グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬とテントで過ごしたときに見た夢:今度はたくさんの犬が出現する!!

 ゴールデンウィークはどのように過ごされていたでしょうか。
たくさんのお休みでマンションを脱出して自然の中で犬とゆっくり過ごした方もいたでしょう。
ご自宅のお庭で日向ぼっこする犬とまったりと過ごされた方もいたことでしょう。
 グッドボーイハートの七山校でも晴れのひとときを犬たちがそれぞれにゆっくりと過ごしていました。自分もテントクラスに参加して、犬たちの今年はじめてのテント泊をしました。

●テントでふたたび見た不思議な夢のこと

 犬と寝るテントクラス(ドギー・テントクラス)の夜に、また不思議な夢を見ました。わりと夢を覚えているほうらしく、今までにも何回も現実なのか夢なのかわからないほどの感覚のある夢を見たことがあります。テント泊のときにもなんどか同じ経験をしたことがあります。
昨年のテントのときに見た夢については以前ブログで紹介しました。
 こちらです→犬とテントで過ごしたときに見た夢:動物の楽しい化かしなのか?

 そして、また不思議な夢を見ました。その夢はこんな内容でした。

 テントの中でいっしょにテントにはいった飼い主さん1名といっしょに座った状態で体を起こしています。わたしたちが身を潜めてみているのは、山の下からゆっくりと人の道を上がってくるいくつかのライトの光でした。身を潜めているのでお互いに言葉もなく、テントに入っていた犬たちも伏せていますが静かにしています。ライトはどんどんテントに接近してくるのがテントの中からすけるように見えます。レースのカーテン越しに見ているような感じです。

 接近してくるとより詳細に様子がわかりました。ライトを持っていた人が7,8名くらいいて大人から子供まで横一列にならんだようにたっています。服装はぼんやりとしたブルーっぽいカモフラージュのような色で少し古い雰囲気のもんぺと羽織のようなものに見えました。
 声が聞こえてきました。「こんにちわ、何かご迷惑をおかけしたでしょうか。」というようなあいさつのようなものでした。声の主はとなりのテントに犬と入っていた飼い主さんのものでした。わたしたちが身を潜めている間に、声をかけられたのかと思って聴いていました。ほどなく声は消え去り、再び静けさだけが戻ってきます。

 そして、テントの布越しに透けて見える姿が少しだけはっきりしてきたような感じがすると、その人々の前にやはり大小の年齢の白い犬たちがしっかりとこちらを向いてたっていたのです。脚が長くスラリとしていて、大きなものは背丈が人の腰下くらいでした。毛は短毛ではなかったですが、長毛でもなく、少しだけ毛足がある白い色の毛でした。洋風のオオカミほどの幅はなく少しやせていてそれでもしっかりとこちらを見ていたことだけを覚えています。その犬たちが見えると後ろの人々の形が少しぼやけてきました。夢はここで終わりました。

●この夢を引き出しかもしれない前の日の談話

 テントでは熟睡はしていないので、途中で人の気配や犬の動き、野生動物の気配などで目が覚めることが普通です。このときも、途中で目が覚めて「あれ、さっき見たライトがさして人と犬がいたあの光景は夢だったんだ。」とぼんやりと考えてしまうのです。頭は半分寝ていますのでこのときは、その夢の意味を考えることはできません。ただ、覚えておきたくてどんな夢だったのかをもう一度頭にイメージさせてから再び眠りました。夢の中に出てきたテントのパートナーも実際の飼い主さんといっしょでした。隣で声を発した生徒さんも全く夢と同じ状況でテント泊をしていました。みたもの以外の状況は、その日のテント泊のままなのです。

 実は、このテント泊の夜の会食のときに生徒さんたちと犬の繁殖による行動の変化についていろいろと話をしていました。ブログに書いたカフェのマナーのこと(ブログ記事:オープンカフェでみるとんでもビックリな犬の光景:欧米と比較して考える都心の犬)がテーマとなり、ずい分深くお話したのです。日本は純血種を飼うことが当たり前のような傾向がありますが、欧米と日本の犬の文化の違いや犬のサイズの違いなどは比較すればするほど、以下に日本が独特であるのかがわかると思います。日本の飼い主たちがどのような犬を求めているのか、そしてその求める犬が繁殖されることで、犬はずい分犬らしくなくなったと感じることがたくさんあります。
 日本には、日本の国土が育てたイヌもしくは犬はいなくなってしまうのも時間の問題かもしれないという危機感があるという話をしていました。この話が、テント泊での夢を引き出してきたのかもしれないと感じました。

