グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<クラス>犬との山歩きで得られるものは、犬と飼い主の成長となんでもない時間

季節が良いので週末、週中とプライベートのトレッキングクラスでたびたび七山入りしています。

10年以上もこの山を歩いていますので季節ごとに巡る風景も繰り返してみてきました。

初夏の風景も今年で12回目となりましたが、毎年その風景は変化していきます。

七山に移転したときに植樹した木々が毎年成長していくこと、少しずつだけど手を入れて風通し良く元気な山に育ててきたこと。

自然の力と人の手入れでグッドボーイハート七山の風景は毎年変わっていくのです。


先日トレッキングのときに紫の花がたくさん咲いている木を見つけました。

たしかあれは桐の木だったはず、桐の花ってこんな花だったんだなと思い出したりしていました。

娘が生まれたら桐を育てて桐ダンスを嫁入り道具に持たせたという話を聞いたことなども思い出しました。

トレッキングをしていた生徒さんも桐の花を楽し気に見つめていました。

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自然を楽しむ時間を忙しい生活の中で得られることになったのも、犬との山歩きがきっかけだったのは生徒さんも私もいっしょです。

犬がいなければこんな時間を持つことはなかっただろうと、しみじみと思うのです。

犬の成長の手助けの機会として、ストレスケアとして、人の学びとして、人と犬の関係を築く場として、犬との山歩きはいろんなチャンスを与えてくれながら移り変わる季節と変わらないようで変わっていく自然の姿を見せてくれています。

変わらないようで変わっていく姿はトレッキングしている犬も同じです。

なんども同じ道を歩いてなにが楽しいのだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

バーベキューをして楽しんだりドッグランで遊んだりすることの方が好きな人もいらっしゃることでしょう。

グッドボーイハートの山歩きはとても単調でイベントのような風合いやにおいはありません。

単純すぎるため何か変わったのだろうかと疑問を持つこともあると思います。


変化を求めてしまうと、急いで犬に何かをさせようとしたり、どんどん場所を変えてキャンプ巡りをしたりと、目的がまったく別のものになってしまいます。

グッドボーイハートのトレッキングクラスはとてもシンプルになっていきました。

単調で変わらないようで変わっていくのは季節の風景、そしてその風景の中に犬と飼い主さんも入っています。

これこそすばらしい風景です。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>犬のコミュニケーションは世界共通で便利

来年のオリンピック開催準備のためのいろいろな対策がラジオで紹介されていました。

地下鉄の緊急時の避難を呼びかける駅員さんの呼びかけ声「危険ですのでただちに避難してください」が流れてきました。

同じ内容を英語で。ここまでは普通だと思って聞いていましたが、なんとそのあとは中国語、韓国語、あともっといろんな言語で同じことを伝えています。駅員さんの言語トレーニングは相当大変でしょう。



人のコミュニケーションは主に言語を中心としています。

その言語のコミュニケーションができるようになるためには、同じ言語を話す社会の中で経験を通して身についていきます。

そうでないものは駅員のように教育を通して身に着ける必要があります。

私が若いころはバイリンガルなどというと特別な才能を持つ人だと思われていました。

最近は日常的に情報が入るようになり教育機関も増えたことからバイリンガルは珍しくありませんが、世界各国すべての国の人と言語を通してコミュニケーションを図ろうとするのは大変なことです。


ところが犬はいたってシンプルです。

犬のコトバである犬語は世界各国共通なので教育で学ぶ必要はありません。

犬は今日、外国に旅立つことがあっても現地ですぐにコミュニケーションをとることができます。

これを思うと本当に便利だなと思います。

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ではこの犬語を犬はどのようにして身に着けていくのでしょうか?

