グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬のとびつき、走り回る行動の理由

来客に対してピョンピョンと飛び跳ねて、部屋の中を円を描くように走り回り、そしてまた飛びついてくるような犬がいます。よく見ていると来客だけでなく飼い主さんに対しても飛びついたりまた走り回っては飛びつくという行動をくり返しています。こうした犬の行動に対する飼い主さんの見方の多くは「いつも、とても元気なんです。」というものです。

室内でこのような行動をしても制止せずに笑顔で見ていられるのは、犬のサイズが小さいからなのでしょう。大型犬も同じような行動をする犬がいますが、中型、大型犬の場合には人へのとびつきは来客に怪我をさせる危険行動ですし、人を怖がらせる行動にもなります。飼い主はこうの行動を制御しようとするものです。部屋の中で走り回ったりしたら机の上のものが落ちたりじゅうたんが痛んだり床に傷がつくといった理由で、これらの行動を犬の困った行動としてしつけにとりかかられるかもしれません。

犬が日常的に動いているその速さや多さを犬の性格を示す言葉では「活動性」といわれています。犬の活動性とは犬が外で活発に動けるかという動作の機敏さをいうのではなく、いつもチョコチョコと動き回っていたり、歩いていたりする日常の活動の多さによって活動性が高いとなり、室内でゆったりとしておりまた散歩中もゆっくりとした速度で歩くのであれば活動性が低いとなります。

小型犬、中型犬、大型犬を比較すると、小型犬の方が動きが早く活動性が比較的高いのに比べて、大型犬の方はゆっくりと立ち上がるなど活動性が低くなります。大型犬は心臓から手足に血液を送り込むのに時間がかかりますので少しゆったりとした動作に見えるのです。昔のアニメになりますがハイジのヨーゼフの動きを思い出していただければいいでしょう。ゆっくりとたちあがってゆっくりと動くという動作でしたね。大きな犬になるとそんな行動になります。同じ理由で心臓があまり強くない犬はゆっくりと行動をすることで調整をしています。心臓病といった状態でなくても普段から活動性の低い犬に激しいスポーツをしたり、多くの犬や人に接触させる刺激を与えすぎることは犬への負担になりますので配慮してあげたいものです。

小型犬は比較的活動性が高いので、冒頭で紹介したとびつきや走り回りを室内で日常的におこなっていても「元気な犬」と誤解されてしまうことがありますが、実際には犬の状態はただ元気ではないということが多々ありますので紹介させていただきます。

まず、活動性とは別の言葉になりますが「テンション」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか。テンションが高いとか低いとか、人の状態を表現する言葉としてもよく利用されます。犬の行動を見るときに同じように「この犬の今の状態はテンションが高い」といった説明をすることがあります。テンションとは「張り」ですね。突っ張るというイメージがありますね。緊張の糸が張っている状態をテンションが張っている、つまりテンションが高いという表現に言い換えられます。テンションが高いというのは英語ではなくカタカナの和製英語です。張りといっても興奮の張りのほうで、テンションが高いというときは「興奮が高まっている」という表現になります。テンションという言葉を使うことで、精神的に気持ちのつっぱっている状態がわかりやすいのでつい多用してしまいます。

ここで説明したとおり、テンションは活動性とは違います。
犬が緊張することでテンションが高いと、行動にも突っ張ったような興奮行動が出てしまいます。その行動がとびつきや走り回りといった興奮行動となるのです。動物は緊張すると「動かなくなる=硬直する」ことがあります。確かに緊張すると尾を下げたり後ずさりしたり硬直したりすることがあります。しかし、気持ちの張りは硬直する方向ではなく、興奮する方向にも傾くのです。そしてこの傾きはシーソーのようになります。つまり、興奮しやすい犬は硬直したりおびえ行動も大変多いということです。

すべてを一度に説明することは難しいので来客や飼い主へのとびつきや部屋の中を走り回る行動は「ストレス行動」として一旦理解していただきます。部屋の中でなくとも、ドッグランで人に飛びついたり、2本足立ちをしたり、ドッグランの広場を走り回ったりする行動も同じ行動なので行動チェックとして活用してください。

実際に、室内で興奮行動の多い犬は、物音や他の犬の吠える声、苦手な人などなにかビックリするようなことがあると、尾を下げて逃げたり狭いところへ駆け込んだり、パニックになってキャンキャンと吠えたりする行動をするようになります。こうした犬の行動を読み違え、誤解して受け取ってしまうと「いつもは元気で明るい犬なのに、何かあるととても怖がる。」といった見方になってしまいます。

先日訪問レッスンのときに、やっと本来の活動性を取り戻しつつある状態にいたった犬に対して飼い主さんが「なんかいつもと違うんです。動きがすごくゆっくりになりました。でも前みたいに尾を下げて逃げたり歩いたりしなくなったんです。苦手な人にも少しずつ近づいていけるようになったんです。」
そうなんです。はじめに飛びつきや走り回りをしていた行動に対して「この興奮行動がなくなくなってきたらおびえもなくなってきますからね。」とご説明したのですが、それが現実となって犬本来の活動性を取り戻すことができました。

