グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬との引越し:犬との暮らしで協力を得たいこと

転勤族といういい方は、地域で働きとおすのではなく転勤するという仕事が増え始めたときに使われた古い用語でしょう。わたしも転勤族の親の子でした。そのため、小さいころは動物と暮らすことができませんでした。犬を飼う理由のひとつに「飼いたかったけど今まで引越しが多く飼えなかった。ようやく落ち着いたから。」というものがあります。引越しは犬に負担をかけるためにできるだけ飼わないというのも人の責任として尊重します。

ところが、引越しを予定していなかったのに引っ越すことになってしまったということもあります。それが、マンションから戸建てにやっと暮らせるようになったのだという、犬にとって過ごしやすい環境に変わるのであれば、環境の変化によるストレスもさほど気にはなりません。逆に、戸建てに住んでいたのにマンションに引っ越す必要が生じた場合には、犬は今までと異なる生活空間の変化に戸惑いを見せることでしょう。

それでも、飼い主さんの仕事上、止むを得ない場合には、犬を連れて引っ越すしかありません。
引越しの際にどのような場所を選んだらよいのかは個々の犬により差はあるものの、共通するチェック項目もあるので参考までにあげておきます。

・エレベーターを使わずに入れる部屋もしくは下の階に。
小型犬の場合には階段が苦手かもしれません。キャリーバッグにいれてエレベーターに乗ることができるのであれば、小型犬はあまり高くない階下をお勧めします。人は鈍感なので気づきにくいですが、高層マンションはゆれています。わたしはかなり敏感な方なのか、ゆれているのに気づいてしまいます。動物はもっと敏感ですので低い階層をお勧めします。

・上の足音が響かない。
は横側よりも上下の音の響きの方が強いようです。特に上の階の人の足音は犬にとっては強いストレスになります。動物にとって上の空間はとても大切なのです。上からの物音や振動は犬を不安定にします。犬のケイジを重ねて使っている風景を見ることがありますが、あれは強いストレスになるためしてはいけないことです。引越しとなると賃貸マンションです。そこまで配慮されたマンションも少ないかもしれませんが、チェック項目としていれておいてください。

・目の前が道路ではない。
たとえば1階で小さな庭付きというマンションも最近ではよく見かけます。ただ残念なのは、その前が道になっていると通行人に常にテリトリーをさらされることになります。犬ばかりでなく人も落ち着かなくなります。人だけでなくバイクや車も通るため振動も伝わりやすいです。
理想は、窓の向こうは何もない、もしくは広場、人のあまり来ない公園とか、となりのマンションの裏側で人や他犬の気配のない部屋を選びたいです。

・中心部よりも郊外に。
マンションの立地は都心部よりも少しはなれた郊外をおすすめします。子供にとってと考えても郊外を選ばれるでしょう。犬も同じです。理由は臭いです。都心部は排気ガスや密集した人の生活臭、レストランからの臭い、コンビ二の臭いなどで大変臭いです。福岡でも博多の中心から40分くらい車を走らせれば、空気はずい分と変わります。1時間も走ればかなり違いが分かります。臭くない、これは犬にとっては安心安全を知らせるメッセージなので大切です。もちろん。お父さんの通勤負担を考慮した上でということです。

ここまでは共通項目です。


他に引越しでできることは、室内をいかに整えるのかということ。
これはいくつも考えることができます。犬が安心して生活するために必要なことを考えます。

そして、引越しの作業のときに犬に負担をかけないためにはどうすればいいのかということ。
荷物の運び出しの作業のときは犬は落ち着かなくなります。テリトリーがなくなってしまうわけですから不安になります。家族に協力して預かってもらうなどするのが良いと思います。

引越しは犬にとっても人生の転機です。
犬は人が飼う動物ですから、人の都合によりストレスを受けるのは仕方のないことではありますが、
いかに犬に配慮できるかということでは、面倒なことでも犬を飼う楽しみとして犬をサポートしてあげてください。





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犬のゴハンはいつ与えるのか?