犬はこれらのコミュケーションの素材を自分のDNAという引き出しの中に入れて生まれてきます。

もちろん生まれたばかりの子犬は吠えることも唸ることも動くこともできませんから犬語の習得は成長と共に身に着けていくのは人と変わりはありません。

今犬語を話している犬と接することによって犬語は個々の犬のDNAの中からどんどんと引き出されます。

犬は話し相手を得られることで犬語で表現するようになり、表現するという経験を通して犬語を身に着けています。

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ここで誤解しないでいただきたいのですが、だからといって犬に会わせればいいというものではないのです。

まずコミュニケーションを身に着けていない犬に会わせることでは限界がありますということ。

つぎにコミュニケーションを拒否する姿勢や態度でいる犬であれば、ますます難しいですねということ。

ここでは防衛的な態度をとる犬やストレス行動を連発してしまうような犬のコミュニケーションは難しいのですよととらえてください。

コミュニケーションは関係を築いていくための道具として活用されるとより高いコミュニケーションが身に付きます。

ところが逃走、闘争、防衛、回避を繰り返される対立したコミュニケーションが継続することは犬にとって大変ストレスのかかる時間になってしまうということも含めてお伝えしたいことです。

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特に人との生活の中で犬のコミュニケーション能力はかなりゆがんだものとなっています。

犬は犬語を犬に対してだけ使っているのではありません。

犬は犬語で人にも語りかけているのです。

犬は人に対して人のように話しているのではなく、あくまで自分たちの言語でコミュケーションをとってきます。

だからその犬の犬語に対して人が全く意味のない反応、もしくは絶対に犬だったら返さないような反応をしていくと、犬の中に作られる精神はかなり異質なものとなります。

当然多くの犬には受け入れ難いものとなり、犬は孤独になります。

ところが人の方は自分が愛しているのだからこの犬は幸せだとか孤独ではないといいはります。

むしろこの犬は自分のことを人だと思っているのだからそれが幸せだと思ってしまうようです。

これは人側の視線にたった愛情なのでしょうが、犬として生きていくことを否定することにもなります。


家庭犬の多くは圧倒的に人と接しながら対話しながら毎日過ごしているのです。

散歩中に犬に会ったり知人の犬にあったり、もしくはドッグランで鼻を突き合わせたりするのはわずかな時間です。

ということは、犬が本当に満足するのは人という家族と自分の犬語と犬の文化を通して分かり合えたときだということです。

そして時には母国の犬国の友人たちに会って犬語で語り合い、わずかながらの関係でも深めていくことができれば、それはさらに犬にとってかけがえのない時間になるでしょう。

そしてこのことにはとても時間をかける必要があることも覚悟して生活の中になじませていってください。

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Posted in 犬のこと

<犬のこと>犬と犬が鼻を突き合わせるのはお友達という意味なのか?

犬のことを知るためには毎日いろんな犬の行動を見ることです。

クラスの中でも常に犬の行動の変化や成長についての情報を得るために、たくさんの質問を飼い主さんに投げかけています。

その中に他の犬に対してどのような行動をとるのかという質問があります。

特に初回カウンセリングのときには、飼い主側が犬と散歩中に他の犬とどのように関わらせているのかについてお尋ねします。

関わらせているという言い方については不自然な印象を受けられるかもしれませんが、リードがついている犬の方はある程度行動が制限されているのですから飼い主の意図は別として、犬側はそうせざると得ない状況にあるということを察してほしいからです。


リードをつけている犬が散歩中に他の犬と出会ったとします。

犬と犬はお互いに近付いていき鼻と鼻をあわせるような状態となります。

少しの時間鼻を突き合わせているのですが、そのうち違う方向へ歩いていく姿をよく見かけます。

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この犬の行動を飼い主がどのように受け取っているかというと「うちの犬はどんな犬とでも挨拶ができ、犬と上手くやっています。」というものが多いです。

もう少しオーバーに表現される場合には「お友達がたくさんいる」というように受け取られることもあるようです。

この行動は確かに犬のあいさつと行動ですが、見ている人が笑みを浮かべてみるほどの和やかなものではありません。


犬と犬が初めて対面したときに起きる行動です。

鼻を突き合わせる行動によって相手のにおいを取ることができ、臭いでその犬のある程度の情報を得ることができます。

犬にとって必要な情報とは、性別、年齢や経験による成熟度、ストレスのレベルを知ることで攻撃性をチェックといったところでしょうか。

この行為によって相手の度量を知ることにもなりますが、度量の大きな犬はにおうまでもなくそのエネルギーに圧倒されてしまうことがあるため近付くことすらできないということもあるでしょう。

