グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方>子犬の真の社会化を考える:Detective puppyたちの社会活動記録

犬の預かりクラスで感じたこと、昨日に続きます。

犬の社会化の過程について、もう一度考えてみましょう。

社会化とは、単純にいうと環境に適応する力をつけることです。


環境に適応するといっても、恐怖反応や攻撃反応をゼロにということではありません。

恐怖を抱く必要のあるものにはその反応を示すこと、

防衛すべき相手に対してはちゃんと防衛をする必要があります。


犬が周囲で起きていることをすべて脳から追い出す
回避をすることが社会化ではないのです。


動物は混乱すべき状況に起きていると、
起きていることを全て見えない状況にしようとします。

これは人でも起きていることです。

「見ないようにしよう」

「知らなかったことにしよう」

「わたしはここにいないことにしよう」


こうした回避行動は日常的に行われています。


脳の中では、今目の前にいる刺激を排除するという機能があります。


一度にたくさんの刺激にさらすと、脳はこの排除機能を用います。

刺激に反応することがなくなることが社会化したように誤解させます。

これは、社会化でもなんでもありません。



正常な子犬の社会化とは、子犬が安全なテリトリーの範囲内で、
活動しながら探索を通して学習を重ねていくことをいうのです。

預かっている子犬の着ている洋服には「DETECTIVE PUPPY」と書いてあります。

直訳すると「探偵子犬」ということですね。

dav
子犬はまさに嗅ぎまわる動物です。

安定したテリトリーやリードを持つ人との安定した関係性が、
その探偵=探索をささえる基盤です。

安定した探索行動は、子犬の脳の発達を促します。

それが本来の社会化の発達です。

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子犬のときに他の犬や他人に会わせることが社会化だと思われているようです。

