グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬を見る眼、思い込みがつくる「歩けない」という事実

今までにいろんな犬のことについてご相談を受けた内容の中には、明らかに思い込みによって犬の行動を制限してしまうということがいくつもありました。犬の行動に制限がかかることや犬が拒否していることのすべてが飼い主の思い込みだということではありません。ただ、ビックリするような思い込みによる制限というのは、本当にあるのだなという事実をご紹介します。

以前、盲導犬育成施設のパピーウォーカー指導を担当していたことがあります。パピーウォーカー制度についてはずい分とメディアでも紹介されていますのでご存知の方も多いでしょう。パピーウォーカーは盲導犬育成団体が繁殖をしたり盲導犬候補生として準備した生後2ヶ月齢ほどの子犬を、1歳くらいまで家庭の中で育てていただくボランティアのことをいいます。

パピーウォーカーのご家庭には必要な条件がありますので、申込後も書類の審査や家庭訪問での環境チェックなどを経て一定の条件をクリアされた方にお願いすることになります。子犬を預けるときには、子犬飼育規定がありますのでその内容に沿って育てていただき、私が担当していた当時は月に1回の家庭訪問もしくは講習会を開催して、勉強を重ねていただいていました。子犬育てについての質問は随時受け付けしていますが、家庭訪問や講習会の際には指導員が子犬の成長が順調かどうか、身体的な面から社会的な発達も含めてチェックが行われます。

この講習会のときにパピーウォーカーさんのおひとりから相談を受けました。
「自宅の家の前から道路に出るまでに2メートルくらいのわずかにスロープがあります。そのスロープを歩くことができないので、いつも抱っこして道路に出し、帰りも抱っこしてスロープを越えています。問題ではないでしょうか。」とのことでした。
家庭訪問をしていますのでお家周辺の状況は頭の中に入っています。確かに家の前に2歩くらいで渡れるスロープがありました。地面はコンクリートで安定はあり特に問題のない環境でした。

犬は確かにコンクリートなどの固い路面の坂道があまり得意ではありません。子犬はバランスが悪いため、脚に力が入ってしまいます。固い路面では指先や爪を地面に食い込ませるストッパーが働きにくいため、子犬は坂道になるとひっぱりが強くなったりストレスにより拾い喰いをしたり地面を臭いながら歩くような行動をすることもあります。

このスロープを全く歩けないとなると確かに問題です。

ちょうど講習会を開催していた場所の外側に、車が通行する道がスロープになって作られていました。
昔はビデオみたいな機器はありませんでしたらから、実際に歩かない行動を見せてもらうために、試しにこのスロープを使ってみましょうということになったのです。

子犬をつれたパピーウォーカーさんがスロープ近くまで平面の地面を歩いていきます。いざスロープにさしかかると子犬は全く動かずパピーウォーカーさんはリードいっぱいまで離れて呼びますがそれでも動きません。
今度は下り坂ではどうだろうと子犬をスロープの途中まで抱き上げて移動させてもらい、そこから下りのスロープを歩いてもらいますがやはり子犬は動きません。

ところが見ていると子犬は動こうとして動けないという行動を全くとっていないのです。
パピーウォーカーがスロープにさしかかると止まり、そして歩こうとチャレンジもしないのでバランスを崩すこともありません。これは歩けないのではなく歩かないだけではないのかな、という疑問でした。
それでリードを持つことを私に代わっていただき、子犬にいっしょに歩くことを促しました。

すでに結果はおわかりでしょうが、スロープを普通に歩行します。上りも普通に歩き、下りも普通にいっしょに歩いて下りてきます。途中で方向を変えることも可能です。
もちろん、見ていたパピーウォーカーさんはビックリです。私がどんな魔法を使ったのかと思ったでしょうが、私は特別に何もしていません。

「歩きますね。」といって再びパピーウォーカーさんにリードを渡しました。
子犬は何事もなかったかのように(子犬にとっては何事もなかったのでしょうが)、パピーウォーカーさんとスロープを歩いていました。そのときのパピーウォーカーさんは本当にビックリしたという表情でした。

おそらくですが、最初はスロープに多少抵抗を示したのでしょう。リードをつけての歩行になれていないのに、テリトリーを離れる緊張や、坂道というなれない場所であるという事実はあります。そこでパピーウォーカーさんがその場所を抱っこするという処置を行ったため、子犬にとってはここは抱っこする場所という風に学習した可能性があります。さらにパピーウォーカーさんの方には、このパピーはスロープを歩けないという思い込みモードにはまってしまい、どこかで犬に制限をかけた可能性も十分にあります。

犬の世話をしている飼い主やパピーウォーカーが、犬ができないと思っていることが実は普通にできたりすることだという事実はたくさんあるのです。ハウストレーニング中に、ハウスには絶対に入らないし入れると暴れるといわれて連れてこられた小型犬を、私がハウスに入ることを促したあとは、全く吠えずに静かにしていて、その後は自宅でも車でも入り口を閉めても落ち着いていられるようになったという例もありました。