 「山怪」という本にも記されているように、山では不思議なことがよく起きるのです。その夢は室内では見ることはできなかったでしょう。そして、その夢の意味を自分がどう受け取るのかも自分次第です。ですが、こうした不思議を体験できることは、自分にとっては人生を少しだけ豊かにしてくれるものとして有り難く思います。

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犬といっしょに山で過ごそう:犬とのデイキャンプクラス「わんげる・ミーティング」開催しました

山のはまだ寒暖の差がはげしく、朝夕は冷え込みがきびしい分昼間は暖かな日差しが差し込むようになりました。

そのせいなのでしょうが、土色は一気に緑色に変化しています。この緑の分量の多さには驚きます。
簡単にとらえるとエネルギーは分量ですから(太っているからエネルギーがあるということではありませんが)、緑の多さには大量のエネルギーが宿っているように感じます。


●山の中でみる犬の色

緑が多くなると、動物は姿を隠すことが簡単になります。森の中から空を見上げると、木々の間からわずかに空が見えるくらいになってきました。

犬の色は黒白茶色。本来なら日本の犬は茶色と白です。
自然の中でいかにカモフラージュするのかは動物の安全につながります。
山に住む動物である「イヌ」は、山色に近いのです。山面の土の色、茶色ですね。
季節によってもこの茶色が微妙に変化していきます。動物と自然のつながりを感じられるナチュラルな色の変化です。

飼い主さんが犬を見つけやすいようにと思って、オレンジやピンクの洋服を着せてしまうことは、犬にとってはあまり歓迎されないことかもしれません。色のついた洋服は都会の中だけで活用されることをおすすめします。


●季節と動物たち

繁殖を終えて活動をはじめた動物のこどもたちも、親から離れて個別に活動する時期にはいってきます。
犬も春と秋は活発に活動です。この時期に山で過ごす時間を持たないなんてもったいないことはありません。犬は太陽の動きと共に生きています。季節はどの動物の体の変化にも影響を与えます。この季節にしか起きないことをたっぷりと堪能したいものです。

今日は慣れ親しんだ数頭のグループで一日中を山でゆっくりする「わんげる・ミーティング」というデイキャンプ風のクラスを開催しました。なんども山歩きをしている飼い主さんと犬なので、山のことはよくわかっています。

同じ気温や風に対しても犬のサイズが違うだけで、暑いと感じたり寒いと感じたり、その感じ方も様々です。グループで移動するというのは大変なことですが、どの犬にもできるだけ負担がかからないように、長さと場所を調整しながら安全第一でゆっくりと移動することが大切です。


●山で過ごすこと
犬が「山で過ごす」というと走り回ったり飛びまわったりするイメージをお持ちかもしれませんが事実は全く違います。山に親しんだ人々が山を歩いている姿をイメージするとどうでしょうか。山で駆け回ったりはしゃいだりせずに、静かにゆっくりと歩みを進めていきます。それは雪山のような体力を使う場だからではなく、山のリズムと一体になれるからです。

動物たちも同じです。山に住む動物が山の中を走り回っているわけではありません。走るのは逃走行動が起きるとき、そして捕食行動が起きるときです。捕食というと草原でライオンが草食動物に向かって走り出ししとめるシーンの方が印象的かもしれませんが、山の捕食行動は少し違います。どちらかというと追いつめていくという感じかもしれません。

山のリズムを身につけるといつもとは少し違った感覚を得られます。山に入るとソワソワする犬たちも、ちょっと抑制がすすむと下山のときにはゆっくりと落ち着いた雰囲気になっているのは不思議な風景です。


●お昼は飼い主さんたちもお手伝い

お昼は薪生理班と昼食班にわかれて作業を行いました。木をきったり整理したりと原始的な行動のために体を動かすたびに、こうやって人は暖をとり食べ物を加熱して生きてきたんだろうなと感慨深い思いになります。そしてなによりうれしいのは、そのすぐそばに犬という動物がずっと昔からいたであろうことです。


いつもとおり、写真は撮影していません。そんなことよりも大切なことを優先させました。犬の生きている時間は人と比較すると7分の一くらいです。犬が生きるには十分な時間なのに、わたしたちにとっては本当に少なく感じてしまいます。そして、犬といっしょに充実した時間を一緒に過ごせるのはもっと少ないのではないでしょうか。犬が犬として人が人として過ごせる時間を共に大切にしたいものです。

dav

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トレッキングクラスで学ぶこと:犬と共に山を感じる感覚を養う