これは社会化ではありません。

社会化したように見える反応のなさは、刺激を排除の機能が発達したといえるでしょう。

排除機能が中途半端な場合には、犬や人に恐怖行動を示すようになります。

その行動は1才を過ぎてから表現されるようになります。


子犬のときに、犬に会わせるためにドッグランやデイケアに連れて行くことはお薦めしません。

子犬のときに、たくさんの人に会わせることもお薦めしません。

ここに書いてあることは、どの本にも書いていないかもしれません。

ですが、もう一度自分の頭の中でみなさんが考えてみてください。

dav

Posted in 犬のこと

<クラス>子犬のお預かりクラスで見る犬の体感温度:体温管理は自律神経の発達を促すこと

子犬や老犬の体調管理には注意が必要な季節になりました。

気温の変化に対応するためには、体の自律機能が頼りです。

体温調節は自律神経がつかさどっています。

自律調整機能が不安定な状態だと、気温の低下に体が適応しません。

老犬になると、機能低下が著しくなるため、
温度管理はとても大切になります。

老犬のお部屋は十分に温めてあげてください。


ただ、子犬の場合は、ただ暖かくするだけではダメなのです。

いわゆる過保護状態になりすぎると、子犬の成長を阻害してしまい、
免疫力の弱い虚弱な犬になってしまうからです。


子犬は環境に応じて身体的機能を鍛えて高めていくことができます。

寒いからと冬場に部屋に閉じ込めたりすると、
子犬の自律神経機能は発達せずに、心身共に弱い犬になってしまうのです。


この冬の時期に、子犬たち2頭が七山校にお預かりクラスに来ました。

七山は標高500メートルのところにあります。

都心の犬にとって、自然環境は特別の刺激です。

特に健康な子犬たちにとっては、興奮の素材がたくさんです。

お預かり数回となって、山歩きにもチャレンジできました。

子犬の状態を見ながら、今日はココまでと欲張らずにすすめます。

dav
子犬たちは休憩したり歩いたりをくり返しながらも、
果敢に山歩きにチャレンジしていました。

歩くことで体の機能も発達し、体温調節機能も高まります。

自然の中での安定した活動は、子犬の脳を健康に発達させていきます。

室内での休憩中には、きちんと暖がとれるように準備します。

子犬のお泊まりにはいろいろと気配りが必要ですが、
子犬たちの元気な笑顔や成長が、その苦労を忘れさせてくれますね。

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朝一番のお庭での排泄タイム。

庭に出た子犬たちは、ピューと吹く北風に一瞬ビックリします。

だけど、シャッと背筋を伸ばすようにして、
テラスの階段を自分で下りて排泄に行きます。

こうした預かり中の行動を見ているだけでも、
飼い主さんが日常的にどのように接しているのかがわかります。

子犬の自律性を高めるように接しているということが、十分に感じられるのです。

犬の行動はうそをつきません。

家で出てきること自律行動は、預かり中にもちゃんとできるのです。


ところが、家で飼い主さんに依存して生活をしていると、
ブルブルと震えてしまうかもしれませんね。

すべてが、飼い主がそばにいることでしかできなくなっているからです。


犬たちに、日々の自律した生活を促すことが、

気温の変化に適応する体をつくることを知ってください。

うちの犬は寒いのがダメ、うちの犬は寒いと風邪を引きやすい。

そんな犬たちの限界を、少しでも延ばして超えていきましょう。


犬の自律神経の調整力は、犬の生涯を通して犬の健康な毎日を支えます。

犬をただ可愛がるだけでは、犬の能力は発達しません。

犬が生まれ持った自分の能力をできる限り発揮できるように、
飼い主は環境を整えましょう。

dav

Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のしつけ方>犬が嫌がる不快な音:音に吠える犬、吠えない犬で何が違うのか?後編

犬の音に対する反応についてのコメントです。
昨日のブログからの続編になりますので、読んでいない方はこちらからどうぞ
→<犬のしつけ方>犬が嫌がる不快な音:音に吠える犬、吠えない犬で何が違うのか?前編

日常に溢れる人工的な音に対する犬の反応、観察できましたか?

前編で紹介したように、注意を勧告する警告音は不快な音です。

不快な音であることが、注意を引く音になるからです。


救急車のサイレンや郊外で流れる夕方の時間を知らせる音楽は少し違います。

これらのサイレンの音には、犬は遠吠えという形で反応します。

これは一定の音に対する共鳴という行動です。

行動を誘発する刺激が与えられると行動を起こすというのは、
学習のひとつの原理なのです。

サイレンの音という誘発刺激によって、犬の遠吠えという行動が引き出されます。

ミックスには反応が多く見られますね。

ただ、この反応は前述した不快な警告音に対する反応とは違うのです。


警告音に対する犬の反応に戻ります。

犬がこれらの音に反応するときには、不快感を得てビックリしたような反応をします。

もしくは同じように不快感を表現するような行動をすることもあります。

中には、強い不快が不安を引き出し、そこからパニックを起こすようになることもあります。


警告音に対する強い反応としては、連続してワンワンと吠えてしまうような反応でしょう。

音に反応して吠える犬の声は、少し高めで苛立ちを表現するような声質をしています。

声は澄んでおらず、にごっていて犬の声にも違和感を覚える声です。

これらの犬の声にも、警告音と同じような不快感を覚えるでしょう。

ということは、犬のこれらの反応する声は、犬の不快さを表現する声だということです。

警告音によって不快さを強く感じ、それを表現するまでに高めてしまったということです。


動物によって出す音の種類はそれぞれに若干の違いはあります。

しかし、共通した情報として不快な音は不快なのです。

少なくとも、警告する不快な音は、人にとっても不快であり、犬にとっても不快なのです。


ですが、その不快感はすぐに消え去るものなので、人もすぐに元の情緒、
つまり安定を取り戻そうとします。

犬にも同じように、安定を回復させようとする神経機能が備わっています。

すぐに安定を回復させることができる犬は、
片目を開けることはあっても、すぐに目を閉じて寝続けます。


これらの状態にどのような差があるかというと、
犬の日常的な情緒状態に差があるということです。

不快な警告音に強く反応してしまう犬は、日常的に不安や不快を抱えています。

日常的な環境と、飼い主さんとの関係を三度見直す必要があるでしょう。


逆に、全く反応を示さない犬の中にも、ストレス過多になっている犬もいます。

こうした犬たちはとても気づきにくいのですが、最も気づくべき存在です。

日常の刺激によるストレスが強すぎて、無反応という状態に至った動物です。


ただ寝ているだけなのと、無反応になっている犬との区別をどのようにつけたらいいのか。

日常的な行動をすべて分析していくと、犬の状態は理解できるようになります。

犬の行動の見方は、すべての飼い主さんに理解していただきたいことです。


犬のしつけ方やトレーニングを学ぶのは、行動を教えることを学ぶだけではありません。

犬が何を感じ、何を表現し、何を必要としているのか、

理解して協力できるのは飼い主しかいないこと、飼い主とはやりがいのある仕事です。





ところで、明日から福岡・佐賀県の標高200メートルで10センチの積雪予報が出ています。
七山は標高500メートルですが、福岡で活動するため様子がわかりません。
帰宅したら積雪してるということも十分に考えられます。
七山の雪を恐れて帰れなくなったら、山人としては恥ずかしい限りなので、
意地でも山帰りを続けていきます。

