グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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クレートトレーニング

余震による揺れは福岡・佐賀北部地域ではほとんどわからないくらいになりましたが
現地では引き続き余震が続いており、心細い思いをしていらっしゃることでしょう。

被災により避難生活をしている伴侶動物たちも数が増えているようで
ボランティアや支援団体の皆様の活動に感謝いたします。
自分でも何かできることはないかと、知人や連絡がとれる近い地域の方へ
もしものときにはお声かけいただけるようにとお伝えしました。
まだこれから時間のかかる取り組みになりそうなので、あせらず
ひとつでもできることがあればそれを見つけて行動していきたいと思います。

過去の震災の教訓もあり、伴侶動物は飼い主さんといっしょに同行避難してください
というのが通例になっています。
避難の後一時的にボランティア団体などに預けられることがあるかもしれません。

福岡で西方沖地震があった際、避難した犬の問題行動についての相談を受けました。
こういうとき、これができていればストレスは軽減されるのになと思うことがあります。

それが、クレートトレーニングです。

クレートという名前を聞いたことがない飼い主さんも多いと思います。
クレートというのはキャリーケースの代わりとして運搬用に使われる
犬用のプラスチックケースですが、使用の目的は運搬だけではありません。
むしろ、運搬に使うのは「運搬時にも役に立ちますよ。」という意味です。

クレートは本来、室内で飼育される全ての犬に必要な場所です。
外飼いの犬の「犬小屋」にあたるスペースです。
犬用の場所というと、犬用のベッドがあります、とかサークルがあります、と
いわれることがありますが、どちらもクレートとしての用途を足しません。

クレートは犬にとって「巣穴」=「犬だけの部屋」になります。

犬という動物を理解するにあたり、いくつか大切な概念があります。
そのひとつが「テリトリー」=「なわばり」です。
犬はテリトリーがはっきりとしていないと不安になります。
避難場所のような場所や、避難のために知人の家に連れてこられた場合にも
新しい場所に自分の「テリトリー」がないと、最初は行動できずに大人しくなります。

ですが時間がたつと、犬が曖昧な「テリトリー」をはっきりとさせるために
排尿をあちこちにするマーキングや、吠えの行動がでるようになります。
避難した動物たちも時間がたつことにこうした行動が見られるのは、
このような理由からです。

クレートは犬にとって「自分だけのテリトリー」です。
そしてそれを移動させても使うことができます。
グッドボーイハート七山校でも来校される生徒さんが室内で休憩されるときには
犬たちにはクレートが準備されています。
生徒さんが自宅からいつも使っている自分の犬用のクレートを持参します。

犬たちに安心して休憩をしてもらうという目的と
移動先で安定した行動を引き出すためのクレートトレーニングを
スクールで練習する機会としているのです。

室内飼いの犬の場合にはクレートトレーニングは比較的容易に取り組めますが
外飼いの場合には多少時間がかかります。
クレートは犬が自分では出ることができないように、入り口を閉めてしまいます。
そのためクレートを「人が管理している場所の中」に置く必要があります。

クレートを屋外において閉めることはできないのです。
犬を不安にさせてしまうだけです。

そのため外飼いの場合には慎重に進めていきます。
それでもクレートトレーニングは可能です。

これからクレートトレーニングをしようと思われている方へお願いです。
クレートトレーニングは最初が肝心なのです。
クレートをいやな場所だと印象づけると、再トレーニングは大変難しくなります。

クレートの概念や導入の方法、犬にあったクレートのサイズや質の選び方
練習のステップアップなど、ぜひ犬の専門家の指導を受けてから導入してください。

災害は起こらない方がいい、でも自然の力を抑えることができません。
だったら、災害時できるだけ安全に移動してほしい、
そして犬の同行避難のストレスが軽減され、一時預かりへの適応が早まるように。

クレートトレーニング、しっかりがんばりましょう。


トレーニング5


Posted in 日々のこと, 犬のこと

フラワーエッセンスレメディ

昨日からの地震で被害を受けられた地域の皆様にお見舞い申し上げます。
ご家族の安否がわからないなど、不安を抱えていらっしゃる方々も多いようですし、
作業にあたっていらっしゃる方々の安全など、気がかりなことばかりです。