犬といっしょに山歩きをするトレッキングクラスは、ただの山遊びクラスだと思われがちですが、実はとても奥の深いクラスです。

このクラスは七山校で始まったと思われている方もいらっしゃるのですが、実はとてもグッドボーイハートではとても古くからあるクラスです。グッドボーイハートが開校翌年くらいからは開催していました。

最初は私が愛犬のオポと山に遊びに行くだけだったのですが、飼い主さんの中で山行きに関心を持たれそうな方を連れて、一緒に山を歩く練習をしていました。

当時はわたしと犬のオポにとっては、博多の都会暮らしが日常で山の中は非日常の世界でした。
山歩きが必要かどうかなどと行動学的に考えることもなく、ただ山に入るとオポがいつもとは全くことなる表情をするため、犬であるオポにとっては必要な時間なのだと軽く思っていた程度です。そして、その時間は自分にとっては都会でたまった疲れのガス抜きくらいの気持ちでした。

ところが、生徒さんの犬といっしょに山に行くようになり、いろんな角度から見て知ることができるようになりました。
一飼い主としてオポという犬の変化を楽しんでいたときから、家庭犬インストラクターとして生徒の犬や飼い主さんが山で歩く姿を観察するようになる体験に変わったことで、ますますトレッキングをグッドボーイハートのクラスとして開催したいと思い、その後は定期的に開催するようになったのです。


それでも、都会暮らしの自分にとって山は不思議な非日常の世界。
きちんと見えているようで見えていないものがあることを知ったのは、オポと山裾に暮らすようになってからです。

見えていなかったものが見えるようになる、聞こえなかったものが聞こえるようになる、臭わなかったようなものが臭う、考えなかったようなことを考えるようになる。
そして、味わえなかったような感覚を味わうようになるのに、少し時間がかかりました。

都会で育ったわたしが、山の中をただ歩くという単純な時間の中でこれらの様々な知覚の変化を得られるようになったのは、オポという自然に近い動物がその機能性をわたしよりもずっと早く開花させて山の一部になってしまったように思えます。


飼い主さんとのトレッキングを通して、犬の感覚が少しずつ開いていく姿を見ることは感慨深いものです。やっぱり犬だなと感じられることが、なによりもうれしいのです。



dav

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犬語セミナー開催しました:人に対する行動を科学的に分析することで見えてくる犬の社会性

グッドボーイハート七山校で毎月1回開催している犬語セミナーが行われました。

犬の行動のビデオを見ながら観察した結果をリストアップしていきその行動を細かく分析します。最後にその犬の性質や必要としていることについて考えるためのセミナーです。

ビデオの素材にはみなさんからの提供されたものもありますが、主にはレッスンのときに撮影したものが中心となっています。犬語セミナー参加者の中に飼い主さんがいることも珍しくありません。むしろ、自分の犬の行動を飼い主さんに他の方々と一緒に見ていただくことで、客観的に犬の行動について考え理解を深めるための機会としてこのクラスを利用していただきたいと思っています。

今回素材として利用したビデオの中にもレッスン中に撮影したものが含まれていました。
ビデオ素材の中から人に対する社会的行動の観察と分析に焦点をあてながら、犬の社会性についてみなで考えました。

犬が犬に対してする行動と、人に対してする行動では行動の種類がかなり違います。
犬にとっては犬も人も同じように社会的対象になるのはずですが、犬と人では種が異なるという明らかな違いがあります。でも違いはそれだけではありません。

人と距離を保って生活をする野生動物であれば、種の異なる動物とは距離を置いてお互いを刺激しあわないように生活しています。その関係が捕食関係=食べるものと食べられるものという関係になるとまた別の距離感を持って生活をします。
いずれにしても動物を飼うという関係性をもつ人は、動物と動物の境界を大きく越えた関係を持ちます。家畜化というのは人の他の特定の動物に対する独特の行為であり人の文化なのです。

犬が人の家畜となった歴史は人と犬の関わりを変えるひとつのきっかけになりました。家畜という言葉にはあまりいいイメージがないかもしれません。しかし、冷静に考えても一定の敷地など決めれた範囲内にいれられて食べ物を与えられ飼育される動物は家畜化された動物です。
犬の場合には人の家族同等の権利を与えられてることもあるため、動物の中でも伴侶動物やコンパニオンドッグという名前で呼ばれ、人と変わらないように大切にされて飼われているという事実もまた間違いではありません。