七山にお越しの方には、七山雪情報は事前にお伝えします。
雪に覆われた山は最高に美しいのです。
その中に歩く犬はもっと美しい、そんな風景もいつか見てください。

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Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>犬が嫌がる不快な音:音に吠える犬、吠えない犬で何が違うのか?前編

福岡で過ごしているときには、毎日いろんな音が飛び交っていると感じます。

七山の静かな環境から移動してきたときには、よく感じることです。


夜中サイレンの音がしょっちゅうなります。

暴走族の取り締まりをするパトカーの音。
夜に具合が悪くなった方の搬送のための救急車。
以外に響くのが酔っ払って携帯電話で話しながら歩く人の声。

昼にはヘリコプターの音をよく聞きます。

こうした遠くから聞こえてくる音には、まだましな方です。

もっと動物をビックリさせるのは、身近にある電気製品の音です。


都心部にはいろいろと注意しなければいけないことが多いため、
注意を喚起する音というのがあります。

車のバッグ音

車で安全ベルトをつけないでいるときの音

電話の着信音(スマホの方は出ないようになってますね)

シャッターの音(動画のときは特に大きい音)

キッチンタイマーの音

洗濯機が止まった時の音

電子レンジの音

地震の発生を知らせる音は特に強い音ですね。

こうした身近なアラーム音は増え続けています。


これらの音は、人の注意をひきつけるようにできています。

身近な人の注意をひきつける音というのは、不快な音なのです。


不快な音が、なぜ人の注意をひきつけるのかというと、
不快な音は、危険であることを知らせる音だからです。

そのため不快な音は注意をひきつけると同時に、
不安や苛立ちを感じる音にもなっています。

こうした不快な音質によって感じる情動は、
人も犬もかなり似てるようです。

そのため、犬の中には特定の人工的な警告音に対して、
吠えたり、顔を上げたり、走り出したりするなどの行動をすることがあります。

顔を上げるくらいなら、まだそれほどの影響は受けていませんが、
吠えたり、走り出すとか飛び起きるとなると、犬も不安定です。

みなさんの身近な犬は、警告音に対してどのように反応しているでしょうか。

反応しない場合にも、他の行動もあわせてよく観察してみてください。

明日に続きます。

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<犬のしつけ方>拡散希望!犬の「抱っこ散歩」って絶対ダメなんです!