犬の行動をちゃんと見て犬を理解してあげることは、犬に必要な環境を整えていくために何よりも大切なことです。そして犬が本来の姿を取り戻すための環境を整えられるのは飼い主さんしかいません。

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犬と共に癒しを体験するとき

少し遅めの初詣をかねて今年「尾歩山(おぽさん)」歩きが始めての犬と飼い主さんといっしょに山歩きをしました。年のはじめということもあって、山歩きの一歩一歩も感慨深いものになります。
今年は何才になるねといった話題も出たりして、ずい分を年齢を重ねてきたけど、こうして犬と一緒に山を歩く時間が持てているという率直にうれしいという気持ちが伝わってきます。

犬の方は一年のはじめということもなくいつもと変わらない日々。ただそれぞれに毎日少しずつ経験を重ねたり年月を重ねるうちに、前よりもずい分と落ち着いた歩きになったり、月日の積み重ねが脚の運び方にあわられたりするけど、そのことを悔やんだり悲しんだりすることはありません。
飼い主さんと一緒に冷たい風を受けながら、一歩一歩と歩く共同作業は犬の気持ちを飼い主さんに近づけてくれる時間になっています。
自然の良い気の流れる過ごしなれた場所での飼い主さんと犬のひとときは、飼い主さんにも犬にも「気持ちの良いとき」を与えてくれます。それこそが癒しの時間です。

犬を飼う目的が「犬に癒されたい」と口にされる方もいますが、癒しているのは犬ではなく犬がつながっているもっと大きな世界です。犬とともにいて「癒される」と感じるなら、その犬がつないでくれる自然の世界に、飼い主さんを案内したいと窓口になっていてくれるからでしょう。いつまでも間に立つ大変な役割を犬に負わせないで、飼い主さんと犬がいっしょにその癒しを受け取れるようになれば、犬との関係はそれまでとは違ったものになるでしょう。

犬と体験してほしい山歩きは、流行りのアウトドアイベントではありません。山で走り回ったり興奮したりはしゃいだりすると、自分のやりたいことが優先してしまってせっかくの受け取れるものを受け取る機会も失ってしまいます。「山に入るときには謙虚に静かに」これがグッドボーイハートのルールです。

山を知らない犬は最初はとても興奮してしまいます。テリトリーの問題、どのように行動していいのかわからない、人が管理できない空間の怖さ、他の動物達の気配におびえること、そして山を知らない人間の不安定さと自然の中でのバランスの弱さを動物として察知してしまうからです。

では何から始めればいいのか。筋トレなどは効果はありません。
わたしは「呼吸」を大切にしています。
自然の中で過ごすには、自然のリズムに共鳴できるようにすることです。
別のものとして自然が排除したいという存在ではなく、自然と共にいることを許される存在として自然に受け入れてもらおうと思うと、呼吸は自然にゆっくりと深いものに変わっていきます。
そうすると、きついと思う山登りなはずなのに辛さが全くなくなります。息もあがらなくなるから不思議です。結構急坂な尾歩山ですが、いつも落ち着いて歩くことをオポに求められれて歩き続けた結果、まったく辛さを感じずに呼吸を自然と整えながら歩けるようになりました。これもオポという犬から学んだ大切なことです。

癒しをちゃんと受け取れる方法は他にもあります。これも自然とできるようになるのですが、山を歩きながら「ありがないな」「気持ちがいいな」「豊かだな」と思えることです。飼い主さんたちも自然とそんなコトバを口にしています。自然の癒しの力は本当に偉大なものだと痛感します。
年をとって山に登れなくなった犬たちにも、まだ山に到達しない犬たちにも、尾歩山からすべての犬と飼い主に豊かさが届けられますようにと祈ります。

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屋外飼育から室内飼育へ:環境の変化が犬に与える影響

引越しは人にとっても大きな人生の変化です。生活環境が変わるというのは、どんな動物にとっても大変なことです。今まで理解してきた生活に必要なものを得るための地図をつくりかえる必要があるからです。今まで培ってきた地域とのつながりをつくりかえる必要がある。新しい職場で新しい仲間とひとつずつ関係をつくっていく必要がある。どれも大変なことですが、これは犬とっても同じことです。

犬から見るの引越しは、生活圏が移動するだけでなく別の変化を必要とされることがあります。たとえば、庭付きの戸建てからマンションへの引越しにより排泄が庭でできなくなり散歩時に排泄する生活に変わること。また、戸建ての庭で飼われていた屋外飼育をされていた犬が、マンションの室内飼いに変わる必要を迫られること、などもあります。タロウくんの場合には後者の方でした。

人も年齢を重ねてくると郊外や少し田舎の静かな環境の庭付きの戸建てでゆっくりと暮らす生活スタイルも増えますが、若い時期は両親との同居から独立して都心でアクティブに働きたいという時期でもあるので、犬の生活も都市型になっていきます。タロウくんの場合には、1歳を過ぎてから田舎の戸建てから都心のマンションへの引越すということでご相談を受けました。