今すぐにお役に立つことができないけど、祈ることだけはできるのかなと
今はそれだけをさせていただいています。

今日はホリスティックな学びをするゼミナールクラスのアフタークラスがありました。
本当はいつも考えていなければいけないことだけど、こういうことがあるときにこそ
自分たちだったらどうするだろうということについても、皆で考えました。

福岡でも集合住宅の方は、揺れがかなり激しかったと聞きました。
地震が起きたときの犬の反応は、犬によって様々です。
余震が続いたこともあり、落ち着かなくなった犬もいたようです。

福岡の方は震源地から少し離れているので、人の方は「大丈夫」と考えて
自分を落ち着かせることができたとしても、犬たちは状況がわからないので
適応性の違いによっては、普段と違うことに落ち着きのない行動や
パニック行動が出てくることもあります。

こんなときはどうしたらいいのでしょう?というご質問をよく受けます。

最初にしていただきたいことは、飼い主さんが深呼吸することです。
犬によっては飼い主さんの状態に敏感に反応することがあります。
飼い主さんが緊張や不安を抱いていると、犬も同じようになってしまいます。
そのため、飼い主さんが少しでも自分の緊張を解いていただきたいのです。

もうひとつすぐにできる事があります。
グッドボーイハートのホリスティックケアの中でもご紹介している
フラワーエッセンスレメディを使うことです。
犬と人の両方に使うことができます。使い方は状況に応じますが、
緊急時は頻繁に利用していただくことができるものです。

フラワーエッセンスレメディの内容については奥が深いので、
こちらのブログでは省かせていただきます。
関心をお持ちの方はクラスのときにお尋ねください。
人のケア用品なので、詳しい本もいくつか出版されています。

今日のクラス参加者の方の中にも「持っていたけど使うのを忘れていた。」
という方がいらっしゃいました。
フラワーエッセンスレメディは困ったときだけでなく、気軽に使っていただけます。

グッドボーイハートでのレメディー使用の約束事で大切なのは、
「感謝して使ってください。」ということだけです。

追い詰められているとき、大変なとき、辛いときや苦しいときは、
感謝の気持ちを持つというのが難しくなることがよくあります。

レメディを手にとっても「ありがとうございます。」という言葉が
遠くなってしまうことがあります。
時間がたくさんかかることもあります。
もちろん、急ぐ必要もありません。

それでも、その気持ちが自分に帰ってくるのは、自分次第だと思うのです。
自分の気持ちを変えられるのは自分だけだと思うからです。

フラワーエッセンスレメディは不思議なものです。
それがあることに気づけるようになったときは、不思議と
「ありがとうございます。」といえるようになっている自分に気づきます。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

地図「オポの行動から学ぶメンタルマップの構築について」

新しい地図を購入しました。
しばらく使っていた地図がわかりにくかったためのバージョンアップです。

それにしても、マップ本は10年前よりもずい分薄くなってしまいました。
カーナビとスマートフォンの普及したため、
地図を利用する人が少なくなったからでしょう。

時代に逆行するようで申し訳ないのですが、
私はカーナビもスマートフォンも持っていません。

最初にご自宅への道順を伺うときにも、昔ながらの尋ね方で
「近くに目立った建物はありませんか?」
「一番近い交差点はなんという名前ですか?」
などと尋ねるので、不思議がられるものです。

カーナビを使わない理由ははっきりとしています。
カーナビだと全体を把握する学習が進まないからです。
ある地点から次の短い地点までは案内してくれますが
これだと全体が把握することに時間がかかります。

何度も地図を見ながら移動を重ねていると、A地点B地点C地点が
面の中でひとつになって、全体の中で自分がどこにいるかという
「メンタルマップ=頭の中の地図」というのが出来上がってきます。
これができると自分が今どこにいるのかという位置がより安定してきます。

実はこれと同じことを犬がやっているのを知りました。
オポが七山で過ごし始めたとき、山に入り始めたときのことです。
オポはどんどんと先に進もうとします。
自分ひとりでは進まず、私を先に進むように誘うのです。

私は良く知らない山道を進むことに躊躇しました。
野生動物に会うかもしれないとか、罠が仕掛けてあるかもしれないとか
不安の要素がたくさんありなかなか前進できません。

それでもオポは「もう少し先に行こう」と誘います。
また、わき道の方にも「こっちにも行ってみよう」と誘うのです。
交渉をくり返しながら、私もオポに支えられて行動の範囲を広げました。