犬のトレーニングやしつけ方についての情報があふれすぎています。
本でもあちこちから集めたような雑用知識本いわゆるハウツー本として出版されている内容の曖昧なものもある上に、ネットの情報となると個人の価値観や自分はこうやったという、不安定な情報が拡散されています。

たとえば「犬のゴハンは人の後に与えなければいけない。」と思って取り入れている飼い主さんが結構いるようです。

「犬のゴハンは私たちの食事の後に与えるようにしています。」ときっぱりいわれます。
「なぜ、人が食事を済ませなければ犬に与えられないと思うのですか?」と尋ねます。
すると、飼い主さんはたいてい「え?」という感じになります。
それもそうですね。今まで信じていたことが、違うのかもしれないと言われる瞬間なのでビックリするでしょう。

実際には人が先に食事を済ませる必要がある理由を応えられない方も多いのです。ネットに「人が先に食べるほうがいいと書いてあった」といわれる曖昧な答えです。ただ、ネットに書いてあるとおりにやってしまうというのは、とても怖いことだと思います。食事をどちらが先に食べるかというのは、犬には全く影響を与えません。そのため、この順番を守っていたとしても犬に良い影響もでなければ、悪い影響も出ないということでしょう。ですが内容によっては、犬との関係性や犬の成長と発達に強く影響を残してしまうこともあります。良かれと思ってやってきたことなので、できるだけ間違いは避けたいものです。

本に書いてあったという理由の中には、オオカミは強い方が先に食べてから弱いものが食べるからというものがありました。似たような状態を人の生活で説明するなら、武家社会でお父さんの食べるものには少し特別なものが添えられているということでしょうか。実際、父親よりも下のものが先に食事に手をつけることはありません。

人と犬の食に関する影響はこれとは全く違うものです。大切なのは、犬は人が与えたものを食べるという事実です。
人が与えないと食べられないのです。勝手に冷蔵庫から食べ物を出してきて、他の家族よりも先に食事を済ませてしまう子供とは違います。みなで協力して行った狩によって獲物を得たオオカミの群れでもありません。まず、人が与えるという行為だけで十分に犬に優先していることを理解してあげましょう。

注意して欲しいのは、食べ物の受け取り方のほうです。
食べ物を与えられなければ受け取れないのは子オオカミも同じです。親オオカミが吐き戻しをして子オオカミに食べ物を与える行動は、子オオカミが親オオカミの口をなめる行動によって引き出されておきる行動です。幼少動物が権利をもつ「要求行動」です。

食べ物の受け取り方の間違いのひとつは、犬の要求行動によって飼い主が犬に食べ物を与えているということです。
「人が先に食べてから犬にゴハンを与えています。」という飼い主さんが、その食事の前に犬が吠えたり飛び跳ねたりする犬の要求行動に応えるように犬にゴハンを与えています。これでは犬は自分と飼い主との関係性を、犬が要求し飼い主がそれに応じる存在だと認識してしまいます。

ゴハンの順番はあまりというより、全く関係性には影響をしません。
お腹を空かせている犬のために早く食事を済ませる必要も全くありませんので、安心して人より先に犬にゴハンを与えてください。

犬のしつけ方については、本やネットの情報はあまりにも曖昧です。
犬のしつけは「いれる」ものではありません。
犬のしつけは「犬が必要な行動を自らできるように、飼い主が環境を整え学ぶチャンスを与える。」ということです。
飼い主が環境を整え犬をサポートしていることを犬は理解します。その過程で作り上げられたもののも人と犬の関係性に影響します。

犬のしつけはハウツーではない。
ぜひ、犬との関係作りを楽しんでください。

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犬の遠吠えを聞いたことがありますか?