戸建ての屋外飼育のときには、来客の気配や来客が室内にいる間中吠え続けてしまうような状態だったので「このままではマンションには連れて行けない」と感じられたようです。マンションは隣が壁ひとつですし、廊下を通る人の話し声、他の家を訪れる来客や宅配の車、近くの公園で遊ぶ子供の声、など周囲に家のない戸建て環境と比較すると刺激がすごく増えてしまうことになります。

タロウくんは確かに、来客があるとずっと吠えているようでした。最初に訪問したときにはタロウくんの吠え声で、飼い主さんとの会話が聞き取れないほどの声で吠え続けていました。このタロウくんの問題がタロウくんの性格にあるのではないことをお伝えしました。また、飼育環境としては屋外飼育が問題だったのではなく、落ち着ける環境を整えられていなかったことと、タロウくんの性格にあった接し方ができていなかったことがタロウくんの行動を落ち着きなくさせていたのです。

引越しすることがあらかじめわかっていたなら「犬を飼う」という選択はなかったのかもしれません。引越しを機会に「犬を他の方に飼っていただく」という選択も悪いものではありません。犬は終生飼育が義務付けられていますが、人の人生にはいろいろな予期せぬことが起きますので、犬の立場からみて犬が落ち着いて暮らせる環境が整えられる方を新しい飼い主さんを見つけることは、逆に飼い主としての責任であるともいえます。

しかし、タロウくんの飼い主さんは、タロウくんと一緒に暮らすことを望まれました。「犬に負担がかかることはわかっている。だけどいっしょに暮らしていきたい。そのためにできることをしたい。」という気持ちでトレーニングに取り組まれました。

静かな田舎環境から都心のマンションの室内飼育に変わるとなれば、犬という動物にはかなり負担のかかることです。この引越しという人生のハードルを「犬を理解する」機会に変えることが、飼い主としてタロウくんにとってできる最善のことです。飼い主さんはタロウくんの安定と安心のために真剣に取り組まれていました。

犬のトレーニングはまず犬を理解することです。引越し前の環境でカウンセリングを行いましたので、カウンセリングではこの環境がどのようにタロウくんに影響しているのかをお伝えしました。そして、タロウくんの行動観察や行動に関する情報を聞いて、現在のタロウくんの状態とタロウくんのためにどのような環境を整えることが安定した状態を導き出すことなのかもいっしょに考えていきました。

クレートを活用したトレーニングを導入しながら、長い留守番のストレスを解放させるためにしなければいけないこともたくさんあります。周囲の散歩コースは引越し前までは犬とも人とも会わないような田舎道だったのですが、その田舎道でも興奮して歩いていた社会性の育っていないタロウくんを落ち着かせるためには練習も時間もたくさん必要です。

散歩など外環境での犬の行動を安定させるためには、室内環境を整えるのが先です。家の中ではうちの犬は問題ないんです、散歩のときに引っ張るのだからと散歩の練習ばかりをしていると本当の問題を見失ってしまいます。本当の問題とは
「人と犬との関係づくり」です。それをわかりやすくしているのが、人と犬のテリトリーということです。

屋外飼育では犬の生活する場と、人の生活する場は分かれています。室内飼育では、閉ざされた空間である人の部屋の中に犬が生活することになります。ここで人と犬の関係が対立した状態であれば、互いの境界線が強すぎで犬はクレートから出ても落ち着かないという行動を示すようになります。飼い主さんとコミュニケーションをとりながら、お互いに「個」としてのスペースをしっかりと確保しながら、人と犬という家族という枠の中に入ること。それでも「人」と「犬」という生活の中に決められた互いのルールというのがありますので、人と犬はお互いの時間とスペースを尊重しながら過ごす必要あることなど、少しずつ飼い主さんは理解を進めていきました。飼い主さんの理解が進むと、犬に伝えたいことがこちらも少しずつ進んできます。

人がいると安定するようになったように思えても、室内飼育の別の問題も浮上してきます。室内で犬を飼育する場合には、人に依存させてしまいやすい傾向があります。過度になると分離不安といった状態で現れます。日本のアパートやマンションの部屋はそれほど広くありません。プライバシーを守るために窓も閉めたままになりがちで閉ざされた空間になりやすいのです。依存しやすい傾向はスペースの狭さからも生じてしまいます。

難しい環境の中でバランスをとっていくいうのは大変なことです。都市環境の犬と飼い主さんには、都市環境から抜け出す練習を取り入れながらいつかまた犬が元気なうちに新しい生活の場が見つかるといいなと思うのが正直なところです。
ですが、それまでは犬も飼い主さんのそばで毎日声をかけられるのを待っていることでしょう。タロウくんはまだまだ若いです。これから一歩ずつ飼い主さんと歩いていって豊かな毎日重ねていくのでしょうね。



※このコラムはグッドボーイハート生の成長を元に書いています。名前は仮名です。

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密集した住宅地の屋外飼育について

福岡市内とその近郊は都市化が進み始めて40年くらいはたとうとしているのではないでしょうか。小学校のときに博多区に住んでいましたが、昭和50年くらいに自宅の前の小さな道路が砂利道からアスファルトに変わり始めたころから、博多区も一気に都市化が進んでいった記憶があります。

