グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のこと>犬の多頭飼育、2頭目の犬が先住犬に影響を受けやすいという事実

お留守番が多く活力なく生活する犬をみて飼い主さんが思うのは「お友達がいたらいいのではないか」という発想です。

こうした理由から2頭目の犬を迎えることが増えています。

2頭目や3頭目を飼う理由には犬が小型になってきてスペース的に飼いやすくなったり食費などの費用的にお手軽になったという理由もあるし、小型犬だから散歩に行かなくてもいいという誤った情報が広がってしまい世話が少なくなったということもあるかもしれません。


2頭目を迎え入れされたご家庭の犬の相談は、先住犬との相性というよりもむしろ2頭目の犬に向けられます。

ところが次に迎えた2頭目の犬は落ち着きがなく吠えたり騒いだりトイレの失敗をしたりするというご相談が多いのです。

もしくは2頭目の犬が人になつきにくく怯えることもあって世話をしにくいというご相談もあります。

実際に犬の状態を見せていただくと2頭目として迎えられた犬は落ち着きなく動き回ったり興奮したりして落ち着かせのコミュニケーションもなかなか通用しません。

コミュニケーションが受け取れないほど強いストレス状態にあることが多く生活環境を整える必要性のある状態です。


その生活環境の整備の中には、人の接し方や犬への理解も含まれます。

ここまでは1頭を大切に飼われている飼い主さんも同じことです。

ですが多頭飼育の場合にはもっと重要な因子があります。

それが先住犬なのです。


2頭目のご相談を受けるときに多いのですが、飼い主が先住犬は全く問題がないと宣言されます。

先住犬が活力なくほとんど動かないような状態なので、先住犬は大人しく飼いやすい犬であるのは事実なので問題がないというのもまた事実でしょう。

正しくはこの犬は人が問題と感じるような行動は起こしませんということです。

とてもわかりにくい状態なのですが、この活力のない状態の犬たちですが実際には犬の発達やコミュニケーションに問題を抱えていることが多くあります。

この先住犬のコミュニケーション障害やストレス状態が2頭目の犬に強い影響を与えています。


特に子犬ではじめて人との生活をはじめた2頭目の犬は、生活の中いいる同じ犬という種族である先住犬から情報を得ようとします。

人よりも犬に関心が高いのは犬としてはむしろ正常です。

ところがこの先住犬が実は内面的にいろいろと不具合を抱えていてそれを表現できないような状態になっているとすると、2頭目の犬は荒れていきます。

それが子犬となるとなおさらのことです。

子犬は荒れてきて手が付けられなくなり、1頭目の犬はお利口さんなのに2頭目はいうことを聞かない犬というレッテルを張られてしまいます。


本当は先住犬の方に問題があるのですよとお伝えしたいのですが、問題となる行動を起こさない犬の問題は犬という動物を深く理解しなければわかるものではありません。

この問題は本当に問題なのです。

2頭目の犬にとってだけでなく、先住犬の幸せにとっても2頭の関係にとっても大切なことです。

犬を飼う飼い主としては問題を課題に替えて解決できることとして取り組んでいただく機会を持っていただければと思います。

犬のしつけやトレーニングはオスワリ、フセを教えることや叱ったりほめたりすることだけではありません。

むしろもっと別のところにその意義があることを体験していただける機会としてトレーニングクラスを活用してください。

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<クラス>犬語セミナー開催しました。次回の開催は秋です。