預かりクラス利用中の犬が、昼に放送される音楽にあわせて遠吠えをしたので、久しぶりに生遠吠えをききました。七山の里山の地域の犬の中には、昼のこの音楽にあわせて遠吠えをする犬がいましたが、最近引っ越してしまい、しばらく聞くことがありませんでした。
しかも、預かりクラス利用中の犬もなんどもこの音をここで聞いたはずなのに、今までは一度も遠吠えをしたことがなかったため、予期せぬことでビックリしました。

予期せぬことというのは、すべての犬が遠吠えをするわけではないからです。
遠吠えをしない犬は、生涯この吠え方をすることはありません。
そのため、あれ君も遠吠えするのね~と思ったのです。

遠吠えを聞いたことがありますか?
遠吠えとは、「うぉーーーーーん、うぉーーーーん」という非常に長くて少し高めの音を出し続ける音のコミュニケーションです。イヌ科動物の中でもっとも鮮明にこのコミュニケーションの機能を発揮しているのはオオカミです。オオカミに続いてイヌです。

イヌといっても、私たちの生活する環境の中に存在するのは家イヌ、つまり「犬」なので、その犬たちはオオカミのような見事な遠吠えをすることはありません。そして、その遠吠えは、コミュニケーションというよりも、遠吠えの際に出される音のピッチや長さが同じようなものであればその音に「共鳴」というシステムで反応してしまいます。そのためこのとき犬に「遠吠えでコミュニケーションをとる意志」はありません。この共鳴システムですが、他の音のコミュニケーションでは使われないのに、遠吠えのときだけは共鳴して行動が出るのは不思議なことです。

とても気に入っている写真があります。オオカミのグループが円陣を組み、互いに顔を向け合って立ったまま顔をあげて遠吠えをしているというものです。私が今までに見たオオカミの遠吠えはほとんどが立ったままで行うというものでした。犬は座ったまま、伏せたままでも遠吠えをしているのを見たことがあります。オオカミと犬では遠吠えの中に含まれる意味合いが異なるでしょう。

声質もずい分違います。家犬はオオカミのように高低のある音を使いこなせていないこともあります。もしくは顔や形の変形により、そもそも音がきちんと出ないようになってきている傾向が強いです。オオカミの遠吠えのCDをたまに聴くことがありますが、オルゴールの音への共鳴反応とは違い、静寂の中にひびく豊かな音として心に染み入ります。

救急車やオルゴール、車の宣伝の音などで反応してしまう犬の遠吠え。
意味のないコミュニケーションだとしても、動物として生きてきた時代の名残を感じます。

今回遠吠えした犬くんも、「うぉーー」あれ、なんで声が出る、という感じで途中でやめてしまい、再び「うぉーーー」あれれ、自分の意志とはちがって声が出るよ、という感じでいちいち戸惑うように首をかしげながらやめようとしているけど止められないという表情と行動がとても可愛らしく感じました。そしてそれを見ている私に対して、なにやら恥ずかしそうに顔を背けてなかったことにしようとしている落ち着かせ行動も見逃せません。そうね。犬がイヌであることを忘れようとしても、その中に流れる血がイヌであることを思い出そうとしているのかもしれないね。

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犬とのテントクラス開催しました:犬と山の関わりに触れる大切な時間

山肌がすっかり茶色に染まってきました。
ようやく色づいた秋が終わり冬が始まろうとしているのだと感じ、身の引き締まる思いと少しだけワクワクしてしまいます。この枯葉色のカモフラージュが大好きです。いつまで見ていても見飽きることがありません。茶色なのにいろんな茶色が混じっていて、心が落ち着きます。

色味に興味のない犬たちも、風の冷たさと北からふく新しい風の臭いをとりながら、夏とはちがってやっぱり落ち着いていくような気がするのは気のせいでしょうか。


今年最後のテントクラスを週末に開催し無事に終了しました。

毎年どのくらい寒かったかとか記憶になくなってしまいますが、12月の3週目の寒さは厳しすぎますね。昼間の暖かさにごまかされてしまい、夜の冷え込みは、芯から冷えるとはこういうことかというほどでした。今回は預かりクラスの犬もいっしょにテントに宿泊するイレギュラークラスで、犬が多いほうが暖がとれるからと少し油断もしていました。

暑い季節のときは、犬たちが自分の体温を下げるために一気に熱を体から放出させるのでテントの中が蒸してしまい、夜遅くにならないとテントの中に入りたいとは思わないほどです。ところが、寒い季節になると犬は丸まって自分の体温を温存させようとしますので、犬のそばにいても暖かさを全く感じることができません。狭いテントなので人と犬はひっついた状態で寝ているのですが、暖かいというよりは、枕にしないで、という気持ちの方が高くなります。

