グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<クラスのこと>訪問レッスンで福岡市内で犬との山歩きにYMAPヤマップを導入!

グッドボーイハートの大切なクラスであるトレッキングクラス。

通常は環境把握ができて一緒に育てていただけるグッドボーイハート七山の尾歩山で開催しています。

今日は特別に家庭訪問プライベートクラスを受講されている生徒さんと犬ちゃんといっしょに福岡市内の山歩きの練習をしました。

普段から自宅近くの山歩きを週末の日課にしていきたいという飼い主さんの意欲を買いました。

犬とトレッキングにはどんな注意や配慮が必要なのかをお話しながら歩きます。

犬と飼い主さんが歩くにはどんなコースがいいのか事前に情報を得るためにはじめてヤマップを利用しました。

ヤマップはスマホのアプリで山歩きをしている方の多くが活用しているものです。

ヤマップの会社が福岡市博多区にあることから勝手に親近感を抱いてしまい、いつか利用したいと思っていたので今回はチャンスでした。

ヤマップには今回歩いた山の管理者の方の見事な写真入りのルートが掲載されていました。

コースが分かるということは環境がある程度わかるということ。

マップが頭の中にあることは登山の絶対のルールです。

雨でなかなか外に出られずぐずぐずしていた犬ちゃんも大満足のトレッキングでした。

グッドボーイハートにどうして出会ったかわからないけど、少しずつですが犬のことが分かってきましたという飼い主さんのお言葉に登山の疲れも吹っ飛びました(気持ちだけは…)。

ヤマップ、すごく良いのでおすすめします!

犬とトレッキングクラスを福岡市で開催

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<犬のこと>ストライキで動かない脱力犬たちに対する犬のしつけ方とは

最近聞かれるようになったのか「だつりょくけん」という言葉。

最初聞いたときには、「脱力拳」とはどんな拳法なのかと思ったのですが、脱力拳ではなく脱力犬でした。

脱力犬と呼ばれる犬たち。

まさにやりたくないときに全身の力を抜いて脱力する犬なのです。

散歩中にリードをつけた状態で脱力して引きずられていく映像はYoutubeでもよく投稿されています。

自分がリードを持っているときには起こり得ない状態なのでなかなか実際に目にすることはありません。

しかし生徒さんから送られてきた写真で見ることがあります。

リードを引っ張るのではなく脱力して抵抗するというパターンです。

全身の力を抜いて抵抗するという方法は子供もよく使う手です。

動物としてはやる価値のある抵抗方法である意味成功することもあります。

リードをつけて歩いているときに脱力して抵抗する犬を引きずって歩いていても本来の問題の解決にはなりません。

しかしリードを知らない素人さんたちのすごさでもありますが、思いっきりリードを引きずるうちに犬の方も歩き出してしまうのでしょう。

ただ体重が40キロくらいもある大型犬になるとなかなか起き上がらせることはできません。

同じような状況としてクレートに入れるときに起きることがあります。

まずハウスといってもクレートに行くことはないためクレートに誘導しようとするとその段階で脱力します。

大きな犬になるとハウスにいれるのには一苦労です。

なかなか入れられないことを犬も学習します。

まるで赤ちゃんのような抵抗方法ですね。

脱力による抵抗は次に攻撃にうつる準備段階であることもあります。

脱力すると瞬発力が出るのは柔道などの武術の経験のある方ならご存知だと思います。

犬は武術を生まれもったときから身に着けていますので、こうした体の使い方は教えられなくてもできるのです。

中には脱力したまま回避してしまう犬もいます。

ストレスがかかる→脱力→考えるのも止める

こうなると体も心も寝てしまうわけですから抱き上げていれるしかありません。

でもハウスにいれてしまうと起き上がり反発が出ます。

みずからハウスに入れない犬はハウスの中で抵抗するのも当たり前のことです。

結局のところ脱力による抵抗を、脱力したときに改善させることはできません。

簡単にいうと鉄砲で撃たれたあとにどうしたらいいのか?と尋ねているようなものです。

脱力された段階で脱力拳を受けたわけであって、古いセリフをかりると「お前はもう死んでいる」という状態なのです。

飼い主はここから勝利を勝ち取ることはできません。

日々の生活の積み重ねがいざというときの脱力をなくしていくのです。

ただもし脱力したらどうしたらいいのかというと、一旦は別の方向へ歩き出させて飼い主の再起をはかりそして再チャレンジです。

また岩を打ち砕くのは岩ではなく風か水です。

かたくなになる犬に対して自分もかたくなであると岩と岩がぶつかるだけになります。

風か水の力はどこにあるのか。

犬にこだわらない生活や生き方、そんな

大したことがないことが犬との暮らしを変えていきます。

トレッキングで自然を満喫



 