佐賀県唐津市でも最近はスーパーが大きくなったり、大型のショッピングモールの駐車場もこの10年でずい分混み合うようになったなと感じていて、福岡には及びませんが都市化が少しだけ進んでいるのではないかと感じさせます。

都市計画とは少し違うでしょうが、住宅地のつくり方は時代にあわせて少しずつ変化してきているようです。ご自宅を訪問する地域によって家の使い方が違うなと感じるのです。バブルの時期に立てられた家の多くは、庭がほとんどなくて近隣の家とも接近しており、家の中はとても広くつくられている家が多いようです。環境とか自然とかアウトドアといった感覚よりも、室内を広くとって人を招いたり部屋の中で楽しみたいという間取りのようです。
最近では、庭や緑などの自然環境を家の一部にとりこもうとするデザインが多いのではないでしょうか。遠出よりも家の庭で休日をゆっくりすごしたり、自然環境を身近に感じていたいという基本的な欲求が復活したのかもしれません。近隣の家とも通りを隔てて接触面が少なくなるように配慮されているように感じます。

屋外飼育の場合には、こうした家のつくりが犬の飼育環境に直結して影響してしまいます。近隣との境界線が多く庭がほとんどない家の屋外飼育になると、犬が生活する場所は家の横のいわゆる「犬走り」といわれる通路になってしまいます。すぐとなりはとなりの家になる上に、それぞれの住宅地に圧迫がないように境界線は塀ではなく低いステンレスの柵のようなもので仕切られているだけなので、となりの人がすぐに横を通るスペースで犬が過ごさなければならないということです。

すぐ隣の家に犬がいなかったとしても、2件隣に犬がいるとすれば、風にのって犬の気配を感じることになったり互いの吠え声がとびかうかもしれません。生活圏のテリトリーの狭さは犬を落ち着かなくしてしまいます。
生活圏で犬が落ち着かなくなると、落ち着かないことを示すシグナルを表現しますのでチェックしてみてください。

キューキューと鼻をならす
円を描くように歩いている
柵の前をいったりきたりして歩く行動をする
柵に2本足立ちする行動をする
飼育場所の中にあるものをかじりはじめる
排泄を足で踏み散らかすようになる(特に便)
飼い主が犬のスペースに出ると飛びついたりマウンティングをしきたり服をかんだりする

以上は、その落ち着かないシグナルの一例です。

この落ち着かない環境を落ち着く場所にしてあげるための方法には限界があることも確かです。家の構造を変えることはできないので、庭を広くしてあげることもできません。隣の家との境界線を変えることも柵を塀に変えることも禁止されています。
それでも少しでもできることをしてあげれるなら「犬は隠れる動物」だということに基づいて考えてみます。
過去ブログ「犬は隠れる動物」も参考にしてください。

犬が隠れるためには外用の犬舎は必須ですが、夜に犬舎の中にいれても落ち着けない犬が多いのです。自分は逃げることができないのに外での動物の気配や音だけを感じるため相当に身をひそめていなければいけません。昼間は寝る場所に使う犬舎も夜閉じ込めるために使ってしまうと犬はますます落ち着かなくなることがあります。
犬の性質にもよりますが、耳の垂れている洋犬種は屋外飼育が得意でない事が多いため、夜だけでも室内のクレートに寝せてあげるなどの方法も取り入れることもできます。あくまで犬の性質と環境によりますので、洋犬種のすべてということではありません。ここでは一例としてお話ししていますので参考までにとどめ、迷ったら専門家に相談してください。

つないだ方がいいのか、つながない方がいいのかといった問題も、犬の性質と成長の度合い、飼育場所の環境や飼い主の飼い方によって異なりますので一概にどちらがいいのかと判断することができません。自由にさせてあげたいという思いから室内も外も行き来自由にしても落ち着かなくなってしまうことがあります。

どちらにしても落ち着かなくなるときには落ち着きをなくすという行動をしますので、犬の状態を受け取ることは可能です。犬の落ち着きのない行動、たとえば、飛びついたり、マウンティングしたり、吠えたり、ものをかじったりする行動をイタズラとして罰を与えたりゴハンを抜いたりするのは全くフェアではない上に、犬を理解するせっかくのチャンスを失ってしまいます。

都市環境で屋外飼育で犬を飼うことは、工夫すること、時間をとること、そして面倒かと思える犬を管理しなければいけない作業を日常の作業と思えるまでくりかえし行うことです。

都市環境で犬を飼うのは面倒なことが多いのです。それでも犬を飼いたいと思い、そのことで得られる幸せがあるのですから、がんばるしかありません。

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教え子たちの旅立ちに寄せて

グッドボーイハートを設立したのは西暦2000年です。設立から16年がたちました。

今までにグッドボーイハートの教室を利用してくれた犬たちが少しずつ旅立っていきます。今年も年賀状のごあいさつでお世話をした犬の旅立ちについて知ることになりました。しばらく会っていない犬たちもいますが、それでももうこの世で会うことができないのだと思うと、ただ寂しいと思い同時に飼い主さんの寂しさはいかばかりかと心苦しく感じることも確かです。ですがそれよりももっと心の中を占めてしまうのは、その犬と出会えたこと、そしてその犬を愛する飼い主さんと出会えたことに対しての有難いという感謝の気持ちです。その出会いを通して自分が得たものや学んだものは、何にも変えることはできません。旅立った犬たちは飼い主さんに大切にされ愛されて見事に新しい世界へ駆け抜けていったのだと思うと本当に感慨深いものがあります。