ところがこれを一定期間くり返すと、その後はある拠点での滞在が長くなりました。
その拠点を中心に先に進むときも一定の経路を好むようになりました。
また経路によっては歩く速度が変化し、立ち止まって長い地点もでき始めます。

こうしたオポの行動を通して、私も一緒に行動することで知ったのです。
最初の行動は単なる好奇心ではなく、周辺を把握するための行動だったのだと。
その結果、「拠点」での行動に安定が出て落ち着いていられるようになったのだと。

犬の能力についてまだ十分に知りえていなかったため、とても驚きました。
野生動物だったら当たり前にしていること、
普段の自分たちの生活の中でも十分に大切なこと、
考えれば犬も動物なのだからできるのは当たり前なのですが、
それをオポが自分でやろうとしていたことにビックリしました。

オポとの行動を通して得られたメンタルマップから、私は山の地図を作りました。
その地図を生徒さんにも「保存版」としてお渡ししました。

どうすれば安定がはかれるのか。
オポの行動のベースでした。

カーナビには当分お世話になりそうにありません。
場所をお尋ねするときはご迷惑をおかけしますが、
メンタルマップ作成のため、これからもよろしくお願いします。

Posted in 日々のこと, 犬のこと, オポのこと

博多の老犬

博多駅の近くの公園の横に横断歩道があります。
公園から出てきた様子の雑種のわんちゃんと男性の飼い主さんが
横断歩道に差しかかるところでした。

飼い主さんはなぜか両手にいくつかのものをかかえていて、
犬のリードは地面についたままで引きずっている状態でした。

そのまま公園から出てきたのか、荷物を持ち帰るときにリードを
地面に落としてしまったのか、直前の状態はわかりませんでした。
ただ、瞬間的に「危なくないかな?」と思って注目してしまいました。
老犬風の犬でかなりゆっくりと歩いていたので、少し余裕をもって見守りました。

ちょうどその時、横断歩道の直前まで車が走ってきました。
飼い主さんは犬のリードを足で踏みました。
リードを踏まれた犬はビックリして振り返り、まん丸の目で飼い主を見ています。
そのとき、飼い主さんが「マテ」と大きな声を出しました。
それをまた、まん丸の目でじっと見ていました。

その様子を見ながら「えっと、そうよね。言いたいことわかるよ。」
と老犬の立場になって考えてしまいました。

犬の動きからすると、犬はまさにそのときに止まろうとしていました。
なのに、リードを急に踏まれて後ろから押されたような感じになってしまい
ビックリして振り向いたら「マテ」と号令をする飼い主が立っています。
こういうわかりにくいパターンってよくあるよね、と納得もしてみます。

考えを思いめぐらせながら通り過ぎた後、用事を終わって引き返してくると
その犬と飼い主さんとすれ違う感じになりました。

犬は少し離れていた私の方にまっすぐに近づいてきて、ズボンの匂いを少し嗅ぎ
まっすぐに例のまんまるの目で私を見上げてじっとしています。

犬のしたいようにさせてながらも不思議そうな飼い主さんに
「犬の匂いがついていたからかな。」と私。
「犬を飼っているんですか?」
「いえ、犬の仕事をしているもんですから。」
「ああ、だから寄って行ったんですね。」
といわれました。

年齢を尋ねると15歳とのことでした。
なんだかいろいろあったのよ、といいたげでしたが
「この犬は子供達に人気があって…」と飼い主さん節が始まると
それをさえぎるかのように、向きを変えてまた自分のペースで歩き出しました。

15歳ともなると犬も精神的に達観している感じがしてしまいます。
子犬の頃はこちらが育てているつもりでも、
いつの間にか育てられる方に変わっているような気もします。

なんだか素敵なホッとする出会いでした。


Posted in 日々のこと, 犬のこと

犬と犬の対面

プライベートのトレーニングクラスを受講中の犬を
お友達の犬とあわせる対面のクラスを開催しました。

飼い主さん同志がお知り合いだっため数回にわたって
犬同志がいっしょに散歩にいったことがあるとのことで、
生徒さんの方で撮影したビデオも事前に見せていただきました。