朝になると木々の少ない場所では地面が白くなっています。霜ですね。
歩くとジャリ、ジャリと音がしています。朝になるとうさぎやアナグマの歩いたばかりの気配に鼻を奪われてオロオロとする犬もいました。

犬とテントに泊まる時間はとても好きです。
お酒や食べ物を持ち込んで騒ぐようなキャンプには関心はありません。

自然の空間の中で犬と人が過ごすときは、いつもとは違う時間になります。なかでは場所とりやらなにやらでワイワイいいますが、テントの中では食べ物もない、テリトリーもない、お互いに対等です。テントの出入り口を人が管理しているので境界線は人の方ですね。環境の受け取りに関しては、感覚の鈍い人の方が無力です。最近の犬たちはお家っこになっていますので、動物の気配などに少し緊張しすぎる犬もいるようですね。人との関係性がしっかりしていないと、犬としての機能をしっかりと使うチャンスもなくなってしまいます。犬は尾根をいく動物。山の中で最も見晴らしの良いところを歩き、その周辺を隠れながら別の動物たちが動いている。そして人という最強の友を見つけたのだから、しっかりしようよとエールをおくります。

来年のテント解禁は4月ころでしょうか。

改名したばかりの尾歩山(おぽさん)の冬景色がこれから楽しみです。

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動物愛護の意見交換会

昨日、佐賀県の動物愛護の意見交換会に出席させていただきました。
当初メンバーではなかったのですが、佐賀県庁の職員よりお声がけいただいた事がきっかけで参加させていただくことを決めました。

佐賀県の動物愛護をとりまく民間のボランティアと行政の関わりについて、佐賀県行政の考えやボランティアや動物愛護推進員への意見を求めるという形で行われました。
内容については、行政の役割、動物愛護推進員の役割が整理整頓されていてとてもわかりやすいセミナーで大変勉強になりました。

動物愛護推進員という言葉やその役割について、みなさんはご存じないかもしれません。
実はこれは法律の中に定められたもので、一般のみなさんにとってなじみがなくても、法律なので力のあるお約束事ですので、ここで紹介させていただきます。

「動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)における「動物愛護推進員」という項目の中に示されます。法律なのでそのまま記述します。

第三十八条 都道府県知事等は、地域における犬、猫等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛護推進員を委嘱することができる。
2 動物愛護推進員は、次に掲げる活動を行う。
一、犬、猫等の動物の愛護と適正な飼養の重要性について住民の理解を深めること。
二 住民に対し、その求めに応じて、犬、猫等の動物がみだりに繁殖することを防止するための生殖を不能にする手術その他の措置に関する必要な助言をすること。
三 犬、猫等の動物の所有者等に対し、その求めに応じて、これらの動物に適正な飼養を受ける機会を与えるために譲渡のあっせんその他の必要な支援をすること。
四 犬、猫等の動物の愛護と適正な飼養の推進のために国又は都道府県等が行う施策に必要な協力をすること。
五 災害時において、国または都道府県等が行う犬、猫等の動物の避難、保護等に関する施策に必要な協力をすること。

ここまでででその一部です。
法律の言葉ではとてもわかりにくいですね。
誤解を招かない程度で、少し分かりやすく説明します。

まず最初ですが、都道府県がそれぞれに動物愛護推進員をある方に委嘱することができますよ。ということです。委嘱、つまり愛護推進員としての仕事を無償でお任せする人と協関係を結ぶことが可能ですよ、ということで、必ず愛護推進員をおかなければいけないというものではありません。
しかし、県単位ではほとんどの行政がこの制度を取り入れていると思います。

一のところ、愛護と適正な飼養についての理解を求める、つまり動物の愛護と適正な飼養について啓発してくださいね、という意味ですね。ではなにか愛護で適正な飼養かというのは、この法律の中にやんわりと書かれています、その法律の範囲内で啓発してくださいね、ということであって「私はこうやって飼ったらうまくいったからそうするといいですよ。」というようなアドバイスをしてくださいということではありません。

