
その公園には樹齢の高い木々が保存されていてまるで森の中を歩いているように気持ちよく落ち着きます。
ただ時間によってはたくさんの人と犬が集まってしまう一極集中になりがちなので、時間を選んで散歩に出ていただいています。
今日は2件の生徒さんの家庭訪問レッスンの一部が同じ地域の公園で時間差で行われたため、お互いをご紹介しました。
もしかしたらこの公園で散歩中にご一緒されることがあったら、もし少し時間があったらこのようにして歩いて練習されると良いですよと少しアドバイスさせていただきました。
普段の散歩コースで話の合う飼い主に出会う機会はなかなかないと思います。
今回はおふたりがどちらもグッドボーイハートの生徒さんということで、お散歩の少しの時間を共有されるだけでもそれぞれの犬たちにとっては良い社会化勉強になるとご提案しました。
犬に引っ張られながら散歩している人を見ると、何も教えていないのにリラックスしていていいなと感じることがあるでしょうがそれぞれの性質や環境もあるので比較しても仕方ありません。
それよりも自分の住居の近くにこんな素敵な森があることの方を喜んで活用しさらにステップアップを目指していきましょう。
犬に問題があったから学ぶチャンスもあったのだと思えるようになると素敵ですね。
私自身もたくさんの難しい犬がグッドボーイハートにやって来てくれるからこそ、自分には学びの機会がたくさんあるのだと本当に感謝しています。
お散歩練習が活発な季節にトレーニングが進みます。
明日も同じ公園で練習してきます!
トレッキングクラスのアフターコーヒーが美味しい!その単純な理由とは。
七山でのトレッキングクラスの後に、時間に余裕のあるときにはお茶をお出しするようにしています。
特に寒い冬になると暖かい飲み物をいただきながらゆっくりとお話を聞きたいですし。
それでセレクトしていただくのですが多くの方が「コーヒーをお願いします。」と言われます。
実は私もコーヒーが大好きなので、いっしょにいただきます。
といってもそんなに有名なお店のコーヒー豆ではなくて、普通のワンパックになっているスーパーで購入できるコーヒーです。
そのコーヒーを飲んで下さった生徒さんから先日も「コーヒーが美味しい」とほめていただきました。
結構ほめていただけるのです。
もちろんお世辞もあるとは思いますが、本当に美味しいと思います。
なぜトレッキング後のコーヒーは美味しいのでしょうか?
一番はやっぱり「水」です。水が井戸水なのですが、普通の井戸水といっても山からずーっと流れてきた山の下からくみ上げた水です。
グッドボーイハート七山のある場所が唐津ではかなり高い場所にあるので、水は格別まろやかです。塩素も入っていないし土にさらされて透明になった水です。
犬たちも水道水はなかなか飲まないけれど、井戸水はよく飲むということもあります。
そういえばオポも博多から七山に引っ越してきたときは体の中が全部入れ替えられるのではないかと思うくらい、湧き水を飲んでは排尿するをひたすら繰り返していました。
体を内側から洗っているように見えました。
トレッキング後のコーヒーが美味しいもうひとつの理由は、犬といっしょに時間を場所を共有して豊かに過ごした後だからかもしれません。
犬と人がいっしょに呼吸を合わせて山歩きをするというのは、とても原始的な行動なのです。
だから関係も昔に戻りよりシンプルになります。
そんな時間を過ごした後だからこそ、いいものはいいとわかるのかもしれませんね。
その辺のコーヒー豆でいれたコーヒーをほめていただけるのは本当にうれしいことです。
毎回準備できるわけではありませんが、できる限りお出しするようにしています。
トレッキングいつまでですか?と聞かれたのですが、1月も2月も3月もずっとトレッキングクラスは開催しています。
トレッキングのあとに暖炉にあたって暖かくしていただくこともできるだけですが頑張ります。
ひとりでいろいろとできないことも多いのですが、クラスに参加される生徒さんたちが自分たちでいろいろとして下さるので、それに甘えながら一緒に体験&体感を続けていきます。
成長した犬のお乳を吸う行動のなごりはなぜ見られるのか?