先週末に5月の犬語セミナーを開催しました。

今回は保護施設や保護団体から家庭犬となった犬たちのビデオが多かったのが特徴です。

王道のザ・ミックス犬たちです。

小型の純血種犬が増えてきたので都心ではあまり見かけなくなってしましましたが、アジアの犬はやっぱり雑種が一番犬らしいです。

彼らの良さは本来の犬としての習性や行動を十分に残していることです。

遺伝的にストレスを与えられていることが少ないので、犬の遺伝子情報の中でも大切なものがきちんと引き継がれています。


ところが最近の保護犬たちの中には人になつかず飼育が難しい犬もいます。

野犬の子だから人になつきにくいと片付けられてしまうこともあるのですが、実は問題はもっと複雑です。


雑種の中には都心とは離れて生活していた親犬から生まれたものもいます。

本来なら犬自身が人との距離を取りながら経験と学習を重ねて警戒心を低め服従心を高めて人の生活の一部に入ってきたはずです。

だから犬とのコミュニケーションばかりでなく人のこともよく理解しているのが雑種犬でした。

ところが人の不用意な餌付けによって生き延びてきた犬の群れの中には人と関わることの難しい性質を持つものも出てきました。


どの時代にも犬という動物そのものには欠点がなく、いつも人が動物に対して行ってきたことだけが問題なのです。

人はその問題を知り自分たちの行動をいかに変えていくかに気づきそして勇気をもって変えていくしかありません。

犬語セミナーの次回の開催は秋頃を予定しています。

ブログでご案内します。

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<犬のこと>今さら言えないアルファロールって本当に必要なの?

最近ですがコーヒーのフィルターとドリッパーを買い換えました。

今まで使っていた台形のものから円錐形のものに変えたのです。

今さらと思われるかもしれません。

私の中では定番だった見慣れた且つ使い慣れた台形のドリッパーから、いつの間にか円錐形の方が主流になっていたことに最近になって気づいたのです。

どの形のドリッパーでコーヒーを入れるとおいしいかなど、台形ができるときに吟味つくされたものだと思っていましたから今さら感があるのは自分の方です。

長らく使って定番になってしまったものを覆してやっぱりこっちの方が良かったのではないかというのは、現場にいる人が一番決断しずらいことです。

だったら今までのは何だったんだという後悔、他人に申し訳ないという気持ち、そして自分の面子の部分でも新しいことに踏み出せないことはあります。

実は犬のしつけの方法にもそうしたものがあるという事実を受け取りつつ、まだまだ知らないことがあると、よりよい関係作りがあると謙虚に学び続けることで気づいていくしかありません。