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<トレッキングクラス>梅雨の晴れ間にトレッキングデビューのゴールデンくん

今日は梅雨の晴れ間にタイミングよくトレッキングデビューした犬ちゃんがいました。

年齢は9歳。

大型犬の9歳というと年を取っていると感じる方もいらっしゃるでしょう。

4つ足の動物は10年生きれば御の字ですから9歳は若いとは言えません。

人生のどのタイミングでも変化を求めるのに諦める年齢ではないと思います。

もし私が80才とか90才であっても残されたあと数日の人生の中であっても自分の中にあるひとつの扉が開く機会があるのであればそれを開けたいと思うでしょう。

犬の方はもっと前向きです。

犬は残りの人生を憂えたり計算したりすることがないからです。

しかも犬の一年は人間の7年分です。

犬の1ケ月は人の半年以上です。

犬の1日は人の一週間に相当する時間です。

高齢でトレーニングを始めるのは子犬でトレーニングを始めるのとは確かに違います。

家庭訪問トレーニングのクラスと併用して七山のトレッキングクラスに参加される犬ちゃんの多くは中高年以上です。

トレッキングクラスは家庭訪問トレーニングで環境を整えつつも、ひとつでもできることを進めたいという飼い主さんの気持ちを支えるでしょう。

ご自宅では犬の管理練習から始まるため、今まで犬と日常的にやっていたようなコミュニケーションが減ってしまい飼い主としては物足りなさを感じることもあるでしょう。

でも犬の方は今、飼い主の満足を満たせるような状態ではないのです。

少し犬の立場に立ってみたり考えたりできるようになると今までと違った世界が見えてくるようになり、犬に対して自分ができることの方向性も変化してきます。

トレッキングクラスには飼い主の学びもたくさん詰まっています。

ただ山で時間を過ごすというそれだけのことなのに、何か違いを感じられるようになったら本当の変化が生まれます。

結果よりも過程が大切。

楽しかった時間、癒された時間、共有する時間を大切にするだけです。



グッドボーイハートのトレッキングクラス






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<クラスのこと>犬のトイレトレーニングは家庭訪問レッスンで始まるけどそれだけじゃない

犬について学ぶためのクラスにはいろんな講座やクラスがあります。

この福岡市だけでも相当の数の学びの機会が存在しているはずです。

過去にたくさんの講座を開催してきたことから講師として自分が知ったことは「犬について最も大切な学びは自分と暮らしている犬との生活にある」ということです。

当たり前のことなのですが子育てと同じように子供のしつけをするのに学校を責めたり、塾にやったり他の刺激を与えたりして改善しようとしてしまうが、結局は解決できるのは家庭しかないということなのです。

飼い主としての私は、オポという犬と暮らして学んだたくさんのことが一番自分を変えるきっかけになりました。

私がドッグトレーナーであるから学んだことよりも、私がオポの飼い主であったからこそ学べたことが実はとても深いものです。

自分と暮らす犬の環境についての全てを知っているのは飼い主だけです。

その飼い主の見方、接し方、考え方、価値観が変化することで犬は大きく変化していきます。

しかもその変化は特定の講座を受けることよりも圧倒的に大きな変化になりうるのです。

だからグッドボーイハートにあるどの講座をおすすめするのかと聞かれれば絶対に「家庭訪問レッスン」と答えます。

この犬の家庭訪問レッスンの依頼の中で非常に多いのがトイレトレーニングです。

子犬期であまり外に出したくないという理由での家庭訪問依頼であったり、またトイレの失敗の現場が家庭内であることによる犬のしつけ方についての相談がきっかけとなって家庭訪問のしつけのレッスンに伺うことがあります。

