グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬のコミュニケーション欲求は本当に満たされているのか

犬にも動物が成長し生存していくために必要な「欲求」があります。

食べ物を食べたい、水を飲みたいというのも、その欲求のひとつです。

犬には様々な欲求があり、その段階も様々です。
人間心理学では、欲求を段階分けにして提唱した、心理学者マズローの
三角形の欲求の階層図がよく知られています。

犬も同じような欲求を持ちますが、その重要性は犬の成長や発達の段階、
犬の経験学習を含む性質によって、かなり異なっています。

人の欲求についても階層制を否定する専門家もいるようです。

人も犬も環境が複雑になることで欲求にも変化が生じる、ということかもしれません。


特に基本的な欲求の段階については、犬のいろいろな情報を得ることができます。

犬の基本的欲求とは、犬が個体として(犬自身として)犬という種として生存し、
それが維持され存続するために必要な欲求です。

食べ物や水を得るという生理的欲求は、基本的欲求に含まれます。
そして生理的欲求と同じくらい大切な社会的欲求も、基本的欲求のひとつになります。

イヌは社会性が高い動物であるということをこのブログでくり返しお伝えしてきました。
どのクラスのときも、イヌがいかに社会性の高い動物であるかということをくり返しお話しています。

私たちヒトも、同じように社会性を備える動物です。
イヌとヒト。どちらも社会性の高い動物であるため、その関係も特別なものになりえます。

イヌという種は、社会性を高く備えていることで、種としての存続が可能なのです。
これまでに多くの犬に関わってきましたが、すべての犬において社会的欲求の高さを感じる行動を見ることができます。

特に社会的欲求が高まるのは、生後3ヶ月~2才位までの少年期にあたる時期です。

生後2ヶ月までの子犬が、親犬に依存的に世話をして食べるものを与えられる年齢から
群れのグループの中にはいって役割をみつけ群れとして行動しはじめる年齢です。
犬にとって大切なことは、社会的コミュニケーションを身に付けるということ。
その過程を通じて、人という群れの一員となることです。

だからこそ、社会的欲求は、犬という動物の中では高い位置にあります。。

ところが、社会性を身に付けることができずに成長してしまった成犬の欲求は、
他の方向に偏ります。
起こりやすいのは食べる欲求に偏ることです。

「食べること」に欲求が偏ると、こんな行動が見られることがあります。
食べ物のにおいをかぐと行動が不安定になりウロウロしはじめる、
テーブルの上に食べ物を置いておくと勝手に取って食べてしまう、
食べ物がでる気配を感じると興奮して多動になったり飛び跳ねたりする
などです。

欲求が偏ると執着という行動で現れます。
犬はよく食べますが、食への執着は元気で食欲旺盛というのとは、異なる行動です。

他にも社会的な欲求が抑えられていることがあります。
特別なケースは、精神的病理状態に置かれており欲求行動が不安定になっている場合です。

また社会的な経験をする機会や環境た整わずに過ごしていたことで、
人は食べ物と寝る場所を与えてくれるだけとコミュニケーションを求めなくなることもあるでしょう。

もし現在、社会的なコミュニケーション欲求が高いと感じるなら、それはチャンスです。

コミュニケーション欲求が高いと、人にとっての問題行動が多発することもあります。

問題行動の症例は、また次回ご紹介します。


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犬を店につながないで:犬にできることとできないことを知る

スーパーやコンビ二の前に、犬がつながれている風景を見るとドキドキします。

犬に関わる仕事をしているので、犬の事件がいろいろと耳に入ってきます。
店の前につないでいた犬を取られるという事件が、案外多いのです。

店の前につないでいたけど、上手に待てるんですよ。
という話しを聞くと、慌てて止めるようになりました。

自分が盲導犬育成のための訓練をしていたときは、
あらゆる状況や場所で待てるようになる必要があるため
コンコースや駅の待合室などで「マテ」の練習をかなり取り入れていました。

ただ、それも犬だけにして誰もいなくなるという状況にはなりません。
盲導犬使用者しか入れないようなところに一時的に移動したときに
他の方が見ている状態で待つことができるように、という内容のものです。

店の前につないでワンワンと吠えている犬の場合には、
犬を連れて行こうと考える人も少ないかもしれません。
犬を抱いて立ち去ろうとしても、吠えられては大変です。
逆に、店の前でおとなしく待っている犬については、
連れ去ってしまうことがあるのです。