ドッグスクールを利用される方というのは、何か問題を感じられた飼い主さんが多いのです。その問題の大小というのは飼い主さんによって捉え方は違うのですが、犬の行動に困ることがあったとか、いろいろとやってみたけどあまり犬のことがうまくいかないとか、中にはとてもおりこうさんになってよく言うことを聞き生活上は問題がないのだけど、犬との関係に距離を感じるからという方もいます。子犬のころに始めたトイレトレーニングが上手くいったあとも、犬のことをもっともっと知りたいからと勉強を継続される方も多いのです。その中に「犬を理解したい」という飼い主さんの愛を感じるとき、その理解の度合いはそれぞれであったとしても、これさえあれば犬はこの飼い主さんの元できっと幸せに暮らしていけるだろうという安心を得ます。

その飼い主さんにとって唯一の存在である犬が飼い主さんの元から旅立っていった。
飼い主さんを悲しませたくないと一番思っているのは犬たちです。どんな旅立ちだとしても犬たちに必要であったから行くべき時期が来たからかえっていったのだと思います。犬がいってしまうと悲しく寂しいものです。哀しみを癒すものは、その犬の生前について思い出したり笑ったり話たりすることでしょう。すぐにはできないかもしれませんが、いつかその日が来ることを祈っています。

犬がこの世を去るシーンは「かぐや姫」だと思うのです。飼い主さんがどんなに愛して引きとめても、月からきたこの犬という使者はその役目を終えて迎えにこられたたくさんの犬たちに連れられてもといたところへ帰っていくのです。昨年の12月にグッドボーイハートの犬の先生だったオポが旅立ちました。オポの旅立ち後はグッドボーイハートの犬達をオポが迎えてくれると思うと、心もいくらか楽になりました。

さて、生きているものはまだやることがあります。先に逝った彼らに恥ずかしくないように、今日もたくさん働いて学んで、そして生きている喜びを感じます。

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お正月に活用する犬のクレートトレーニング

年末年始というこの時期に、犬が体験する可能性の高い非日常の出来事といえば何でしょうか。

ひとつめは「飼い主と共に実家に帰るの巻」です。
飼い主の帰省に犬が同伴することになります。この出来事は、犬にとっては「いつもと違うテリトリーで数日を過ごす」つまり旅行と同じようなものです。さらに、そこには普段はあわない人たちがいて、いつも以上に騒いでいる人たちがいる。もしくは帰省先に実家の犬がいるという複雑なケースもあるかもしれません。自分のテリトリーを離れて帰省先に自分のテリトリーをもつためには、それなりにいろいろと克服しておかなければいけないことがあるでしょう。
このケースで絶対に必要な道具は「クレート」です。帰省を含め、生活に必要な移動の多い生活の中では、クレートトレーニングの必要性については何どもお話してきましたので、再々復習をしてみましょう。クレートの利用は犬との旅行を勧めるものではありませんのでその点はご理解ください。

ふたつめはこの逆です。犬のテリトリーが実家でその家に家族が多数帰宅してくる場合です。帰宅してくる家族の中には小さな年齢のお孫さんもいるかもしれません。帰省した家族の方は久しぶりの犬との再会でうれしくなりすぎて、触ったり抱きしめたり興奮したりして接するのかもしれません。犬と人は相手が自分の中に存在している時間が違います。犬は再会によって関わりのある人を思い出すことはあっても、長い間思い続けたり思い出したりするような記憶の継続性というものを持ちません。犬はシンプルに今目の前にある人たちや社会的な対象がすべてなのです。犬が再会によって可愛がってくれた人に対する愛着を思い出すのは事実でしょう。ところが、人の懐かしさいっぱいの興奮した挨拶や必要以上に密接に接する非日常は、少し犬を疲れさせてしまいます。犬にとっては自然に行われるものであってほしいと思います。ぜひ、毎日接している人と同じように静かに犬に接してあげてください。犬は心からその時間を喜びとしてくれて、静かにそれに応えてくれるでしょう。

犬と出かけたり来客が頻繁に来ることを、犬がいつも喜んでいると思われてしまうことがありますが、よく犬の行動や表情を観察して犬の状態を把握してあげてください。犬は環境の変化に対して人よりも敏感に反応します。来客は外出はわかりやすい環境の変化です。環境の変化は多少なりとも犬に影響を与え、犬はそれを行動に示すことでしょう。その犬の行動が「喜んでいる」と受け止められてしまうようです。

まず、フェアではない理由は犬は人のように帰省という事情や内容を認知する能力はないということです。犬にわかりやすく説明することはできませんしその必要もありません。犬に対してフェアであるためには、人が必要で行うこうした非日常の環境の変化を、犬に負担がかからないように準備してあげることです。そのために室内飼育の犬にとってクレートや犬用ベッドといった道具は欠かすことができません。