犬のトイレのしつけ方ひとつにしても、飼い主さんがネットで検索して調べたやり方と私の意見が真っ向から対立するところからトレーニングクラスが始まります。

ペットシーツで排泄をしたらおやつ(食べ物)を与えるというトレーニングである程度できるようになりました、という飼い主さんがいるとします。

結果として犬がペットシーツの上で排泄できるようになったとしても、その方法を続けることで起きうる間違った方向性について説明する必要があります。

トイレでオヤツを与えるという方法はいかにも正しいように思えてしまうし、実際のところ犬は室内のペットシーツの上で排泄をするようになるので結果として成功したように思えます。

「犬がペットシーツの上で排泄する」ということを食べ物で強制することには成功するということです。

ですが本当に犬の自立性を引き出して、犬として適切な場所で排泄ができるように導く自立を支援するしつけにはほど遠いやり方です。

人がやってほしいということをできればいいというやり方は、いつかそのうちに犬の魂を奪う結果となります。

犬が犬として生きることを尊重しその助けをして、息苦しい人の社会でなんとかイキイキといっしょに生活したいと願うのがグッドボーイハートの考え方です。

実際にトレーニングクラスに入ってみないとトイレのしつけひとつでこんなに話し合いになることになろうとは飼い主さんも想像もしないでしょう。

犬にとっては排泄行動はテリトリーを守る境界線をつくる行動を重なっているため、とても重要な生活行動だと考えるようにします。

先日も子犬ちゃんのトイレのしつけでもこのようなやり取りが繰り返されましたが、結局食べ物なしで生活空間の最も端にトイレ場を移動しそこで100%排泄ができるようになりました。

尋ねられていないのに余計なことかもしれませんが、自分が知っていることをお伝えするのがサービスを利用していただく付加価値だと思っているからです。

飼い主さんやご家族の葛藤も大変だったかと思いますが、やってみるといとも簡単にトイレ場を覚えていき他の行動も変化していることに気づかれるのにさほど時間はかかりませんでした。

犬の生得的(生まれ持って身に付いた)行動を引き出すと犬に安心感が生まれ、行動が安定をしてくるのです。

犬が本当に好きなら絶対にはまるクラスです。

家庭訪問レッスンで勉強中のモモちゃん



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<クラスのこと>博多区で犬のしつけの家庭訪問レッスンが続く

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<クラスのこと>博多区で犬のしつけの家庭訪問レッスンが続く

グッドボーイハートのクラスのベースは「家庭での犬のしつけ」にあります。

グッドボーイハートのホームページには「犬と人が共に成長し自然との調和をすることを目指すドッグスクール」とあるので、いきなり自然の中で犬と人がルンルンと駆け出すと勘違いされていることがあります。

ところが実際に最も犬影響を与えているのは、現在犬が生活している家庭の生活環境です。

家庭の中での「犬のしつけ」という基盤ができていなければ、自然の中での学びは全く進むことがないということは断言できます。

そこで家庭の中での「犬のしつけ」を進めることで犬のストレス行動を改善させるクラスが家庭訪問トレーニングクラスです。

家庭犬の訓練を始めてから今まで(20年の間)様々な形のクラスを開催してきました結果として「犬のしつけは家庭の中から始まる」だから家庭訪問がベストであるというところに達しています。

訪問には時間と経費がかかりビジネスとしては決して成功はしません。

ご家庭に訪問するために必要な時間と労力をロスだと考えてしまい通学タイプのドッグスクールに転向したこともあります。

そこではみなさんが集い楽しいグループにはなったのですが、犬の生活環境について踏み込むことは難しいことです。

それでも犬の生活の現場にはたくさんの学び得るものがあるという私に対する報酬があるため、家庭訪問レッスンを続けています。

最近、事務所のある福岡市博多区周辺から家庭訪問レッスンの希望が相次ぎ、徒歩や自転車で訪問する機会も増えました。

この博多区周辺だけでも相当の数の犬が室内飼いされているはずですが、散歩に出ていない犬もいるため一体どのくらいの犬がこの面積の中にいるのかと想像します。

あちこちのマンションから聞こえる犬の吠え声を聞くたびに、ストレスを抱えてマンションの一室にいる犬たちがもっと良い生活を取り戻し、飼い主さんにもっと犬のすばらしさを伝える機会ができればよいなと祈るばかりです。