間違いに気づいたらごめんなさいを言ってすぐに変えられる、それが信頼を勝ち取ることではないかと思います。

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<犬のこと>動物の本能は発揮してこそ生きる力になる

預かり犬さんたちのお世話に七山の学校周辺の草刈りに挑みました。

毎年のことながらため息しかでないこの戦いですが、見て見ぬふりができないのが自然の猛威です。

やる気を絞り出して取り掛かった草刈り中に素敵なものを見つけました。

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小鳥の巣です。

低木のつつじに絡まった葛を処理しているときに見つけました。

巣立ちの後なので巣はもぬけの殻です。

それで失敬して取り出してまじまじと見ることができました。

作りがすごいのです。

巣の中面、外面の上側、底部分と部位によって使われているパーツが異なります。

シュロの繊維だったり草の根っこだったりカヤだったりします。

こんなものを見事に作り上げる技術は親からならったのではなく、その小鳥の中から引き出されているのです。

これを本能といいます。

動物が本来持っている能力で本能が動物が適切な環境で生きる中で、生きていくために必要なため自然に引き出され使われる能力です。

小鳥は巣をつくって「さすがに自分は特別にすごい」と思ったりはしないでしょう。

巣をつくって繁殖をする小鳥であればどの小鳥でも持っている能力なので、努力しなくても身についていますし練習も必要ありません。


本能というのを人は少し恐れていないでしょうか。

たとえば犬が本能的な行動をしたときに犬をバカにしたり笑いものにしたり嫌悪感を示したことはないでしょうか。

人に比べて犬は下等な動物として扱われがちが、その理由は第一が理解不足、第二が本能的な機能を発揮する動物だからです。

犬は家畜化された動物で、国内では法律上も人の管理下にありますので、扱いが人によって制限されてしまうは当たり前のことです。

世話を放棄するネグレクト的な扱いはもとより、犬をかわいがる行為や犬の行動を面白がる人側に犬の本能的な部分を阻止してしまっていることもあります。

犬は本来の犬から近親繁殖を重ねた純血種犬に向かうにつれて、その大切な犬としての本能を欠落させてきました。

本能を発揮して輝くことが動物の本領なのに、引き出しの奥にしまわれた本能は生涯使われることがないこともあります。

うちの犬はどうなんだろうと思われたら、次のことを観察してみてください。

自虐行動、常同行動が日常的に多発している犬は、欲求が抑えられ本能的な行動が封印されている可能性があります。

激しい咬みつきなどの過剰な攻撃性や走り出す逃走行動についても同じです。

本能的な行動は欲望とは違います。

人の恐ろしい欲望と比較すると犬の欲求は大変シンプルですが、ストレスがかかると犬というシンプルな動物も特定のものに執着します。

犬の素敵な本能を感動していただくために、今一度生活環境を見直してみるのも良いでしょう。

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<犬のこと>ドッグフードに蟻がたかっているのは何故だと思いますか?

犬に与える食事のこと、毎日の健康管理の柱のひとつになりますから大切です。

犬にどんな食事を与えたらいいのか、どのようなドッグフードがいいのか、もしくは手作りゴハンがいいのかとても大切な疑問です。

グッドボーイハートでは一定の基準をもとに犬の食事を選択していただくようお願いしています。

犬のしつけやトレーニングに食事が関係するのかと思われるかもしれませんが、犬の行動と犬の精神は結びついています。

犬の脳や精神が健全に発達しなければ、犬の安定した行動を引き出すことはできません。

現に犬の個体や生活環境にあった食べ物を与えるようになると、犬の行動が激変してしまうこともあるのです。


おすすめする犬のゴハンですが、市販のフードなのか手作りゴハンなのかはあまりこだわっていません。

どちらにしてもこんなフードだけは与えないで欲しいという最低の基準があります。

以前ブログにもご紹介しましたのでこちらもご参照ください。

<犬のしつけ方>ドッグフードの選び方:これだけは絶対に避けたいフードとは


実際に犬たちが食べているものを実感できるのはお預かりクラスのときです。

グッドボーイハートの生徒さんたちのゴハンはにおいのきついものはほとんど使われていません。

でもたまにこのフードが安定するからという理由でにおいがきついドライフードを与えてあることがあります。

このフードを持ち込んだときには室内がすごいフードのにおいになってしまい、ビニールにビニールを重ねるような形で保管しています。

ご自宅に伺ったときはあまり気にならないのですが、犬も同じ臭いになっているわけですから慣れてしまうのかもしれません。

先日このにおいのきついフードを預かり犬ちゃんに与えたのですが、環境の変化か少し残してしまったので庭先に出していました。

室内においているとにおいがきついからという単純な理由ですぐに片付けるつもりでした。

数時間して思い出し食器を取りに庭に出たら、すでにそのドライフードには大量の蟻がたかっている状況でした。

写真をご覧いただきたかったのですが、とても気持ちの良いものではありませんので省略します。


なぜたんぱく質を主食にしているはずのドライフードに蟻がたかるのでしょうか?

キッチンの砂糖や私のシリアルにすら蟻がたかることはないのにですね。

昆虫はそれほど間違いは犯しませんので彼らのセンサーは正しいのでしょう。

おそらくこのドッグフードには大量の甘味と油分が含まれているということです。

犬が肥満になりやすかったり虫歯になりやすいのはこうしたフードを食べ続けているからです。

グッドボーイハートでお勧めしているオポにも与えてもいいと思ったフードを同じ条件で庭に放置しておいても蟻がたかることはありません。

もちろん手作りゴハンを庭においていても蝿はきても蟻がたかるということはありません。

知らず知らずのうちに犬に負担のかかるものを与えていることがあります。

自然食に近い手作りゴハンやドライフードの方が腸内環境が安定しないというのもわかります。

砂糖と油でできたフードの方が犬が食べますし便の状態も安定するのです。

でも目先のことに騙されてはいけません。

こうしたフードで便の状態が安定するのは消化の必要のないものばかりが含まれているからです。

数年すると体がぼってりしてきますし、そうでなくても犬の体臭が臭くなっていくので犬に悪影響を与えていることはわかりやすいものです。

蟻のたかるフードは犬のゴハンにはお勧めしません。







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<犬のこと>伸縮式のリードを犬の散歩に使ってほしくない理由