人は環境の変化に対する適応力が高い上に、環境を変化させることを刺激のひとつとして楽しむ動物でもあります。犬と人では社会活動もテリトリーの構成も異なりますので、犬が人と同じように環境の変化を受け取っているのではないことも理解した上で、日頃から生活に必要なことを取り入れていくことも大切です。

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犬の個性が輝くとき

あと少しで2016年を終え新しい年を迎えることになります。
今年もなれ親しんだ人たちと共に学ぶ時間をたくさんいただき、久しぶりの方々と再開して、新しい人や犬と出会って共に学ぶ機会といただきました。その時間を十分に活用できたかどうかはわかりませんが、その瞬間には自分の力でできる限りのことはしたのだと、思い残すことなく先に進みたいと思います。

いろんなことがあった2016年ですがホームページ改定も行いました。少しずつ変化していくグッドボーイハートにどんなカラーが似合うのか悩んだ結果、グッドボーイハートカラーのぶれない紺色と行動と勇気を与えるオレンジカラーをベースにしてほしいことをデザイナーさんにお願いしました。そしてどこでもいいので虹色をいれてほしいという希望をつけました。なぜ虹色なのか、このことをお話しして今年のブログを締めくくります。

偶然なのでしょうが先日ふたりの方から「七山に行かれてどのくらいたちますか?」と尋ねられました。
「10年ですね。」
エー10年も!!!!という反応や、10年かあ~という反応をいただきました。
10年ひと昔といわれ、ひとつの時間の流れを感じる長さではあります。

山に犬と暮らして日常的に山を犬と歩くようになって、今までに犬のことを理解していると思っていたことのうち、やはり間違いなかったと確信したことと、逆に見方が間違っていたと気づいたことがあります。犬に対する思いは以前から変わっていないものの、犬のしつけとトレーニングの道筋はこの10年で大きく変わりました。
どの場面が変化を起こさせたのかはわかりません。自分の中でわかっていることは、小さな驚きや感動が気づきを積み上げさせたのだということだけです。

山の中で犬と休憩しているとき、ふと顔をあげると自分の前髪の中に虹色の光が見えました。その虹色は小さな玉の形をしていてストライプ上に虹色を発色しています。その虹色の玉が自分の1本の髪の毛の中にいくつも並んで動いているのを見ることができました。生まれてはじめてそれを見たとき、わたしが今まで見ていたものはその表面的なものだけなのかもしれないと感じたのです。こうだと思ってみているからそのようにしか見えない、知りたいという気持ちや早く解決したいという欲求を満たすため、本や知識を詰め込みすぎた大きな頭は知りたいと思うことを逆にわかりにくくしていたのかもしれません。

虹色は命の輝きのように見えました。こんなにたくさんの光が自分の中にあることを知ってうれしく、そしてまだまだ知ることができる、ちゃんと見ることができるようになりたいと強く思いました。それぞれの犬たちの持つ命の輝きを彼らが本当に取り戻すことができ、それぞれの色で輝くのをただ見たいと思うのです。明日がどんな日になるのかわからないけど、今日はとってもいい日だったねと犬が感じてくれるのなら、彼らの瞳の光がそれを語ってくれます。その光を失わないように、その光を取り戻すために、これからも学びつづけます。

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老犬との暮らし:排泄問題

老犬の生活のお世話相談を受けるために訪問レッスンに出かけました。
子犬のころから知っている犬だけに、老犬になっていく姿を見るのは切なくもあり、よくぞここまでがんばったなあと感慨深いものもあります。

犬が老年期を迎えるのは、7歳くらいからかと思っています。
少し早いと感じられるかもしれません。犬の7歳というと人の50歳くらいです。日本は世界でも長寿の国で健康状態もとても良いので50歳といえばまだまだ働きざかりではありますが、少しずつ「老化」を感じる年齢でもあります。犬も7歳といえばまだまだ元気いっぱいに走ることもできるし、よく食べよく寝て元気に過ごしていますが、体の中は少しずつ年をとっています。

小型犬と大型犬では生きている時間が多少違います。一般的には小さな犬の方が長く、大きな犬の方が短いようです。純血種になってサイズの幅が広がりすぎたのですが、実際には心臓のポンプ力はあまり差がないため、犬のサイズが大きくなりすぎると血液を末端までいきわたらせることが難しくなります。そのため亡くなる年齢も大型犬では7歳くらいでも十分に生きたと感じるし、小さな犬になると20歳近くまで生きることもあるので、長生きを期待しすぎることもあります。

13歳を過ぎるころから老齢に伴う生活の変化に準備を備える必要があります。先に述べたように18キロを超える大型犬の13歳というのはかなり体には負担がきています。血液のめぐりが悪くなることによる様々問題をかかえますが、特に排泄に関する問題は深刻です。
今まで散歩や庭で排泄ができていた犬が、歩行の不安定になると排泄の場所は次第にテリトリーの近くになります。庭まで出ていければいいのですが段差が困難になると庭に下りることも難しくなります。庭への段差をどのように作れば犬が負担なく外にいけるようになるのか、リフォームに近い改善の必要性が生じることもあります。マンション飼育の場合には、散歩でしかしなかった排泄をベランダでさせる必要が出てくることもあるでしょう。それもうまくいけば、室内に近い場所で排泄をしてくれるということで問題はありません。