相手が大したことのない場合ほど近づいて鼻を突き合わせることができるので、鼻先を突き合わせている犬はある程度の余裕はあると見ていいでしょう。

これがときどき会う犬に対して同じように鼻を突き合わせるのであれば、それは相手をよく認識していない状態で鼻を突きあせた結果「ああ、あなたなのね」と思い出す程度です。

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それで鼻を突き合わせた行動をするだけで離れてしまうのであれば、もうその相手とは付き合う必要がないという意味です。

かといって友好的な関係を結んだという訳ではありません。とりあえずお互いに様子を見るけれど関係を発展させることもないし、今すぐに喧嘩に持ち込むこともないという状態です。


しかしこの後トラブルに発展することがあります。

鼻を突き合わせていたのに突然(人には突然に感じられるようです)ガウガウとどちらともなく声をあげて飼い主があわててリードを引き離す行動をします。

このうなるような吠え声をきけばふつうの人であれば犬が不快を表現したことはわかります。

吠えるだけならまだしも、このガウガウのときには牙を出す吠え方になっているため、タイミングによっては相手の鼻先に牙が当たってしまうこともあります。

私はある生徒さんから鼻を突き合わせたあいさつの後に鼻をかみちぎられてしまった犬の写真を見せていただいたことがあります。その生徒さんの犬ではなく知人の犬がこのような状態になったということです。


犬にリードをつけている状態で知らない犬とこうして軽々しく接触することはリスクが高すぎます。

ご挨拶をさせなければいけないと多くの飼い主が思っているのも不思議なことです。

犬と良い関係を持ち犬と対話しながら上手にリードして歩いている飼い主は、犬にリードを引っ張られるようにしながら他の犬に近付いていくことはありません。

犬に引きずられて近付いてくる人をみたら、わかりやすく回避してください。

最近は人の行動によってコミュニケーションを理解できない人も出てきました。

こちらが回避行動をとって近づいてこないでというメッセージを行動で示しているにも関わらず、すごい勢いで追いかけてくる場合もあります。

そんなときにはますます回避してください。

コミュニケーションのうまくいかない飼い主の犬は、犬も同じような状態である可能性が十分にあります。

鼻を突き合わせたあとに始まる犬と犬の成長を促す行動は、日々の飼い主さんとの過ごし方にあること再三再四になりますがお伝えしておきます。

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Posted in 犬のこと

<犬のこと>犬の鼻力のすごさを実感するいろいろ

ゴールデンウィークの波がまだ収まらぬ状態でブログの更新が遅れてしまっています。

いろいろと書きたいことが積み重なっていきます。

犬ネタはまだまだ引き出しの中にたくさんあるので整理しながらブログアップさせていきます。


さて、今日は犬の鼻力についてです。

鼻力とは私が適当につけた言い方ですが、要するに鼻の部分、正式にはストップと呼ばれる部分を使って犬がするいろいろなことです。

身近にいる犬以外の動物でこの鼻力が最も強いのはやはりイノシシでしょうか。

七山の庭に大きな石が転がっていると、イノシシが土の中を掘り出したときに邪魔になった石を鼻と牙で救いあげて転げ落としたのだとう容易に想像できます。


ただイノシシは犬と違ってスコップとなる牙がついています。

犬にはこの牙がないので、鼻力だけでものを移動させたり起こしたり突っ込んだりしています。

飼い主にとって最も身近に感じるこの犬の鼻力ですが、脇部分に鼻を突っ込んだり、腕を鼻先の力で上にあげようとしたり、手を上げようとしたりされたことはないでしょうか?