家庭訪問レッスンの一コマは次回続きでお話します。

博多区の家庭訪問レッスンにて

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<お預かりクラス>犬ちゃんといっしょに博多の児童公園で自然を感じる

九州各地で豪雨災害の広がる様子がテレビに映し出されています。

有名になられたあのボランティアさんが映像の中で「自然にはかなわない。だから頑張るしかない。」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。

自然にはかなわない、時に猛威になる自然に向き合うときに自分は小さな存在だと感じるばかりです。

でも日々は自然を求めている、切り離すことはできないのです。

博多でお預かり中の犬ちゃんの雨の合間の時間に土の上や風のあるところで過ごすようにしました。

博多区といえばコンクリートジャングルですが、自分の住処の敷地には小さな庭があるのです。

そこに七山から持ってきたたくさんの土をいれて今は野草が伸びて生きています。

本当は畑にする予定だったのですが今年はかないませんでした。

でも犬ちゃんたちは結構土の中に虫を見つけて遊んでくれます。

自宅近くにも犬ちゃんと過ごす場所に出かけてみました。

博多で犬のオポと7年間はいっしょに過ごしてきたので、この周辺のどこに公園があってどこが居心地が良いかもよく知っています。

家から一番近い公園も普段は臭いがきつく寄り付きにくいのに、この季節は豪雨によってコンクリートや土が洗い流されて過ごしやすい環境に変わっています。

平日の昼間は公園を利用する人も少ないので貸し切り状態で公園を満喫しています。

貸し切り状態といっても人が少ないだけで、むしろ動物たちはたくさんいました。

そんな中、猫がハトを標的に狩りをしているのを見つけてしまいました。

最初は猫がダッシュしてハトが飛び立ち、猫が1メートルくらい高くジャンプして撮り逃したシーンを目撃しました。

このシーンは撮影できなかったのですが、その後猫はハトをターゲットにした行動をはじめたので動画撮影しました。

(Youtubeのグッドボーイハートチャンネルにアップしていますので興味のある方はご覧になってください。)

その猫の身動きに感動してしまいました。

どうみても過去に狩りに成功した経験のある猫のようで日常的にえさとして狙っているようです。

猫は眼光鋭く、七山でみる野猫とほとんど変わらないような体型です。

コロナ禍で人が屋外に出てくる機会が減ったため、その分は都会に住む野生動物たちが活発になっているようです。

そんな風景を預かり犬ちゃんと見ていて「はーすごい…」と感心していたら、野猫のターゲットがどうやら犬ちゃんの方に移行したようで猫がこちらに歩いてくるではありませんか。

私は立ち上がって気づかぬふりをしてやんわりと歩き出しその状況を回避しました。

少しの緊張感と安堵。なんとなく野生的な体験をした気持ちになって犬ちゃんといっしょに家路につきました。

七山の自然に比べたら何万分の一の自然ですが、ゼロよりは良いと少しでも活動しようと工夫するお預かりクラスになりました。

自然がほとんど残っていない都市環境で見た野猫の狩り行動に感動するのは私くらいかと思います。

動物の機能性を発揮できる環境というのは動物本人にとっては限りなく尊いものです。

でもやっぱり犬ちゃんたちと七山のグッドボーイハートで草刈りしながら過ごしたいです。

空間が広がると時間も広がるから。

距離ができると冷静に見れるから。

梅雨明けを待つばかりです。

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<クラスのこと>犬がトレッキングクラスで学ぶ真の社会化について