犬との暮らしには便利は道具がたくさんあります。

道具の中には遊びの道具、快適さの道具、トレーニングための道具などいろいろあります。

必要なペット用品の使い方を飼い主に指導することもトレーニングクラスの目的のひとつです。


訪問クラス段階で必要であれば、伸縮式のリードの使い方についてご説明しています。

伸縮式のリードとはこちらです。

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伸縮式のリードについて説明する際に飼い主さんから先に言われるのは「みんなこのリードで散歩していますよね」ということです。

なぜに普通のリードで散歩せずに伸縮式のリードで散歩する飼い主が多いのでしょうか?

この質問の意図がお分かりにならない方もいらっしゃるかもしれません。

伸縮式のリードは基本的に普段の散歩での使用をお勧めしません。

ですから普段の散歩にこの伸縮式リードを使われているのは、道具のことをよく知らないもしくは犬のことをよく知らないのどちらかです。

逆に犬と良い関係を作られている飼い主、犬の行動についてのプロフェッショナルであれば伸縮式のリードで歩道や公園を散歩することはありません。


ではなぜそのような道具が存在するのかというと、伸縮式のリードは犬をある程度フリーで行動させることのできる場所で犬に自由行動をさせるために使用するリードです。

ただし伸縮式リードで犬の行動を制限できる犬に限ってということです。

伸縮式のリードをかみちぎって逃げてしまう犬や、リードの制限範囲でストップの効かない犬には伸縮式リードを使うことはできません。

トレーニングクラスで使用するときには、犬の行動を管理し犬が飼い主の要求に応じることができる安全を確認しながら使用していきます。

さらに犬が飼い主から少し離れていても常に飼い主の管理下にあり、安定して行動でき「おいで」の合図に従えるようトレーニングするという目的を持って使用しています。


伸縮式のリードは大変事故が多く、犬が逃走、死亡、飼い主がケガ、周囲の人がリードにひっかかりケガをするなどは実際に起きていることです。

日本で伸縮式リードを使って公園を散歩する人が多いのは、小型犬が多く用具のストップ機能が使いやすいということでしょう。

残念ながら真実としては日本では犬をトレーニングするという文化が育っていないため、犬の行動や習性についての理解が低いということも認めざるを得ません。

伸縮式のリードであれば犬にリードを引っ張られることもありませんし、小型犬は飼い主からそれほどはなれることできませんので適当に散歩をしています。

飼い主から離れているのをいいことに犬が排泄したことに気づかないのか気づかないふりなのか放置されることも多いです。

伸縮式のリードで他の犬に自分の犬を近づけてくるなどはマナー違反も甚だしい限りで知識がないとはいえ残念な光景です。

せめてグッドボーイハートの生徒さんたちにはそんな失礼極まりない行動はしてほしくないという気持ちで、伸縮式リードの使い方についてはかなり制限させていただいています。

道具は使いようですが、使い方によっては犬との関係を損ねることもあることを承知する必要があります。

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<クラス>犬との山歩きで得られるものは、犬と飼い主の成長となんでもない時間

季節が良いので週末、週中とプライベートのトレッキングクラスでたびたび七山入りしています。

10年以上もこの山を歩いていますので季節ごとに巡る風景も繰り返してみてきました。

初夏の風景も今年で12回目となりましたが、毎年その風景は変化していきます。

七山に移転したときに植樹した木々が毎年成長していくこと、少しずつだけど手を入れて風通し良く元気な山に育ててきたこと。

自然の力と人の手入れでグッドボーイハート七山の風景は毎年変わっていくのです。


先日トレッキングのときに紫の花がたくさん咲いている木を見つけました。

たしかあれは桐の木だったはず、桐の花ってこんな花だったんだなと思い出したりしていました。

娘が生まれたら桐を育てて桐ダンスを嫁入り道具に持たせたという話を聞いたことなども思い出しました。

トレッキングをしていた生徒さんも桐の花を楽し気に見つめていました。

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自然を楽しむ時間を忙しい生活の中で得られることになったのも、犬との山歩きがきっかけだったのは生徒さんも私もいっしょです。