二のところ、動物たちがどんどん子犬子猫を産んでしまいその動物を殺処分することがないように、不妊去勢手術について啓発しましょうということです。不妊手術以外にも繁殖を防止する方法があるのでこのような言い方になったのかもしれません。

三のところ、これは犬猫が適正に飼育できなくなったら、別の適正に飼育できる方を飼い主が捜すためのアドバイスや支援をしてあげてくださいね、ということです。

四では、国が定めた動物愛護と適正な飼養のために行う催事を含めるもろもろの事に対して協力してください、ですね。

五では、同じく災害時にも決まりごとがありますので、避難保護について国が定める事を啓発し、協力してくださいねということです。

で、結局何がいいたいのかというと、動物愛護推進員は、国が動物の愛護及び管理について決めたことを国民のみなさんにわかりやすく伝える啓発活動を行うための活動員です。

法律や県ごとに定められる条例というものは、大変わかりにくく伝わりにくいものです。
災害が起きたときには犬と猫を同伴して非難してくださいという同伴避難ですら、知っている方はわずかでしょう。それよりも前に「もちろん置いていけませんから連れていきます。」という気持ちはみなさん持っているとは思いますが、国からのメッセージというのは伝わりにくいという現状があります。
「市政だよりに掲載されていますよ。」というと、そこは見てませんといわれるのでなるほどなと思いました。私も市政だよりの気になるところだけを見るだけですし、福岡県や佐賀県からのメッセージとなると、自分から必要を感じないとえられないものです。

ドッグインストラクターであるわたしも、動物取扱業者として国の定めることを啓発する義務を負っています。動物取扱業を営むものは様々な形で、国が定めていることを飼い主さんに伝えるのがその仕事の責務になっているのです。
ですから動物愛護推進員になる必要はありません。
むしろ、動物愛護推進員とは、わたし達のような動物に関わる仕事をしていない一般の方々から選出し
啓発の幅を広げていくために必要な仕事ではないかと認識しています。

現在では、動物取扱業者が愛護推進員をかねるかたちが多くなってしまい、これでは裾野が広がっていかず、本来の推進員の目的が果たせないのではないかと思うのです。

でも、これからですね。
動物愛護推進員は名前だけはあるものの、その育成に関して各県によって力の入れ方が様々だと思うのです。こうした役割は行政との窓口や協力関係をつくるミーティングの場があることによってつくりあげられるものです。動物愛護推進員の仕事は啓発と決まっています。でしたらその啓発活動を県と協力してどのように行っていくのか、この部分がかけていたからこそ、つい専門家に声をかけてしまい推進員を任せる結果になったのではないでしょうか。
国の法律にのっとって、その啓発について自主的に考え積極的に行動できる方はたくさんいらっしゃるでしょう。この仕事は飼い主に指導やアドバイスを与えるものではありません。専門家である必要はなく、むしろ専門家でない方がこの役割について活躍されることを願っています。



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22日ラジオ出演します。

ラブFMの大田こぞうさんがパーソナリティをつとめる番組「月下虫音(げっかちゅうね)」に出演する日がきまりました。

12月22日木曜日です。番組は22時~23時30分なので、その中のどこかに出演します。


今回のテーマは、大田さんとも話し合って「犬の分離不安行動について」ということになりそうです。
いつもあちこちへと話しが飛んでしまうので、あくまで予定ということでお伝えしておきます。

分離不安という言葉は、もともと幼児の発達の過程で、主に母親に対して生じる心理的状態とその状態を表現する行動をさします。
愛着をもっている人が自己とは異なる存在であることを理解し始めると同時に、離れる事に対しての不安を示し対象に対して執着するという心理的状態やその心理からくる行動や身体的な変化を含むものです。

犬のしつけの社会で、分離不安という言葉がいつ頃から使われ始めたのか記憶にありませんが、30年くらい前にはこのような言葉は用いられていなかったように思えます。犬の行動問題は「しつけが悪い」という表現で収められていたように思い返します。
犬が飼い主に執着して起きる行動を「分離不安症」として扱うようになったのは、飼い主が犬を幼児同様に扱ってしまい、いわゆる飼い主と犬の分離が十分にできていないという風に考えると、いろいろな行動が理解できやすいとは思います。幼児の状態と犬の状態を比較して説明することは、犬の心理を伝えやすいというメリットが十分にあります。