思い込みという世界は、犬を見る眼だけではないと思います。
他にももっとたくさんの思い込みで自分を制限したり、周りを制限していることがあるのかもしれません。犬にできないことを期待するのはエゴですが、犬ができることを最初から認めないことも犬への信頼を損うことです。

犬への思いが強すぎて思い込みが激しくなる、そういうときはどこかで犬がやりたくないことを楽しんでいると思い込むことも起きてしまいます。犬の行動は真実です。行動をしっかりと見ることができるようにこれからも勉強します。



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免疫学の安保徹先生を悼む

昨年末に、免疫学の第一線で活躍されていた医学博士の安保徹先生がなくなったということを知りました。
安保徹先生に謹んで哀悼の意を表します。

安保徹先生は医学的知識の乏しい一般のわたしのようなものでも理解しやすいような本をたくさん書かれていました。安保徹先生の本を読み免疫学についてずい分と勉強しました。
中には医療行為を真っ向から批判するようなものもあり受け取られ方は様々であるとは思いますが、自分が信じていることを自分の利得を別にしてはっきりと述べる方も少なくなりましたので、私は尊敬していました。

特に安保先生の本の中でとても理解しやすかったのは、自律神経のバランスがどのような状態でバランスを崩してしまうのかということや、体や精神に影響を与えるのかということについては、なるほどなと自分の実生活にあわせて考えても納得のいくことが多いものでした。

安保先生の本を読み免疫学を勉強しようと思ったのは、自分のことではなく犬のことでした。
犬はストレスを抱えると行動に表現します。中には自律神経のバランスを大きく崩してしまい、環境を少し整えるくらいでは改善しにくいケースもあります。自律神経のバランスの崩れは、排泄行動や睡眠行動や食べる行動などの生理的な欲求バランスに影響を与えます。
どんな動物も、食べること、排泄すること、寝ることのバランスが崩れると、身体的不調は高くなってしまいます。これは犬が身体的にバランスを崩した状態で起きることですが、実は自律神経の乱れは、他のストレス行動として表現されることもあります。

心と体はひとつですから精神的に苦痛や不快を得たりすることは当然のこととして、別にも犬としての本能的な欲求が満たされないといったことが、犬にとっては欲求不満となり、自律神経のバランスの崩れを引き起こすこともあります。
最初は環境がストレスとなり身体的なバランスを崩しただけだったのに、これをきっかけに病気が始まってしまい、ずっと病気を戦い続けるということにもなりかねません。

安保先生によると免疫系の病気は薬ではよくならないとのこと、症状を一時抑えて日々を落ち着いて過ごせるような方法として薬も必要なときもあるとは思いますが、要は根本から改善していく必要がありますよ、という風に受け取れます。

犬の生活を変えるには飼い主は自分の生活を変える以上に大変です。忙しく時間がない毎日を送っているのに、これ以上犬のために何か時間を必要とされるとなると本当に犬を思っている飼い主さんにしかできないことではないかと思います。イヌという動物に適した生活は、とてもゆっくりして時間が静にながれ、風が通り太陽に触れる環境で、他の動物や生物たちも生き生きと生きている中に、自分の動物として存在し、そしてほんの周囲の環境のわずかな変化を楽しむという程度ではないかと思うのです。

安保徹先生の本を今年はたくさん読み返して再勉強しようと思います。

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子供に犬のリードを持たせてはいけない理由

子供に犬のリードを持たせたことによって事故が発生した話を、偶然にもおふたりの方から聞きました。
街中で最近ずい分と増えた危険な行動だなと思っていた矢先だったので、ブログで取り上げたいと思います。

ひとつは生徒さんがラジオで聴いたそうです。パーソナリティが歩いているときに、子供にリードを持たれた大型犬が近づいてきて太ももを咬まれたという話でした。ずい分痛かったようで少しパニックになられたようです。救急車を呼びたいけど番号を思い出せないというような話だったそうです。子供が何才だったのか、犬がどのくらいのサイズであったのかは不明ですが、太ももに咬みつかれたのであれば、中型犬以上のサイズの犬だったのでしょう。咬まれたご本人は怖い思いをされたことでしょう。

もうひとつの話は、幼稚園の年齢の子供さんに小型犬のリードを持たせて歩いていたところ、庭先につながれている日本犬がいて小型犬がかみつかれたという知人の知人の実話でした。庭先につながれているその庭に少し立ち入ったのでしょうね。幼稚園生の飼い主さんはそばにいたようです。小型犬は12歳以上の老犬とのことでした。リードの引っ張りもなかったから小さな子供さんにリードを持たせたのかもしれませんが、4歳の幼児にはできない仕事です。