あまりに広がりすぎて、間違っているのに訂正できないこと、

実は、犬のしつけ方にもあります。

そのてひとつが、犬を抱っこして散歩することです。


初回のカウンセリングのときに、よくこんな会話になってしまいます。

生徒さん「抱っこして散歩してるんです。」

私「犬の抱っこ散歩は、犬の正常な発達によくありませんよ。」

生徒さん「えーーーー!!!。抱っこして散歩するのダメなんですか?」


中には、「犬が子犬のときには抱っこして散歩していた。」という
過去形の方もいらっしゃいます。

いずれにしても、きちんとお伝えします。

「犬を抱っこして散歩することは、犬の発達を阻害することです。
犬のしつけ方としては、おすすめしません。」ということです。


犬のしつけ方にはいろんな手法があります。

なので、何が正しいのかというのはよく議論をする必要があるでしょう。

「犬を抱っこして散歩すること」があまりにも推奨されている中で、
それが間違っているということは、異論といわれるかもしれません。

異論といわれても構いません。

犬のナチュラルな発達のために、伝えさせていただきます。

犬を抱っこして散歩することは、なぜ発達を阻害してしまうのか。

犬という動物についてよく考えれば、だれでも分かることなのです。


犬は抱っこして成長するというシステムを持っていません。

成犬は子犬を抱っこして環境に順応する機会を与えません。

子犬は自らの脚で移動することを通して、環境学習を進めます。

環境学習とは、社会化の過程で必要な学習です。

社会化という言葉も、若干専門的になってしまいますが、
文字量が多くなりますので、ここでは簡潔に説明するために使います。


犬を抱っこするという行為は、犬を拘束するという行為です。

拘束とは、動物にとって最もストレスを与える行為です。

拘束状態で環境に接触させれば、犬は恐怖を抱きやすい性質になります。


犬は視覚的に環境把握をすることが不得意です。

脳の構造が人とは違うからです。

犬は嗅覚的に環境を把握したり、対象を認知していきます。

犬が拘束されて見たもので、臭いを嗅げなかったものに対しては
理解できないもの、緊張を感じたもの、恐怖を感じたもの
として認識されていきます。

犬の恐怖ボックスにはたくさんの情報が入ってしまい、
犬は恐怖をいだきやすい性質になってしまうのです。

散歩で使用するリードも一定の拘束を与える道具なので、
リードが拘束とならないように使い方は覚えて欲しいものです。


実は、子犬期に抱っこして散歩するといいというのは、
どのような本にも書いてあり、セミナーで習ったこともあります。

自分もはじめはこのことに疑問を抱かずにいましたが、
抱っこされて歩いている犬の状態やその後の発達を見ながら再考しました。

その結果、この「抱っこ散歩」は発達を阻害する作業であるという結論に達したのです。

もちろん、個人的な見解です。
たくさんの実験をしたものではありません。

ただ、考えればわかりそうなことではないでしょうか。


本やネットに出ている情報が、右から左へとコピーされていくことや、

犬に関わる専門家がよく考えずに人にすすめてしまうことが、

犬と飼い主に多大なる負担をかけています。


緊急にお知らせしたく、拡散希望と題に添えました。

もちろんコピーしてただ広めるのは危険です。

犬について考えてよく理解できた方は、身近な方に少しずつ伝えてください。

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<犬のしつけ方>電気ストーブで暖かさを提供する、犬との生活に配慮と工夫すること

七山では特別寒さが強く、薪ストーブや石油ストーブ、エアコンまで活動して
犬と人が暖をとるための道具たちが活躍中です。

先週から福岡でも冷えが強くなり、小型犬たちの活動にも変化が見え始めました。

最近は、小型犬でも2キロよりも小さい犬たちも出始めているので、
体温を保持させるために、いろいろと工夫も必要です。

もちろん、福岡ではどのお家にもエアコンはついています。
暖房はしっかりと入っているのです。

しかし、小型犬たちの高さは案外寒いのです。

人の方はベッドやソファや椅子で生活するようになり、
高さ60cm以上のところに心臓が来るように据わっています。

それに、大人に比較すると小型犬の方がずっと小さいのですから、
当たり前ですが、寒さが応えるのはいうまでもありません。

暖房器具は乾燥を呼ぶのであまり使いたくはありません。

かといって寒いまま放置してしまうと、犬たちはあちこちへともぐってしまいます。

布団の中、コタツの中、クレートの毛布の中にもぐりこんでいないでしょうか?

狭い場所で暖がとれるもの大切なこと。

クレートの中には湯たんぽなどをいれてあげてほしいのです。

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でも、みんなが過ごすリビングにいっしょに過ごせなくなるというのも
犬と人が共有できる場がなくなりさびしいものです。

ということで、ほんの小さな電気ストーブを置いていただきました。

最近の電気ストーブは安全装備も十分です。

遠赤外線のものもたくさんありますので、犬は体の芯から暖まります。

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犬のしつけやトレーニングというと、犬に合図や号令を教えるものと思われていないでしょうか。

犬のしつけ・トレーニングとは、犬を理解し犬の環境を整えることが最も重要なことです。

環境を過保護にしすぎることも問題ではありますが、
犬の行動が適切であるということを基準に考えていただければと思います。

昼間から布団にもぐってしまう犬を「布団にもぐるのが好き」と見過ごしてしまわずに、
どうやったら普通に過ごせるのだろうかと考えていきましょう。
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<犬のしつけ方>犬の散歩はリードの持ち方で決まる:孫の手を引くようにがポイントです。

福岡の街中を運転中に、ある光景に注目しました。

比較的車の多い通りの歩道を、孫と祖父と見られる人が歩いています。

おじいちゃんらしき人は孫の手をしっかりと握って安定して歩いていました。

一方、孫の方はまだ幼稚園生くらいなのでしょうか。

目線をあちこちに向けながら、興味のある方向に体重を傾けようとしたり、
振り返ったりして、とても不安定な姿勢を続けています。

好奇心が旺盛で、衝動のコントロールができていないような年齢なのでしょう。

おじいちゃんはしっかりと孫の手を握っているけれど脇はきちんとしまっています。

歩く速度は一定していて、横断歩道の少し手前で一旦止まっただけです。

孫があちこちに体重をかけても、片手を持っているがつりあげずに、
上手にバランスをとらせてくれているようです。

お孫さんの方は、いろいろなものに関心を示しながらも
安定しながら歩行されている様子が伝わってきました。


そうなんです。

こういう姿勢で、犬のリードを持ってくれればいいだけなんだけどな、
と思ってしまうわけです。

なぜ、犬のリードを持っているときは手を前に出すのでしょう。

犬が歩いたり、走ったり、止まったりするのにあわせて歩くのでしょうか。

犬が右に行ったり左に行ったりするのについて歩くのでしょうか?