ただ、ここには落とし穴も潜んでいます。幼児の分離不安については、犬の不安状態を比較するために用いた例であって、犬が幼児と同じ状態ではないことをもっとシンプルに理解する必要があるからです。飼い主が飼い始める子犬は生後約2ヶ月齢です。それよりも早い1ヶ月半くらいの犬も中にはいるかもしれません。子犬は単独でたって歩いたり排泄行動ができる状態であり、社会的コミュニケーションが発達する時期です。人の年齢の成長と比較すると幼稚園くらいだと考えられるといいでしょう。幼児が愛着のある対象である母親に分離不安状態に陥るのはもっと低い年齢のときです。幼稚園にいきたくないと泣いてしまう幼児もいるとは思いますが、他の社会的な対象、幼児からみると他人とのコミュニケーションがとれるようになっている状態で、幼児は幼稚園に預けられています。

子犬にも社会的コミュニケーションの発達や、子犬としてのテリトリーの構築が見られる時期なのですが、ここに異種である人が介入するその介入のし方が犬の不安行動を強くしてしまう要因になっています。単に「うちのわんちゃんは私のことが大好きなの」という説明では済まされないような行動が生じています。犬の飼い主と分離されるときに生じる不安行動は、犬の年齢限らずいつでも生じる可能性があり、そしてそれは生涯続く可能性もあるのです。愛玩動物として飼われることになった犬の場合には、可愛がられる事がその目的になります。その可愛がるという行為が実際には犬の不安を高めストレス状態に追いやっているとすればどうでしょうか。

飼い主に対する執着、分離に関して犬がかかえる問題とその行動は、飼い主が冷静に見極める必要のある重要な行動です。
そんな「分離不安」というテーマでお話できればと思っています。
次回は打ち合わせ時間が短いためぶっつけトークになりそうです。
反省することは多いですが、それはそれで本音ということで、ぜひ楽しんで聴いてください。

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犬の臭いが気になりますか?犬の体臭について

七山校で犬のお預かりクラスをしているときに気づく事。
お預かり日数が3日目くらいになると、犬の体臭がかなりなくなっていることです。

環境の変化に敏感な犬の場合には、1日で毛質がずい分と変わってしまいます。すごく柔らかくなるのです。臭いも減ってきます。臭いに関しては、当初は「自分の鼻が臭いになれたのかな。」と思っていましたが、何どもお預かりをくり返していくうちに、やはり犬の体臭が変化しているのだという確信にいたりました。毛質の柔らかさといった変化については、飾り毛の犬はわかりにくいのですが、それでもあきらかに毛が柔らかくなっています。

犬の体臭は一番が犬の状態の臭いです。犬は自分の状態を臭いとして表現することで、自分が今どのような状態かを周囲に知らせることができます。ストレスのレベルが上がってくると、体内ではその状態を臭いとして周囲に知らせることになります。ストレスがあまりない環境だと、臭いを出す必要がなくなります。そのため体臭はかなり減ってきます。シャンプーやアロマで臭いつけをする必要はありません。

都市環境で犬の体臭が強く感じられるのは、空気の汚れや排気ガスが犬の毛についてしまうということもありますが、同時にその汚れた環境に犬がストレス値を上昇させていく結果なのです。

動物は体臭が臭いと思われているでしょうか。
動物にとって体が臭いということは大変危険なことです。動物はいつも身を隠す必要があります。気配を隠しても臭いがプンプンと漂っていれば、そこにいることがばれてしまいますね。
野生動物が臭いと思われているのは、人に捕獲されたときに危険信号のストレス臭を一気にはなつためです。動物園が臭いのは、まさにそこにいる動物達がストレスをかかえて飼育されているからです。最近は動物園には行っていませんが、動物園は今でも臭いのでしょうか。