九州で今年も災害が起きています。

自然の猛威に私たちは常に非力で戦うことばかりでは災害を免れることもできないと感じます。

私たちにできることは何だろう、自然と自分を切り離すことはできない。

だとしたらもっと自然を日々体感して知ることしかないのではと考えます。

自分にできることは本当に大したことではありません。

それでもやっていれば自然という存在が自分にとって何であるかにいつか気づくのではないかと思って犬と山を歩いています。

この唐津市七山の山は雨が足りないほどでした。

今日も犬たちとゆっくりゆっくりと山歩きの時間を持ちました。

犬との山歩きというと、犬が山を走り回ったり崖を飛んだりすることを想像されるでしょうか。

全くそんな風景はありません。

人が山を歩くとき私たちはどうやって歩いているのでしょうか。

一歩一歩ゆっくりと進む。それが山歩きの本来の姿なのです。

犬も同じように、ゆっくりゆっくりと歩みを進めます。

一歩進めば臭いをとり、さらに一歩進めば臭いをとる。

こうして自分の本当に身近な環境を自分自身で確かめて、そして一歩を前に出す。

実はこの活動こそ社会化というものです。

環境に適応して反応するというのは、環境がいきなり変化することばかりではないのです。

一歩進むと環境が変わる、一歩進むと環境が変わる、この連続です。

犬の頭の中には、ひとつ前の環境と、今の環境、そして次の一歩の環境が広がります。

似ているけど少し違う、似ているけど少し違う。

こうやって社会化を進めているわけです。

山を歩くときに犬が臭いを捕るのは野生動物を追うためではありません。

犬の真の社会化の時間、それは犬がゆっくりと飼い主と歩くことからです。

小さな時間ですが大切にしてくださる飼い主さんと共に、厳しい季節ですができるだけトレッキングクラス続けてまいります。

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<犬のこと>自然が犬に与える尊い時間を人は知っているのか

家庭訪問トレーニングを利用している犬ちゃんたちがときどき預かりクラスで七山にやってきます。

ほとんどが生徒さんのやむにやまれぬ事情で不在となり、犬ちゃんを窮屈な場所で過ごさせるよりは自然の中で過ごしてほしという気持ちから預かりクラスを利用されています。

はじめて犬ちゃんが七山にお泊りに来たときには、どのくらいの速度で環境の変化に適応していくのか、どのように自然と付き合おうとするのかを観察しています。

純血種の犬たちの多くは、その犬の親もまたその親も親も自然の中で過ごした体験を持たないでしょう。

犬舎でほとんどの時間を生きた犬たちの子どもたちが今こうして人と暮らしているのです。

犬舎で生まれた子犬たちが人に飼われるようになりそのまま人社会の中に「人として」大切にされ始めることはとても危険です。

動物はどんな動物であっても、自分は人である、自分は犬であると感じる時間があることが基盤になっているからです。

お預かりの犬ちゃんがどこで排泄をするのか、

空間をどのように把握していくのか、

土や草の臭いをどのように嗅いでどのように反応するのか、

そして最後は人や他の犬に対してどのように行動するのか、

こうした観察が今の犬ちゃんの状態を知らせてくれます。

風が吹いても鼻先をあげて臭いをとろうとしない犬

広い敷地でせわしなく動いてしまう犬

太陽に自分の身をゆだねることをできぬ犬など

自然が遠くなってしまったのは人だけでなく犬とて同じことです。

その犬たちがどうやって自然とつながりを持っているのか、犬の脳の中で起きていることや皮膚の上で感じていることを私たちは知る術を持ちません。

ただ言えるのは、私たちには鋭い観察をする視覚という武器があります。

そして共感というセンサーがあるのです。

犬に対する思い込みをすててすべてを受け取り、本来の犬の姿を見たいと願えばおのずと自分のやるべきことは決まってきます。

飼い主としてやるべきことはあまりにも多く、特に空間も時間も少ない都会では果たすことすら難しいことがあります。

それでも犬を愛しているなら犬とどのように過ごすのかを考えてみる、これもまたコロナ時代だからこそできることです。

お預かりクラスで対面する犬ちゃんたち



 

 

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<クラスのこと>お預かりクラスの後の訪問レッスンで犬の変化を生かすこと