ただ、犬と人の距離感が大変近くなってしまったという事実と、そのことが犬の人に対する行動を変化させているのもひとつの事実です。犬は人との距離感が近まっても犬が他の犬に対して行う行動を人には行わないように思えます。ですが、これらの対犬、対人に対する行動はそれぞれに全く異なる行動の種類であるのに、犬の状態としてはかなり同じ内容であると感じられるものがたくさんあります。

そのため、ある犬の人に対する社会的行動をきちんと読み取れるようになれば、その犬が他の犬に対してどうような社会性を持っているのかを比較的近いところまで知ることができます。

本来なら犬は他の犬に対する行動の方がシンプルです。受け取っている他の犬の反応がシンプルで間違いのないものだからです。犬に2本脚をかけられて飛びつかれた犬が、「わたしのことが好きなのね」といって喜ぶことはないのです。飛びつかれた方の犬は威嚇の声「ガウ」を出して相手を遠ざけるか、軽く咬みつくか、逃げるなどの拒否的な行動をします。

ですから他の犬に対するビデオをみればその犬の社会性の多くは見ることができます。かといって、普段から他の犬と接触する経験のない犬を簡単に他の犬に対面させることもできません。そういう場合でも、その犬の人に対する行動を細かに観察して分析できるようになれば、犬の社会性に関する多くの情報を得ることができるようになるということです。

犬語=犬のコミュニケーションを読み取るときのヒントは、感情の話は横においておくこと、好き嫌いのことは横においておくこと、そして何よりも大切なの先入観を捨てる勇気をちょっとだけもつことです。

その動画から今まで思っても見なかった犬のことについて知ることになったとしても、深く理解することが犬にとっての最大の愛であるという事実は変わることはありません。
飼い主さんたちの貴重な時間をこうしたセミナーに費やしているのは、少しずつでも犬を理解する眼を養っていくことが犬が一番望んでいることだからです。
そして、そのことがひとりの人間がある犬に対する接し方を変える機会になります。
その変化は犬の行動の変化に直結していることをぜひ体験してみてください。


5月の犬語セミナーは以下の日程で開催予定です。

28日日曜日12時~14時 七山校で開催

福岡校での開催をご希望の方は曜日の希望を添えてお申し出ください。
2名以上でいつでも開催いたします。



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福岡校で犬語セミナーを開催しました:生後1才未満の犬の社会的行動について

昨日のあたたかな日曜日にグッドボーイハート福岡校で犬語セミナーを開催しました。

せっかくの犬と過ごせる貴重な時間をいただくのは心苦しいと思う気持ちもあります。でも、この2時間の犬語セミナーを受講していただいた後は、今までとは違った犬との時間が過ごせることは、参加者のほとんどが体験、体感しています。

だからこそ、心苦しさを抑えて「犬語セミナーに参加してください!」とお願いしていたみなさんといっしょに、犬のコミュニケーションや犬の性質などを読み解く学びの時間を共に過ごしました。


今回使用したビデオは1才未満、正しくはもうすぐ1歳になる月齢の犬が、はじめて成犬に会うというビデオです。

今回のビデオは休みなく20分程度の時間を撮影したものでした。
その間編集もなく犬に対して一切の合図もなく、制限もかけていません。

たとえばビデオ途中で犬が対象の犬に近づいた行動を、「近づくように号令をしたのですか?」という質問もありましたが、そういう状態ではないのです。

あくまで、犬と犬が自主的に行動したものだけを捉えました。

最初の柵越しの対面のシーンから見ていただき、次に柵を外したときに犬と犬がどのように振舞うのかという予測もしていただきました。

予測はあっていても、間違っていも構いません。
とりあえず予測してみるということが大切なのです。

ビデオではたくさんの犬の行動と、時間の経過に伴ってほんの20分程度の間に、行動が次々と変化していく様子を見ることができます。


もうすぐ1歳になる犬は、今まで一度も犬と接したことがありません。

子犬のころにたくさんの犬に対面させることで、社会的行動が退行してしまうことがあります。条件が整わないのであれば、対面の時期と環境を考慮して行った方が、犬の安定した社会的行動を引き出せることもあるのです。