子供に犬のリードを持たせるべできはないと思います。法律での規制はありませんが、子供ができないことはさせないというのはあまりにも当たり前のことだと思うのです。
何才になったらリードを持ってもいいのかといわれても年齢で区切ることはできません。
一定のラインを設けるならこのように個人的な意見を提案します。

犬のリードを持ってもいいのは、中学生以上の自制のできる大人として成長した人であることです。
中学生であっても親に頼りがちな生活になりやすいため、何かあったときには対応できません。
ですから、中学生になったら親が見ている範囲内でリードをもって散歩にいく練習をするという程度に考えています。
さらに付け加えると、体重が15キロ以上の中型犬については、18歳を過ぎてからと考えます。

おそらくみなさんが考えているよりもずっと年齢が高いと思われるでしょう。
これにはいろんな犬の習性から見る行動学的な意味を含みます。

犬にとっての散歩はただのリラックス運動ではないからです。犬にとっての散歩はもっと大きな意味を持ちます。

散歩はイヌの群れ行動です。

生活圏のテリトリーに最も近い緊張すべき場所を見回りしながら歩くという行動です。
小さくなりすぎた小型犬たちは見回り行動はしていないかもしれませんが、多くの犬が散歩中に他の犬の臭いをとりたがったり、多くのメス犬がオス犬と同様に脚を上げて排尿するようになっていることを見ると、犬たちのなわばり主張は一昔前よりもずっと厳しいものになっているように感じます。
犬は散歩を楽しんでいるということよりも、犬たちにとっての散歩は社会活動の必須であるところが多く、その分緊張も高いのです。この緊張感の高い散歩の時にリードを持っている人は、まさに犬をリードする人です。犬は拘束されており自由行動ができません。リードを持っている人を信頼していなければ、散歩は緊張の連続になってしまいます。リードを持つべき人は犬の緊張や興奮を上手に抑制する力を持つ、家族の中での親的な存在です。

この理由だけでもリードを「誰が」持つべきなのかは限られてきます。お父さん、お母さん、社会人のお兄ちゃん、お姉ちゃん、体力と知覚の衰えのないおじいちゃん、おばあちゃんといったところでしょうか。ご家族の中で、誰がリードをもって散歩に行くかによって犬の散歩中の行動が変化するのであれば、それはまさに犬と家族ひとりひとりの関係の表れです。たとえば、室内ではしょっちゅうオヤツをくれるお父さんにべったりなのに、いざ散歩に連れ出すと人や他の犬に興奮したり吠えたりするという状態であれば、その人と犬の関係は信頼関係とはいえません。行動はすべて犬からのメッセージですが、散歩の時の犬の行動を家族毎にチェックしてみるのも、犬を理解するきっかけになるかもしれません。

リードで拘束された状態で歩かなければいけない犬が信頼関係を築けていない人に連れられて歩いた場合には、環境に適応する力を伸ばす社会化がなかなか発達できず、年齢を追うごとに散歩嫌いになったり、散歩中に興奮するようになってしまいます。

ここまでは犬の立場の方から子供がリードを持ってはいけない理由を述べました。

逆に子供の立場から考えてみましょう。
犬のサイズが大きければ、子供がリードをひっぱられて事故にあう可能性を考えるため、犬のリードを持たせない親(=飼い主)はいるでしょう。犬のリードのひっぱりによる危険性は、普段はリードを引かずに歩くことのできる犬でも、犬が刺激に対して突発的に起こす行動の可能性、つまり危険性を最大限に見積もるとより慎重な判断が必要になります。

では、体重の軽い小型犬のリードなら危険がないから子供に持たせてもいいと思うのでしょうか。実際、小型犬のリードを持って散歩している子供が多いことからも、飼い主さんは子供の危険性を考えて小型犬なら引っ張られることがないから大丈夫という気持ちで、子供にリードを持たせてしまうのかもしれません。
中には、子供に動物と関わり情緒を育てる動物愛護の教育の一環として、積極的に子供にリードを持たせる親もいるのかもしれません。残念ながら、この教育は子供の情緒を育てる教育にはなりません。なぜなら、情緒とは環境に接して湧き上がる喜びや悲しみといった豊かな感情のことを指すのだと認識しています。その感情のさまざまは、人や自分に近い存在である動物との共感性と共に育まれるべきだと思うからです。
子供にリードを持たれた犬の表情や行動をよく観察してください。緊張感や恐怖に溢れ、興奮している犬もいます。ストレスで落ちているものを口にいれてしまう犬も多いでしょう。右に左にとリードをひっぱって逃走しようとしている犬の姿も見たことがあります。これらの犬の精神的なストレスを、親である飼い主も共感していないのに子供に動物との共感が生まれるのだろうかと疑問を感じます。