この力は小型犬でも結構なもので、しっかりと脇をしめていても小さなプードルちゃんに脇の間に突っ込んで来られることがあったりして、その力には驚きます。


大型犬になるとこの力はもっと強大で恐るべきものになります。

大柄の寝ている男性をひっくり返すことはお茶の子さいさいです。

実はわたしもオポという黒ラブと暮らしていたときにこの鼻力パワーに参ったことがあります。

ちょっとお昼寝させてほしいときでもなぜだかどうしても許しが得られないときがありました。

そういうときはわたしの首元に鼻を突っ込んで上に押し上げます。

硬くなった自分の体では瞬時には対応できず、むち打ちになるのではないかと危険を感じるほどでした。


犬はこうした鼻先ひとつを使うのでも全身の力を使っていますので、小さなサイズの犬でもすごいパワーでものを動かしてしまいます。

単純な動作なのですが、自分たちにはなかなかできないことなのですからやっぱり犬はすごいなと感じてしまうのです。

残念ながらストップが短くなった犬や鼻先がつぶれてしまった犬には同じようなことができません。

犬がもっている力を様々な形で最大限発揮してほしいというのがグッドボーイハートの願いですから、できない子はできないなりに別の力を発揮してほしいと思います。

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Posted in 犬のこと

<おすすめのアイテム>田舎暮らしには必須の木酢液がいろいろと使えます

雑草が生い茂る季節となりました。

まだ草の勢いはそれほどひどくはありませんが虫たちは活発となりゴールデンウィークのお預かりクラスでも大活躍でした。

木酢液というのを使われたことがあるでしょうか?

木酢液は炭を作るときにでる蒸気から作られたものです。

臭いは硫黄のような独特のもので好みは分かれるでしょうが私は好きです。


実はこの木酢液を初めて知ったのは七山の直産物を販売されているお店に行ったときでした。

虫さされだったようで自分の手を書きながら購入する野菜を物色していたところ、お店のスタッフの方が「虫にさされたとね(方言です。虫にさされたのか?)」と声をかけられました。

そしてコレをつけたらすぐにかゆみは止まるからと、手にもっていたスプレーの液を私の手にかけたのです。

それでこれは何かという話になり、それが木酢液であることを知りました。

そしてその木酢液はまさにその産直野菜屋さんに販売されていました。

スタッフの女性の方はそのスプレーを陳列されている野菜棚にシュシュと振りかけていたのですが、その理由もあとでわかりました。



木酢液で検索されたらその効果を知っていただくことができますが、とりあえず自分が使っているのはこんな感じです。

・犬の体に虫よけとして使う

・自分の長靴に虫よけとして使う

・排泄物にかけてにおいけしとして使う

・家のまわりに虫よけ特にムカデ除けとして使う

・玄関回りにトビムシ除けとして使う

・虫に刺されたときにかゆみ止めとして使う

・お風呂にいれて美容のため、いや虫に刺されないように予防として使う


なぜか虫たちは木酢が嫌いらしいのです。

実際、虫に散布するとザーっと逃げていきます。

死ぬことはないようなのであくまで嫌っているということなのでしょう。

犬には害がないし美容の効果もあるらしいので全身にスプレーしたりします。

酢なので犬はちょっと苦手ですが、つけたあとになめたりすることはありません。


虫よけもいろんな種類ものがありますが、アロマタイプよりも効きがいいのではないかと思っています。

もう10年以上も七山で使っているので、つい毎年使ってしまいます。

犬たちの排泄物のにおいや分解には役立つようなので、お庭ではよく散布しています。


お値段ですが、ペットボトル大のサイズで七山では800円くらいです。

ネットで購入されるよりもお安いのではないかと思います。

お風呂にいれて美容に使う方法はよく知られているそうですが確かに気持ちがいいものです。


虫よけ用品で悩まれているでしたらぜひお試しください。

写真を撮ったのですがゴールデンウィーク中の大量の写真に紛れて探せませんでした。

七山校に来られたら実物がありますのでお気軽に使ってみてください。

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Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと, 自然のこと

<犬のこと>犬にとって一番辛いこと、やっぱりコレかな。

タイトルが少し重々しい感じなのでできるだけ長文にならないように気を付けながら進めてまいります。

このブログを熱心に読んでくださっている犬の飼い主さんなら、犬にとって必要なことは何か、犬を理解するために知っておくことは何か、犬の幸せって何だろうということを真剣に考えてくださっています。

すでにその方向にはたどり着かれているので、あえてここで犬の不幸について語るのはどうかと思いつつ、この部分だけは動物にかかわるものとして知る必要のあることだと思うので、一緒に考えたいと思います。

ズバリ、犬にとって一番辛いことって何でしょうか?

ドッグフードしか食べさせてもらえないこと?