犬がいなければこんな時間を持つことはなかっただろうと、しみじみと思うのです。

犬の成長の手助けの機会として、ストレスケアとして、人の学びとして、人と犬の関係を築く場として、犬との山歩きはいろんなチャンスを与えてくれながら移り変わる季節と変わらないようで変わっていく自然の姿を見せてくれています。

変わらないようで変わっていく姿はトレッキングしている犬も同じです。

なんども同じ道を歩いてなにが楽しいのだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

バーベキューをして楽しんだりドッグランで遊んだりすることの方が好きな人もいらっしゃることでしょう。

グッドボーイハートの山歩きはとても単調でイベントのような風合いやにおいはありません。

単純すぎるため何か変わったのだろうかと疑問を持つこともあると思います。


変化を求めてしまうと、急いで犬に何かをさせようとしたり、どんどん場所を変えてキャンプ巡りをしたりと、目的がまったく別のものになってしまいます。

グッドボーイハートのトレッキングクラスはとてもシンプルになっていきました。

単調で変わらないようで変わっていくのは季節の風景、そしてその風景の中に犬と飼い主さんも入っています。

これこそすばらしい風景です。

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<犬のこと>犬のコミュニケーションは世界共通で便利

来年のオリンピック開催準備のためのいろいろな対策がラジオで紹介されていました。

地下鉄の緊急時の避難を呼びかける駅員さんの呼びかけ声「危険ですのでただちに避難してください」が流れてきました。

同じ内容を英語で。ここまでは普通だと思って聞いていましたが、なんとそのあとは中国語、韓国語、あともっといろんな言語で同じことを伝えています。駅員さんの言語トレーニングは相当大変でしょう。



人のコミュニケーションは主に言語を中心としています。

その言語のコミュニケーションができるようになるためには、同じ言語を話す社会の中で経験を通して身についていきます。

そうでないものは駅員のように教育を通して身に着ける必要があります。

私が若いころはバイリンガルなどというと特別な才能を持つ人だと思われていました。

最近は日常的に情報が入るようになり教育機関も増えたことからバイリンガルは珍しくありませんが、世界各国すべての国の人と言語を通してコミュニケーションを図ろうとするのは大変なことです。


ところが犬はいたってシンプルです。

犬のコトバである犬語は世界各国共通なので教育で学ぶ必要はありません。

犬は今日、外国に旅立つことがあっても現地ですぐにコミュニケーションをとることができます。

これを思うと本当に便利だなと思います。

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ではこの犬語を犬はどのようにして身に着けていくのでしょうか?

犬はこれらのコミュケーションの素材を自分のDNAという引き出しの中に入れて生まれてきます。

もちろん生まれたばかりの子犬は吠えることも唸ることも動くこともできませんから犬語の習得は成長と共に身に着けていくのは人と変わりはありません。

今犬語を話している犬と接することによって犬語は個々の犬のDNAの中からどんどんと引き出されます。

犬は話し相手を得られることで犬語で表現するようになり、表現するという経験を通して犬語を身に着けています。

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ここで誤解しないでいただきたいのですが、だからといって犬に会わせればいいというものではないのです。

まずコミュニケーションを身に着けていない犬に会わせることでは限界がありますということ。

つぎにコミュニケーションを拒否する姿勢や態度でいる犬であれば、ますます難しいですねということ。

ここでは防衛的な態度をとる犬やストレス行動を連発してしまうような犬のコミュニケーションは難しいのですよととらえてください。

コミュニケーションは関係を築いていくための道具として活用されるとより高いコミュニケーションが身に付きます。

ところが逃走、闘争、防衛、回避を繰り返される対立したコミュニケーションが継続することは犬にとって大変ストレスのかかる時間になってしまうということも含めてお伝えしたいことです。

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特に人との生活の中で犬のコミュニケーション能力はかなりゆがんだものとなっています。