子供が豊かな情緒を生み出す動物との関わりは、その動物が動物としての本来の習性的な行動を発達したり発揮することができ、基本的な欲求を満足して成長していくその安定した動物の精神との関わりなのではないでしょうか。そして、この動物の健全は精神の発達はイヌからすると環境の乏しいこの都市空間で実現させるのは、本当に困難なことだと感じています。

子供達がこれ以上動物の心と離れてしまわないためには、動物たちと距離をとって触りたいという欲求を抑えて、自分が本当に知るまで、考え観察して待つことだと思うのです。昔は砂場遊びのときにはゲンゴロウが出てきたりしていました。遊び場の中にいつも生き物や動物がいて、それらと距離をとりながらでも毎日毎日たくさんのある子供時間を使って、動物との関わりを深めていったのではないでしょうか。その時間と空間が今の子どもたちにはありません。だからといって、手っ取り早そうだけど明らかに違っている動物との関わりを情緒教育として取り入れることには疑問を感じます。

子供達の豊かな未来に、動物との本当の共感の世界ができることを願って止みません。

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犬のこと話そう<大田こぞうさん編>第1回:録音ファイル付

このブログでときどき音声ファイルをアップすることにしました。
文章を読むのが苦手な方や忙しくてなかなか時間がないけど、どこかで突破口を開きたい方は家事をしながら、お仕事をしながらBGMとして聞いていただければと思っています。

ひとりで録音してみましたがどうもしっくりいきません。やっぱりボケとツッコミに分かれた方が分かりやすいよねと思い、大田こぞうさんにヘルプを出して録音してみました。遠慮してマイクを私よりにおいてしまい、私の声のほうが大田さんよりずっと大きくなってしまいましたので少し聴きにくいところもありますことご了承ください。

話の内容は、犬のことを知ることがどういうことなのか、自分たちがどういう思いで今ここで犬と向き合っているのかということの極一部です。セミナーや講演会のような身のあるものではありませんが、みなさんの犬との暮らしにとって何かのヒントになれば、そして犬と暮らしていない方にとっては犬とのつきあい方ヒントみたいなものを受け取っていただければと思います。

番組向けに話しておらず、グッドボーイハートブログ責任の録音で編集なしの日常のおしゃべりです。
大田こぞうファンの皆さんには、大田こぞうさんの犬への気持ち全開のエネルギーを受け取っていただけるでしょう。宮武をご存知の方にはいつもとおりで変わり栄えはありませんが、ご存知ない方には、こんな風なのねと思っていただければと思います。話の相手が大田こぞうさんですから、いつもより少しだけテンションは高めですね。


犬のこと話そう:大田こぞうさん編、第1回



録音の日には先に大田さんの方から「月下虫音(げっかちゅうね)用の録音させてください!」と切り出されてしまい、私も録音したかったのよ、とそれぞれに録音することになりました。
番組用に録音されたものは今月のどこかの日曜日に放送されるそうです。決まったらブログでご案内します。



また、大田さんに過去のブログ記事の朗読アップをすすめられました。得意でありませんが、自分の言葉なので近々チャレンジしてみます。




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馬語の本に見る犬語

先日知人が尋ねてきたときに「この本いただいたんです。見てみてください。」と置いていかれた本が「馬語の本」でした。

著者はライターの方で馬の専門家ではありません。普通の人が馬と接して感じたことや、自分なりに動物を観察してその行動から馬の気持ちをしようというもので、犬の気持ちを犬語といっているのと全く同じとらえ方だったので、楽しく拝読しました。

犬は動物を捕らえて食べる捕食動物といわれる部類であるのに対し、馬の方は食べられる方の草食動物です。あきらかにそれぞれの立場は違うものの、馬も犬と同じように群れをなして移動したり生活をする習性があるため、その社会的な行動には多くの共通点があるようです。

たとえば、馬が後ろ脚で蹴るという行動をしますね。犬などの動物に襲われそうになったときも馬の後ろ脚で蹴られるとひとたまりもありません。馬の防御的攻撃行動ともいえるものですが、直接的に攻撃しなくても馬は苛立ちを感じたり強さを示すときに後ろ脚で地面を蹴る行動をするらしいです。

実は犬も後ろ脚で地面を蹴る行動をします。よく見られるのは排泄の直後ですが、排泄行動との関連性がなくても、地面を脚で蹴る行動をすることがあります。直接的には自分の臭いを地面につけるマーキング行動のひとつになっていますが、馬と同じようにちょっと虚勢を張る行動でもあることから、似てるなと感じたのです。

他にも耳の動かし方などは似ています。特に緊張をする耳を後ろに倒したりする社会的な行動は犬にも見られます。

一番納得がしたのは、人が馬に近づく方法です。
馬が人を認識したら馬が近づいて人のことを危険でないと感じるまでは、視線や姿勢を馬のほうに向かずほとんどうごかずに直視せずにたっておくというものでした。文章のままではありませんが、行動としてはこのような接し方です。そしてゆっくりと相手が自分を認知し、危険でないと受け入れてから次のコミュニケーションが始まるというものです。