今回は対面のルールを決めてインストラクターが少しだけ
介入する形で対面することになりました。

犬同志はすでに何度も会ったことのある犬ですが
犬と犬の関係というのはなかなか簡単にはできないものなのです。

それでもルールをきちんと決めることで、少しずつ安定を増してきます。
なぜわかるのかというと、犬の行動に変化が見られてくるからです。

最初は多かった行動が減ってきた
最初はあまりなかった行動が出るようになった
など、クラス中は犬の行動観察に集中しています。

犬同志を仲良くさせたいというのが飼い主さん側の気持ちかもしれません。
ですが犬と犬は仲良くという言葉では表現できないような関係作りをしています。
人よりもより自然で率直な関係で、いわゆる上下というものだけでもありません。
それでも関係が安定してくると行動に変化が見られます。
犬同志の関係作りとその安定性は犬の社会性なので、どのように過ごすかは大切なことです。

犬と犬の関係には、犬と飼い主さんの関係の方が強く反映されています。
犬と犬の対面について詳しく知ることで、犬と自分の関係について知る機会になります。

今回のビデオは今月の犬語セミナーで採用させていただくことになりました。
犬語を読み解くことで犬の世界が見えてくるセミナーです。
今月もとても楽しみです!








Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬の起源

ロシア地域で氷河期の子犬の死骸が見つかったというニュースをラジオで聞きました。
約1万2千年前のものとのことで、発掘物による犬のものでは今までの最古と同じくらいのようです。
近くには火で焼いた形跡もあるらしく、人が近くにいたのではないかということでした。

犬科の動物が人の近くで生きるようになるまでには、とても長い時間を
かけたのではないかというのが私の推測です。
いろんな見方がありますが、人が繁殖によって改良したから犬になったとは思えません。

研究者ではありませんから科学的な根拠はありません。
ではなぜそのように思うのかというと、実際の犬の行動を通してそう思うのです。
犬は人為的な繁殖や異なる生活環境で過ごしているため、その能力の個体差は
大変大きくなっています。
ですが本来彼らが最大に持っていた能力というのは、人の手を借りずに生きていくために
十分なものだったのではないかということです。

オオカミとイヌのDNAは99%同じという資料を読んだことがありますが、
それに使われたイヌは実際にはどのようなイヌだったのかが知りたいところです。
純血種だったのか、ミックスだったのか、どのような地域のイヌであったのかも。

イヌの学名はCanis lupus familiaris
飼いならされたオオカミという意味ですが、Canis lupusはタイリクオオカミの学名。
イヌはその亜種ということになります。
分類学ではいろいろと説もことなり絶対ではありませんが、
要するにタイリクオオカミとイヌはあんまり変わらないよね、ということです。

本当に「飼いならされた」んだろうか。
本来の能力を失ってきただけではないのだろうか。
という疑問をもってしまいます。

「飼いならされた」というのはあまりにも人主体である気がします。

1万2千年前の子犬の死骸の検体について犬達は知りたがらないことでしょう。
人って本当に不思議な動物ですね。


明日のクラスの準備のために七山に移動してきました。
帰宅するとあちこちからウィーンという草刈機の音が聞こえます。
私もたまらず刈りバサミを抱えて山に入りました。

あと何万年もたって人類が滅亡、もしくは人間が激減したときに
森の中に潜んでいたイヌがこのわんこ山に下りてくるという妄想をしながら
せっせと刈りこみ作業を行いました。

何万年も先のことを考えたりするのも人間だけですね。

Posted in 日々のこと, 犬のこと

ブラッシング

ブラッシングが得意でない犬たちが結構多いようですね。
ブラッシングとはブラシで毛をとったり整えたりする手入れのことです。

本来の動物としての犬は「ブラッシング」なんかしていませんから
犬の方からしてみれば「余計なことをするな」というのが本音でしょう。

人側の立場からみて何故ブラッシングが必要なのかを整理してみましょう。

毛が散るから事前にとりたい。
毛が絡まって毛玉になるからきれいにしたい。

こんなところでしょうか。
犬によってはほとんどブラッシングの必要のない犬もいます。
アンダーコートが少なめで飾り毛のない毛質、本来の犬らしい毛質の犬です。

ブラッシングに困っている犬はこんな犬ではないでしょうか。

アンダーコートがびっしりとはえているタイプの犬
飾り毛のある長毛の犬
毛が伸び続けるタイプの犬

これらはいずれも純血種の犬たちです。
もしくはどこかで純血種の犬が混じったミックス犬たちです。

人が手入れをしなければ毛がうまく維持できないようになってしまったんですね。
こうした犬にはブラッシングが必要ですね。

「ブラシを見ると逃げるようになったんです。」というご相談を受けました。
まず犬の毛質をみて、現在使っているブラシの種類を聞いて、
どのように毛がとれているのかもお尋ねしました。
それで、私のお気に入りのペット用のブラシを購入してもらうことになりました。