どんな動物も狭い場所でつなぎっぱなしにすればストレスはかかります。また狭い場所で隠れられないような柵の中に入れられてしまえば、それも大変なストレスです。犬も同じです。屋外飼育であれ、室内飼育であれ、犬はストレスを感じると臭いは強くなります。臭いは犬のメッセージです。だからそれをシャンプーやアロマスプレーで消さないで欲しいのです。

子犬の飼い主さんから「まだシャンプーに連れていっていないんですけど…。もう連れていってもいいんですか?」といわれました。
「臭いが気になりますか?」と尋ねると、
「いや、そういうわけではないのですが、連れて行かなくてもいいんですか?」というお答え。

犬をシャンプーしなければいけないという思い込みでしょうか。
少なくとも自然や毛や多少の飾り毛の犬で毛が抜ける普通の犬は、体臭が気にならない限りシャンプーの必要はありません。都市環境でほこりや排気ガスで毛が汚れてしまうため、体を毎日拭いてあげるくらいの配慮をしてあげるといいでしょう。

皮膚は保湿が一番大切です。人だったら強い石けんで洗って、そのあとクリームを塗って保湿ということなので、犬にも同じことをしようと考えてしまうのかもしれません。

動物には動物のもっている体の機能というものがあり、できるだけその機能が発達できるように支援するのは動物を飼育している人、犬と暮らしている人つまり飼い主の役割です。シャンプーしすぎると犬の皮膚の機能性は落ちてしまいます。健康で楽しく愉快な犬は、体臭はほとんどありません。シャンプーをしなくても、犬の背中に顔をくっつけて(もちろん犬に了解をとってください)思いっきり臭いをかいで臭くないと感じるのでしたら、どうぞ安心してください。

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オポの会2016年

オポの一周忌をひかえた「オポの会」を開催しました。

午前中はいつもとおり落ち着いたメンバーでお山散策を行いました。
今日、わんこ山の名前を改名します、といっていたのに、
それをみなさんにお伝えするのを忘れてしまいました。

グッドボーイハートの裏山は今日から新しい名前にします。
山の名前は「尾歩山」 よび名は「おぽさん」です。
きっとオポも了解してくれる名前だと思っています。

この尾歩山で、これからもいろんな犬たちが犬として息吹を吹き返して、
生き生きと生きていく姿をみたいなと思っています。
今日も山は変わらずにどっしりとして、不安定なわたし達の気持ちや足並みなど
全く取り合うこともなく、ただ季節の移り変わりだけを告げてくれました。

山から下りてすぐに石窯に火をいれる準備をしました。
パンの準備は朝からばっちりでしたので、窯にも気合がはいります。
でも、なんだか今日はとてもうまく火を起こすことができて、いつもより早く
窯にパンやピザを入れることもできました。

あとはみなさんとワイワイとお話をしながら、ピザやパンや野菜スープや、ユズドレッシングをかけた新鮮なサラダ、そして手作りの焼きドーナツなどをいただきながら、犬のはなし、子供のはなし、オポのはなしといろいろとおはなしがつきませんでした。

いろんなうれしいことがあったのですが、やはり前スタッフのふたりともに子供ができたことが何よりもうれしいお知らせでした。
ひとりは生後一ヶ月、ひとりは3月に生まれる予定。
どちらも身ごもってすぐにオポが夢でお知らせするという素敵なオマケもついていたらしいです。

人生ではいくつものことを同時に欲しがると全て失ってしまうような気がします。
仕事で生きるのか、結婚して子供をきちんと育てるのか、主婦でがんばるのか。
選択の道はそれぞれですが、自分が本当に大切にしていることを選択できる力は、自分で見につけるものではないかと思うのです。
なので、それぞれが必要な学びを得られているということがうれしいことだなと感じました。

お花で気持ちを送ってくださったかたもいて、普段は静かなグッドボーイハートの部屋が花のかおりとみなさんの笑い声で一気に陽気になりました。

オポが亡くなって一年。犬としては大変な仕事をしてもらったという気持ちがとても強かったのですが、これだけ多くの方の心に足跡を残したオポ。必要があって受けた仕事なのかもしれないと少しだけ飼い主としての気持ちも軽くなりました。