確かに、お孫さんの手を持つように犬にバランスをとらせることは、
そんなに簡単なことではないかもしれません。

同じようにはいかないかもしれません。

でも、基本的姿勢は同じものなのです。


お互いにつながっていてバランスを取るわけですから、
お互いに気持ちのつながりもないとうまくいきません。

お孫さんの手を上手にひいて歩けるのは、
毎日お孫さんのお世話を通して、信頼関係を深めているからでしょう。

犬のリードの持ち方も、単なるテクニックでは上手くいきません。

体の基本姿勢は大切にしながら、気持ちの基本姿勢も整えていきます。


わたしたちヒトとイヌ、違う種の動物だからこそお互いに理解しあい、
協力しあって生活していこうね、という基本姿勢です。

犬と良い関係にある飼い主さんは、犬にリードをつけて歩いている姿が
とても美しいと感じられます。

それは、単に犬が飼い主の横にピッタリとくっついて歩いている姿ではありません。

お互いが同じリズムで依存しすぎることなく共にいる姿です。

もっと、そんな犬と人の関係性を見て行きたいと思います。

みなさんの成長、楽しみにしています!

dav


Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>犬を観察する力をアップさせると何が変わるのか?

生徒さんからこんな質問を受けました。

「犬が尾を横に振っているときと、尾を立てに降っているときがあるんですけど、
それってどう違うんですか?」

詳しく話しを聴いていくと、こんな風でした。

尾を横に倒して横に振っているときと、
尾を少し立て、半分から先を横に振っているときがあるとのこと。

それがどのように違うのかが知りたいということだったのです。


それで、その2種類の尾の振り方は、それぞれに犬が何をしているときにするのかをお尋ねしました。

尾を横に振っているのは、オヤツを食べるときだけどいつもではない。
尾を少し立てて、半分から先を横に振っているのは、お庭に出ているとき。

さて、みなさんはこの尾の振り方、どのように違うと思いますか?



ここでお話ししたい大切なことは、
飼い主さんが犬のことをよく観察しているな、ということです。

継続してレッスンを受講してくださっていると、
飼い主さんの観察眼が上がってくるのがわかります。

このような犬の行動や表情の違いを、過去には見ることはできなかったでしょう。

犬の見方が変わったのは、犬への思いと接し方、考え方に変化があったからです。


犬を観察する力を得られるようになったことで、
犬の何が変わるのでしょうか?

犬を理解しようとする姿勢や行動が犬に与える影響ははかりしれません。

実際にその犬くんは、とても変化していっているのです。

飼い主さんの方は、犬くんの少しの変化をも喜んでいるのも伝わってきます。

飼い主さんと犬がいっしょに成長して、分かち合えることが増える、うれしいことですね。


冒頭の尾の振り方の質問について、飼い主さんにはお答えしました。

これからは自分で考えられるように、また変化を続けられていくことでしょう。


答えを出す前に、まずちゃんと観れること。

犬を観察することは、犬を知り飼い主である自分を知る大切な機会です。

dav

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<犬のしつけ方>犬の変化は飼い主の変化から始まる:自分を客観的に見ることのできる飼い主は変化が早い

ある生徒さんの家庭訪問とレーニングクラスで、こんな言葉をいただきました。

「先日、先生のブログを読んでとても反省したんです。」

その生徒さんが読んだブログというのはこの記事でした。

<犬のしつけ方>知らないから理解したい犬のこと、「うちの犬は●●が好き」で終わらせないために

というのも、ちょうど似たような発言が出てきたからです。


たとえば、ハーネスを外すと犬がハーネスにすぐに咬みついてくるのを見て
「ハーネスが好きなんです。」というようなコメントが出ました。

ハーネスに咬みついているからハーネスが好き?

首輪に咬みついてくるから首輪が好き?

リードに咬みついてくるからリードが好き?