ブラシが到着したので、どのようにブラシをあてていくのかもご説明しました。
私がやってみてその後に飼い主さんにも実際にやっていただきました。

よもぎブラシ
今までとは全くちがう犬の反応に飼い主さんもビックリです。

ブラッシングは毛を取ることを目的として行うと犬はいやがるようになります。
目的を「コミュニケーション」に変えるとうまくいくようになります。
ブラシで触っているという感覚ですね。
毛をとるためには少し時間のかかるやり方ではありますが、それを差し引いても
気持ちがいいことでブラッシングを受け入れてくれることの方がずっといいですよね。

犬の毛は犬の脳とつながっているんです。
安心できるブラッシングは犬に心地よさを与えます。
犬は正直に行動やシグナルで返答してくれるのでわかりやすいですよ。

今日からブラッシングが良いコミュニケーション時間になりますね。

よもぎブラシ3



Posted in 犬のこと

保護犬を迎える

天気も快復してトレッキングクラスが開催できました。
この季節はいくら歩いても疲れません。太陽が心地良いです。

参加したのは保護施設から家庭犬として保護犬を迎えられた
飼い主さんとそのわんちゃんです。

犬を家庭に迎える際、購入ではなく保護施設などからや
保護された犬を迎えられる方が増えているように思えます。

福岡県、福岡市も佐賀県も、新しい飼い主さんを求めるための
犬の譲渡会というものを開催するようになっています。
公報などにも掲載され、インターネットの普及もあり
出会いの機会が増えたことや、価値観の変化も起きているのでしょうね。

成犬を迎えられる場合には、その犬の過去の経歴がわからないということで
難しさを感じられることもあるかもしれません。

成犬は子犬よりも人との関係を築いていくことに時間がかかることもあります。
それでも、子犬だって人との関係を築いていくのに数年はかかるのです。
それを考えれば、どちらも長さとしては変わりません。

むしろ、経歴がわからないとしても今目の前にいる犬の状態はわかります。
そしてその状態の中から犬の本来の気質(性格)をいくつも拾うことができます。
予想通りということもあるし、予想に反してということもあります。
それを少しずつ理解して近づいていくことが楽しいですね。

飼い主さんの理解は犬の行動や表情の変化に表現されるので分かりやすいですよ。

今日来てくれたワンちゃんも保護される前とは別の犬のように
表情や体型が変わってきました。

飼い主さんも「来た当時は少し距離感があったけど、今は俄然カワイイです。」
とおっしゃっています。

そんな飼い主さんと犬の成長と変化を、一緒に楽しませてもらっています。

保護犬の性質を知るのはなかなか難しいものです。
いわゆる「保護犬とのお見合い」で悩まれている方を対象に
相談に応じるボランティア活動を行っています。
お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。










Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬と猫

ご家庭でドッグヒーリング中にある事がおこりました。

少し寒かったので縁側で窓を閉めた状態で
太陽に当たりながらドッグヒーリングをしていました。

しばらくすると庭に猫が入ってきました。
飼い主さんがいうには「野良猫」らしいです。
誰かが食べ物を与え、その辺をウロウロとしているのでしょう。

猫は、私と犬のいる縁側の方へ歩いてきます。
ところがあと2メートルというところで私と目があい
お互いに見つめ合った状態となり、猫が動きを止めました。

私はヒーリング中のワンちゃんが猫に気づいて興奮するのではと思い、
犬が猫から目線をさけるような方向であることを維持しながら
片方では猫から目を離さずに見つめ合っていました。
時間としては数十秒くらいです。