最近の飼い主の関心は、自分の犬が他の犬と「仲良くなってほしい」という事にウエイトをおかれています。この“仲良し”という言葉はとても曖昧で誤解を生みやすいので、社会的な行動を説明する表現としては用いていません。

次に、飛んだり跳ねたり走り回ったりする行動を、喜んでいる、楽しそう、この犬が好き、元気という風に分析してしまうとその先に見えるものはありません。


仲良しという言葉を一旦横において、犬が他の犬に行動というコミュニケーションをとっているのですから、それをただ観察してそして分析していくという作業が犬語セミナーです。

「犬の行動を見る」という作業の中では、最初に着地点を決めてしまうとつじつまがあうように見ているものを変えてしまいます。これでは、見たものを分析することも、その分析内容から犬の行動を評価することもできません。

たとえば、最初に「犬は楽しい、犬は喜んでいる」という風に着地点を決めてしまうと、何度見てもそのようにしか見えないということです。


プライベートクラスを受講されている生徒さんは、犬の行動に対する観察眼が鋭いです。
犬の行動を見る力を、プライベートクラスの中で求められているからでしょう。
求めているのはインストラクターであるわたしです。
どのような行動をどのような時にしているのか、その行動がどのような状態の表現なのかについて、たくさん質問して、飼い主さんと何度も話し合います。

飼い主さんなりの見方は尊重しますが、わたしがどのように見るのかも発言します。
一方的に考えを押し付けるということはしません。
ただ、私はこのように分析するという内容と、その理由についてお伝えします。
お互いの意見が相反してもそれを戦わせることで、より良い見方が生まれてくるのです。
飼い主側が真剣に日常の犬の行動を観察していてくれれば、その分だけ内容も濃いものになり、理解も深まります。

犬語セミナーの最大の目的は、自分の一番身近である犬のことを理解できることです。
ここには一点の違いもありません。

どんなに他の犬のことを理解したとしても、もっとも自分の影響を受けている犬のことを理解していないのであれば、それは真の協力とはほど遠いものです。

実際のセミナーの中でも、行動を見たり考える素材として、それぞれの身近にいる犬たちの行動のことをなんども思い出しています。同じような行動をどのようなときにするのか、自分の犬だったらどうするんだろうと考えることは、とても大切な作業です。

セミナーのこうした目的と内容を充実させるために、犬語セミナーは数名の少人数制で行っています。

4月23日日曜日はグッドボーイハート七山校で犬語セミナーを開催します。
あと数名で締め切りいたします。
グッドボーイハートホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
はじめての方、大歓迎です!


dav

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ドッグトレッキングクラスデビューに最適の季節に入りました。

ウグイスのさえずりが耳に心地よい季節となりました。

比較的苦手な飛び虫たちもまだ活動を開始していないし、
暖かさの中に春風が通りぬけていく、本当に心地良い季節です。

こんな季節はトレッキングデビューのチャンスです。

山を歩くこと、特に犬の成長を目の当たりにして共に歩くことは、どの季節でも喜びでしかありません。
暑いね~といって休憩したり、寒いね~といって立ち止まったり。
ただ、静かな時間がながれていきます。


ところが、まだ行動が不安定で飼い主に依存気味だったり、興奮しやすい、抑制がきかない段階のときには、こちらも集中力が必要になるため、プラスの暑さと寒さは少し控えて体力を温存したいのです。
犬だけでなく、飼い主さんのセンスが上がってくるまでは、十分に注意が必要です。

春と秋は季節的に穏やかです。
秋は以外に生物たちが冬に突入するためにワサワサとして、衝突する事故も生じやすいので案外厳しい季節ではあります。
春の方は、厳しい季節を乗り越えた後ですから、これから暖かくなるというワクワク感と、ようやく孵化した生物や、長い間土にこもっていた生物たちがゆっくりと活動をする時期なので、こちらの方が新しい活動をしやすいなあと感じてしまいます。

6月下旬になると梅雨を迎えます。
春は2月からですが、やっと暖かくなったと思ったときには、あっという間に終わってしまいます。

トレッキングクラスデビューのみなさん、ゆっくりと一歩ずつ、お互いの関係の変化を楽しんでください。

この季節はデビューにはおすすめですが、どの季節も山の空気は動物を本来の姿に戻そうとすることは、間違いありません。

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犬のコミュニケーションを読み解く鍵:犬語セミナー開催しました