問題は歩行がさらに困難になり立ち上がってトイレ場所まで歩くのが困難になることです。大型犬の歩行補助道具はいろいろと出ていますが、15キロくらいまでの中型犬では少しのサポートでうまくいく歩行の補助も大型犬となるとなかなか難しいものです。無理に持ち上げるというよりは犬が立ち上がろうとするのを補助するという形になるので、タイミングも必要とされるため立ち上がりの瞬間にすぐに駆け寄ったりと補助する方も気が抜けないものです。それでもタイミングを掴んでくると上手に立ち上がったり歩行補助を受け入れてくれるようになります。できることは自分でしたい自律した犬の場合には手を出しすぎないように慎重にサポートしたいものです。

排便も室内でしてしまうようになるケースがあります。便の出る指令を脳が上手に受け取れなくなったり、ちょっとした動きが刺激になって肛門が開いてしまうため、歩いていても、寝ていても便が出てしまうことがあります。犬は排泄後は大変いやな表情をしますが、静かに片付けてあげる必要があるでしょう。

老犬になって外での排泄が大変だったからという理由で、室内での排泄を犬に強いたり、子犬のころに室内でのトイレトレーニングを始めたときに、ずっと室内で排泄をさせ続けることは反対です。小型犬の場合には室内排泄が一般的になっているため、庭やベランダでの排泄を教えることのほうが難しいですが、排泄をどこでするのかは犬のテリトリーの作り方と密接に関わっており、自律して一定の安定したテリトリーを持っている犬は室内での排泄はしません。犬が屋外で排泄することはぜひ尊重するべきことです。老犬になってからの排泄問題は、老犬になってから犬が自力で外へ行くことができなくなるために起きることで、犬にとっても辛いことでしょう。できる限り外に出たいという気持ちを実現させてあげられるようにサポートすることを考え、いよいよ立ち上がりも難しくなったら汚れないようにすぐに清潔にしてあげることを心がけてあげてください。

室内での排泄失敗のためにオムツというケースもありますが、これもできるだけつけない方向で介護をしてあげられればそれがベストだと思います。長時間留守番になるため、排泄で汚れてしまうのがかわいそうという理由で着用される方が多いようです。体の不自由になった老犬の長時間留守番は犬にとっては負担になることです。子犬と老犬には留守番はさせたくありませんね。犬にかかわる仕事のいろいろな形で老犬介護のお世話のお仕事をされる方がいます。グッドボーイハートでも自宅訪問の老犬介護をさせていただきます。毎日となるとお金の負担も大きくなってしまいますので、プロの方とお友達や家族などに協力をあおぐ形で、不自由の少ない老犬生活を送ってほしいものです。

老犬になって屋外での生活であれば寒さに耐え切れず寿命もそう長くはないでしょうが、室内にいれて生活をしてきたのですから、それにあわせて寿命が長くなっているのは本来ならうれしいことのはずです。老犬の行動は子犬に戻っていきますが、自尊心のありようは長い間生きてきた動物のものです。老犬たちが安らかに旅立つまでにできることを、飼い主さんといっしょに考えていきたいと思います。

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犬が大好きなオヤツ:鹿肉ジャーキー

知人の猟師さんがグッドボーイハート七山校に立ち寄られました。
お土産に獲れたばかりという鹿肉をもってきていただきました。

普段から、肉を口にすることのないわたしですので、肉料理は得意ではありません。
思春期にはとても苦手だった肉は、今ではちゃんと食べられるようになりましたが、毎日の食事に必要だと感じることがないため、自分のための食事には肉を買うことはありません。菜食主義者ではないので、みなさんといっしょにいただくときには、おいしくいただきます。ですがやはり調理は上手にできる方でないと、おいしくいだたくことはできません。

大変な労力の上に仕留めた鹿をおいしくいただくために、少し手の入れ方などを教えていただきました。
外側に焼き目をつけて中身は生のままという、普段なら絶対口にしない鹿肉も食べてみました。
「おいしい」素直な感想です。

野生動物のおいしさは、仕留めたあとの「さばき方」次第だということです。鹿自体がすばらしく健康状態がよくても、さがき方がいい加減だと、肉のおいしさはなくなってしまうらしいのです。それで、上手にさばくということがどんなに大切なことなのかを、今までなんどか説明していただいたのですが、実際に食べてみると実感です。

犬は鹿肉が好物です。たいていの犬は鹿肉を生肉としても加熱してもペロリと食べてしまうようです。
ところが、今までに私が確認してきた中には、鹿肉の購入先によっては肉を食べないことがあるというのを聞いたことがあります。同じ鹿肉なのにどうしてなんだろうと思っていましたが、やはりさばき方の問題なのかなと思います。犬は血のにおいを嫌がったりはしませんが、痛みの早いものは食べると危険なものについては人よりも反応が高いのです。もちろん、中には痛んだ肉を食べて調子を崩してしまう犬もいるでしょうが、生肉の場合にはどうやら危険を察知して食さない犬もいるようなのです。人は加熱して食べるためその差には気づきにくいかもしれません。ですが、明らかに猟の直後の猟師さんのさばき方によって、その肉の状態は違うものになっているようです。