許しがたい犯罪であるとは思いますが、探し出すことは困難です。

犬を黙って連れて行くなどと、そんなひどいことをする人がいるわけないと
思うかもしれませんが、実際に起きていることだということを認める必要はあります。

他にも犬を連れ去られてしまったケースのいくつかをこちらに上げます。
これを参考に、犬の連れ去りを受けないように対応をお願いします。

1 エアコンをかけておくためにエンジンをかけてドアを開けたままにしたため
車ごと持ち去られた。
※犬はクレートに入っていたようで、車を目的とした犯罪です。
でも犬は帰ってきませんでした。

2 犬と散歩中に、携帯電話を扱っていたら、自転車で走ってきたひとが
犬を抱き上げそのまま逃走した。
※小型犬のケースです。

3 犬と散歩中に、車で横づけされて「かわいいですね。抱かせてください!」
と話しかけられ、抱かせたらそのまま車で逃走した。

抱き上げられて逃走されるケースが多く、犬の連れ去りの多くは小型犬です。
小型犬はほとんどが純血種かそのミックスです。
犬を連れ去る人の目的が何なのかはよくわかりません。

犬をものだと思い、バッグを取るのと同じような感覚で盗むのかもしれません。

心無い人がいることに気持ちは沈みますが、犬を守れるのは飼い主さんだけです。

店の前につないでおいて、犬が何かにビックリして首輪が抜けて逃走したとか
犬がビックリしてつながれていたものを引きずって逃走したというケースもあります。

犬と散歩中に立ち寄れるようなところであれば、家のすぐ近くですね。
犬を一度家に連れて帰り、再び買い物に行くことは、飼い主さんの犬への配慮です。

ちょっとした気持ちの緩みで後悔することのないように、その気持ちは犬に伝わります。

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マーキングの場所でわかる<つづき>

昨日のブログで「テラスマーキング」についてお話しました。

一般のご家庭ではあまりないシチュエーションかと思いますが、
お友達の犬が自宅へ遊びに来て「テラスで排尿」ということはあるかもしれません。

自宅のテラスでも「うちの犬はテラスの支柱でマーキングする」
「うちは、テラスで排尿する」という行動が起こることもあります。

そのテラスですが、テラスは屋外か室内か、微妙な場所にあります。
まず、このことを犬がどのように理解しているかが行動の鍵を握ります。

一般的に、テラスは人のスペースです。
人のスペースというのは、人がものをおいたり管理したり
食事をしたり、休憩したりする場所のことをいいます。

屋外のテラスを人のスペースと認識することができるかどうかは、
犬の経験学習のレベルによってことなります。
屋外飼育だからテラスを人のスペースだとわからないというわけではありません。
人のスペースと犬のスペースをわかるかどうかは、人との関わりによるものです。

犬がテラスを人のスペースだと認識するのは、テラスに人の「もの」があり、
人がそこでくつろいだり、滞在するようなイスやテーブルがあるためです。
それらの「もの」人が管理していることを、観察によって知ることができます。

テラスにマーキングをする犬は、そこが人のスペースだと知らずに
やっているように思えますが、多くはその逆です。
テラスにマーキングをする犬は人のスペースだということがわかっていて
マーキングを行っています。

テラスにマーキングする状態の犬は、同じ理由で車のタイヤにもマーキングします。
数日前のブログに書きましたが、人が設けた境界線のシャッターのようなものにも
マーキングをする傾向が見られます。

室内飼育の犬で、室内ではマーキングをしないという犬も、自分のテリトリーを
離れた場所では、人のテリトリーに執着する行動をするのです。

テラスでのマーキング(排尿)をしない犬には一定の行動のパターンがあります。
人との関係性に一定の距離感があり、それを保ち続けることを維持しようとしているようです。

人に一定の距離感があるといえば、野生動物です。
これらの動物たちも、今のところテラスにマーキングをしません。
少なくともうちではマーキングをされたことはありません。
私は野生動物にえさは与えません。声をかけたりなどのアプローチはしません。
餌付けをすれば、マーキングが始まるかもしれません。

