グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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子供嫌いの犬:犬の社会性は社会経験が基本

犬が子供が苦手になってしまうことがあります。

ここでいう子供とは、外で遊ぶようになる幼稚園児くらいの年齢から小学生くらいまでの年齢の子供をさしています。犬が最も苦手とする年齢です。

母親から離れて遊べるようになる活発な幼稚園児は、新しいものに関心を示します。犬や猫は小さな幼児が関心を示す対象となるのは自然なことです。

小学生になると犬は珍しい動物ではありませんが、かかわりを持とうとしてちょっかいを出す対象になったり、別の意味で動物を利用しようとする目的を持つこともあります。

中学生に入ると自分のことで忙しくなり、犬や猫に関心を示し続けるかどうかは個体差が出てくるでしょう。

動物に関心の高い中高生もいるし、さほど関心を示さない中高生もいます。

中高生が犬に関心を示したとしても、中学生になると犬に対する愛護の気持ちも育ってきています。

他者を思いやる感情も十分に芽生えていますので、犬にとって脅威になるような存在にはなりにくいのです。

3才から小学生くらいまでの年齢の子供に対して、犬が苦手意識を持つようになるのはなぜでしょうか。

その話に進む前に、子供が苦手な犬というのはどのような犬なのかを探っていきましょう。
「子供」という社会的な対象に、不安や緊張のシグナルを示したり、興奮や攻撃、逃走といった社会的行動を示すようになります。
具体的には犬が子供が苦手だと知らせる行動は次のような行動です。

子供の声を聞くと興奮したり吠えたりする
室内で子供の声を聞くと吠える
外で子供に対して吠える
子供を見ると唸り声を出す
子供を見て震えたり散歩の途中でも逃げ帰ろうとする
子供が抱き上げると震える
子供が近づくと逃げる、後ずさる
子供が手を出すと牙を当てる

これらの行動は、全ての子供に対して出るということもあるし、特定された個別の子供に対して出ることもあります。また、どういう違いなのかはわからないけど、こうした行動が出ることもあるし出ないこともあるといったこともあるでしょう。

いずれにしても、犬が子供に対してこれまでになんらかの経験を通して学習したことが、犬が子供が苦手であるというシグナルとして表現されるようになった要因です。特に生後4ヶ月齢までの社会化期に犬が経験したことは、のちの行動に強く影響していきます。

子供に対して犬が学んだ社会的経験というのは、さまざまな環境の中で行われるのであくまでも例としてしか紹介できませんが、具体例を挙げるとこのようなものがあります。

子供が子犬を抱き上げて歩いたり遊んでいたことがあった。
子供が子犬をおいかけて遊んでいた。
子供が子犬を膝の上に乗せてずっと抱いていたことがある。
子供が子犬とおもちゃ遊びをしていたことがある。
散歩中に子供が近づいてきて子犬を撫でていた。
来客としてきた子供が子犬を撫で回していた。
散歩中に子供が子犬に走って近づいてきた。
散歩中に子供が子犬にものをなげた。

これらの行動は、子犬が逃げたり隠れたりするチャンスを与えられずに、子供は子犬を玩具として遊ぼうすることから、子犬は子供が恐怖の対象となってしまうケースです。
子供が子犬とおもちゃ遊びをするというのは、対等な遊びであればとても良いのですが、遊び方が子犬の持っているおもちゃを取り上げてしまったり、子犬のくわえているおもちゃを激しく振り回しすぎたり子犬を吊り上げたりするような行動をしてしまうと、子犬は子供に対して乱暴になってしまうことがあります。

ご家庭に子供さんがいて、子犬のときに子供達と子犬を遊ばせていたこと経験があるというご家庭も多いのですが、実際に飼い主が子供たちと犬がどのように関わりをもって遊んでいたのかという監督をしていない場合には、子犬は子供たちに持ち上げられたり、追いかけられたり、からかわれるイジメに近い行為を受けていることもあります。

子供の方には悪意がないため、子供達は楽しかったまた遊びたいと思っているのです。
このとき、子供たちは「子犬がどのような気持ちや感情をもっていたのか、子犬は怖がったり嫌がったりしていなかった。」といったことを受け取る力が育っていません。小学生にもなると「人に対しては」共感力を発揮できる年齢です。友達の気持ちを配慮できる子供達であっても、犬に同じように接することができるとは限らないのです。ご家庭の中で飼い主である大人が、どんなに小さな年齢の子犬に対しても、どんなに小さなサイズの犬に対しても敬意をもって対等に接する姿勢が見られない限り、子供達はこのことを学ぶ機会を持ちません。
※ここまでの子犬の部分は犬と当てはめていただいても同じ内容のものです。

大人は犬をかわいがって育てているつもりなのかもしれませんが、その接し方が大人にとっての玩具のようなただ撫でたりダッコしたりするかわいがるだけの存在であれば、子供は自分たちも同じように接していいのだということを大人をみながら学んでいくのです。
大人が犬に対して、犬にも成長の機会を与える必要があり、環境をうまく管理して成長と発達ができるようにサポートとしてあげたいという姿勢で犬育てに取り組むようになると、同居の子供達は協力してそのことにいっしょに参加してくれるようになり、そしてルールも守ってくれるでしょう。そのことが、犬と子供がいっしょに成長するということです。

子供さんでも犬に興味のある自宅に遊びにくるような子供であれば、犬との接し方についていっしょに学ぶ機会を持たれるといいでしょう。子供の世話を犬にまかせるようなことをしておくと、犬が子供が苦手になるという経験をすることになりますので、それはしないでください。
公園で接する子供たちの教育については、すべてを引き受けることもできません。ご家庭にはご家庭の教育というのがありますので、子供達が犬に近づいてくるのをやさしくでもはっきりと断ってください。

公園で犬をみたら「さわってもいいですか。」と尋ねてくることに対しての意見は過去ブログで紹介しました。
触ってもいいですか?をご覧になってください。

厳しい意見だと思われるとは思いますが、こうして子供に犬を触らせることで、子供が犬ともてるかもしれない絆をもつ機会を失いたくないからです。なかなか触ることができない、でもいつか犬の方からゆっくりと友好のシグナルを出してくれるまで辛抱強く待とう、という気持ちを育てていきたいのです。

子供が苦手な犬が増えていると感じています。
子供と犬との関わり方が難しくなっていると思います。
子供の教育の方向性はいつの時代にも変わり続けているのですから、これからもっと本質的な犬という動物と子供達が本当のふれあいを実現するようになれることに対して、希望を持ち続けたいと思います。

mde
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