週末に犬語セミナーを開催しました。
犬語セミナーは犬の動画をみながら犬のコミュニケーションについて学ぶクラスです。

犬語セミナーと聞くと「犬と話ができるようになるのか」といわれることがあります。
これは全く勘違いということでもありません。

コミュニケーションとは確かに対話です。
人側に伝えたいことがありそれを伝えようとする。
オスワリといったら犬が座るのもひとつのコミュニケーションです。

ですがコミュニケーションの本質というのは、まず相手の言う事を聞くにあると思うのです。
こちらの話を聞かないのに言いたいことばかりを伝えようとする。
犬と人も同じようになっているように思えます。

人は犬にこちらの都合を伝えようとする。
犬に食べ物の存在を知らせれば、犬は脇をすかされたように人の要求する行動をします。
ところが、本当に犬が伝えたいことは人に伝わりません。
人が犬のコミュニケーションを読み取る能力が不足していることと、その重要さを忘れてしまうことがあるからです。

犬が人に対するコミュニケーションをとるときと、犬が犬に対してコミュニケーションをしているときの違いをみると、その受け取り力の違いと犬と人の関係性の複雑さを感じます。
犬は人に対して過剰な表現をしたり、全く表現をしなくなったりしはじめています。


たとえば、人にはキュンキュンを鼻をならして後ろをつきまとい、すぐにとびついてきて、口や手をなめようとする行動をする犬が、他の犬に対しては逆毛を立てて吠え、うなり声をあげているとします。

多くの人はこの犬について「人が好きで犬のことが嫌い。自分のことを人だと思っているから。」と安易に評価してしまいます。評価というのは自分が用いている行動学分析での表現のことばのひとつです。評価は現在のその犬の内面の状態、その犬の本来の性質や行動のパターン、必要性について考える作業として行っています。

例にあげた犬の評価が「人が好きで犬が嫌い」という評価だとして、犬の理解と必要性につながったのか疑問を感じます。

上記の行動をビデオでみれば、もっとたくさんの行動を観察して拾い上げることができます。鼻をならす、人の後ろをついて回る、とびつきという行動だけでも十分な情報ですが、この行動の意味を「人が好き」と分析することは本来はできません。

なぜなら「好き嫌い」は感情レベルのことであり、その部分は人が立ち入ることができない遠いところにあるからです。そしてこの二つの感情レベルの話は、犬を理解する過程において見る目を曇らせてしまうものです。

犬の行動をコミュニケーションとして読み解くためには、まずこの「好き嫌い」という言葉を取り除いてみることをお勧めします。

さらにもうひとつ「かわいい」というのも取り除いてみてください。
これは人の感情ですが、この感情も犬の行動を見る作業では邪魔になってしまいます。

コミュニケーションのはじまりは、まずは相手のコミュニケーションを受け取ること。

犬の表現するコミュニケーションを受け取るとは、犬が要求することを受け取ることだけではなく、犬の表現するコミュニケーションのすべてを受け取るということです。

犬が要求行動ばかりをくり返しているときには、もっと大切なコミュニケーションをたくさん見逃したということです。ストレスがかかると要求が強くなるのは、動物として人にもおきますのでこの仕組みについては理解していただけるのではないでしょうか。

犬と暮らす方はみなさんそれぞれの形で犬を愛していると思います。
その中でもっとも深い愛は「相手(犬)を理解する」ことだと信じています。

また来月も犬語セミナーを通してみなさんと学ぶ機会を大切にします。
4月の福岡のクラスは16日日曜日 10時~12時です。
詳しくは電話もしくはお問い合わせフォームからご連絡ください。


dav


今回の犬語セミナーに、このブログを読んで犬の行動を学ぶことに関心を示し一歩を踏み出してくださった受講生がいました。

文章も構成もつたないブログを読んでくださる方に会うと素直にやりがいにつながります。
限られた時間で書いていますが、表面的なことだけにととまらず、これからもできるだけ深く伝えていきたいと思っています。気力によって文面には差が出てしまいますこともあわせてお伝えしておきます。

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犬の社会性と自律性を求めて:プライベートトレッキングクラス

グッドボーイハートのトレッキングクラスは、初期のころはグループクラスとして開催していました。
グループのトレッキングクラスは、複数の犬と飼い主さんたちといっしょに山歩きをするクラスです。このクラスは七山校を開催する前から行っていました。