猫には一度マーキングをされたことがあります。
テラス横がキッチンとなっていて、テラスで冷していた肉を狙われたことも
ありました。えさを与えたことはありません。
マーキングは人に対してではなく、猫間のもののようでした。
野猫ではなく、近くの民家で飼われている猫だったと思います。

マーキング行動の場所などで、犬の状態や行動の特徴がつかめてきます。

マーキングはしないよ、という犬の場合でも、テラスでお膝へダッコということでは
やはり同じことです。

マーキングをしている状態では、行動の安定を得るのには遠回りです。
よい関係作り、安定して過ごせることのために、
できることはたくさんあります。

とりあえず、犬の行動のメッセージを受け取ることを大切に、です。

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マーキングの場所でわかる

台風のため、3連休のテントクラスも途中で解散となりました。
一泊目もテント泊がうまくいきませんでした。
犬と飼い主さんの行動が、家に隣接したテラスを中心に動くというものになりました。

どのような場所でも、犬と飼い主さんが行動をしている限り、
その行動の範囲や行動の種類について、観察して考察をするが仕事です。
私自身が近くで影響を与えると、犬も飼い主も行動が変わってしまいます。
できるだけ日常の行動を見たいので、遠巻きに観察をしています。

テラスには、各飼い主が犬のために持参したクレートが置いてあります。
そのクレートは、犬にとっては移動式のハウスです。

本来生活するテリトリーから離れて滞在する場合には、マイクレートがあると安定します。
(※テリトリー(なわばり)にはいろいろな概念がありますが、
ここでいうテリトリーとは、生活圏の意味のテリトリーです。)

クレートで落ち着いていられるようになったら、そのクレートと飼い主の位置を中心に
犬が移動できる範囲が決められていきます。

クレートという自室のテリトリーを離れて歩き続ける場合には、
それほど難しい問題は起こりません。
犬の行動が不安定なるのは、クレート周辺の行動なのです。

なぜ、クレート周辺の行動が不安定になるのでしょうか。


クレートの周辺には、クレート周辺テリトリーというものができます。
室内にクレートをおけば、室内がそのテリトリーです。
テラスにクレートをおいて滞在すれば、テラスがそのテリトリーです。

クレート周辺のテリトリーはとても不安定になるのは、
そのスペースが他の犬との共有のスペースであり、
自分の砦となるクレートの周辺を、他の犬もウロウロとすることになるからです。

テラス周辺を犬がウロウロとしているときには、目が離せません。
遠巻きに観察したいのだけど、管理者としてやってほしくない行動があるからです。

マーキングです。

テラスと庭の境や、テラスの支柱や、テラスにおいてあるテーブルの脚に
マーキングをされることがあります。
リードをつけていてもマーキングをされることがあります。
1頭がマーキングをすると、ルールが破られたかのように他の犬もそれに
続くことがあります。

テラスは洗い流しができないことと、以前はオポのテリトリーでもあったため
テラスマーキングには私も敏感になっています。
遠巻きに観察している場合ではなく、止めに入る必要があります。

マーキングはオスの脚上げ排尿が多いですが、メスもマーキングします。
脚を上げなくてもマーキング行動は起きるのです。

ところが、テラスマーキングは私が犬たちを見ているときや
私がリードを持っているときには、マーキングは起こりにくいのです。
マーキング行動に気づきにくいということもありますが、
犬が不安定な動きを始めると、リードを短くしたり、声をかけるなどの
習慣が身に付いているからかもしれません。

マーキングにはマーキングをしやすいという性質もありますが
環境の変化と関係性に関しての不安定さが見られるというお知らせでもあります。

マーキングをさせないようにするための対処法はいろいろとありますが、
テラスでマーキングをしなくてもいいような、人との関係性をつくっていくことは
もっと大切なことです。

何故「人との関係性」なのか?と思われた方は、
明日のブログもご覧ください。

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Posted in 犬のこと

今日の夜、ラジオ再放送です

先月、ラジオ出演したものが、本日再放送されます。


9月18日日曜日 午後10時~11時

LOVEFM 月下虫音(げっかちゅうね)

で聴いてください。
佐賀方面の方はラジコで有料登録をすると、全国のラジオが無料で聴けます。

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草を食べない犬たち

昨日のブログで「草を食べる犬」のことを書きました。
犬が草を食べるのは故事にもあるほどの日常の風景だったのでしょう。

ところが、最近では草を食べない犬もいるのです。

草を食べない犬もいることを知ったのは、
生徒さんの犬たちと山歩きをしたときのことです。
草を食べている犬たちをみ飼い主さんがこういいました。
「みんな草を食べるんですか?うちの犬は草を食べません。」