お母さん犬と引き離されてしまったこと?

散歩に連れていってもらえないこと?

留守番がとても長いこと?

飼い主の愚痴を聞かされること?

自由な時間がないこと?

と上げてみると、犬って結構不幸かもしれません。

どれも一番辛いになりそうなので、一番という言葉を取り除いて考えます。

上にあげた不幸かもしれない状況に共通していること、ゴハンを除いたその他にはなりますが、共通点は「孤独」です。

犬にとって最もつらいことは「孤独」であることではないでしょうか?

動物にとって孤独であることは不安を生み出します。

不安をたくさん生み出すと精神的な病気になり、異常な行動を引き起こします。

わたしたち人の社会でも考えられない行動をする人の人生は、思った以上に孤独であったということではないでしょうか。

家族がいても孤独なこともあるし、表面的に友達が多くみえても実際には孤独であることもあります。

孤独は社会的な生活を必要とする動物の精神を壊してしまうのです。

犬は大変社会的な動物なので、孤独であることは犬の精神を壊してしまいます。

ただ単純に留守番が長いから孤独を生むというわけではありませんので安心してください。

確かに長い時間の留守番は孤独を生みます。

でも一日中飼い主が付き添っていたから孤独ではないかというとそんなことはありません。

犬が分離不安傾向にあって人や他の犬に吠えるような状態であれば、どんなに飼い主のひざでべったりと過ごしていてもやはり犬は「孤独」なのです。

逆に留守番時間がとても長い犬であっても、飼い主が一生懸命働いていて犬と真剣に向き合って過ごす時間を持ち続けていれば、犬にはそのことがよくわかるようです。

働く飼い主の帰宅まで留守を任されていたり、気配を消してがんばっている犬たち。

犬と過ごす時間には真剣に向か会って誠実に共に過ごしてくれる飼い主さんといる犬であれば、留守番時間の長いことはなんとか乗り越えていきます。

ところが飼い主さんが犬とひと時も離れずに過ごしていても、その理由が自分の不安を埋め合わせするような行為になると犬も孤独な飼い主と同じように孤独になるだけです。

犬は社会性の高い動物です。

ただ誰かとべったりと過ごす狭い世界に閉じこもることは危険なこと、ある程度開けた環境の中で社会生活を楽しめるような犬の生活はどのようにしたら得られるのか、自分の環境の中で各自が考えてほしいことです。

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Posted in 日々のこと, 犬のこと

<犬のこと>犬のための家ってどんな家のことだろう

久しぶりに本屋さんでブラブラする時間をもらえました。

見たいコーナーはある程度決まっていて、動物学、自然学、環境科学、東洋医学、発達そしてインテリアです。

基本的な関心が動物の不思議や幸せにあるので、読む本もそんな本ばかりです。

なのになぜインテリアコーナーなのかというと、これはあくまで趣味です。

実は犬の訓練士(当時はドッグトレーナーとかドッグインストラクターなどといったカッコいい名前はなかった)になりたいと思ったのが中学生のときですが、小学生まではインテリアデザイナーになりたいと思っていました。