この接し方は馬が大変怖がりで、距離を縮めたり接近したりしないようにという注意を払うものですが、あれほど大きな馬に対してでもこうやってゆっくりと接していく必要があるのに、小さな子犬や犬に対してであれば、なおさらのこと距離と時間をかけて相手が自分を確かめるまで待ち、認知が進まないのであればくり返しそのチャンスを与えるという時間をかけなければなりません。特に子犬や小型犬に急に近づいて手を出して触ったり見つめたり声をかけたりすることをくり返していると、犬はすぐに人に対して吠えたり、来客が来ると興奮してとびついたり走り回ったりするようになってしまいます。

そして、最後に犬のことにふれてありましたがこの部分だけは私は違う見方です。
本の中にはこうありました。

引用ココから
ウマにとっての人間は「積極的に自分から仲良くなりたい存在」ではないからです。ウマは仲間と草を食べて暮らしてゆければ幸せです。そういう環境にいられるのなら、人間は特に必要ありません。

もちろん、おいしいものをくれるとか、かゆいところを掻いてくれるからという理由で人間に近づいてくることはあります。でも、それは、犬が人間のことを大好きで、ずっとそばにいたいと思っているのとはちょっと違います。ウマはもっと淡々としていう、という感じでしょうか。

ココまで
・馬語手帖 河田桟 発行所カディブックスより

本当に犬は人間のことが大好きでずっとそばにいたいと思っているでしょうか。
みなさんはどう思うでしょうか。

私は少し違う考えを持っています。
犬と人は特別な歴史を持って近づいていきました。犬は人を求め、結果人も犬を求めそして共に同じテリトリーを守りながら協力関係を結んできたのでしょう。ですが、人が犬を飼うという新しい関係が生まれました。そして現在に至るのです。

犬は繁殖によりとても無力で学習能力も低くなってきました。執着も高く欲求の偏りも大きくなっています。同時に病気も大変増えていますね。犬は馬と同じようにもっと淡々としていたのでしょうが、時代と共にその姿は消えていきそうになっています。

ある動物を研究する方の著作には、馬についてこんな風に触れていました。馬は世界でもっとも過酷な運命をたどった動物である。なぜなら野生の馬というのはもう1頭も存在しないからだということでした。牛であれ豚であれ、その元の動物は存在しているし、世界の中には人に飼われていない野犬はまだまだたくさんいます。動物の人の関与も動物の淘汰の歴史のひとつでしょうから仕方のないことかもしれません。しかし、人というのは短い時間で環境に影響を与える特別な動物だと感じます。自分の近くにいる動物が変わってきたら何かのお知らせです。今一番変化しているのは実は野生動物ではなく、犬と猫ではないかと思っています。みなさんはどう感じているでしょうか。

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犬のヒゲを切らないで。犬のヒゲの役割を知ってますか?

プロジェクターの調子があまりよくないので、博多駅近くの家電ストアまで商品チェックに出かけました。その家電ストアで目に付いたのが、お父さん犬というキャラクターの広告の特大ポスターです。
お父さん犬はあくまでキャラクターです。ポスター画には手をいれて処理をしているのだと思ってひとつのキャラクターとしてみてはいるのですが、その犬の顔がどうしても不自然すぎて注目してしまいました。ポスターの近くまでいってよく確認したのですが、不自然な顔の周辺、やっぱりないです。大切な犬のヒゲがない。

キャラクターからヒゲを取り去ってしまうのは、ヒゲがかわいくないと感じる人がいるからなのでしょうか。(キティちゃんのヒゲはかわいいですね。)不思議に思いお父さん犬の画像の方を見るとやはりヒゲがありません。トリミングのときにカットしてしまうのでしょう。

トイプードルやコッカースパニエルなどの縮毛タイプの毛質の場合には、口周りの毛も短くカットしてしまうためヒゲだけを残すことはできません。しかし、お父さん犬のような短毛種の場合には、毛をカットする必要はないのでヒゲは切る必要はないのです。でも多くの犬たちがヒゲをカットされています。子犬のころからトリミングに通っている小型犬の飼い主さんの中には、犬にヒゲがあることを知らない方もいるのです。

昔からよくあるはなしに「猫のヒゲを切ると走れなくなる」をいうことをご存知ではないでしょうか?実際、猫にとっても犬にとっても、ヒゲのある動物にとってヒゲがなくてはならないことは言うまでもありません。