犬は犬語を犬に対してだけ使っているのではありません。

犬は犬語で人にも語りかけているのです。

犬は人に対して人のように話しているのではなく、あくまで自分たちの言語でコミュケーションをとってきます。

だからその犬の犬語に対して人が全く意味のない反応、もしくは絶対に犬だったら返さないような反応をしていくと、犬の中に作られる精神はかなり異質なものとなります。

当然多くの犬には受け入れ難いものとなり、犬は孤独になります。

ところが人の方は自分が愛しているのだからこの犬は幸せだとか孤独ではないといいはります。

むしろこの犬は自分のことを人だと思っているのだからそれが幸せだと思ってしまうようです。

これは人側の視線にたった愛情なのでしょうが、犬として生きていくことを否定することにもなります。


家庭犬の多くは圧倒的に人と接しながら対話しながら毎日過ごしているのです。

散歩中に犬に会ったり知人の犬にあったり、もしくはドッグランで鼻を突き合わせたりするのはわずかな時間です。

ということは、犬が本当に満足するのは人という家族と自分の犬語と犬の文化を通して分かり合えたときだということです。

そして時には母国の犬国の友人たちに会って犬語で語り合い、わずかながらの関係でも深めていくことができれば、それはさらに犬にとってかけがえのない時間になるでしょう。

そしてこのことにはとても時間をかける必要があることも覚悟して生活の中になじませていってください。

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<犬のこと>犬と犬が鼻を突き合わせるのはお友達という意味なのか?

犬のことを知るためには毎日いろんな犬の行動を見ることです。

クラスの中でも常に犬の行動の変化や成長についての情報を得るために、たくさんの質問を飼い主さんに投げかけています。

その中に他の犬に対してどのような行動をとるのかという質問があります。

特に初回カウンセリングのときには、飼い主側が犬と散歩中に他の犬とどのように関わらせているのかについてお尋ねします。

関わらせているという言い方については不自然な印象を受けられるかもしれませんが、リードがついている犬の方はある程度行動が制限されているのですから飼い主の意図は別として、犬側はそうせざると得ない状況にあるということを察してほしいからです。


リードをつけている犬が散歩中に他の犬と出会ったとします。

犬と犬はお互いに近付いていき鼻と鼻をあわせるような状態となります。

少しの時間鼻を突き合わせているのですが、そのうち違う方向へ歩いていく姿をよく見かけます。

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この犬の行動を飼い主がどのように受け取っているかというと「うちの犬はどんな犬とでも挨拶ができ、犬と上手くやっています。」というものが多いです。

もう少しオーバーに表現される場合には「お友達がたくさんいる」というように受け取られることもあるようです。

この行動は確かに犬のあいさつと行動ですが、見ている人が笑みを浮かべてみるほどの和やかなものではありません。


犬と犬が初めて対面したときに起きる行動です。

鼻を突き合わせる行動によって相手のにおいを取ることができ、臭いでその犬のある程度の情報を得ることができます。

犬にとって必要な情報とは、性別、年齢や経験による成熟度、ストレスのレベルを知ることで攻撃性をチェックといったところでしょうか。

この行為によって相手の度量を知ることにもなりますが、度量の大きな犬はにおうまでもなくそのエネルギーに圧倒されてしまうことがあるため近付くことすらできないということもあるでしょう。

相手が大したことのない場合ほど近づいて鼻を突き合わせることができるので、鼻先を突き合わせている犬はある程度の余裕はあると見ていいでしょう。

これがときどき会う犬に対して同じように鼻を突き合わせるのであれば、それは相手をよく認識していない状態で鼻を突きあせた結果「ああ、あなたなのね」と思い出す程度です。

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それで鼻を突き合わせた行動をするだけで離れてしまうのであれば、もうその相手とは付き合う必要がないという意味です。

かといって友好的な関係を結んだという訳ではありません。とりあえずお互いに様子を見るけれど関係を発展させることもないし、今すぐに喧嘩に持ち込むこともないという状態です。