理由はすごくシンプルだったと思います。

小学生のとき東京都内に暮していて少しだけおしゃれなケーキ屋さんでケーキを食べたときその店内の素敵な空間に惚れたのです。

母親に、このお店の中って誰がこんな風にするの?と尋ねたところ、それがインテリアデザイナーであることを教えてもらって即決しました。即決するあたりが小学生です。

なぜか空間の心地よさが気になるのです。同じように居心地の悪さにも敏感です。


話を元に戻しますが、本屋のインテリア本コーナーにやよく立ち寄ります。

買うまでではないけどただチラ見したいという欲求を満たしてくれるのはやはり本屋さんです。

そこでなんと犬の本を見つけました。

犬のための家づくりの本はなんどか見たことがありますが、また新たな本が出ていたのです。

おそるおそる本をめくってみて、ああやっぱりかと愕然としました。

そこに書かれてあることの一部は絶対にやってはいけない犬の環境作りだからです。

なぜ絶対ダメと言い切れるのかというと、犬の習性に反しているためです。


犬という動物との暮らしの中では、人と犬はできる限りお互いに協力しあっていきたいものです。

そうであっても人側が有利なことに変わりありません。

人の都合で出たり入ったりするわけですし犬の居場所も飼い主側が指定します。

高級な無垢の家具は犬にとってはかじりたい欲求をそそるものなのに、それをかじることはご法度です。

帰宅したら足を拭いて上がらなければいけないことも、犬にとっては理解できないことですが室内に入る限り協力するしかありません。

そんな偏りがちな生活の中、犬にとって快適な空間を作ることは難しいことだということを前提としても、あまりにも人の都合に立った考え方なのに「犬のために」などという題名が付けられていることにちょっと腹が立ってしまいます。

それだったら最初から「人のための犬と暮らす家づくり」という題名にしていただければ腑に落ちます。


具体的に何が絶対にダメだったのかというと、犬部屋らしきものが作られているケースが多くありました。

実際に作ってある家のお写真なのですが、犬はサークルやケージを使って犬の部屋に置かれています。

むしろサークルやケージを大変大きなものにして、こんなに幸せに生活していますよという感じなのです。

お決まりのトイレトレーもサークルの中に入っています。

これではいっしょに暮していることにはなりません。

トイレの設置が室内に指定されているものが多くありました。

庭があるのになぜ室内トイレなのでしょうか?

犬の脚裏が汚れるのが嫌なのか?散歩に連れていかないというルールなのか?本当に不思議です。


フローリングが滑りにくいように床素材を整えたり、カーペットを敷くというものであれば賛同します。

滑りやすいからといって脚の裏毛を切りすぎたり、爪を切りすぎたり、靴下をはかせたりという人の都合による発想になるようでしたら自分の考える方向にご注意ください。

犬はそもそも屋外で活動し屋内は休憩する場です。

人は脳内活動を持っていますので、室内でも活動しますし、最近は室内で運動もしますね。

でもやっぱり犬は外で体と脳を活動させて、室内では休憩する動物です。


犬のためのインテリアコーディネーターにだったら今からでもなれるでしょうか。

ドッグインテリアコーディネーター…真剣に考えてみます。

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Posted in 犬のこと

<犬のこと>春の落雷を怖がる犬の飼い主さんに伝えたいこと

数日前の夜中に春の嵐が通り過ぎました。

七山でお預かりクラスの犬ちゃんもいたので、様子を伺いつつ嵐の収まるのを待ちました。

七山では落雷が頭上から真っ逆さまに落ちてくるような地響きがして、家が振動で揺れるかというくらいの衝撃がありますので、慣れてはいるもののいつでも駆け出せる気持ちでいます。

ところが、犬たちの方は少し様子が違います。

今までなんども雷が苦手という犬を七山に迎えたことがあります。

トレッキングクラスだったりヒーリングクラスだったりお預かりの時であったりと状況は様々ですが、犬が極端におびえる様子になることはあまりありません。

自宅で雷が起きたときには雷恐怖症かと思われるようないろんな行動が出る犬たちも、なぜか七山では落ち着いているのです。

犬の雷恐怖症とみられる行動は、その段階によりますが次のような行動があります。

震える
隠れる
よだれが出る
走り回る
目を見開く
飼い主について回る
吠える
戸口から出ようとする
何かにかみつく
失禁する

行動から状態を察するところ、恐怖、闘争、逃走の状態に入っています。

これは動物が環境にストレスを感知したときに陥る状態です。

犬だけでなく人も同じ状態にいたりますので、もし自分がそのような状態にいたったと考えると犬が受けているストレスを判断しやすくなるでしょう。


いったんこの状態に入ってしまうとそこから脱出されるのはなかなか大変です。

雷の場合には一定期間はその環境を取り除くことができないのですから、犬のストレスレベルは上がっていきます。

雷が鳴り始めると、犬たちはどうしているだろうかと少し気がかりになります。

犬たちというのは生徒さんの犬のことで、自分の犬のことではありません。


犬は雷が苦手なのが当たり前と誤解されることもあるようですが、動物がいちいち雷に逃げ出していたら山で生きていくことはできません。

犬が雷に強く反応してしまうのは、犬を取り巻く環境や犬の内面の環境、つまり情緒的な環境がまだ安定していないということです。

雷恐怖症の犬の飼い主さんは、まだ犬に対してできることがあるということを前提に取り組んでください。

雷恐怖症には薬を使われることもありますが、あくまで対処法ということで常用することないよう環境改善に目を向けていただきたいのです。


このことを前提として実際今雷が起きたら落ち着かない犬を落ち着かせるために何をすればいいでしょうか?