ヒゲは昆虫でいう触覚です。犬のヒゲは猫と同じように犬のヒゲは犬の顔部分を守っています。犬は前進する際に最も先になるのが鼻先のついた顔部分です。顔には大半の感覚器官がついているため、環境をできるだけ早く把握できる反面、移動のときにぶつかる可能性もあり傷つくことを防御する必要ああります。犬のヒゲは周囲にあるものをいち早くキャッチするため、犬は顔に怪我を負う可能性が低くなります。

犬は夜間でも活動します。家庭犬は夜にうろつくことはないでしょうが、犬が庭に排泄に出たときでも、犬の特別な眼と強力な鼻の力で環境を把握して行動し、そして鼻を近づけるときにはヒゲが障害物を感知して教えてくれます。

犬のヒゲは風の流れを感知しているようです。室内ではあまり動かない犬のヒゲが屋外ではよく動いているのがわかります。周囲の環境を把握すると同時に、風の流れを感知しているのではないかと思われるような動きをしています。環境を把握することは、動物が安全に行動するために大切なことです。犬のヒゲはまだ今でも使われています。

残念なことにあまり使われずに飾り物になっているようなヒゲもみられます。そういうヒゲは動きません。ヒゲは顔にくっついたり離れたりしてかなり動きます。でも、飾りのヒゲはハリがなく動かず、縮れたようになっていることもあります。人為的な繁殖はこんなに小さなところまで変化させているのです。

犬のヒゲは犬が安心して生きていくために必要で大切な役割を果たしてくれます。
だから、犬のヒゲを切らないでください。

なによりも、犬のヒゲはとても素敵だしチャーミングです。


人は女性にはヒゲがありませんが男性にはヒゲがあります。そのヒゲがどのような役割を果たしているのかはわかりませんが、四つ脚の動物とは動きが違うので必要がなくなるはずが、狩りに出て森や林、藪の中で働く男性にとって顔周りのヒゲがもしかしたら顔を守る役にたっているのかもしれませんね。



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吠える犬にならない、犬との接し方

子犬は生後5ヶ月くらいまでは、人や他の犬に対して警戒吠えや攻撃的な吠えが出ません。
個体差がありますが、生後5ヶ月~6ヶ月くらいにかけて乳歯が永久歯(おとなの歯)にかわるころから、成犬としての行動を示し始めるようになります。

子犬は自分でテリトリーを守ることができません。テリトリーを守っているのは、群れの中でその役割を担っているものです。人から離れた場所で子犬が生まれた場合は、親犬が外に出ているときに子犬は巣穴周辺で遊んではいませんが、他者=外敵の気配を察知するとすぐに巣穴に戻ってじっとしています。声を出すこともありません。これが他者に対する犬の習性行動です。

人の家の敷地の中で飼育される場合には、飼い主の食事の世話やテリトリーの管理によって、飼い主を自分の群れの一部と位置づけます。飼い主に譲り受けられるまでに、子犬がどのような環境で育てられたかによって、子犬を迎えた飼い主に対する行動は犬によって違うものになります。

ここでは子犬の性質の違いについてのべませんが、子犬の多くは飼い主である家族について自分の世話人としてなつきながらも、子犬が親犬に食べ物をねだる要求行動としてとびついたり鼻をならしたりする行動をすぐに始めます。同時に、子犬は成長とともに成犬として群れの一員となるための服従行動を示しはじめるようになります。
そして、子犬の多くは飼い主の仲間である来客に対しても最初は好奇心をもって近づいていきます。好奇心は子犬が調べるという探索行動や、馴れる、承認するという認知行動につながりそれが全体として子犬の社会性を育てる機会となります。来客に対しては子犬が調べるという行動をすることや、自分に直接的な害を及ぼさないと認知させることが重要です。

子犬の社会的発達を低下させてしまう人の接し方は、子犬が来客を調べる行動をする前に、子犬に話しかけたり撫でたり抱っこしたり食べ物を与える行動によって子犬の認知する脳が働く時間を奪ってしまうことです。子犬は混乱し、興奮して飛びついたり、逃げたり、走り回ったりするでしょう。もしくは、人に抱き上げられて無力的になり(子犬は考えることをすぐにやめます)抱っこされたまま寝てしまうこともあります。
撫でられて腹部を見せて横になったりすることも同じです。腹部を見せることは犬の服従行動でもあるので、犬が喜んでいるとかお腹をさすってほしいと勘違いされることの多い行動です。腹部を見せる行動についてはまた、続きのブログで説明します。

犬のことをよく理解している飼い主たちが私の周囲にもたくさんいます。生徒さんもそうですが、犬に関わる仕事をしている専門家が知人としても多いため、犬との接し方に一定のルールをもっていることがわかります。またそうした犬の飼い主たちは、自分の犬を正しく接してくれる人にしか会わせたくないと思っています。犬に余計なストレスを与えなくないですし、子犬期であれば子犬の社会性に影響があるためなおさらのことです。彼らは犬にいきなり手を出したりはしません。子犬がゆっくりと臭いを嗅ぎ終わるまでまち、飼い主同士での交流を主体にして子犬の立ち居地を教えていきます。その過程はとてもゆっくりしたものです。