最初に聞いたときは、少し驚きました。
個人レッスンのときに、「草を食べのですが大丈夫ですか?」
という質問はよくありましたが、逆の
「草を食べないのですが大丈夫ですか?」
という質問を受けたことがなく、みんな食べるものだと思っていました。

草が食事というわけでもないので、必要ないから食べないのだろうとは思ったのですが
草を食べない犬たちには共通点がみられました。

外であまり、もしくは全く水を飲まず、帰宅してから飲む。

他には、飼い主さんから離れられない傾向が強い犬が多いようでした。


今は草を食べない状態だから、これが草を食べるようになれば
何かが変わったといえるのではないかと思い、観察を続けました。

結果、水を飲まない犬は水を飲めるようになりました。
水を飲まないのではなく、水を飲めなかったのですね。

そして、草を食べない犬の中には、草を食べるようになった犬もいます。
犬の体型や被毛の状態とあわせてみていくと、健康的になるに従い
草を食べるようになった傾向があります。

体調を崩したことで草を食べるようになったのではないようです。

犬が自分に必要なものを、人から与えられるのではなく自分で得る力。
これは犬の習性の中のひとつです。
犬が得ようとする必要なものも、環境の中になければ選択することはできません。
その環境は慣れ親しんだ場所でなければいけません。

昨日ブログに書いたように、「これを食べなさい」という草の与え方では
選択力は育てられないということです。

自然に近い環境を自宅や仲良しの知人の庭先などに準備してあげれば、
犬はいつか必要なものを選択する力が育って、その中の草を食べるのかもしれません。

必要な環境を提供する。
そして犬がそれを自ら利用する。

雑草の生えている庭でも利用価値はあるということです。

でも草刈はしてくださいね。
草を刈り込んでいない土は硬くなり、そのうち硬くて長い草ばかりになります。
犬が好むのはイネ科の雑草です。
イネ科の雑草は水分の多いやわらかい土の上に伸びるのです。
庭の端の部分を掘り返してそうした場所をつくるのもよいかもしれません。

庭の手入れをしていたら、イモリが数匹も出てきました。
イモリは漢字で井守と書くようです。井戸を守ってるということなのでしょうか。
土が軟らかくなるといろんな生き物が戻ってくるかもしれませんね。

ぜひチャレンジしてください。

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Posted in 犬のこと, 自然のこと

草を食べる犬:犬の自然とのつながりを示すいろんな行動

自分の持っていた国語辞書(かなり古い)の後ろに故事が載っていました。
辞書はすでに処分してしまったので、うろ覚えではありますが、
「犬が草をはむと雨が降る」というようなものでした。
「草をはむ」の「はむ」とは古い言葉で、「食べる」という意味です。

確かに犬は草を食べる、だけど雨が降らない日もあるのにね、と思いました。
受け取り方を変えてみて、犬はいつも草を食べているけれど、
犬が特にたくさん草を食べるときは、雨になるのかもしれないといわれると
少し納得するような気もします。

雨が降りそうということは、気圧が変化するということです。
ということは、犬の自律神経にも影響をあたえます。
過去ブログ→犬の自律神経を整える
犬は活動を控えて休息に入り、消化器系を助けようとするからです。
犬は草を食べることで、消化を助けていることもあるようです。


うちの犬は草を食べるんです。どこか悪いのでしょうか。
と、心配する飼い主もいます。

犬は草を食べたあとに、胃の内容物を吐き戻すからかもしれません。
犬が草を食べる理由のひとつに、吐き戻しを必要としています。
これは犬の自己治癒的な行動であり、ビックリするようなことではありません。
異物を飲み込んだときも、同じような方法で吐き出すこともあります。

犬は人よりもよく吐き戻しします。
人よりのよく飲み込む分、吐き戻しの力も強いのです。
消化できないものや、消化に時間がかかっているもの、
また胃液がたまりすぎたときにも、余分な胃液の処分のために吐き戻しをします。
こうしたときはよく草を食べているようです。
胃液を出すときは、草にまじって黄色いツーンとした臭いのものがいっしょに出てきます。