こうした見方はごまかしになっていないだろうかということを、
先のブログ記事に書かせていただいたのです。


生徒さんのこういう気づきを教えていただけることは、とてもうれしいことです。

なぜなら、今まで自分が言ったり考えたり、犬にしたりすることは、
それが正しいとどこかで思っているから成立しているわけです。

もし、考えが違っているのではないかと思うのなら、
「ハーネスを外すと犬がハーネスに咬みついてくるのは、なぜだろう?」
と考えるようになるでしょう。

それがそうならないのは、何故?を増やしたくないからなのです。


ところが、飼い主が自分の行動や考え方を客観的に見ることができると、
その思い込みから外れることができます。

ハーネスを外すと犬がハーネス犬がハーネスに咬みついてくる…

犬はハーネスが好きだから咬みつくの?

いやいやそんなことないよね。

ハーネス、食べられないしね。


という風に自己分析が進んでいくからです。


飼い主さんが「反省」といっているのは、大きな前進です。

それだけ飼い主が自分の考えや行動に慎重になっているということです。

その根底には、今以上に犬のことを本心から理解したいと願っているからです。


その飼い主側の思い、不思議ですが犬に確実に伝わっていきます。

伝わると犬の行動は少しずつ変化していきます。

一気にではありませんが、何かが変わり始めていくのです。

犬と飼い主さんの生活に寄り添っていて、一番ワクワクする時です。


犬のしつけ方の間違いは、犬だけを変えようとすることです。

自分たちはルールを守らない、自分の好きなように接するし自分を優先する、
そんな飼い主とより良い関係を結べる犬がいるでしょうか。

人はルールを守らなければ、犬を罰で押さえつけるしかありません。

そんな、もはや対処法ともいえないしつけ方の情報が溢れています。

犬は飼い主の変化に敏感なのです。

今目の前で犬がやっていることを理解するには、
人側の謙虚な姿勢も必要だということです。

犬たちはただ環境に対して素直に反応しているのです。

その素直さに向き合って、犬が間違っていると決め付けないで、
まず、犬の必要性に気づいていっしょに変化していきましょう。

dav

Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>犬の正常な食欲を見分けるにはどうしたらいいのか?健全な食欲は健康な犬を育てること

犬のしつけ方といっても、オスワリやフセを教えているだけではありません。

生活の中で必要な最低限のルールを合図として教えることは大切なことです。

でも、もっと大切なのは、犬が健康に発達・成長する環境を整えることです。


犬のしつけ方相談の中には、食事に関することが比較的多いのです。

どのような食べ物を与えればいいのか、
どのように食べさせればいいのか、といった疑問にもお答えします。

でも、犬の食事についてもっと注目してほしいことがあるのです。

それが今回テーマにした「正常な食欲」です。


食事をあまり食べないという相談も少なくありません。

犬といえばガツガツと食べるという印象を持たれるかもしれませんが、
最近は、食事を選り好みしたり、食べ飽きてしまったり、
お皿では食べないという食の問題を抱えている犬もいるのです。

逆にガツガツ食べるため食欲があるように見えて、
実際には異常に食に執着する犬もいます。

ドッグフードや犬用の食事を食べないのはわかりやすいですが、
よく食べているのが執着行動だというのは、見ただけではわかりにくいでしょう。

執着行動というのはどの動物にも起こりうるストレス性行動です。

人は犬よりも執着行動は多いですが、その行動を隠す抑制術も備えています。

犬の場合には率直に執着行動を示してくれるので、よりわかりやすいだけです。

犬が特別に不安定だというわけではありません。

ただ、犬の健康的な欲求と執着行動は見分けてあげてほしいのです。

これは、犬の状態が少し不安定ですよということを、
飼い主には理解していただきたいからです。

また、食が不安定で食べたり食べなかったりすること、
これは当然のことながら、その犬の精神的状態が不安定であることを示しています。

見方によっては犬が食べないことはワガママ行動であるように見えます。

人が与えたゴハンを犬が食べないというのは、人にとっては衝撃的なことです。

実際に、ゴハンを食べないときにお皿を口でひっくり返す行動を見ると、
ちゃぶ台をひっくり返しているように見えてしまいます。

そのワガママ行動も、犬の欲求が不安定になることを伝える行動です。


犬の食事については、何をどのくらい与えたらいいのかという
食育に偏りすぎているように感じます。

栄養の数値に振り回される必要もありません。

正しい知識を持つ事とこだわりすぎることには違いがあります。

食育とは、栄養素を与えて動物を育てることではないと思うのです。

犬の心がきちんと育てば、犬は健康的に食べ物を食べてくれます。

犬の心の育て方はありません。

あるのは犬の心が育つ環境と関係性です。


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