梅雨時期のお預かりクラスでしたが、まとまった雨とまとまった曇りの時間で休憩と活動を繰り返して上手く調整できました。

お預かりクラスから帰宅した犬ちゃんたちが自宅でどう過ごしているのかいつも気になるところです。

今回はタイミングよくお預かりクラス直後に数頭の犬ちゃんの家庭訪問レッスンに伺うことができました。

まだお預かりモードが続く中で、今このタイミングでココとココを強化したいという気持ちが強くなり飼い主さんに対してついプレッシャーをかけてしまいます。

しかし案外このプレッシャーに答えようとして下さる飼い主さんが多いので驚きです。

日々熱心にレッスンを受けている飼い主さんたちは、犬の行動観察能力が高まっています。

飼い主の観察能力が磨かれているため、お預かりクラスから帰宅した犬が「いつもと何か違う」ことに気づかれるようです。

「クレートに入ったあとの吠えが減った」

「以前よりベッドに上がるようになった」

「リードの引っ張りが少し緩い」

などなど、犬によってその行動の変化は様々です。

犬たちもお預かりクラスで若干の行動の変化が起きているですから、冷静になればそれを見ることができるのです。

お預かりクラスは単純にいえば、いつもと違う環境で過ごしたというだけのことです。

その中には空間の使い方、テリトリーに関して、人の接し方、自然環境など様々な刺激があります。

与えられた環境と同時に失った環境というのがあります。

それが飼い主という存在なのです。

お預かりクラスでは「飼い主という存在を失った犬」の行動を見ることができるのです。

そのときはじめて、飼い主が犬にどれだけの影響を与えていたのかを見ることができます。

犬の飼い主に対する執着が強ければ強いほど、失ったときの行動の不安定さは大きい。

犬の飼い主に対する依存や甘えが強ければ強いほど、また失ったときの行動の不安定さは大きいのです。

それは振り子の触れるように、大きく逆側にバランスを崩すという形で表れてきます。

一旦バランスを崩したように思えるときに、はじめてバランスを取り戻そうとします。

その取り戻し方をサポートしているのがお預かりクラス時につくっている環境、そして管理、接し方です。

お預かりクラスの後に預ける前と全く同じようにいきなり犬との距離を近づけてしまうと犬は以前よりももっと不安定になってしまいます。

客観的に考えればわかるようなこの原理も、犬に対する感情が先走ってしまうと何も見えなくなってしまいます。

犬に対する愛情は過ぎれば何も見えなくなります。

犬を育てることのできる環境とはあくまで犬を客観的にみる目を持ち続けることです。

飼い主として一番難しいこと。

でも飼い主として一番大切なことです。

預かりクラスで対面する犬ちゃんたち

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<クラスのこと>月日と共に緩やかに変わる犬の姿と行動を見逃さない

毎月トレッキングクラスを受講しにきている犬ちゃんといっしょにトレッキングをしました。

もう数年この七山で犬ちゃんの姿を見ているので、少しずつ変わる山の景色といっしょに犬ちゃんの成長も見てきました。

少しの時間だと変わったような変わらないような犬の行動も、長い月日の中でみるとずいぶんと変わったな、大人になったのだなと感じられるようになります。

犬と人は一緒に暮らしているのに流れている時間の幅がずいぶん違います。

若かった犬があっという間に年を取ってしまうことも仕方ありません。

犬は3才で30才くらいの大人なのに、人は3年経つてやっと仕事ができるようになるくらいなのです。

人が毎日をだらだらと過ごしているうちに犬はアッという間に成犬になり、中年になり、そしてシニア犬になっていきます。

犬は人の7倍の速さで生涯を生きていきます。

犬にとっては当たり前の時間が、人にとっては足りないと思ってしまう。

犬は10年しか活動期間がないのです。

その10年の間のどのくらいの犬としての社会的な時間があるのでしょうか。

週に1回でも月に1回でも、ゼロではありません。

トレッキングに来てくれた犬ちゃんは毎週のように飼い主さんと山歩きに出かけているそうです。

若いときは歩けたところが難しくなってきた。

前よりも探索して堂々と歩けるようになった。

尾歩山ではこれまでできあかった排泄が適切にできるようになり飼い主さんとの距離感も良い感じになってきました。

時間をかけてできるようになったことこそ、本当の成長だと思います。

時間をかける価値のあることなら結果ではなく経過に価値があります。

かけた時間の分だけ犬にとっては価値のある時間だったということになります。

だとしたら飼い主にとっても価値のある時間であったはずです。

こうして過ごした時間は記憶に深く残り思い出の日々となっていきます。

犬とのトレッキングはそんな時間になりえるのです。

共有する場所、共有する時間、そして共有する感覚。

共感とはそんなことではないだろうかと犬ちゃんと飼い主さんをみながら感じました。

トレッキングの中、山頂で休憩するクールくん



 

 

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