うちの犬は草を食べるんです。どこか悪いのでしょうか。
と、心配される飼い主もいます。
体調を整えようとして草を食べていることを
具合が悪いのだといってしまえばそうなのかもしれません。

体調を整えるため行動することが、犬は人よりも多いのです。
それだけ自分の内面の変化に敏感で、体が自然に反応するということでしょう。
そうした力は犬の動物としての底力のようなもので、尊重したいですね。

除草剤をかけられているから心配という気持ちには同感します。
動物たちが食べることを考えれば、除草剤は簡単には使えないものです。
犬だけでなく猫も鳥も、そして昆虫たちはもちろん草を食べています。
その昆虫を殺すために、はやり除草剤ということかもしれません。
生き物の共生というのは、むずかしいものです。


犬が草を食べることは大切なことです。
都会に食べる草がないなら、雑草を植木鉢に植えて育ててください。
犬猫のためのの草というものも売っていますが、
いろんな草の中から犬が選択するっていうことも大切なことです。

でも、こうした対処法ではうまくいきません。
都会の犬たちは草も食べなくなってきているからです。

続きは明日。


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Posted in 犬のこと, 自然のこと

畑部報告<芽を出す>

グッドボーイハート七山校の畑の種まきから数週間がたちました。

畑部の部長が、「苗ではなく種を植えます。」ということだったので
芽が出てくるのが最初の成長のステップでした。

それで部長から「畑はどうなってますでしょうか。」と連絡を受け、
戻った翌日に畑のチェックをしたら、芽のようなものが出ているのを見つけました。

翌日、畑部長が目視して確認し「芽が出てる」ということになったのです。


この「芽が出る」という感動は、なんとも言いがたいものでした。


私も畑を少しやってみましたが、そのときは苗を植えました。
苗は葉が出ている状態なので「芽が出る」感動を味わうことはありません。

種から芽を出すということが、いかにすごい事なのかということです。


畑部長と振り返ってみたのですが、2週間くらい芽が出なかったのです。
それで、なかなか芽が出ないねという話しになっていました。
もう少し待って芽が出なかったら、もう一度種を植えるという計画だったそうです。

それが、一気に芽が出てきたのです。

種の方では、土に植えられる直前は冬眠状態です。
種が土から栄養を吸収して、芽を出す準備ができているのに、
それに気づかずに掘り返してしまったら、きっと種は死んでいたでしょう。

でも土の上からなので、種がどうなっているのかわからないため、
最初はまだかな~と期待しているのに、長く待たされると、
もう芽は出ないのかもしれないと一方的に落胆してしまうこともあります。


なんでも比較してしまうのは悪い癖ですが、やっぱり犬も同じだなと思うのです。


犬に必要な環境を順番に整えていき、必要な接し方をします。
少しずつ練習を重ねていき、毎日同じように接する生活に取り組みます。

なかなか変化しないように思えても、種が栄養を吸収するように膨らんでいきます。
それでも傍からみると、特に変化した様子が見受けられません。
あまり変わっていないように思えるのです。

ですがその変わっていないように思えるのだけど、膨らんでいく様子が
ずっと犬の成長を見守ってきたためか、自分にはよく見えます。

あと少しで芽が出そうだなという時なのに、人の方が飽きてしまうことがあります。

これ以上変わりそうにないやと、犬に対して積極的になれなくなるのです。
変化していく犬の姿がイメージできないようです。


あと少しで芽が出るのに、と思うのですが、
人の関心は遠のくとなかなか戻ってくることができません。
他に関心のあるものを見つけてしまったのか、芽が出ることを諦めてしまったのか。

飼い主の関心が離れてしまうと、芽を出そうとしていた犬も途端に伸びる力を失います。

犬の芽が出るまでの時間は、植物よりはずっと長くかかります。

特に成犬で迎えた犬の場合には、これまでの経験が長いため変化が訪れるのが遅いです。


でも、犬の時間の流れは人の7倍の速さで、人の成長よりはずっと速いのです。
だから人は犬の芽が出る瞬間を見る喜びを得られるのですね。


子犬のころはどんどんと芽が出るような気がします。
次は芽を伸ばしていくことになり、基盤のない子犬はここからが試練です。


成犬で、ずっと芽をつまれていたときは、最初はなかなか芽が出ません。
それでも根気強く取り組むと、やっぱり芽が出るのです。

生きてるってスゴイなと感じるし、犬ってスゴイなと感じます。
そしてなによりも、その芽を出す環境をつくって来た飼い主に対して
スゴイことしたんですよ、という敬意の気持ちでいっぱいです。