そのうち猫が2歩ほど後ずさりして、90度方向を変えて歩き始めました。

視力は人とは異なるので、目が合ったといっても私という人間を
きちんと認識できていたかどうかはわかりません。
犬の方はいつも室内にいるので、動く姿が見えていても
出てくることはないと知っているので気には留めないでしょう。

私の方は全く動いはいないのに、何か警戒しなければいけないというように
受け取られたのかもしれません。

犬と猫、大半は犬が猫を追う方で
猫が犬を追ってきたり攻撃することがある場合には
何か事情があるものと察します。

猫を追う犬の方には、特別な事情はありません。
庭でも散歩中でも、猫を追いやすい犬は追ってしまいます。
といっても、これは犬の性質だけの問題ではありません。
こうした犬が猫を追わなくなるようにもなります。

「動くものを追うのが習性」と単純にいわれてしまいますが
目に付いた動くものを全て追ってしまうのは
不安定な傾向のある行動です。

犬と猫は生活空間が近いため、関係性を見ていると
いろいろとおもしろくて、つい観察してしまいます。

その関係性も環境が異なると変わってしまうことは
全ての動物の不思議でもありますね。

コロ助わんげる160403

Posted in 犬のこと

パピートレーニングについて

生後2ヶ月の子犬ちゃんのところへ行ってきました。

グッドボーイハートでは生後4ヶ月齢(4ヶ月の誕生日まで)までをパピーと呼んでいます。

子犬という言葉や、子犬の顔の印象などから「赤ちゃん」と誤解されることも多いですが
生後2ヶ月というと、幼稚園生くらいにはなっています。

自分である程度の行動ができ、コミュニケーションも発達してきますし学習能力も日々高まります。
身近な人との関係性にも興味を持っています。

この時期は犬にとっては最も大切な時期であると同時に、大変な時期でもあります。
親兄弟と過ごしていた犬世界から、飼い主という人世界への移行期になるからです。
犬と人、全く異なる種の動物なので、生活環境やコミュニケーションも異なります。

人と暮らす犬は、人社会の環境やコミュニケーションも学習していかなければなりません。

昔はそんなことを難しく考えなくても犬は普通に飼ってたよね、と思われるかもしれません。
大変になってきたのは犬を飼う環境や人の生活環境が激変したこの50年くらいのことです。

特に集合住宅の室内飼いや、都会で戸建の庭のないビルタイプの室内飼いになると
人との距離感が近く、環境への適応性という学習にも時間と労力が必要です。

子犬を迎えたときは「うちの犬は吠えません」といわれる方が多いです。
子犬は吠えることよりも鼻をならすという行動がほとんどです。

生後5.6ヶ月になると吠えや散歩のひっぱりが出るようになります。
このころに相談に来られる方がいらっしゃいます。

問題を放置すると1歳ころから「じゃれ噛み」ではない「咬みつき」がでることもあります。
この段階で相談にされる方もいます。

問題が生じてくると「犬のしつけ本」やネット情報からいろいろ試してみられるかもしれません。
「いろいろやってみたけどダメだった」ということで1歳前後の犬の飼い主さんもいます。

専門家としてのアドバイスですが、しつけ本やネット情報、知人から聞いたという方法で
犬のしつけやトレーニングを行うのは危険です。

子犬の生活環境や性格と飼い主さんのできることにより、トレーニングの内容は全て違います。
トレーニングクラスでは日々の変化を見ながら、途中でトレーニング内容を変更する必要もでてきます。

子犬期の対応は、犬の性格形成と飼い主さんとの関係に直接的に影響します。
やってみたけど問題行動はなくならなかった、というだけでなく
実はやってみたことで問題が複雑化していることがほとんどです。

しつけ・トレーニングで大切なことは、まず「飼い主さんが学ぶ」ことです。

パピーは大変ですが、成長は楽しいものです。
子犬期は飼い主さんと関係を築いていくための大切で特別な時間です。

生後4ヶ月を過ぎてトレーニングを受講された生徒さんの100%が、
「子犬のときからトレーニングを受けていれば良かった。」といわれます。
その理由は「犬のことを理解せずに犬に行ったことで負担をかけてしまった。」というものです。
犬のことを家族同様に大切に思う気持ちから出てくる言葉ですね。

グッドボーイハートができることは、パピーを迎えた飼い主さんたちに
パピートレーニングの楽しさを伝え続けていくことです。

Posted in クラスのこと, 犬のこと