犬が哺乳類であることをご存知だと思います。
哺乳類とはその言葉のとおり、子育てをするにあたって母にあたる動物が子の動物にお乳を吸わせて成長させる類のことです。
人と犬はどちらも哺乳類です。
人と犬にたくさんの違いがある中で明確な同じ部分がこの哺乳類という分類です。
身近な動物、猫、牛、馬、サル、イノシシ、鹿も哺乳類に入ります。
哺乳類である犬は、子犬のころに母犬からお乳を吸って大きく成長します。
ところがこのお乳を吸う行動=哺乳行動が犬が母犬から離れた後も、成長後かなりの年齢まで残ることがあります。
犬の哺乳行動が母犬から離れた状態で起きるときには、こんな行動になります。
・タオルに口をつけて吸う
・オモチャを持ち上げて吸う
・ケージの網を噛んだまま眠ってしまう
・飼い主の洋服を噛みながら寝てしまう
・飼い主の指を吸う
・他の犬の尾や体の一部を吸う
・フードの早食い
こんな何かをしゃぶっていたり吸っていたりする行動は、犬が哺乳をする行動なのです。
なぜこのような行動をするのか、人や他の動物の研究によって明らかにされていることが一つあります。
それは「十分に母犬から哺乳されなかった」という欲求不満です。
犬の哺乳欲求は食べ物を食べられるようになったらなくなってしまうように思えます。
実際には食べ物を食べていたらお乳を欲しがるわけではありません。
しかし必要な時期に必要な欲求を満足させる行動をしなければ、哺乳行動は満たされなかったということで長い間「他の何かを吸う」という転嫁行動として身についてしまいます。
先日のアニマルウェルフェアの講習会にも同じような話題があったのですが、牛も子牛のころにある強い吸入欲求を満たすことができなければ、舌遊びや柵かじり、ごはんの早食いをするようになるそうです。
子牛の場合にはお乳は人用に捕られてしまうため子牛たちはバケツにいれたミルクを与えられることがあり、この際にミルクをがぶ飲みすると上記にあげたようなストレス性行動をするようになるとのことでした。
これは犬にも同じことが言えるためとても興味深いなと感じました。
犬も同じようにお乳を十分に吸う時間を与えられないと、お乳を吸う行動の転嫁行動が生涯を通して残る場合があります。
犬にこのようなお乳を吸う行動が見られると少しびっくりされて慌てられるかもしれません。
しかしこの行動はそんなに簡単にはなくなりません。
ストレス行動は叱ったりほめたり、罰を与えたり、ご褒美を与えたりすることでは治すことができないのです。
犬が抱えている幼犬期の欲求不満をよく理解してあげ、適切なものに転嫁しつつ、他の対応を考えてあげる必要があります。
みなさんは笑顔で子犬を迎え入れられたでしょうが、子犬の方は「いろいろあって大変だった」ということだと思います。
最近は子犬の販売数が増えており、繁殖を急ぐあまりお乳を吸う時間を十分に取れていないこともあるでしょう。
あなたの犬を理解して対応してあげられるのは飼い主であるあなただけだということさえわかって下さればあとは飼い主さんが学びの中で今子犬にとって最も大切なことは何かを知って根気強く対応することです。
犬はあまりにも人になつきやすい動物であったばかりか、あまり理解されずに人のそばにいるようになりました。
犬の良いところが、犬にとっての難しさを生んでしまったわけです。
それでも犬は長い時間人と付き合ってくれる動物ですから、こちらも犬から学んだことを犬に返してあげる時間を持てます。
そのことだけが救いと言えます。
犬の乳を吸う行動の名残を見たら、犬にはまだこれから解決していきたいことがあるのだということです。
やりがいがありますね。