子犬を飼育する環境によっては、飼い主の判断とは別に他人が子犬に接する機会がでてしまうことがあります。玄関先につないでひなたぼっこをさせようとするそのすぐ前が通路だとすると、通行人はかわいい子犬に声をかけたり、触ったり、時には抱き上げたりオヤツを与えたりします。子犬は興奮したり、時には腹部を見せて横になってしまうこともあります。抵抗しても抱きあげられとグッタリと大人しくなるものです。環境を変えることができないときには無抵抗になる、これが子犬の生きる術でもあるからです。
でも、こうやって子犬に認知を進めずに他の人に対して警戒したり興奮したりする行動を続けていると、子犬が1歳を過ぎることには通行人の全てに吠えるようになります。吠えるようになったときにはもう遅いのです。子犬が安心して過ごせるように、通行人が入らないような柵の設置をしたり、犬に接するときの注意事項の用紙をお渡しして周囲への理解を促します。

先日もある飼い主さんのご家庭で同じようなことがありました。上記のような通路そばの子犬に通行人が触ったり抱き上げたりすることを、飼い主さんが喜んで報告されました。かわいがっていただくといううれしい気持ちなのだと思いますが、これは可愛がりではなく甘やかしであり、犬の立場にたった育てる姿勢ではありません。愛情だけでは犬は育てられないのです。
環境整備と犬との接し方の説明を行ったところ、よく理解してすぐに環境整備をしてくださいました。
次のレッスンのときには、立入禁止のポールが置かれ、犬小屋の外から見えるところに「犬との接し方」のプリントを貼ってくださっていました。

子犬は、飼い主さんが自分の環境を整えていることを、自分を理解しようとしていることをすぐに理解してそして、環境の中で安心して学習を進めていきます。学習とは飼い主が設定した時間の訓練のことではなく、自ら環境の中で学ぶ社会化のことをいい、これが子犬の精神的基盤になります。
犬が他人に吠えるようになったことを、他人のせいにしてはいけません。子犬は飼い主が準備した環境の中で学ぶのです。

dav









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「動物福祉セミナー」開催に見る動物との関係の変化

1月28日に福岡市で「動物福祉の視点から犬猫の殺処分ゼロを考える」セミナーが開催されました。
講師は日本動物福祉協会顧問の山口千津子先生です。動物に関わり動物福祉を学ぶ中では必ず山口先生の講演や原稿に触れられることと思います。

山口先生から今回講演またこれまでに教えていただいたことについて、わたしなりの解釈にはなりますが今後もクラスやブログを通してみなさんにお伝えしていきたいと思っています。待ちきれない方は遠慮なく個人レッスンのときにでも質問してください。なぜなら、山口先生が伝えている動物福祉の姿勢は、すべての家庭で共に暮らしている犬の生活の質に関係する問題であるからです。


動物福祉という言葉は、動物愛護という言葉の影に隠れてしまいがちな考え方であり姿勢です。
しかし、今回のセミナーの開催運営を通して、ようやくこの動物福祉とは何かそれを実践するためことは、といった考え方が専門機関や業者をはじめとして一般市民にも広がり始めている感覚を得ることができ、とてもうれしくまた感動しています。
当初このセミナーを企画したときにはどのくらいの参加者を集めることができるのか予測が立ちませんでした。
これまでは「動物福祉」という視点で対話したくても理解を示していただけないことも多いというのが現状でした。

グッドボーイハート開講のクラスの特に行動学専門のクラスの中では、動物福祉の観点から行動を捉える意義を説明しました。専門学校講師時代の教え子たちは愛護と福祉の違いを知った上で、動物と関わる仕事に従事してくださっていることでしょう。ボランティア団体を立ち上げた際には、動物愛護団体ではなく動物福祉団体として活動をすることをその柱とし、会員の皆様もその気持ちをもって活動に参加してくださいました。

では、なぜ動物愛護ではなく動物福祉なのか。
セミナーの中では動物愛護と動物福祉の違いについて以下のように説明がありました。

動物愛護とは 主体は人
→動物を愛護する情・思いやり・共感を醸成する :心情的主観的アプローチ
 
動物福祉とは 主体は動物
→科学的アプローチで客観的に飼育環境・動物の状況を測定評価し、動物のQOL(生活の質)を向上させる 
:科学的論理的アプローチ

動物愛護の主体が人であるといわれると、反論や疑問も生じるかもしれません。動物をかわいがることがなぜ人が主体なのかと思われるかもしれません。確かに動物愛護の姿勢で動物をかわいがったとしても、各個人の中には動物を動物として捉える気持ちが全くないわけではないからです。特に日本人の場合には、歴史的な動物とのかかわりの中において、動物を動物として主体的に捉える感覚を見につけていると思います。動物愛護の姿勢を持たれていた方が非難されることもありません。