畑の芽は次の試練を迎えています。
育てることって大変だけど、喜びがいっぱいありますね。

犬育てよりも速い植物の成長に、私も目が離せません。

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熊本県動物管理センターの報道

熊本県動物管理センターの件でお知らせします。

明日のテレビ「アサデス」で、熊本県動物管理センターから、福岡市動物愛護センターへ
移動してきた犬たちのことが報道されることになりました。

放送予定時間は朝7時50分のようです。

熊本動物管理センターの方にも、テレビ局の取材が入ったそうなので
あわせて、施設の様子なども報道されるかもしれません。

テレビを視聴できる方は、ぜひご覧になってください。



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複雑な犬のシグナル<ガマンする犬たち>

犬の抱える問題となる行動は、年々複雑になっているように感じます。
それは、人の環境の複雑さやコミュニケーションの希薄さに伴うように、
人に近い犬という動物にのしかかっているようにも感じられるのです。

犬のおかしな行動は、今までの犬の習性には当てはまらないような、
ストレス状態を表現する行動であることが多いのです。

キュンキュン、エンエンと鼻を鳴らし続けている犬
自分の手足をなめ続ける犬
自分の尾を攻撃する犬
くるくると回る犬
ピョンピョンと飛び跳ねている犬
一の字のポーズで伏せて休む犬
走り回る犬

・・・・など、あげればきりのないほどです

これらを擬人化するとこういわれます。
「寂しいのね」「楽しいのね」「遊んでいるのね」「眠たいのね」
そして、ストレスの合図に気づくことが遅れてしまいます。

こうしたストレスの合図に気づき、相談を受けるケースはあまりありません。

このストレス行動を放置した結果、攻撃的な行動が見られるようになると、
飼い主は、困ったことになったなと思われるようです。

触ると咬みついたりうなるようになる、
散歩中に他の犬を見て吠えるようになる、
ドッグランで他の犬を追いまわすようになる、という行動です。

こうした問題行動がきっかけでレッスンを受講する機会を得られると、
今までの受け取り方がいかに逆だったのか知り、犬を理解していくチャンスを掴んでいただけます。

ところが最近の犬は、上記の鬱々とした状態が長く続くこともあるようです。

咬み付くようになったという相談が、犬が3歳くらいからということであれば
その数年前から、ストレスのシグナルは起こっていたと思われます。

犬は飼い主の顔色をみながら、行動を抑えていたのかもしれません。
室内飼育で人との距離が近くなり、飼い主との関係を保たせる必要ができたからです。

それは、「飼い主を思いやって」などということではありません。
単に犬の習性からくる行動です。
犬という動物が、いかに社会的な動物かということです。

人為的な繁殖や、人の犬を飼う環境が特異化してきたことにより、
犬の習性、つまり犬の本来の行動は減少しています。

その中でも、犬がグループへ所属するための社会的行動は根強いものです。
攻撃や逃走を避け、なめて自虐したり、じっとして動かないでいるのです。

犬が人に従ったからといって、犬が行動したからといって
犬が好きでやっている、喜んでいると思ってしまうことを一旦止めてみます。
犬は所属するかぎり、そうせざるを得ないのです。

ガマン強く社会的行動を維持刺せようとする犬は、一見問題のないように見えます。
もちろん犬は問題ではありません。
問題となるのは、人の接し方や犬にさせていることを含む環境そのものです。
ところが、犬がそれを解決するということはありません。
そこまでの自律性を与えられてはいないからです。

かみつく、吠えるといった訴えの大きい犬の声は取り上げられます。
行動を表現しようとせず、耐えている犬の声は取り上げられにくいのです。

聞こえない声を、行動をひとつひとつ書き留めることで聴くことができます。
それが行動を読み取ることの楽しさであり、分かり合えることのすばらしさでもあります。

新しいことには勇気がいります。
でも信じる力があれば大丈夫です。

今よりもより良い関係をつくっていく。
社会的な力こそ、犬の本来の力です。
その力は飼い主さんの本気で引き出せるのかもしれません。

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