なんでも食べてしまう犬だと比較ができなくてわかりにくいですが、食べ方に差異があるような犬なら違いに気づきやすいですね。それよりも、今回は自分があまり得意でない赤身の肉をおいしいと感じたため、この猟師さんのさばき方は本当に丁寧なことを知る機会になりました。

みなさんも食べてみたいですよね。
犬用のジャーキーでまずは犬に試食してもらってください。
ヤクト株式会社さんのやまごちシリーズの鹿肉です。グッドボーイハートでもお分けしています。
直接ネットで購入することもできますので、関心のある方はご覧になってください。
やまごちホームページ

残念ながら人用食肉は食肉を加工して販売する、いわゆる料理屋さんにしか販売できないそうです。
鹿肉を加工したものを人用の商品を販売される計画もあるようなので、まずは犬たちに食してもらい飼い主の方は少しお待ちください。

今日は山も少しだけ冷えていました。
山から福岡へ、車のダッシュボードの雪はあっという間に消えてなくなります。

dav


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犬の尻尾の使い方:犬の身体的機能性の発達を求めて

今年最後の尾歩山(やま)トレッキングが終了しました。今年もなんどこの山を歩いたことかしれません。参加された生徒さんに改名後の名前にコメントをいただきました。「尾歩山(おぽさん)って、ほんと、いい名前ですよね。尾っぽのある動物って犬だけじゃないから、いろんな動物が歩いている山ということですものね」。そうなんです。尻尾のある動物は犬だけではありません。ことしは草履事件でお騒がせだったタヌキやキツネ、よく顔をみせてくれるアナグマ、近所の猫たちもしくは野猫たち、ウサギ、イタチ、サルなど。他にもいるかもしれません。

こうやって考えてみると、尾がないのはヒトだけですね。2本足で立って歩くようになると尾がバランスを保つのには役立たなくなり退化したあとの尾骨だけが残ったのでしょうね。尾でバランスをとらずに、体の軸でバランスをとろうというのですからヒトのバランスの取り方は独特なのかもしれません。

犬の尻尾がバランスをとるためにあるということは知られています。前後左右のバランスをとりますので、尾の動きも自由自在です。バランスを取るために動いているため、尾がよく動くときには「バランスを取る必要がある状態」であるともいえます。山歩きをしていると犬の尻尾が微妙なバランスをとるために動いているのを見ることができます。人の好む平地ではこうしたバランス感覚を必要としない事も多いため、尻尾も十分に活躍する機会がなく動きが鈍くなってしまいますが、山歩きにはこうした体の機能を充実させる機会を得ます。駆け上がったり走り回ったりするよりも、ゆっくりと歩いているときの方がバランス感覚を必要とします。バランスを取ることが苦手な犬は、ピョンピョンと跳ねながら登ったり、すべるように下りてしまうことになります。

尻尾は体のバランスをとるためについているのですが、感情がゆれると体もバランスを失うので、感情のゆれるときにも尻尾が触れてしまいます。人の状態を表現する言葉ですが、「浮き足立った」という表現がありますね。気持ちが浮いてしまうときには足も浮いてしまうということで、体と気持ちは一体なのです。

「犬が尻尾を振るときは喜んでいる」という古いコトバのようなものがありますが、「犬が尻尾をふるときは喜んでいることもある」という程度にした方がいいでしょう。犬の気持ちが動けば尾も動きます。恐怖を感じているときも、興奮しているときも、緊張しているときも、尾をふることがあります。動物の真の感情はなかなか理解しがたいものです。動物にとって何が喜びであるのかを、人が知ることはなかなか難しいものです。ゴハンの前に尻尾を振らなくても、満足してゴハンを食べている犬はたくさんいます。ゴハンの前に尻尾をブンブンとふるのだけど、興奮して食べてしまうため満たされない感じの犬もいます。尾を円形にふる犬もいますね。アニメのようですがこの状態では先の「浮き足立った」状態であり、尻尾の動きで飛んでしまうような感じでしょう。感情の乱れの多い若い犬でよくみられるようです。

やはり、堂々としたオオカミは尻尾の動きにも安定が見られます。気持ちが落ち着いている、バランス感覚がすぐれている、そしてバランスを取り戻すのも早いのでしょう。犬も少しずつ落ち着いた大人の犬になるにつれ尻尾の使い方も変わってきます。

尻尾を切られている犬たちの話しは前にも書きました。尻尾がないことで犬はバランスをとることが難しくなります。尻尾を切断することは犬たちにとって何のメリットもありません。人はこれだけ犬という動物を大切に思うことができるのだから、尻尾を切断するのを止めることはそろそろ決断できる時期ではないかと思います。法律にならなくてもみなさんひとりひとりの気持ちも問題です。尻尾は犬の一部です。犬の一部を切り取らないで、犬に尻尾のある生涯を与えていきましょう。

尾歩山、来年もたくさん歩いて犬の尾につなげていきたいと思います。

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