そのグループのトレッキングクラスを重ねるうちに、プライベートでトレッキングをする必要性を痛感するようになりました。
他の犬との関係性がむずかしかったり、他の犬との関係性の前に飼い主さんともっと安定した関係を作る必要を感じたからです。

ところが、一旦グループでのトレッキングクラスに参加すると、プライベートでのトレッキングクラスを受講されることはつまらないと感じられる方もいらしたようです。みんなでワイワイいいながら歩くほうが楽しいと感じられるからでしょう。

どんなことでも楽しいと感じられる方がいいとは思いますが、本来の目的を見失っていては困ります

グッドボーイハートでクラスを受講される本来の目的はなんだったのでしょうか。
犬とより良い関係を築きたい、犬に十分に与えられなかった経験学習の機会を提供したい、犬の社会性を育てていきたい、犬の自律性を育てていきたい…など。

その本来の目的をきちんと見据えて、犬と向き合っていく時間としてすべてのプライベートクラスはグループクラスよりも重点を置いています。まず、犬のことを良く知るためには環境の中の家庭訪問トレーニングから開始して、そして犬の社会性を育てる機会としてプライベートトレッキングクラスに起こしいただくようになると、犬の行動の安定性は目に見えるように変化していきます。

自然環境の中で動物に行われていることについてすべて科学的に説明ができるわけではありません。
ただ、この広大でたくさんの命の育まれる場所で、飼い主さんと犬のそれぞれに、そしてその間にも何か見えないけれども確実に変わっていくものがあります。

変化の起こりやすい飼い主さんにはある似た面をお持ちなのだなということを感じます。

それは、今を見ることができるようになるということです。遠くを見過ぎない、後ろを振り返りすぎずできるだけ今を見るようつとめること、そんなことができるようになる飼い主さんたちは、なぜか犬も少しずつ変化していきます。

そうなると、こんなにできないとかこんな風になってほしいという言葉が少なくなり、今はこのときはこういう風に行動するその意味や理由はわからないけど、といったような発言が多くなります。

変化するというのはすごく流れるのではなく、安定した状態で自分の中に核となるものができあがることで安心して変わっていけるということだからでしょうか。

山歩きも同じだと思うのです。一点一点、足を地面につけるときにそこに自分が存在していなければ、足場はグラグラしてしまいます。気持ちが不安定だと、山歩きのときにそのことがよくわかるようになります。今日はちょっとふらついているなと思うこともあり、それが自分を知る機会にもなるのです。

ほんの数回の山歩きなのに少しずつ変化する犬の姿は楽しいものです。

トレッキングクラスは犬を走らせたり、遊ばせたり、ストレスを発散させるためのクラスではありません。それは危ないことなのでそうさせたいなら囲いの中で行ってください。
この違いが分かるようになったら、それは一歩前進です。
何に前進しているのかというと、犬としてそして人としてという関係作りへの前進です。



dav

※3月14日に公開予定だった記事を本日公開しましたので、あわせてご覧ください。




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2月の犬語セミナー開催のお知らせ

今月の犬語セミナー開催のお知らせです。

2017年2月26日(日)
時間 12時~14時
参加費 おひとり2500円
場所 グッドボーイハート七山校

参加資格 犬語セミナーはどなたでもご参加いただけます。犬は同伴できません。

少人数制でディスカッションしながら進めるセミナーです。
犬のことがよくわからない方でも、犬を飼っていない方でもご参加は歓迎いたします。

グッドボーイハートメールアドレス→ info@goodboyhaert.com
もしくは問い合わせフォームよりお申込ください。

dav

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雪の日の犬たちのお預かりクラス

今年2回目の積雪です。今回は長い。前回のが降り積もらなかったというならば、今日はしっかりと積もりました。最高ではないけれど、柵の上に10センチ以上、地面には20センチ程度の積雪ですから積雪といえるレベルの降り方です。そして、現時点でもまだ降り続けています。

今季2回あった積雪ですが、そのどちらもが犬たちの預かりクラスのために七山校にとどまることになりました。顔見知りの2頭の犬といっしょに山篭りしています。

昨日の朝は積もった雪がアイスバーンになってしまい、庭でもすべりそうなゴチゴチの地面になっていました。犬も滑りやすく動きもゆっくりになります。ふんわりした積雪とは違って足裏の冷たさも相当のものなのか、すぐに部屋にはいってきました。