犬が一番落ち着ける場所に戻してあげることがまずできることです。

グッドボーイハートの生徒さんたちならクレートトレーニングは完璧に出来上がっているはずです。

犬をいったんハウスに戻して落ち着きを取り戻しすよう促します。

来客や他の興奮を収めるのと同じ方法でやってみてください。


逆に犬に対して決してやってはいけないことは何でしょうか?

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宿題にしたいところですが、ムズムズしてしまう人は最後の答えを見てください。

普段の生活や家庭では雷に怯える犬が、七山では怖がらない理由については自分で考えてみてください。

本当にそれを知りたければ、犬といっしょに山で過ごす時間を作ってみることです。

いっしょに過ごせばその意味がわかります。

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雷に怖がる犬にやってはいけないこと

犬を抱きしめること
犬を抱きあげること
犬をなでること
犬に声をかけること

このような犬をなだめるような行為はしないでください

このなだめる行為は人のような接触の多い動物では有効な場合があっても、犬にとっては不安の要素を高めるだけです。


Posted in 犬のこと

<クラス>「同居犬と上手くいかない」多頭飼育でお悩みの方、犬同士に任せてはいませんか?

グッドボーイハートの家庭訪問トレーニングクラスは3頭まで料金が変わりません。

60分の家庭訪問クラスを10回のチケットをご購入の場合には、お時間でいただいているので3頭までは対応させていただきます。

そのせいかもしれません、多頭飼育されているご家庭からのトレーニングクラスの依頼がよくあります。

家庭犬のトレーニングを始めて20年立ちます。

その間犬と人の暮らし、特に福岡地域の流れについてはずっと経過を見てきたのですが、多頭飼育は確実に増えていると思います。

理由のひとつ目は、飼われている犬のサイズがかなり小さくなってきたことです。

二つ目は、犬の留守番時間が長いためひとりでは寂しいだろうということで2頭とか3頭を飼われることが多いようです。

同胎犬を2頭迎えるという場合もあるし、1歳とか2歳の犬がいるご家庭に新しく子犬を迎えるケースも多いですね。

先住犬がいるご家庭に子犬を迎えたけれど、犬同士があまり仲良くなれないというご相談も多々あります。

人の兄弟や姉妹でも仲良しばかりではありません。

仲良く遊ぶ兄弟もいれば、喧嘩ばかりの兄弟もいます。

犬は人と同じ理由で喧嘩をしているわけではありませんが、人の兄弟よりも犬の同居犬同士のトラブルはどちらの犬にとってもストレスの多い不幸なことです。


この多頭で暮らしている犬と犬がうまくいかない問題について、犬が問題だと思われていることがあります。

子犬が元気すぎるとか、乱暴すぎるとか言われることはよくありますが、子犬は基本的にわがままで自制が聞かず、興奮しやすく、とびついたり甘噛みしたりしてくるのは正常な行動です。

それに対して先住犬がどのようにふるまっているのかということがまず観察事項です。

もしも、先にいる犬が10歳を超える老犬であれば、社会的な活動を縮小させる時期なのであまり期待せずに住み分けを考えてください。

もし先にいる犬が10歳でも元気だとか社会的に活動できそうな状態であれば、それより若い成犬たちと同じように観察していきます。

成犬の子犬に対する行動はどうでしょうか?