しかしこの後トラブルに発展することがあります。

鼻を突き合わせていたのに突然(人には突然に感じられるようです)ガウガウとどちらともなく声をあげて飼い主があわててリードを引き離す行動をします。

このうなるような吠え声をきけばふつうの人であれば犬が不快を表現したことはわかります。

吠えるだけならまだしも、このガウガウのときには牙を出す吠え方になっているため、タイミングによっては相手の鼻先に牙が当たってしまうこともあります。

私はある生徒さんから鼻を突き合わせたあいさつの後に鼻をかみちぎられてしまった犬の写真を見せていただいたことがあります。その生徒さんの犬ではなく知人の犬がこのような状態になったということです。


犬にリードをつけている状態で知らない犬とこうして軽々しく接触することはリスクが高すぎます。

ご挨拶をさせなければいけないと多くの飼い主が思っているのも不思議なことです。

犬と良い関係を持ち犬と対話しながら上手にリードして歩いている飼い主は、犬にリードを引っ張られるようにしながら他の犬に近付いていくことはありません。

犬に引きずられて近付いてくる人をみたら、わかりやすく回避してください。

最近は人の行動によってコミュニケーションを理解できない人も出てきました。

こちらが回避行動をとって近づいてこないでというメッセージを行動で示しているにも関わらず、すごい勢いで追いかけてくる場合もあります。

そんなときにはますます回避してください。

コミュニケーションのうまくいかない飼い主の犬は、犬も同じような状態である可能性が十分にあります。

鼻を突き合わせたあとに始まる犬と犬の成長を促す行動は、日々の飼い主さんとの過ごし方にあること再三再四になりますがお伝えしておきます。

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<犬のこと>犬の鼻力のすごさを実感するいろいろ

ゴールデンウィークの波がまだ収まらぬ状態でブログの更新が遅れてしまっています。

いろいろと書きたいことが積み重なっていきます。

犬ネタはまだまだ引き出しの中にたくさんあるので整理しながらブログアップさせていきます。


さて、今日は犬の鼻力についてです。

鼻力とは私が適当につけた言い方ですが、要するに鼻の部分、正式にはストップと呼ばれる部分を使って犬がするいろいろなことです。

身近にいる犬以外の動物でこの鼻力が最も強いのはやはりイノシシでしょうか。

七山の庭に大きな石が転がっていると、イノシシが土の中を掘り出したときに邪魔になった石を鼻と牙で救いあげて転げ落としたのだとう容易に想像できます。


ただイノシシは犬と違ってスコップとなる牙がついています。

犬にはこの牙がないので、鼻力だけでものを移動させたり起こしたり突っ込んだりしています。

飼い主にとって最も身近に感じるこの犬の鼻力ですが、脇部分に鼻を突っ込んだり、腕を鼻先の力で上にあげようとしたり、手を上げようとしたりされたことはないでしょうか?

この力は小型犬でも結構なもので、しっかりと脇をしめていても小さなプードルちゃんに脇の間に突っ込んで来られることがあったりして、その力には驚きます。


大型犬になるとこの力はもっと強大で恐るべきものになります。

大柄の寝ている男性をひっくり返すことはお茶の子さいさいです。

実はわたしもオポという黒ラブと暮らしていたときにこの鼻力パワーに参ったことがあります。

ちょっとお昼寝させてほしいときでもなぜだかどうしても許しが得られないときがありました。

そういうときはわたしの首元に鼻を突っ込んで上に押し上げます。

硬くなった自分の体では瞬時には対応できず、むち打ちになるのではないかと危険を感じるほどでした。


犬はこうした鼻先ひとつを使うのでも全身の力を使っていますので、小さなサイズの犬でもすごいパワーでものを動かしてしまいます。

単純な動作なのですが、自分たちにはなかなかできないことなのですからやっぱり犬はすごいなと感じてしまうのです。

残念ながらストップが短くなった犬や鼻先がつぶれてしまった犬には同じようなことができません。

犬がもっている力を様々な形で最大限発揮してほしいというのがグッドボーイハートの願いですから、できない子はできないなりに別の力を発揮してほしいと思います。

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