今朝はふんわりで真っ白の雪のじゅうたんですが、その下には昨日凍ったアイスバーンが。
やはりゆっくりとすすみますが、さすがに少し興奮してきたようです。

dav
若い犬なら走り回るところですが、さすがに年をとると興奮度もそれほどではなく、緊張すると一旦大人しくなるというところですね。こういう時は、室内に入ったらとたんに興奮することがあります。落ち着かせはどんなときにも有効ですが、自分で自分を落ち着かせることのできる自律した犬は少なくなりました。かといって、放置しておけば興奮は増すばかりです。人の管理による環境制限や特定の合図などで落ち着かせるしかありません。

動物は生物ではありません。よく活動するようにできています。動きながら調べる、動きながら学習し経験し、動きながら活動することを生きるというのでしょう。人も動物ですが、他の動物とは少し動きが異なります。人は他の動物と比較すると圧倒的に大脳皮質を発達させた動物です。人のいう活動というのは、体を動かさずに大脳を動かすことを含みます。そういう意味では人も犬と同じようにいつも活動しています。

テレビを見ている、ゲームをしている、スマホをみている、ipodで音楽を聴いている、パソコンで文字を打っているなど、常に大脳を活動させています。

犬は体を活動させ環境を探索する動物であったはずですが、室内での生活では活動することを制限されています。人がテレビをみていても犬はテレビをみないしゲームもしません。妄想もしないし、音楽をかけていても人のように聴いているわけではありません。屋外で暮らす犬たちもつながれたままなので活動できず、犬という動物にストレスがたまっていくのも当然のことです。

家の中や限られた場所で犬を動かそうとすれば、柵の中でするスポーツや犬とおどるダンス、室内で芸やトリックを教えるといった事しかできません。こうした特定の動きは犬の本来の活動ではありませんが、一定のエネルギーを消耗してくれるので犬はすぐに疲れて寝てしまいます。私も以前はクラスの中でトリックの教え方などの練習をしていたこともあります。ですが今は積極的にはしません。

なぜかというと、犬が生きていく中でする権利のある本当に必要なことを取り上げておいて、人の都合にあわせて消耗させてしまうのはやはり不公平だと感じるからです。犬本来の活動をする学習の機会を犬に与えるなら、都心で生活する飼い主さんは多大な時間と労力を必要とすることでしょう。飼い主さんが自分の生活が忙しくどうしてもそれは無理だと感じられるなら、限られた人の作った空間の中で犬を人の号令によって活動させることで他の世界を教えないというのも仕方なしとして受け入れます。飼い主さんの価値観はそれぞれですし、必要な世話をする人には犬を飼う権利は与えられています。

この考えとは別に、犬と暮らし犬を愛する全ての人に対して、犬が本当に必要としている「犬の欲求」を知っていただきたいのです。その上で自分にできることを考え、できないことはできないとして切り捨てていただいて構いません。ただ犬が旅立ってしまってから「犬のことを知らなかった」という残念な気持ちを抱いてほしくないのです。どのような飼い主さんにも犬のことを知る権利があると思って伝えているのはそうした思いから発しています。

長い間自然から遠ざかっていた犬や知らない場所に連れてこられた犬は、最初はなかなか環境になじまず落ち着かず、自然に探索することもできません。人に行動や自分を守ることすら依存していますので、行動に自律性がなく不安定になるのは当然のことです。車椅子に乗っているクララにハイジが立って歩くことを促したようなものです。クララは車椅子から立ちあがろうとしても怖がり何ども車椅子に逃げ帰ってしまいます。クララの家庭教師は「かわいそうに」とクララをかばいますが、やがてクララは本当に自分の脚で立ちたいと思い、そしてその自律をハイジやその仲間と自然が見守り続けます。

自然にはじめて接した犬を見ると、まるで車椅子のクララをみているような思いです。そして、犬が汚れることを不快に思ったり、かわいそうにと思う飼い主の存在中では、犬の自律行動を促すことは無理なので、飼い主さんができる範囲内にとどめたほうがいいと思います。

犬の飼い主といっても、現代ではいろんな飼い方や暮らし方があるのだなと思います。
犬にとってどれが幸せかと考えるなら、自分だったらとまず考えてください。どれが正しくでどれが間違っているということもありません。ただいえるとすれば、その犬が中身から輝いているときにはドキドキするほど美しいものだということです。難しい、わからないという方は犬の瞳の輝きを見てください。人と同じく瞳の輝きは幸せの基準です。



dav

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