子犬を自分のグループの一員として受け入れようとしているのか?もしくは拒絶して追い出そうとしているのか?いずれかです。

子犬は成犬から拒絶される行動を受けると、犬としての社会性にゆがみが生じ、成長してから(1歳を超えたくらいから)他の犬に吠えたりうなったりする攻撃性を示すことになります。

行動に現れるまでに時間がかかるのです。

子犬が来てから1年近くたってからなので、なかなか先住犬との関係が他の犬への社会的行動に結びついていると考えることができないかもしれません。

ですが、犬のどのような社会的行動も、そのベースは家庭内の一番小さなテリトリーの中で作られているということはもはや真実です。

人の他人に対する態度を学校の先生に教えてもらおうとしても難しいのです。

それは社会性ではなく社交性であって、人の力にはなりません。

社会的な態度という真の社会性は家庭の中で作られている、これがベースです。

成犬がまだ若く大人としてうまく対応できず、子犬といっしょになって興奮してしまったり、お互いの攻撃性を高めたりする結果になることもあります。

犬同士が体をぶつけあうプロレス遊びですが、適切に介入していかないと犬はただの攻撃性の高い犬になるだけです。

多頭飼育の問題は、犬同士で解決することはありません。

そこには人という大親分がいて、その家庭の中で行われていることは人とそれぞれの犬の関係性なくしては語れないのです。

犬が寂しいだろうと思って新しい犬を迎えても、今の犬と飼い主の関係が安定した信頼関係でなければ、子犬が来ることで余計にトラブルが増えて犬のストレスが増すだけなのです。

多頭飼育となりトラブルが始まったことで家庭訪問トレーニングクラスを受講される方も多いので、クラスを通して犬のことを学んでいただく機会をもっていただけたことだけは好機に恵まれたなと思います。

なにかきっかけがないと犬のことなど学ぶ機会はないでしょう。

犬と暮らしているという理由だけでは、犬のことを学ぶ機会にはならないのです。

みなさんにとってとても大切な存在なのに、たくさんの知らないことがあるのはもったいないことです。

なぜ犬が思い通りにならないのだろうという考え方の場合には、なかなか先にはすすみません。

問題を解決するために何かをすると改善しそうだけどしないのです。

犬は知っているのです。自分が本当に愛されているかどうかを。

犬はなんでも知っています。

多頭飼育で上手くいかない方も、まだ諦めないでください。

犬たちにとってもこの犬生は一回限り、生まれ変わってから幸せになるよりも今幸せになってほしい、そのためにできることはまだたくさんあります。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>日本が起源かもしれない愛玩犬はいつから普通になったのか?

愛玩犬(あいがんけん)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

その意味をネットで検索して調べていみると「ペットとして飼う犬」とか「主に室内で愛玩のために飼う小型犬」などとあります。

自分のそばにいる犬のことをペットとして認めることは普通であっても、愛玩犬といわれるとそうだと言えない方も多いのではないかと思います。

愛玩とはつまりオモチャということですから、自分の犬をオモチャ変わりだと位置づけられるのと同じことですから抵抗も生まれてしまいます。


この「愛玩犬」という言葉をめぐって先日家庭訪問クラスのときにあることが起きました。

犬の説明の中で「愛玩犬として育てられるのであればこうした犬になるかもしれない」といった説明をした際に、説明を聞いていた飼い主さんが「あいがんけんって何ですか?」と質問されたのです。

愛玩犬とは、えっと愛玩する犬ということですよ。ペットといわれるよりも特殊な言い方で…と説明に窮しました。

飼い主さんになかなか愛玩犬の意味が通じずにいたところ、その飼い主さんが高校生までしか日本におらずその後海外で生活していたことがわかりました。

それで「愛玩犬とはつまりtoy dogといったらいいでしょうか?」と切り返しました。

そうするお「オー!トーイドッグっね」となんとなく小型犬のイメージはつかめてくださったようです。

そちらには愛玩犬という言い方がないのですね、といって私の方も納得しました。

愛玩犬とは日本が創ったひとつの犬の生き方のようなものかもしれないとも感じたのです。


小さい犬といっても欧米にはテリア種のような活発に仕事をする自律した犬たちもたくさんいます。

チワワはテリア種には含まれていませんが、スムースのチワワは南米では日本の雑種のように普通に番犬をする地域犬でした。

人に抱っこされることを目的とした犬は欧米では珍しいです。

むしろ、犬をそのように愛玩目的に扱うことが一般的でない犬の文化というのを持っています。


愛玩犬が国内で広がったのはある仕組みがあってのことでした。

また次の機会にお話ししていきます。

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