動物をかわいがる気持ちを持つ方は、「動物福祉」の視点にたって考えるという新しい見方を知って欲しいのです。
具体的な例をあげると、犬の行動を科学的に見るというのもそのひとつです。
犬の行動を「かわいい」「よろこんでいる」「癒される」「遊んでいる」と感情で受け取るのではなく、犬の行動学に基づいて分析し、そして科学的に評価します。これが動物福祉を基盤にした犬を理解するという過程です。
犬の行動学の学問は、専門家のためのものではありません。犬と共に暮らす飼い主さんたちのための学問です。みなさんに学ぶチャンスがあることを知って遠慮なく学んでください。


今回の動物福祉を考えるセミナーは熊本地震で混乱する動物保護施設の現状を知ってボランティア活動を続ける中で見えてくる限界と問題を、根本から考えたいという気持ちから起こりました。
セミナー開催までの時間が数ヶ月という十分な準備期間も設けられない中、日本動物福祉協会顧問の山口千津子先生に講演を快諾いただきセミナーの開催にいたり、そして意識の高い参加者のみなさまを迎えて共に学ぶ時間をいただいたことを感謝いたします。ありがとうございました。



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熊本被災ペット支援ネットワーク
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Posted in 犬のこと

明日は「動物福祉セミナー」です。

明日は動物福祉セミナー開催の日です。

動物福祉の視点から 犬猫の殺処分ゼロを考える

告知から少しお時間が経ちました。
参加申込みを完了された方は、お忘れなく会場にお越しください。

たくさんんの方から参加申込をいただき、セミナーは定員に達しています。
残念ながら定員のためお断りさせていただいた数も多数に上りました。

講師の山口千津子先生は本日福岡に到着後、一日をかけて熊本県動物管理センターと、
熊本市動物愛護センターの施設見学を行われました。
明日のセミナーに熊本施設見学を山口先生の視点で見たことについて、何かコメントがあるかもしれません。

私も今日、熊本市動物愛護センターの施設をはじめて見学しました。
いろいろと情報は耳にしていましたが、考えるところの多い見学となりました。
また、頭を整理した上で自分の意見としてブログやクラスの中でおはなしし、みなさんといっしょに考える機会とします。

dav




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Posted in お知らせ

薪割りは体幹トレーニングとして

午前中の尾歩山でのトレッキングクラスの前に、久しぶりにチャレンジしました。

薪割りです。

10年くらい、薪を割る機会がなかったため、斧がさびてしまいました。
最近庭木の手入れをしたときに少し太い木が出てしまいました。
広葉樹だったので薪ストーブ用の薪にしたい。
でも斧がない…。

10年前も決して薪割りはあまり得意ではありませんでした。
なにしろ斧は重いし、少し怖いです。
でも、最近バランス感覚が鈍っているような気がして、バランスを取り戻すためにできることを捜していました。それで「よし、薪を割ろう」と思ったわけです。

早速、斧を買ってきて今朝、久しぶりの薪割りとなりました。

かっこよくできたといいたいところですが、最初の一刀で木の間に斧の先がはまってしまい、どうやっても抜けなくなり、それを抜くのに大変な時間がかかってしまいました。
もともと苦手なことを、ずっとやってなかった上に、この10年で年もとっています。

気をとりなおし、もう一度バランスをとるために調整をしてみました。
ヒーリングでいうと、呼吸を沈めてグラウンディング、自分の中心をみつけて丹田に気を沈めて、みたいな感じです。
そして斧を振り上げるのではなく、自分の体のひとつとして手を上げて、まっすぐに落とすだけです。

だんだん気持ちよく割れるようになってきました。
体も温まってくれます。

薪は人を三度暖めてくれるという言葉はどこでいわれたのでしょうか。
薪を割るとき、
薪を運ぶとき、
薪をくべるとき


薪割りは気を許すと大きな怪我につながります。
それだけに気持ちも引き締まり、落ち着きも取り戻せます。
自分のバランスの悪さを知り、そこに向き合う時間にもなります。

薪割り機というのもあるけど、それはそれとして便利に使い、
薪割りの精神というのは忘れないでいたいと思うのです。

犬は人が何かに対して真剣であるときには、よくわかっています。
ぐうたらとしていることもよく知っています。
犬はこわいくらい、何でも知っていますね。

薪割りはみなさんに体験していただくには少し危ないのでお願いできませんが、
こんな楽しく自分を鍛えられることを、独り占めするのももったいない気がします。

薪割りをした薪を使う薪ストーブの工事が始まりました。
今まで使っていた暖炉とはサヨナラになります。
今までありがとう。これからは新しい姿となってまたいっしょに楽しくやりましょう。



dav






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