すごしている時間が充実しているときは、写真を撮る余裕もないですね。
今日は写真を1枚も撮りませんでした。それでも素敵な時間でした。

ありがとうございました。

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Posted in 日々のこと, オポのこと

日々の雑談

お預かりクラスについてブログで紹介させていただいたばかりでしたが、
急遽、お預かりの必要なご連絡が入りました。
今回はタイミングよくお迎えにも間に合い、無事に七山校にいっしょに帰ることができました。
緊急時にお役に立ててよかったです。

お預かりクラスをご利用される方は、本預かりの前に一度テストでご利用ください。
緊急時となると、新しい環境に預けることに飼い主さんも不安を抱えられると思います。
ドッグホテルというよりも「先生の家におまり」な感じなのです。
先生の家ですから、「ちゃんとできてるかしら…」というご心配もあるかもしれません。
いっしょに散歩したり、遊んだりと日常生活でとっているコミュニケーションを飼い主さんの代わりに私がとります。そして、部屋も事務所兼個室でいっしょです。もちろん休息時は犬はハウスですね。

今日対応させていただいた生徒犬は、テストお預かりを含めて預かりクラス利用経験があり、
緊急でしたが荷物の手配もきちんとできていて、安心して迎えに行く事ができました。

緊急対応もできるだけさせていただくのですが、うまく駆けつけられないことがあるかもしれません。
対応できないときは本当にすみませんが、うまく都合のつくこともあるのでまずは連絡ください。


ところで、午後に七山校に到着すると、また来てたなということがありました。
もう来ないだろうと置いていった明るいグリーンの1足のうちの1個がなくなってました。
通用口に置いたままにしておきました。
しばらく来てなかったので油断してしまいました。

同伴して帰宅した生徒犬に、玄関周りや倉庫周辺の臭いもとってもらいましたが、
特別な気配は感じなかったようです。
それよりも、自分のハウスをどこに置かれるかが気になったようですね。

明日は朝早くからパン作りなので、今日はどちらにしても早く寝入る必要があります。
しばらくパンを作っていなかったので緊張しますね。

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Posted in 日々のこと, クラスのこと

北風に強い元気な犬たち

福岡でも少しだけ冷たい風を感じるようになってきました。

山の冬をもう9回くらい越してきたので、博多の北風がそよ風くらいにしか感じられなくなっているようです。

北風が吹くときに犬の様子を見ながらいつも関心をすることがあります。

風が真っ向から吹いてくると、犬は胸を開き顔をまっすぐに上げて風に立ち向かうように進みます。

人は肩をすくめたり、腕を組んだり、頭を下げたりしながら歩く姿を多くみかけます。
そういうわたしも、つい顔を下げて肩をすくめがちになってしまいます。

犬がなぜこのように強い姿勢を取るのかとても不思議でした。
個体差が多く生じる行動なら、多くの犬が北風に立ち向かうようにして歩いたりはしないでしょう。
教えられてもいないことを、多くの犬が同じようにするには、動物として意味のある行動だと感じました。

自然の中で暮らしてみて知ったことは、動物は自然の力に負けてしまっては終わりだということではないだろうかということです。自然の強い力に対して、立ち向かうか潔く隠れるか、その選択は大変早いもののように思えるのです。

強い日差しからは穴をほったり日陰を捜して隠れ、北風に対しては立ち向かって歩き続ける。
しかし、雪の吹雪の日となると移動することはせずに、やはり静に隠れている。
自然に対する態度はわりとはっきりとしたものであるのではないでしょうか。

だから、犬が北風をまっこうから受けても胸を向けて歩いている姿を見ると、自分もそうありたいと背筋を伸ばしてしまうものです。都心のビル風も肌あたりは強いですが、いくつもの山を越えてきた山の中の北風は本当に力強くその冷たさは肌身に沁みます。

今年はどこまでがんばれるか、今のところ北風には負けそうにありません。
吹雪が来るまであと1ヶ月。胸を張って歩いている犬の姿をしばらくはたくさん見たいものです。

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